エントリ

 弘前支部ではとても楽しく仕事をさせていただきましたが(ひやひやものの処理もありましたが^^;)、困ったことがひとつありました。
 津軽弁です。

 わかんないんです(^^;
 訛りなんてものじゃなくて単語が違うんです。
 70歳以上の方の話は、95%以上わかりませんでした。
 まるで外国語です。
 で、立会事務官(秘書官みたいな立場の事務官です)に通訳してもらってようやく事情聴取ができました。
 地元出身の職員の人たちは普段は気を遣ってくれて、標準語で(それでも訛りはありますが)で話してくれるのですが、お酒が入るともうダメ。
 気遣い抜きで話しかけられると外国旅行者状態になってしまって、顔色を見ながら頷いたり愛想笑いをしたりしてごまかすのが精一杯(^^;;;

 これは私の話ではなくて、私の何年か前に弘前支部に赴任した関西出身の検事の話ですが、関西人というのは関西弁が日本の標準語だと思っているところがありますので、弘前に行っても関西弁で被疑者を取り調べたそうです。
 すると被疑者は何も答えない。
 何を聞いても答えない。
 その検事は、こいつ黙秘権を行使するのか、と思ったそうですが、立会事務官が聞いてみると、その被疑者はその関西出身の検事の関西弁の意味が全く分からなかったそうです。
 何を聞かれているのか分からなかったので、答えようがなく黙っていただけだったそうです(^^)

 私の話に戻しますが、調書を取るときも苦労しました。時間が倍近くかかるんです。
 先輩から、「事件の調書は最高裁の裁判官が読むかもしれないんだから、最高裁の裁判官が読んでもわかるようにしておかなければいけない。だから方言は標準語に翻訳しておかなければならない。」と言われていたものですから、次のような調書を書いてました。

 ある事件の被害者調書です。

   私は、そのとき「まいね、まいね」と叫びました。
   つまり、「やめて、やめて」と叫んだのです。

 こんな感じです。どんな事件か想像できますよね。
 (「まいね」はとても多義的な否定的表現ですので、他の訳し方もあると思いますが)

 2年もいるとかなり慣れましたけど、最初は苦労しました。

 日本もけっこう広いな、ということを実感いたしました(^^)

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