エントリ

 裁判における主尋問においては、原則として誘導尋問は禁止されています。
 誘導尋問というのは、内容的には質問者が期待している答を暗示する尋問であり、形式的には yes か no などの二者択一の回答を求める質問のやりかたです。
 誘導尋問が禁止されるのは、そのような尋問は真実発見の妨げになるからです。

 こうじゃないのですか? というような決め付けるような質問は典型的な誘導尋問です。

 なぜこんなことを書いているかといいますと、トラックバックをいただいた「らんきーブログ」さん経由で「猫だぬきのこだわり」さんのエントリを読んだからです。

 ワイドショーのレポーターの決め付け質問には辟易していましたが、新聞記者も五十歩百歩のようです。
 もうひとつ典型的なマスコミ界の誘導尋問を指摘すれば田原総一朗です。
 サンデープロジェクトでの彼の質問には多くの誘導尋問が含まれており、質問に対して答えている相手の話の打ち切り方などは誘導尋問の効果を最大限に発揮することを意図していると感じられます。
 はっきり言って世論誘導そのものです。

 最後にもう一度確認しておきます。
 誘導尋問が禁止されるのは、真実発見の妨げになるからです。

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コメント(10)

はじめまして。トラックバックありがとうございました。
また、記事中でも取り上げていただき、恐縮しております。

大手新聞社もワイドショーも変わらないんだと、今回、
身をもって知り、大いに幻滅しました。

田原総一郎にしても今回の記者にしても、まず最初に答え
ありきで質問をするので、こちらがうっかり気を緩めると、
相手の都合の良いように話を加工されてしまうところでした。
人の口を使って自分の意見を述べるという、卑怯なやり方だ
と思います。

ところで本題とは関係ないのですが、左上の黒猫ちゃん、
めちゃくちゃ可愛いですね。 マウスでウリウリすると、
じぃっと見つめたり、尻尾を振ったり。ときどき手を出して、
じゃれつくなど、猫派な私のツボを直撃されました♪

産経新聞の「Yes?No?私もいいたい」というアンケートはだいたいいつも誘導尋問の典型ではないかと思いながら見ています。
イラク邦人人質事件の際に「退避勧告が出ているイラクにわざわざ入国した行動は適切だったと思うか?Yes/No」みたいな質問があり、何なんだこれは、と思いました。今週も「(病院での延命措置に関し)判断を家族に任せることに不安はありますか」というような設問になっていますが、これも設問として適切なんでしょうかね?

無記名さん
 「Yes?No?私もいいたい」というのはこれのことですね。
 ウェブのアンケート集計ですから、YesNoの回答で集計する形式自体はおかしくないと思いますが、問題は質問の仕方が適切かどうかですね。
>「退避勧告が出ているイラクにわざわざ入国した行動は適切だったと思うか?
 これについては、「わざわざ」という評価文言が入っている点が適切でないと思います。
 人がYesかNoかを判断する場合において、人によってさまざな理由があるわけですが、設問においてその理由の一つを設定してYesかNoかを聞きますと、回答者は理由についても回答を誘導ないし強要されることになってしまいます。


猫だぬきさん
 いらっしゃいませ
 記者の誘導尋問を見破ったのはお見事でした。
 血液型の性格判断というのは全く根拠がないそうですが、私もいわゆるB型です(^^)
 猫的性格といっていいでしょう(^^;
 B型性格(と言われている性格)は誘導尋問に乗りにくいかもしれません。
 
 ところで黒猫ちゃんですが、maukie というそうです。
 左前足をちょこっと出す動きがリアルでとてもかわゆいです(^^)
 ブログサービスによって制約があるかもしれませんが、こちらに設置方法の説明があります。

モトケン先生

非常に興味深い記事でした。
一つわからないことがあったんですが、田原総一郎さんの話までは
よくわかったのですが、
 
>サンデープロジェクトでの彼の質問には多くの誘導尋問が含まれており、質問に対>して答えている相手の話の打ち切り方などは誘導尋問の効果を最大限に発揮する>ことを意図していると感じられます。


ここが少し理解しにくいのですが(私の知性の問題です)、もう少しだけ
噛み砕いて教えて頂けないでしょうか。

何かを相手が説明する時に、「要はこういうことなんでしょ?」みたいに
言うことで、相手の説明を舌足らずにしてしまうということでしょうか?

 田原の質問の仕方のズルいところは、相手が部分的に認めざるをえない命題について「イエスか?ノーか?」という二者択一にしてしまうところです。

「認めますが、しかし・・・」
「なるほど、じゃ、こういうわけなんだ」
(もう相手にしゃべらせない。自説をとうとうと展開する)

「いや、そんなことありません。しかし・・・」
「お、あなたは否定するんですか?それじゃ・・・」
(以降は相手が全否定したものとして、話の矛盾点を列挙する)

 肯定しても否定しても、どちらにしろ相手をやりこめてしまう。司会の特権です。
 ひとつ物事については、部分的には認め、部分的には否定し、部分的には判断を保留するというぐらいが普通の会話なのですが、都合のいいところだけを抜き出して、全部を認めたことにしちゃうわけ。

モトケン先生

黒猫 maukie の入手先を教えていただき有難うございました。
さっそくやってみましたが、なぜか何度やってもエラーが出て
はじかれてしまいます(涙) 挫けずに再トライするか、挫けて
モトケン先生の黒猫ちゃんに遊んでもらって我慢するか…

時々こちらにお邪魔して、遊んでもらうことにしました (^o^)

「我が道を行く」ところがあるB型は、たしかに誘導尋問には
乗らない、というか、知らない間に乗り遅れてるようなところが
あるような気がします。いいことかどうか分かりませんが(笑)

田原総一郎の手法は、Inoue さんが書かれている通り、微妙な
議題について、わざと全肯定 or 全否定の二者択一に持ち込み、
自分の好みと違う意見を言われると、即座に「はい、CM!」
だもんだから、見てるこちらは不完全燃焼を起こしてしまいます。

かなり極端で悪意すら感じますが、あそこまで政治家に突っ込める
人が他にいないという意味では、貴重な存在だとも思います。

>もうひとつ典型的なマスコミ界の誘導尋問を指摘すれば田原総一朗です。
>サンデープロジェクトでの彼の質問には多くの誘導尋問が含まれており、質問に対して答えている相手の話の打ち切り方などは誘導尋問の効果を最大限に発揮することを意図していると感じられます。
>はっきり言って世論誘導そのものです。

押し付けがましいという認識はわたしも持っていますね。そこで先生のご意見を伺いたいのですが、彼は自説を「思い込みに基づいて」誘導しているのでしょうか、裏づけに基づいてでしょうか。それを、一つ加味することによって彼の一刀両断というかぶった切り論調がずるさをベースにしているのか、エンターテーメント性を重んじてあえてそうっさしめているのか、というのが、当方が今後田原氏の論を聞くときの着眼点になると思いますので。

一般人さん
>相手の説明を舌足らずにしてしまうということでしょうか?
 そう言ってもいいと思います。
 舌足らずならまだいいのですが、場合によっては視聴者が相手の話を曲解するようなタイミングで決定的な誘導質問をして「はい」か「いいえ」の答だけさせて、または答えさせないで打ち切ってしまうことがあります。

 つまり、Inoue さんが説明されたような状態を作っておいて、自分に都合のいいタイミングで打ち切ってしまうように感じられます。

Inoue さん
 わかりやすい状況説明ありがとうございます。
 そのようなシーンを何度か見た記憶があります。

デハボ1000 さん
>彼は自説を「思い込みに基づいて」誘導しているのでしょうか、裏づけに基づいてでしょうか。

 これについてはよくわかりません。
 しかし、思いこみであろうが裏づけがあろうが、相手の話を誘導すること自体が問題だと思います。
 上記のように彼の質問の仕方は、視聴者が相手の話を曲解する危険性を孕んでいます。
 田原氏が何を考えているかではなく、田原氏の相手がどう考えているかについて、田原氏の誘導質問によって視聴者が判断を誤るかもしれないことが問題であると思っています。
 田原氏が何らかの裏づけ情報を持っているならば、それに基づいて端的な質問をすべきであり、自分の判断や推測に視聴者を誘導しようとするようなやり方はよくないと思います。
 田原氏の裏づけ情報や推測が正しいという保証は何もないのですから。
 少なくとも視聴者には分かりません。
 視聴者にとって有益な情報は、バイアスのかかっていない情報だと考えます。

猫だぬきさん
 だめでしたか。残念ですね。
 うちの黒猫ちゃんと遊んでやってください。

 田原氏の話の聞き方というのは、強引に白黒をつけますから、ある意味では分かりやすいと感じる人がいると思うのですが、Inoue さんが指摘されているように、世の中や人の意見というものはそれほど単純ではありませんから、田原氏のようなやり方は、一般大衆を馬鹿にしているか、または馬鹿者にしようとしている(判断力を失わしめようとしている)のではないかとさえ思うときがあります。

モトケン先生
いつもするどい指摘を楽しみに拝見させていただいています。
私のブログは人事部の立場からのコメントをさせてもらってます。
誘導尋問といえば、例えば就職活動における学生への面接であったり、
部下への評価面接であったり、昇格審査でのアセスメントであったり、
知らず知らずの間に、やってしまっていることが多いですね。
田原総一郎みたいに確信犯ならまだしも、
意識をせずにやってしまって自己満足をしている場合が多いような気がします。
これからも、立場は違いますが大いに切り込んでいきましょう・・。

以前、国家擬錣帽膤覆靴萄陵僂気譴真型邑務員の合同初任研修に参加した際、講師として招かれた田原氏の講演を聞いたことがあります。
私は、テレビで見せる辛口の話を期待していたのですが、最初から最後まで、「あなたたちは国家を背負うエリートです。」みたいなヨイショ話に終始して、非常に失望したことがあります。
人間の二面性というのを目の当たりにした感じがしました。
それ以来、この人の言うことは、話半分以下にしか聞かないことにしています(テレビに出ているとチャンネル変えます。)。

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