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母子殺人事件の上告審が結審、弁論続行の主張退ける 山口・光市(asahi.com 2006年04月18日16時47分)

山口県光市で99年、主婦(当時23)と長女(同11カ月)が殺害された事件の上告審弁論が18日、最高裁第三小法廷(浜田邦夫裁判長)であった。上告した検察側は「残虐な犯行で、死刑の適用を回避すべき特段の事情は認められず、無期懲役の二審判決を破棄しなければ著しく正義に反する」と主張。一方、弁護側は「一、二審が認定した殺害方法は、遺体の鑑定書からみて事実誤認があり、傷害致死罪などだけが成立する」と主張。審理続行を求めたが、第三小法廷はこれを退けて結審した。

 結審は予想どおりというか、予定どおりという感じです。

この日の法廷で、弁護側は一、二審が被害者の主婦(当時23)は首を絞められて殺害された、と認定したことについて「事実誤認だ」と主張。「遺体の鑑定書からは、被告は逆手で主婦の口を押さえようとしたことが見て取れる。声を立てたのを押さえようとして手が首にずれてしまったので、殺意はなかった」と述べた。

 そもそも最高裁(上告審)は法律審ですから、事実誤認の主張は、最高裁が判決に重大な影響があると考えない限り、考慮されないと思います。
 というか、この主張自体かなり苦しそうです。
 鑑定書から逆手であったかそうでないのか、どの程度明確に判断できるのかよくわかりませんが、逆手であろうがなかろうが、死ぬまで首を押さえたというのであれば、それは殺意を認めるに十分な事実だと思います。
 というか、いつも問題になる被告人が出した手紙の内容を見ますと、殺すつもりがなかったのに殺意を認定されて無期懲役の判決を受けた人間の手紙とは到底思えません。
 殺すつもりで殺した自覚があり、死刑になるかも知れないとおののいていたが、無期懲役になったのでほっとした人間の手紙のように思えます。

第三小法廷は、休廷して合議を行い、結審を決めた。最高裁の弁論は1回で結審するのが通例。ただ、浜田裁判長は「弁護側が1カ月以内に補足の書面を出せば受理する」と述べ、弁護側に「配慮」を見せた。

 この配慮は、死刑を検討する以上、弁護側にも十分な主張の機会を与えることにしようということのように思えます。

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コメント(5)

「補足の書面は受理するけれど、2回目の公判は開かない」ということは、弁論主義の観点から、可能なのでしょうかね?
刑訴408は、弁論を経ないで上告棄却の判決を出せると書いてあるけど。上告棄却以外なら、弁論が必要。補足書面が受理された直後に、弁護側が公判の実施を請求した場合、最高裁は公判を開かなければならなくなるのでは?

いつも拝読しております。冷静かつ公平なご意見に常々感服しております。
皆さんのコメントのレベルが非常に高いのでロムに徹しておりましたが、さすがに書き込まずにはいられなくなってしまいました。

私は基本的に死刑賛成派なのですが、冤罪の可能性や「国家による殺人」の是非など、反対派の意見にも耳を傾けるべき点は多々あると思っています。ただ、この事件の経緯を見る限り、死刑反対派が安田弁護士をシンボル視して担ぐのは、戦略的に大きな誤りなのではないでしょうか。

弁論前の記者会見で、死に顔まで再現した殺害場面の絵を掲げて持論を展開する安田氏の姿を見て、私は「被害者の心情にここまで鈍感でなければ凶悪犯の弁護は務まらないのか」と呆然としてしまいました。弁論での他の主張である「遺体のレイプは強姦にあたらない」「あやそうと首に蝶結びをした」などは牽強付会にもほどがあると言わざるをえません。 

松本智頭夫にせよヒューザーにせよ、並みの弁護士が逃げ出す案件でも「どんな被告も弁護を受ける権利はある」として取り組む熱意は大いに評価します。ただ、氏の法廷戦術は素人目に見てもあまりにも稚拙かつ強引です。「加害者の利益最優先」の意図が強すぎて、真相究明や被害者救済の妨げになっているように思えてなりません(オウム裁判が迷走した原因の一つは安田氏にあると私は考えています)。
それが被告側弁護士の使命だと言われればそれまでですが、社会的影響の大きい事件では、もう少し大局的な視点も必要なのではないでしょうか。

「被害者への配慮」は死刑反対を主張する際の絶対必要条件と言ってもいいはずなのに、安田弁護士のあの対応では「加害者をかばってばかりで被害者をないがしろにする」という世間の死刑反対派へのイメージを増幅するばかりでしょう。

最近になって被告は本村氏に謝罪の手紙を送ったといいます。それが真意なのか安田氏の戦術なのかはわかりません。ただ、死刑の可能性が出た時点で慌てて手紙を送ったという事実は、むしろ死刑賛成派を勢いづける材料となるでしょう。「死刑判決を受けない限り贖罪意識が生まれない加害者もいるのだ」と。

もし高裁差し戻しになれば、裁判は否応なしに長期化するでしょう。本村氏の心の平穏のためにも、最高裁は明快かつ公正な判決を下してほしいと思います。

長くなりました。申し訳ありません。

無記名さん
 弁論の補充書面ということではないでしょうか。
 一審では、法廷での弁論は口頭で要旨を述べて、後日に詳細な書面を提出するということはよくあります。


みみみ さん
 市民感覚としては、みみみさんの仰るとおりだと思います。
 私から見ても、時間稼ぎにしか見えません。
 本気になって死刑を回避したいと思うならば、私なら別のやり方を考えます。
 その意味では、安田弁護士らは勝負については諦めているように思えます。

TBさせていただきました。

普段は下らない日記をだらだらと書いているだけなのですが、
この事件は7年前に起きた当初からずっと気になっており、思わず書き綴りました。

何とか感情的にならず、冷静にと思ったのですが、
やはりどうしても感情的にならざるを得ない。それだけひどい事件だと思います。

突然の訪問失礼しました。

玉吉 さん
 TBありがとうございます。
 事件としては、私としてもこれほど無惨な事件は珍しいです。
 私が検察官なら死刑求刑になんら躊躇しないと思います。

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