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無罪男性に慰謝料認めず 松山地裁、誤認逮捕巡り(asahi.com 2006年01月18日13時58分)

 窃盗容疑で逮捕・起訴された被告人が、真犯人の判明により無罪判決を受けた後、国家賠償請求訴訟を起こしたが全面敗訴したというニュースです。

 このような場合においては、国家賠償法の他に、刑事補償法という法律があり、ある程度の補償はあるのですが、この法律は、警察官や検察官の故意・過失を要件としないかわりに、冤罪による死刑執行の場合の補償額でも原則3000万円以内とされており、必ずしも十分な補償が得られないので、国家賠償訴訟を起こしたものと思います。
 警察や検察の過失を明らかにしたいという思いもあったのではないでしょうか。

 ただし、国家賠償法に基づく請求においては、公務員(つまり警察官や検察官)に故意または過失があることが要件になります。

 この点について裁判所は、

「自白を強要した事実は認められず、男性に対する疑いがあると判断する合理的な理由があった。真犯人判明後の釈放も理由なく遅れたとはいえない」などとして、請求をすべて退ける原告全面敗訴の判決を言い渡した。

というわけです。

 この裁判で警察側は

「情理を尽くして説得した結果自白したもので、強要や誘導はなかった。裏付け捜査も自白に基づいて適正に実施した」と反論。

検察側は

男性の勤め先の事務員は警察官の問い合わせに対し、犯行日ごろに返済を受けたと話しており、検察官が補充捜査を指示すべきだったとはいえない。真犯人の自白後に信用性を見極めるための捜査をしていた。

などと反論しており、裁判所は警察、検察の反論を全面的に認めたようです。

 しかし、

  明らかな虚偽自白を得て起訴した

という事実を裁判所はどう考えたのでしょう。

 「情理を尽くして説得した結果自白したもの」という警察側の反論が噴飯物であることは誰が見たって明らかです。

 原告はたぶん控訴すると思いますが、高裁としては警察や検察にけじめをつけさせるべきだと思います。

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コメント(4)

 お久しぶりです。密室で行われる行為を原告が立証するのは難しいですね。
 
 裁判員裁判における密室での評議で不正・不法行為を受けた場合、どのように告発するのでしょうか?もし被告側証人として裁判官や裁判員が出廷したところで「守秘義務により証言を拒否します」といわれたら立証できないような気がします。

裁判の評議の違法性を理由として国家賠償請求をするというのは極めて困難だと思います。
裁判官や裁判員が買収されて判断を曲げたというようなレアケースでないと、またそれが立証できないと無理でしょう。
ただ判断を誤ったというだけでは、基本的には上訴の問題になるだけだと思います。

はじめまして。
大変参考になりましたので、リンクをはらせていただきました。

ところで、最高裁まで争っても原告が敗訴した場合、刑事補償請求は可能なのでしょうか?

また24日に判決が出る予定の、愛知県豊川市で起こった幼児殺人事件も気になります。

証拠もなく、被疑者の自白しかないのに、よく検察官が起訴したものだと思います。

大学時代に聞いた「弱気の検察官」「強気の裁判官」の標語はどこへ?

刑事補償と国家賠償は別ものです。

実質的に自白しかない事件(自白が崩れたら無罪になる事件)は現実問題としてありますので、主要な証拠が自白しかないからといってそれだけで検察官を批判することはできませんが、問題はその自白の質です。
これ以上は、判決が出てからコメントしたいと思います。

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