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 いわずと知れたオウム事件の松本被告の裁判のことですが、弁護団は松本被告が心神喪失状態でコミュニケーションが取れないから控訴趣意書が書けないと言っているようです。

 控訴趣意書というのは、控訴した側(今回は被告人側)から、控訴の理由(つまりこういう理由で無罪だなど)を書いて裁判所に提出する書面ですが、弁護団の主張んは釈然としないところがあります。

 別に松本被告とコミュニケーションが取れなくても控訴趣意書を書くことは十分可能だと思うからです。
 松本被告はもともと共謀を否認していたはずだし、一審(東京地裁)の公判でもまともな供述はしていなかったのだから、地裁の有罪判決ではそもそも松本被告の供述など有罪の根拠にはなっていないはずです。

 つまり、弁護団が松本被告の無罪を主張するためには、松本被告の供述など重要ではないのであり、松本被告の供述以外の証拠の信用性こそが問題になるはずなのになぁ、と証拠の詳細を知らない第三者である私は想像するわけです。

 本来、証拠関係の詳細を知らずに裁判について論評するのは法律家としてあるまじき行為ですが(^^;、今回の弁護団の対応には裁判の引き伸ばしの匂いが感じられてしまいます。

 ところで、弁護団が裁判所の定めた期限内に控訴趣意書を提出しないとどうなるかといいますと、刑事訴訟法第386条によって控訴が棄却されてしまうんですが、このような重大事件で棄却するだけの度胸が高裁にあるかどうかも興味があるところです。

 一審判決が有罪認定の根拠にした証拠が強力だと高裁が判断していれば、有無を言わさず棄却という可能性も十分あり(というか証拠の信用性如何にかかわらず控訴主意者を提出しない以上棄却が原則)、弁護団としてもまったく何も提出しないというわけにはいかないのではないでしょうか。

 書ける範囲で控訴趣意書を作成して提出し、併せて心神喪失を理由とする公判手続の停止と控訴趣意書の追完の許可を求めると言うのが筋だと思います。

 裁判は、長期化することそれ自体によって意義が減殺されます。
 訴訟関係人(裁判所、検察官そして弁護人)は、拙速になるのは論外ではありますが、迅速な裁判に協力する責任があると思います。

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それにしても刑事裁判の引き延ばし,ダメですよねぇ・・・(事件の詳細知らずに勝手なこと言ってますが^^;)

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  • MK(08/18)