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筋弛緩剤事件、22日に控訴審判決 仙台高裁(asahi.com 2006年03月21日19時08分)

 明日判決ですので、判決が出てからコメントすればいいのですが、思いついたことはそのときに書いておかないと忘れてしまいますので、若干コメントしてみます。

 この事件の裁判の経過については、asahi.comの筋弛緩剤事件公判がよくまとまっています。

 控訴審の雰囲気からして有罪判決がほぼ予想されます。

 この事件の最大の証拠は、やはり逮捕直後の自白だと思います。
 逮捕事実は殺人未遂だったわけですから、やってもいない人間が逮捕直後に認める合理的理由を見出すことは困難です。拷問的取調べ(暴行や脅迫)でもあれば別ですが、そのような主張はないようです。

 自白について任意性と信用性が認められれば、あとは補強証拠の有無ですが、これは鑑定が最重要になります。
 一審の仙台地裁でも、主要な争点になっており、高裁としては既に十分な審理がなされていると見ているようです。
 弁護側は、控訴審で

「捜査機関のでっちあげ」と引き続き主張。「鑑定では筋弛緩剤の成分を検出したとは言えず、容認できない」とする法医学者の意見書を提出

したようですが、本件の鑑定において問題になるのは、体液から筋弛緩剤を検出する鑑定技術であり、一般的な法医学者の意見書がどれほどの意味があるのか疑問です。
 その法医学者が鑑定技術に詳しければ別ですが、普通の法医学者は鑑定技術にはそんなに詳しくないと思います。
 鑑定技術の問題で言えば、鑑定に用いた機械のメカニズムと性能が決定的に重要だと思いますが、それは法医学者の領分ではありません。

 この事件においても、取調べの可視化の必要性が感じられます。
 一審の証拠調べ期日は約150回に及んでいますが、逮捕直後の自白状況が録画録音されていれば、かなり減らせたことは間違いないですし、もっと分かりやすい裁判になったことでしょう。

 認めるにしろ否認するにしろ、逮捕直後の被疑者の供述や供述態度というのは、その後の供述の信用性判断にとても重要ですので、逮捕直後の取調べ状況の可視化から手をつけるというのも考えていいと思います。

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