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経産省部長ブログ「炎上」 PSE法巡り書き込み殺到(asahi.com 2006年03月08日15時13分)

 ネットではやや旧聞だと思いますが、asahi.comが取り上げました。

 炎上の経緯はすでに皆さんご存じだと思いますが

谷さんはブログで、悪質な内職商法の問題など消費者関連の政策を紹介、経産省のホームページ(HP)への誘導を狙った。

 ところが

「公務中の更新を巡り、国民の非難を浴びた」として今月3日、国家公務員法の職務専念義務違反で注意を受けた。

 大臣官房の誰が注意したのか知りませんが、まったく事なかれ主義の大馬鹿野郎め、という感想であります。

谷さんは「官庁のHPは、見たい情報にたどり着くのが大変だし、広報予算も限られている。官僚言葉でなく、個人として語りかけたかった。職務中の更新は注意が足りなかった」と話した。

 「注意が足りなかった」というのは客観的に言いますと「根回し不足だった」ということだと思いますが、

 政策について国民の理解を得る

というのは、担当省庁職員全員の職務であると思います。
 谷さんは、自分の創意工夫によってそれを果たそうとしたものと考えます。

 そもそも、中央省庁の役人の皆さんは勤務時間などあってなきが如し、
で、5時になったらお仕事終わり、という職場ではありません。
 つまり、「勤務時間内」かどうかなど無意味ということです。

 それに「国民」ていうのは誰のことなんでしょう?
 「非難」というのであれば、PSE法自体が「その国民」から非難されています。
 谷さんは、その非難を和らげ、理解を得ようとして矢面に立ったわけです。
 今回の注意というのは、そんな谷さんに対して後ろから(谷さんが守ろうとした)味方が切りつけたみたいなものです。
 
 今回の「注意」というのが、対外的なパフォーマンスであり、内部では労いの言葉がかけられていたことを願います。
 政策の当否はともかく、国民の目線というものを意識し、行動できる官僚というのはとても貴重です。


関連ブログエントリ
 谷みどりさんのBlog炎上(Matimulog)
 コメント欄での議論が興味深いです。

追記
 コメントに学徒さんの賛成意見とzenkaman さんの批判意見をいただきました。
 zenkamanさんの意見は正論と言えば正論なんだろうと思います。
 そして、記事をよく読んでみますと、谷さんは「注意」されただけであり、懲戒処分を受けたわけではなさそうですので、「注意」くらいならやむを得ないかな、という気になっています。

 しかしながら、やはりあからさまに「職務専念義務違反」と言われると谷さんは可哀想だなと思います。
 
 経産省の公式ホームページで書けばよかったのに、という意見もありましたが、役所というのはなかなか融通が利きません。
 公務員組織というのは、責任回避的なところが多々あります。
 谷さんが、あえて個人名で手っ取り早く書こうとすれば、個人ブログしかなかったのかもしれません。
 その意味では、少なくとも市民感覚としては、谷さんの熱意と勇気は評価されるべきであると思います。

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コメント(6)

完全にモトケン先生の議論に同意いたします。

例えば、私生活での交遊録などを綴って
いたなら職務専念義務違反を構成するのも
わかりますが、自らの職務関連事項を
ネットで発信するのは(他の職務遂行に
差し障りが出ない限り)許されるものなのでは
ないでしょうか。

私はモトケンさんの意見には同意しかねます。
「これも業務の範囲内」「あれも業務の範囲内」と言い出したら、キリがないのではないでしょうか。ブログはあくまで谷さんが個人として
やられているものであって、国が谷さんに業務としてさせているものではないはずです。形式的にすぎるかもしれませんが、そこは明確な差別化が必要でしょう。国民が業務時間外に更新したところをしっかり自分の目で確認していたわけですから、何もしないというわけには
いかなかったのではないでしょうか。

せめて、時間差UPなど小細工を用いるべき
だったと思います。

どうどうとやるべきじゃなかった。

私はこの場合形式的に職務専念義務違反を言うのはちょっとかわいそうだと思います。
件のブログは、個人のものという形式ではありますが、実質的には職務に役立っているもので、そして、そういう物であることが客観的にも明らかと言えるからです。
職務専念義務違反を言う側も「遊んでいて仕事をちゃんとしていない」という本来の職務専念義務違反を責める意味ではなく、難癖を付けているだけの人が多いというのも実質的な理由の1つです。

時間差UPなど小細工を用いるべきだったとのzenkaman さんの考えも、モメゴトの回避の手段として1つありかとは思います。
しかし、もめそうなブログは、こまめなチェックで、火が小さいうちに対応する必要があります。時間が空くほど、手の施しようがないほど燃え出す可能性が高くなります。
この場合は、お役所の方が何らかのオトナの配慮をすべきなんじゃないかと思います。

いつぞやの裁判員制度のエントリにコメント&トラックバックをいただいた、marinesです。

拝見して、「我が意を得たり」という思いです。
ネット上で谷さんに批判的な意見や「ざまあみろ」的な意見が目についたので、気になっておりました。

たしかに職務中のBLOG更新は、議論の余地があるところかもしれません。しかしそんな細かい問題をことさらに取り上げてバッシングし、もっと大事な問題に目を向けないのは、人間が小さいとまでは言いませんが、違うのではないかな、と思います。

今回のことで、官僚がより奥に引っ込んでしまうようになると、役人から情報を得たり役人と交渉したりするのが仕事の自分としては、ちょっと困るな、と思います。(苦笑)

白片吟K氏 さん、marines さん
 賛同のコメントありがとうございます。
 公務員というのは何かと制約の多い立場ですが、「事なかれ主義は有害である」という意識が一般化してほしいと思います。

確かに職務専念義務違反は行きすぎかもしれません。私もそこのところは良く見ていませんでした。HPやブログで謝罪すればいい程度のことですね。法律持ち出すような大げさなことじゃないし、職務に十分関係のあることでした。
PSE法の理解を広めるのは役所の仕事で、このブログは間違いなく、その業務の一貫であると思いました。

考えを変えると信用されなくなるかもしれませんが、やっぱり谷さんは何も悪いことはしてないと思います。

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