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検事取り調べを録画 東京地検で試行 裁判員制度に対応(asahi.com 2006年05月09日15時13分)

最高検察庁は、「密室のやりとり」だった検事による取り調べの一部を、ビデオで録画・録音する方針を固めた。犯行の自白などの供述が強制されていないかどうかの判定で公判が長引くケースがある中、09年5月までにスタートする裁判員制度の対象事件で迅速な審理を行うのが狙い。日本の刑事司法史上、初の取り組みとなる。今年7月から07年末まで東京地検で試行し、その結果をみて全国での実施の可否を決める。

 裁判員制度が現在の司法制度によい影響を与えた、現時点における唯一の例かもしれません。
 記事全文は、後に引用しますが、まだまだ制約が多いと言うものの、取調べの可視化に向けた大きな前進のように思います。
 意外に早く踏み切ったな、というのが正直な感想です。
 これまでの任意性立証では裁判員を説得するのが難しいという判断が背景にあるのではないでしょうか。
 そうであるとすると、これまでの任意性立証がおかしかったのではないかという疑問も湧いてきます。

東京地検での試行期間は今年7月〜07年末。最高検がその結果を分析、検討し、全国の地検で本格的に実施するかどうかを決めるとしている。

ということですが、これは結局、取調べ検事の取り調べ能力が最高検の検事によって採点されるという面が出て来ます。
 取調べの録画の分析ではなく、取調べそのものの分析になってしまうということです。
 取調べを録画される検事としては大変です(^^)
 たぶん、地検の上司が取調べを録画する事件と検事を指定することになるんじゃないでしょうか。
 しかし、自白事件で取調べを録画しても何の意味もありませんし、取調べ能力が高い(と見られている)検事の取調べだけを録画分析しても仕方がないように思います。

 ビデオ写りのいい検事にしか難事件の取調べ担当させられないことになるかもしれません。

 他にもコメントしたい点がいくつかありますが、今日のところはここまでにします。

(記事全文)

 最高検察庁は、「密室のやりとり」だった検事による取り調べの一部を、ビデオで録画・録音する方針を固めた。犯行の自白などの供述が強制されていないかどうかの判定で公判が長引くケースがある中、09年5月までにスタートする裁判員制度の対象事件で迅速な審理を行うのが狙い。日本の刑事司法史上、初の取り組みとなる。今年7月から07年末まで東京地検で試行し、その結果をみて全国での実施の可否を決める。

 杉浦法相が9日午前、閣議後の記者会見で、録音・録画の試行を明らかにした。警察での取り調べはビデオ撮影の対象外で、撮影は担当検事の判断に委ねるなどの限定条件が付けられている。今後、取り調べ全過程の撮影を要求している日本弁護士連合会(日弁連)などとの間で論議を呼びそうだ。

 最高検によると、ビデオ撮影を実施するのは、裁判員制度の審理対象となる、殺人や現住建造物等放火などの重大事件に限定。いずれの事件でも警察の捜査段階でのビデオ撮影は実施せず、送検後の検事の取り調べに限って行うとしている。

 事件ごとの担当検事が、容疑者が強制でなく、自分の意思にもとづいて供述したかどうかが公判の争点になる可能性があると判断した場合、容疑者に告げて撮影を行い、撮影場面も検事が選択する。

 具体的には、取り調べの中で、容疑者が(1)犯行の経緯を供述(2)警察官作成の調書が強要されたものでないかどうかの確認のため、その作成状況を供述――などの場面での撮影が想定されている。

 ただし、捜査の過程で、客観的な物的証拠や、容疑者だけが知りうる「秘密の暴露」を含む自白調書を得ている場合、撮影の必要はないとしている。

 撮影したすべてのビデオは、調書の補助的な証拠と位置づけられ、調書の作成状況が公判で争点になった場合に裁判所に提出される。また、弁護人の請求があれば開示されるという。

 最高検は「供述調書が適正に作られたことを公判で証明するのが狙い。取り調べの機能を損なわない範囲で、検事が相当と認める部分の録画・録音を行う」としている。

 東京地検での試行期間は今年7月〜07年末。最高検がその結果を分析、検討し、全国の地検で本格的に実施するかどうかを決めるとしている。

 裁判員制度の実施に向けた刑事訴訟法の改正(04年)の際に、国会が「取り調べの可視化(かしか)を検討」とする付帯決議を行った。最高検では検討会を作って導入の是非を論議していた。

 これに対し、警察庁では、事件の初期段階から取り調べを行う警察は検察と立場が違うので、可視化を検討することはないとしている。

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