レントゲン車を「車庫飛ばし」の疑い 病院理事長ら逮捕(asahi.com 2006年02月14日15時50分)
大阪市西淀川区の総合病院「大阪労働衛生センター第一病院」の理事長らが、排出ガス規制で同市では自動車登録できない病院のレントゲン車の「使用の本拠」を偽って市外に登録していたとして、府警は14日、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで理事長(70)ら4人を逮捕した。
ということです。
新しいレントゲン車を買うには1000万円以上かかるのでやっちゃったみたいです。
こんなことくらいといってはいけませんが、逮捕するような事案なのかな、というのが正直な感想です。
病院が儲かっているのにケチったというのであれば、健康を守る立場にある病院が健康被害を防止するための法律に違反したということで相当悪質かな、と思うのですが、ほんとに資金繰りが苦しかったのであれば、ものがレントゲン車というこれも健康維持のためのものであることを考えますと、せいぜい罰金事案ではないかと思います。
在宅捜査で被疑者が犯行を素直に認めれば、逮捕する必要はなかった事案だと思います。
他にも例があるのかなと思ってググッてみましたところ、ありました。
車庫飛ばし:ディーゼル車排ガス規制逃れ 土建業者3人を逮捕(毎日新聞 2006年1月30日 東京夕刊)
これは警視庁が検挙した事案で
調べでは、(土木建築会社社長ら)3人は昨年3〜8月、それぞれが所有するトラック計15台について、檜原村の営業所で保有しているかのように装った虚偽の車検登録を東京陸運支局八王子自動車検査登録事務所に行い、いわゆる「車庫飛ばし」をした疑い。
3人は「排ガス除去装置を整備する資金がなかった」などと容疑を認めている。
というものです。
動機は似たようなものですが、警視庁の事案のほうは、規模が大きくてより悪質な感じはします。
警視庁と大阪府警は張り合うところがありますので、大阪府警としては、警視庁が逮捕したんだからこっちも逮捕しよう、考えたのかな、という憶測をしてしまうのですが
そのような警察の面子みたいなもので逮捕されたとしたら、被疑者としてはたまったものではありません。
証拠が明白で被疑者が自白しており、およそ実刑など考えられない事案については、逮捕しないという基本的な姿勢が必要だと思います。
しかし、警察に処分の見通しの判断を期待することはできませんので、検察官において勾留の要否を慎重に検討することが求められると考えます。
どうも検察官には、警察が逮捕して勾留を求めてきたら、主体的な判断をあんまりしないで勾留請求をする傾向が感じられます。
実は、この問題の根本原因は、検察官の数が少ないことにあると考えています。
検察官は数が少ないので、いつも事件の捜査・処理に追われています。
ですから、身柄事件(逮捕された事件)の送致を受けた場合、とりあえず勾留して時間稼ぎをしようと思ってしまうのです。
もし、検察官の数が十分であったならば、身柄事件の送致を受けた検察官が、「この事件は勾留するまでもない」と思った場合、送致を受けてから直ちに被疑者の取調べを行ってポイントを押さえた調書を作成し、釈放することも可能になります。
司法試験合格者の数を増やすことが決定しているわけですから、検事や裁判官の増員をもっと真剣に考えるべきです。
検察官は忙しいからっていう理由で、勾留請求されてしまうのも被疑者としてはたまったものではありません。
そうですね。
たまったものではありません。
この問題についてはあらためて考えてみたいと思います。