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DV被害のタイ女性、保護中にビザ切れ逮捕 支援者抗議(asahi.com 2006年03月23日23時56分)

日本人の夫から暴力を受け、昨年7月に警視庁小金井署に被害届を出したタイ人女性(43)が、保護されていた東京都内の施設で15日、同署に逮捕された。容疑は、出入国管理法違反。配偶者ビザを更新できず、昨年5月からオーバーステイになっていたという。
保護施設の運営母体である日本キリスト教婦人矯風会などは23日、「在留資格が更新できなかったのも暴力の結果。これではどんな暴力を受けても外国人女性は警察には行けない」と抗議声明を出し、釈放を求めた。

 極めて当然の抗議声明だと思います。

女性は、送検されて勾留(こうりゅう)中。

 しかし、逮捕・勾留までの事情はというと

保護していたシェルターによると、女性は94年に結婚した。妊娠中に夫の暴力が始まり、04年、鉄の棒で頭を殴られて救急車で病院に運ばれた。05年5月には殴られたうえ包丁で傷つけられ、警察に逃げて、病院に運ばれた。6月に福祉事務所を通じて民間シェルターに保護され、7月に小金井署に被害届を出した。  その後、入国管理局に出頭して不法残留を申告し、在留特別許可申請の審査を受けた。離婚裁判がこの4月に始まる。

 これでどうして逮捕・勾留されなければいけないのか!?
 もう一度引用しますと

これではどんな暴力を受けても外国人女性は警察には行けない

 これに対する警察の言い訳は

小金井署によると、夫の傷害容疑は捜査して書類送検した。妻の入管法違反容疑については「検察と打ち合わせした結果、逮捕することになった。本人が入管に出頭していたなどの事情は、逮捕後わかった」と言う。

 そんなもん、逮捕する前にちょっと聞けばわかるだろう。
 それに、事情が分かったのなら、すぐに釈放せんかい。
 勾留するなんぞ、もってのほか。
 検察も検察、何を考えているんだろう。
 被害者は誰か、どういう事情で被害に遭ったのか、ということをちょっと考えれば常識的判断ができるだろう。
 何も考えていないとしか思えない。
 警察や検察は、身柄拘束の重大性というものをもっと日常的に考えて欲しい。

 そろそろ寝ようかな、と思っていたところに目に入ったニュースで、思わず怒りにまかせて書いてしまいましたが、そのままアップすることにします。
 マスコミには追跡報道を望みます。

追記
 小耳にはさんだ話によりますと、この件の報道は必ずしも全体像を表していないようです。
 家庭内の問題は、いろいろ機微が絡んできますので、ちょっと軽率な記事だったかもしれません。
 報道に表れないファクターが存在する可能性が常にあるということを再確認させていただきます。
 要するに、感情にまかせて書いてはいかんということですね(^^; and m(_ _)m

続報追記
DVシェルターで逮捕のタイ女性を仮放免 東京地検支部
(asahi.com 2006年03月25日10時30分)

一方、被害届を受けて傷害の疑いで捜査した小金井署の調べで、この女性の夫もけがをしていたことがわかり、夫婦ともに書類送検したという。

 どうもこのあたりの事情が地検の判断に影響しているようですね。

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コメント(8)

記事の内容から判断すると、証拠の隠滅もしようがないし、シャエルターから逃亡しようもんなら夫の方が危険という状況のようですから、私も勾留する必要はないと思います。

まわりの弁護士の間でも、最近、安易に勾留、勾留延長、接見禁止をつけすぎるんじゃないかという意見を耳にします。

PINE さん、こんにちは

記事の内容から判断する限り、そうですよね。
でも、報道の内容以外の事情もありそうです。
捜査機関としては、全ての事情を明らかにすることはできないと思いますが、ある程度の情報は欲しいところです。
筋弛緩剤事件に関連して考えていたことなのですが、法律は不信を前提に存在するとはいうものの、制度の健全な運用のためには、最低限度の信頼感がなければいけないように思います。

はじめまして、
「元検」としてのご経験からして、報道と実際の事件の内容とは、かけ離れていることが良くあるものなんでしょうか?

>報道と実際の事件の内容とは、かけ離れていることが良くあるものなんでしょうか?

かなりあると思います。

昨年、神奈川県でも、夫の暴力で青あざだらけになって、助けを求めて警察署に駆け込んだオーバーステイの女性が逆に逮捕され、長期勾留される事件がありました。その後入管に移送された時点で、すぐ仮放免になったということでした。これが警察・検察の対応の常とは思いませんが、報道されない同様のケースは他にもあるのではないかと思います。

しゃむー さん
 コメントありがとうございます。
 今回の事件でも報道されない背景事情があったようです。
 事件は常にケースバーケースですが、たとえオーバーステイの外国人であったとしても、人として考えることが大事だと思います。

第一報は一方的DV事案。
第二報では妻も夫を怪我させて書類送検。
そうなるとそもそもDV事案という構図に疑問がある?
少なくとも警察・検察はその構図に疑いを持っていたかも。

オジヤマ虫 さん
 検察としては、それなりに全体的な事情を検討した上での判断だったようです。
 報道には表れていない事情があるようです。

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