エントリ

弁護人不出頭で弁論開けず=「極めて遺憾」異例の見解−光市母子殺害・最高裁(ヤフーニュース (時事通信) - 3月14日16時0分更新)

山口県光市の民家で1999年、母子を殺害したとして、殺人などの罪に問われ、一、二審で無期懲役判決を受けた当時18歳の少年で元会社員の被告(24)に対し、検察側が上告していた事件で、被告の弁護人が14日、最高裁の法廷に出頭せず、弁論は開かれなかった。  事件を審理する第3小法廷(浜田邦夫裁判長)は「正当な理由に基づかない不出頭で極めて遺憾」とする見解を表明し、弁論期日を改めて4月18日に指定した。

 最高裁による死刑判決が濃厚に予想されることから、明らかに審理の引き延ばしを図った(と見られても当然)ものと思われます(これは明らかに訴訟遅延行為ですね。末尾の決定的追記参照)。

 最近、同事件の弁護人に、松本智津夫被告の一審の主任弁護人を務めた安田好弘弁護士ら2人が就任したようです(ニュース)。
 松本公判と同様の訴訟戦術と見られるものであり、予想された事態であると思われます。

 次回期日も出頭する保証はありません。

 弁護人としては、選任されたばかりなので準備ができない、という言い分があるかもしれませんが、そのような言い分がいつでも通るとなりますと、被告人が弁護人の解任と選任を繰り返した場合には、いつまでたっても法廷が開けないという事態に陥ります。

 そのような事態は、国民感情から見ても到底容認できないところだと思われ、最高裁の忍耐がどこまでもつか分かりませんが、弁護人が不出頭を続ければ弁護人抜きで弁論をやってしまう可能性があります。
 最高裁が必要的弁護事件で弁護人抜きで審理した事件の上告を棄却した例もあります。 

 安田弁護士としては自らの信念に基づいて引き延ばしをしておられるのでしょうが、もし、ここでまた弁護人抜き裁判の実例が作られると、弁護人抜き裁判法案が大きな顔をして提出され、可決されてしまう恐れが生じてきます。
 すでに公判前整理手続期日においては、弁護人が出頭しないときは、裁判長の職権で別の弁護人を選任しなければならないという規定があるのです(刑訴法第316条の8)。

 弁護人抜き裁判法案のハードルはかなり低くなっています。

 その観点でいいますと、安田弁護士が次回期日も欠席するとしますと刑事弁護全体に対して危機的状況を生みだすものとして、強く批判されるべきであると考えます。

追記
 こちらの記事のほうがより詳しく報じています。
山口の母子殺害、弁護士欠席で口頭弁論開けず…最高裁(2006年3月14日21時4分 読売新聞)

死刑廃止運動を進める安田好弘、足立修一両弁護士が、今月6日に辞任した弁護士に代わって就任。「日本弁護士連合会が開催する裁判員制度の模擬裁判のリハーサルで、丸一日拘束される」との理由で、この日の法廷を欠席した。 (中略) 安田弁護士らは今月7日付で、弁論を3か月延期するよう求める申請書も最高裁に提出しているが、翌日却下されていた。安田弁護士はこの日、「被告の言い分に最近変化があり、接見や記録の検討を重ねる時間が必要。裁判を長引かせる意図はない」とする声明を出した。

 いずれの予定も弁護人就任の時点で分かっていたことのはずです。
 模擬裁判のリハーサルが死刑が予想される事件の最高裁の弁論以上に重要な予定であったのかどうかは見解が分かれるのかもしれませんが、少なくとも最高裁にとっては説得的な理由ではないでしょう。

さらに追記

安田弁護士らは今月7日付で、弁論を3か月延期するよう求める申請書も最高裁に提出しているが、翌日却下されていた。

 電光石火で却下されているようです。
 やや穏当を欠く憶測になりますが、もし安田弁護士以外の弁護士だったら、最高裁は弁論の延期を認めたかもしれません。
 法曹界は村社会ですから、人を見るというところはあるように思います。

もうひとつ追記

「被告の言い分に最近変化があり、接見や記録の検討を重ねる時間が必要。」

 これも憶測ですが、
 一審、二審では被告人は、「少年時の犯行だから死刑にはならないだろう」とたかをくくっていた。
 実際、判決はそうだった。
 ところが検察は上告し、最高裁は弁論を開くことを決定。
 弁護士から、「最高裁が弁論を開くということは二審判決を変更するつもりである場合が多い。二審判決の変更とは死刑を意味する。」と聞かされて大あわて。

 そうなると、被告人の言い分に変化が表れるのも当然ですね。

 猫かぶりの反省をするつもりなのか、本当にびびって反省しているのかわかりませんが、仮に後者だとしても、自分の命が他者によって奪われるという現実に直面しないと、他人の命を奪ったことの重大性に気付かない人間がいるように思います。
 私が死刑に矯正的意義を認めるのは、そういう意味からです。

決定的追記(H18/3/15)
 今朝の読売新聞を読んでみますと、本件を審理している最高裁第3小法廷の浜田邦夫裁判長が5月下旬で定年退官するんですね。
 弁護側の意図が120%明瞭になりました。
 浜田裁判長の定年退官前に結審していなければ、浜田裁判長の後任者を含めてあらたに合議をして死刑か否かを決めることになりますから、死刑に消極的な裁判官が浜田裁判長の後任者になることを期待して、死刑判決を考えている現在の合議体による判決を回避しようとしているわけです。
 つまり訴訟遅延行為であることは明白です。

反対意見追記
 安田弁護士を擁護する意見です。
 弁護士安田好弘を擁護する(宮崎学)
 上記への批判的意見です。
 弁護士欠席事件・その3(酔うぞの遠めがね)

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コメント(39)

アメリカや中国などの死刑制度が存置されている国なら、死刑は免れない事件です。
未成年であり、生育環境に問題があったとしても、これほどまでに残虐な事件にあって、
無期懲役では国民感情が納得しません。
牛歩戦術でしょうが、最後は死刑を免れないでしょう。

 私は今回の欠席姿勢だけを取っても、市民にとっての裁判員制度への不信感を強めさせる態度だと考えております。というのは、弁護側と裁判所が訴訟のあり方をめぐって対立すれば、一番困るのは市民である裁判員だからです。というのも、裁判員には裁判のあり方をめぐって口出しをする権限が一切ないからです。
 まして、その欠席理由が「裁判員制度関連の研修公務」とは・・・本末転倒の態度にしか考えられません。

私も、そもそも受任しなければ良かったと思います。弁護人は、2人もいて、何をしてるんでしょうか。

「納期を守る」ということも弁護人の使命だと思います。
弁護人は、定められた納期内で、被告人の利益のために、最大限の努力をすればよいのだと思います。
弁護人の権利に対する規制強化を招く(=被告人にとってもマイナス)ようなことを平気で続けてほしくないです。

被害者のご主人のコメントをテレビで見ましたが、物静かな口調から、怒りと悲しみが伝わってきました。

初めまして。
とても分かりやすく今回の裁判の経緯と弁護士の思惑が書いてあって、勉強になりました。何故か私のブログに来られる法曹界に詳しいと名乗る方は、人権派の方が多くてアレだったんですけど、冷静なご意見が読めて嬉しいです。

TBありがとうございます。

安田弁護士様は弁護士仲間の中でも英雄でしょうか?
彼の周りには、かなり狂信的な信者(死刑廃止の為なら、どんな非人道的な事も出来る)が多くおられるみたいですね。
彼も金儲けのために、しっかり名前を売らなくてはならないから、どんな破廉恥で厚顔な事でも出来るのでしょう。

ああ、一人で良いから、被害者側の弁護士が出て欲しいなぁ〜。

まことに失礼かもしれませんが、モトケンさんの記事をトレースする記事を作ってしまいました。

http://youzo.cocolog-nifty.com/data/2006/03/post_5152.html

酔うぞ拝

TB,ありがとうございます。

法曹界が村社会である事は、聞き知っておりましたが、本当に秘密裏の世界なのですね。
安田弁護士の自論を、この公判で拝聴する気にはなりません。

今後の成り行きは、私には判りませんが、被害者の方々のお気持ちを思うと、簡単には判決を下してほしくないと思います。
どうして、被害者の立場にたった裁判がなされないのか、腹立たしい思いです。

死刑廃止論にも、賛否がありますよね。
終身刑がない日本では、無期は必ず出所できるのですから、中間の刑罰があってもいいようにも思います。
犯罪者の再犯率を考えると、メンタルな部分でのケア−が軽視されているのではないでしょうか。
とにかく、難しい問題ですよね、死刑問題は。

そうでしょうか?

3月6日に弁護人に就任して、3月14日の公判までに何が出来るのでしょうか。彼らを非難している人の中には、最高裁の公判は1回しか開かれないということを、知らない人もいるのではないかと思います。

むしろ、3月6日に辞任した弁護士こそ非難されるべきではないかと思います。

(同じ穴のムジナと言われるのでしょうが。)

安田弁護士の今回の件を批判することは誰でもできます。ただ、なぜ彼が今回このような行動に出たのかを考えて欲しいです。単に売名行為や金儲けで行ったわけではなく、国民全員を敵に回すことを覚悟で、強烈な信念に基づいて行ったことだと思います。せめて、最近出版された安田弁護士の著書を読んでから批判して欲しいものです。

トラックバックを頂きまして有難うございました。頭にきており、かなり感情的な文章のブログ記事を書いてしまい、自己嫌悪しておりましたが、こちらのブログを覗かせていただき、皆さんも自分と同じ「やりきれない」思いを抱えているんだな、ということを冷静に感じ取ることができました。今後もご高見頂けますと幸いです。

 私には、期日の延期を即座に却下した最高裁の姿勢に、大きな問題があるように思われました。
 無記名氏の仰るとおり、3月6日に受任した弁護人が、果たして3月14日の弁論に間に合うよう準備できるものでしょうか。少年重大事件における今後の量刑を左右すると言われている事件の上告審ともなれば、なおさらその準備は大変なものになるでしょう。安田・足立両弁護人に限らず、誰が弁護人に選任されたとしても、期日の延期を裁判所に求めるのではないでしょうか。
 再度の延期を認めないこと、また今の弁護人が辞任した場合は裁判所が別に国選弁護人を指定し、その後の訴訟遅延行為を認めないことなどとした上で、最高裁が(3ヶ月先といわず1ケ月先にでも)期日を変更していれば、今回のような混乱は生じなかったように思います。

 先生にご教示いただきたいのですが、もしも、弁護人が公判に出席した上で被告人との接見状況などを具体的に説明し、再度期日を設けるよう求めれば、裁判所はその求めに応じ、改めて期日を設けたでしょうか。

zzz さんの仰るように、安田弁護士の行動は
>単に売名行為や金儲け
ではないと思っていますし、刑事弁護というのは時に国民全員を敵に回す覚悟が必要であることも十分承知しておりますが、何をやってもいいとは思っていないのです。

別エントリーで続きを書きます。

an_accused さん
こちらのエントリーに書きました。

死刑というのは、「誰が見ても死刑」と言うときに選択すれば良いのであって、「裁判官によっては死刑ではない」というときにまで選択するような刑罰とは思えません。

被告人は既に2回も無期懲役の判決(死刑ではない判決)を受けています。増してや、「最高裁の合議体が変われば、死刑でなくなるかも」などと噂されるような事件ではなおさらです。

「少数意見付きの死刑判決」などというものが出た日には、果たしてそんなもの執行してよいのか疑問ではないでしょうか。

無記名さん
>「最高裁の合議体が変われば、死刑でなくなるかも」などと噂されるような事件
誰かがそのような噂をしているというのは聞いていません。
安田弁護士が期待している、とは書きましたが。

TBありがとうございました。
こちらのコメントに、安田弁護士を擁護する意見もあり、とても参考になりました。
ただ、どれも説得力には欠けます。

私が日本で今最も尊敬する法律家は、安田さんです。安田さんを私が知ったのは98年の逮捕時でしたが、さまざまな人(弁護士や友人や死刑廃止運動関係の人々)が彼の人となりや弁護士としての力量や生き方を語っていて、一人ひとりのその信頼の深さには、安田さんを知らない私はビックリしました。が、その後、オウム裁判関係の本や資料を見ていくと、なるほど、主任弁護人である安田さんの反対尋問は、発想や対応の優秀さが際立っていて、しかも他人と心を通わせる妙味を実によく知っている人だと感心しました。こういう人物が法曹界に存在することは、いつ裁判に関わることになるかもしれない私たち市民にとって、本当に頼もしく嬉しいことだと思いました。この人は、世界中のどんな法廷(言語の違いはおいといて)に出しても恥ずかしくない稀にみる有能で誠実な弁護士だと思っています。
弁護士の仕事は、犯罪者のために尽くすことにあって、被害者支援救済の問題は、裁判とは別個に対応するべき。安田さんの著書を見れば分かるように、彼の徹底した事実究明の方法では、時間がかかることは当然であって、延期を求められた裁判所がすぐに却下したことこそが問題です。もう一つ私が感じるのは、控訴審、最高裁において困難と予想される裁判が全て安田さんのもとに集まってしまうのではないか、ということです。いずれにしても、安田弁護士を私は敬愛します。この事件の被告人が安田さんらの助けを借りることによって、悔悟や贖罪の気持ちへとつながる感情を呼びおこされることを願ってやみません。

次の期日直前に辞任・解任があったらどうするのでしょう。
弁護人抜きでやるのでしょうか。
被告人は,「欠席したのは弁護人の判断であり,被告人はあずかり知らぬ。そんな弁護人とは知らなかったので解任する」と主張する。
弁護人は,「次の期日に出頭できなかったのは被告人から解任されたから」と主張する。
結果,弁護人不在で開廷できない。
最高裁は弁護人と被告人が通謀していると認定して弁護人抜きでやる度胸がありますか?
それとも,もう1回期日延期するでしょうか?

 死刑判決をするとなりますと、最高裁としても超法規的弁護人抜き裁判というのは相当度胸がいると思いますが、弁護人の辞任や解任が繰り返されれば、やらざるを得ないと思います。

法曹界の方のまっとなご意見がきけて安心しました。
東大を目指す小学生が言っていました。
「弁護士は悪い人の見方にもならなくちゃいけないときもあるから、必ずしも正義を貫けないから、だから僕は裁判官になりたい。」
子供にそんなふうに思わせてしまった日本の司法は果たして完全なのでしょうか?

ゆかり さん
 コメントありがとうございます。
>弁護士は悪い人の見方にもならなくちゃいけないときもあるから、必ずしも正義を貫けない

 小学生からだけでなく、というか小学生でここまで言うというのはすごいと思いますが、よく聞く意見です。

 でも、悪い人の味方をするというのはまぎれもなく弁護士が担わなければならない正義なんですけどね。

 ただ繰り返しになりますが、何をやってもいいというわけではない、とういことですね。

>日本の司法は果たして完全なのでしょうか?

 完全な制度などありえないと思っています。
 より良くするか、より悪くするか、の違いだと思っていますが、良い悪いの判断自体が相対的ですから難しいです。

少年の手紙の内容など素材を読むととてもじゃないけど

反省しているようには思えませんね。むろん、あんな短絡的な

理由で惨い殺人を犯す犯人が反省などするはずもないと想いますが。

【そこで元検弁護士さんに質問です】

被害者の遺族(特に旦那様)が単独で戦っていますが、

この事件の被害者を励ます会みたいなものは発足していないのでしょうか?

たとえばこの事件の少年に死刑を求める1万人署名を発足したら

裁判内容に対して影響力はありますか?

えん さん、はじめまして

 ご遺族を支援する会の有無等につきましては、何も知りません。

 死刑を求める署名についてですが、たぶん、裁判内容に対する影響力はほとんどないだろうと思います。
 ご遺族の方の厳しい処罰感情(死刑を求める気持ち)も決定的な意味を持たないように思います。
 ご遺族が、仮に死刑を求めないという意思を表明された場合は、死刑回避にかなり意味があると思うのですが、死刑を強く求める意思を表明したからといって、それがなければ死刑にならない事案において、それがあったからといって死刑になるとは限らないという意味です。

 死刑の判断においては、一般的にはもっと客観的な事情のほうが意味が大きいと感じています。
 ただし、今回の事件については、最高裁が死刑を考える(と思われる)理由として、被告人が友人宛に出した手紙の内容がかなり影響しているのではないかと想像しています。

 今朝のニュースによれば、被告人はご主人宛に手紙を出したとのことですが、いまさらどのような手紙を出しても、最高裁の心証を左右することはないのではないかと、これも想像しています。

 ところで、このコメント書いている時点で、今日の弁論で結審したのかどうか確認が取れていません。
 どうなったのでしょう?

 弁護士ってなんなんだろう、って考えこんでしまいました。
 確かに弁護士は、被告人に少しでも有利な判決を導くのが仕事なんだろうとは思いますけど、素人の私が思う「被告人に有利な判決を導く」とは、例えば、加害者の「やむにやまれぬ事情」(常日頃、被害者から暴力を受けていたとか)を代弁するものだと思ってました。(ドラマの見すぎの素人かもしれませんが)
 でも、今回の場合、(1)身分を偽って侵入し、(2)性的欲求を満たすために襲い、(3)故意か偶然かはともかく女性と幼児を殺害し、(4)意識不明(死亡?)の女性を助けることなく強姦した、ですよね。
 この犯人の「やむにやまれぬ事情」って何でしょうか?報道によると、(2)の事情は「寂しい」で、(3)は「偶然」、(4)は強いて言えば「性的欲求を満たすことに熱心な余り、女性を助けるのを忘れた」でしょうか・・・・
 こんな犯人を弁護する安田弁護士も大変だとは思いますが、「偶然だから殺人罪は無罪」とか言われると・・・・
 偶然に殺人を犯してしまうことはあります。(映画「幸福の黄色いハンカチ」の健さんとか)でも、今回は例え偶然でも悪事を働くうえでの事ですよね・・・・ああ、やっぱり整理つきません。ごめんなさい。

しろうと さん
 コメントありがとうございます。
 刑事弁護のスタンスについては、弁護士の中でもかなり違う考え方の人がいます。
 私のようなヤメ検ではなく、生粋の弁護士の中でも、かなり違いがあるようです。
 またあらためて考えてみたいと思います。

この事件もそうですけど、性犯罪って再犯率も高いし「更生の可能性って!?!」といつもギモンに思います。
風俗店含め、様々なかたちで欲求をはらす場所がある現在で強姦を選ぶような人間に、どんな温情をかける必要があると思うんでしょうね。
同様な被害に遭ってしまうかも知れない多くの女性のことも考えて欲しい。
性犯罪に対しての罰則があまりにゆるすぎると思います。
死刑が許されないというのなら、もっと前向きに対策を進めていくべきだと思います。
ペナルティつきの更生プログラムに取り組むか犯罪者への身体的処置の可否、被害者を増やさないよう自衛の為の情報公開制度etc.、切実に感じます。
未遂だろうと痴漢だろうと、被害に遭った人の苦しみの深さは事件以降の人生の長さ分だけあるんですよ。
この事件はその上、その目的のためだけにわが子共々殺害までされているのに。。。
しろうとの私見ですけど、「勝った負けた」じゃない、本質的に社会へ還元できるような裁判がもっと増えたらいいなぁと思います。
(ばか丸出しのコメントでごめんなさい。場違いだったら削除お願いします)

>No.26 胃痛もちさんのコメント
これは、「性犯罪者の再犯率」という社会現象的問題というより、いわゆる「快楽殺人者」の殺人常習性向の有無という個々の精神病理的問題をどう扱うか、の刑法上の課題ではなかろうかと個人的には思っています。
j自分でもよくわからない日本語ですみません(笑)。

殺人が許されないのであれば、(国による)報復殺人も許されない、と思うんですが
                                                                                                                                                                                                                            

>殺人が許されないのであれば、(国による)報復殺人も許されない、と思うんですが

ということは、刑法では、逮捕監禁罪もありますので、国家の機関である検察や警察は、逮捕も勾留もできんわけですな。ましてや、懲役・禁固刑などもっての外と。確か金品の強要も禁じられていたような・・・罰金刑もダメか・・・。

>No.29 じじい(患)さん
いまさらですが¥さんの主張が「国家による応報殺人は許されない」という趣旨で為されたものならば、じじい(患)さんの反論で良いと思います。
ただ、いまさらですが¥さんの主張が「国家による報復(仕返し)殺人は許されない」との趣旨で為されたものならば、場合が異なります。
つまり、国家による殺人(死刑)が、犯罪の抑止力の効果を否定され、もはや応報としての価値がなくなってしまったという前提の下で、国家が死刑を行っているのであれば、それは国家の持つ刑罰権の範囲を超えるものであり国家による報復としかいえないことになります。
したがって、いまさらですが¥さんの意見は死刑の犯罪抑止効果への疑問視から国家による殺人を批判するものであって、国家による刑罰そのものを禁止する趣旨ではないとも見ることができます。

いまさらですが¥さんの真意は分かりかねますが、解釈によっては(やや好意的に、ですが)再反論が可能だと思ったので差し出がましくもコメントしました。

更に横からですが
私が思うに、「国家による殺人」という表現(応報殺人や報復殺人などどんな表現でも良いが)自体が、ある意味で感情的というか、一定の否定評価を表しているわけです。
そんなキャッチフレーズ的表現で(いわば小泉流一言コメント?)、一般の人や死刑維持派に訴えかけるその姿勢に、じじい(患)さんは意見したのだと考えます。

つまり、もっと正攻法の議論をしましょう、ということだと理解しました。

横から少しだけ様

>いまさらですが¥さんの真意は分かりかねますが、解釈によっては(やや好意的に、ですが)再反論が可能だと思ったので差し出がましくもコメントしました。

私も、いまさらですが¥様の真意は図りかねますが、かなり途中の議論をすっ飛ばして、なおかつ親切に見積もらないと、横から少しだけ様のおっしゃる意図にはならないと思います。

言葉からは、死刑廃止論の方が、象徴的におっしゃられるフレーズ「死刑は国家による殺人」に基づいて書かれたように思えますが、死刑制度の本質的な議論の基盤の上でなされている主張のごく一部分のみを抜き出すと、いまさらですが¥様の本来の意図とは別にして、国家が保有する権力に基づき、法律に則って合法的に施行される刑罰の一種としての死刑と、一般個人が行う犯罪としての殺人とを同レベルのものとして扱っておられるとしか受け取れなくなります。これは死刑の是非論とは別次元の問題かと思います。ですので、国家の法に基づく行為と犯罪とを同列に扱うとどういうことになるかを皮肉的に書いた前のコメントに至ったわけです。

といってる間に、先にpsq法曹先生にフォローをいただいてしまいましたm(_ _)m

先生の方が私より私のいいたいことを端的に表現いただいているような気がします。もっと説明の仕方を勉強せねば(^^;

psq法曹さん
じじい(患)さん

コメントありがとうございます。
じじい(患)さんの皮肉が、psq法曹さんのおっしゃったように「国家による殺人」を「私人の殺人」と同レベルの次元において比較していることを批判しているということは文言から予想してました。
いまさらですが¥さんのコメントもかなり大雑把で挑発的な内容でしたし、私もじじい(患)さんの意見が間違っているとは全然思っていません。

ただ「国家による殺人」という問題そのものについて疑問を提示すること自体は大切なんじゃないかと思ったので、少し別の見方から意見を述べたかったのです。
我ながらかなり議論をすっ飛ばした意見を述べたことは自覚しています。

公開死刑でいいんじゃねー?みてぇよ。あいつが死トコ。死刑で当然。死刑以外ありえねーよ。死刑にならなかったら誰か殺しにいくんじゃね?死んで欲しいね。キモいよあんな変態が生きてるだけでムカつく。つーかアイツの連れ?なんかもぶっ殺してー。死ねっつーの。早く死ね。○○○○しね。とっとと死ね!!

(管理人により一部伏字にしました。)

はじめまして。
 安田弁護士をはじめこの事件の担当をしている弁護士たちには不信感しか感じられません。信念をもって弁護しているのかどうかも疑わしいです。たとえもっていたとしても歪んだものにしか感じ取れません。
 結局のところこの被告人も強いバッシングを受けるうえ、結果がどうなろうと改心することもないように思えます。「言い方でどうにでもなるんだ」っと思うのではないでしょうか?被害者家族の方は悲痛な思いをいっそう強めるし、こう考えると誰のためにもなっていないような気もします。
 そういった意味でもこの弁護士たちは迷走していると思われます。

     法律が犯罪者を救うのか? 被害者を救えないのか?    弁護士軍団がやってる事は、矛盾だらけ 本末転倒だと思う  人の発言には、極限の反論をするけど、自分たちは都合の悪い事はすり抜けてるじゃないか      加害者は、自分のすべてをかけて償わなければいけないと思う  命をかけても

死刑廃止については、極刑が恩赦のない完全な終身刑なら賛成です。

しかしながら今の日本の刑法の「無期懲役」は社会復帰を認めているので、死刑廃止は反対です。

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今の日本の刑法の極刑が「死刑」なので、○○○○(管理人により伏字)には「死刑」になっていただきましょう!

もちろん極刑が「死刑」でない時代が日本にも訪れたら、「死刑」でなくて結構です。

いずれにしても、○○○○(管理人により伏字)は罪ない人を自分の欲望のために二人殺したことは事実で、奥さんの体内に○○○○(管理人により伏字)の精液が残っている以上、「極刑」しかないでしょう!

この点に関しては、100%冤罪はないでしょう。

もしこの点に関して、死刑執行後に事実の誤認があったらなら、死刑判決に関わった皆様(裁判官)にも死んでもらいましょう!

100%冤罪でないと言い切れない場合は、「死刑」はダメです。

でも○○○○(管理人により伏字)は、100%冤罪でないので、極刑=死刑にしてください。

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最後に、女子供を自分の快楽のために殺しておいて、「生い立ち」も「過失致死」もないだろう。

言い訳も聞きたくないし、情状酌量の余地なしです。

極刑すなわち、ぶち殺せ。

by 暇人から脱退します

こういう極端に単純化した例えはよくないよくないかもしれませんが。

「警察も弁護士も不要な世の中が一番望ましい」
というのが司法制度の原点ではないでしょうか?

死刑制度の是非はとりあえず横に置いておいて。

どこに犯罪捜査に悦びを感じる警察官がいるでしょうか?
求刑する検察官がいるでしょうか?
ましてや判決を下す判事。執行する刑務官。
そこで職務として「正義」の名のもとに人を裁き罰を与える。
量刑の軽重にかかわらず知識や資格だけでは十分条件にはなりえません。

私たちはまず「刑罰とは何か」ということを知ろうとすることから始めてはいかがでしょう?
報復?死刑にせよ、自由刑にせよ、すでに起こった犯罪の被害が救済されるわけでないことは自明のことです。
更生?刑務所の中だけでできることは限られているのでは?(とりあえず死刑論議は別)
抑止力?日常生活の中で刑罰をどの程度意識しているか?まさに罪を犯さんとする興奮状態の中でどの程度意識されるか?

時間をかけて考えてみたいと思います。簡単に割り切れるものではありません。

ただ、もし自分が犯罪被害者であれば捜査機関には真犯人を検挙してほしい、法廷には事実認定はもちろんのこと、情状、責任能力も含めて審理を尽くしてほしい、そうでなければどのような刑罰もむなしいものとなるだろうと。普通の社会生活を営む市民からの司法への信頼とはそういうものではないでしょうか?


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