エントリ

福岡県篠栗町で男性を包丁で刺殺したとして、殺人容疑で県警早良署に緊急逮捕された女が書類の不備などを理由に2度も釈放されていたことが分かった。女はその間、拘束を解かれて警察施設外に出ており、正式に逮捕されたのは身柄を拘束されてから数日後だった。

 女は福岡市早良区、無職、高橋秀美容疑者(29)。早良署の説明では、高橋容疑者が今年4月27日未明、車の助手席に自営業の男性(36)の遺体を乗せて、同署に「人を刺した。車に乗せている」と自首してきたため緊急逮捕。逮捕状を裁判所に請求した。

 ところが、翌28日に身柄を送検した直後、逮捕状の請求書に逮捕年月日を「平成17年」とするなどのミスがあったことが判明。拘置中の博多署内で高橋容疑者をいったん釈放して再度、緊急逮捕し、逮捕状を請求した。ところが、今度は裁判所に「緊急性がない」として却下され、高橋容疑者を親族に預ける形で署外に釈放した。

 結局、3度目の請求で逮捕状を得て、29日未明に通常逮捕したが、高橋容疑者は都合3度、容疑の弁明をさせられたという。柏木登美男・同署副署長は「書類のミスは真摯(しんし)に受け止める。今後はチェックを徹底し、適正捜査に努めたい」と話した。

 5月にもなっているのに「平成18年」を「平成17年」と誤記する警察も警察ですが(年明け早々ならけっこうあります)、二度目の請求を却下した裁判官も頭固すぎという感じです。

 このパターンでは被疑者の自殺が心配されますので、身柄拘束は自殺防止の意味合いもあります。
 本件のような嫌疑が濃厚で誤記が明々白々であり、そのような懸念がある場合は、裁判官としてももう少し柔軟に考えてもいいように思います。


 もうひとつたいしたことにならなくてよかったな〜と思った事件をついでに紹介しておきます。
忘れ物で席に戻れず、回送電車が運転士不在で走行(2006年5月13日0時10分 読売新聞)

名古屋市営地下鉄鶴舞線で今月7日、電車の回送中に男性運転士(34)が置き忘れた手袋を取ろうと先頭車両の客室に入ったところ、運転室に戻れなくなり、男性車掌(27)が非常ブレーキをかけて停止させていたことがわかった。

 国土交通省中部運輸局は12日、「重大な影響を及ぼしかねない行為」として、市交通局に文書で警告した。

 交通局によると、7日午後2時40分ごろ、上小田井発豊田市行き電車が待避線から始発駅に向かった際、運転士が先頭車両の座席に手袋を忘れたことに気づき、時速約15キロで走行したまま客室に入った。直後に車両が揺れ、運転室と客室を仕切る引き戸が閉まって自動ロックがかかり、戻れなくなった。

 ブレーキがかからないのを不審に思った車掌が非常ブレーキをかけた。

 電車はホームを約10メートルはみ出して止まった。

 車掌の判断が遅れたらどうなったのでしょう。
 この運転士の処分について報道がないのは記者の突っ込み不足です。

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コメント(6)

 高裁の判決では,
   原判決中の「平成16年」は「平成17年」の誤記と認め,訂正の上で引用する
なんてするのに裁判官の中には身内に甘く外部にだけウルサイ人もいるようで。
 非常識な令状請求却下するから,3度の逮捕中時間分だけ被疑者の身柄拘束時間が延びて,かえって被告人の不利益になることに気が付かないのでしょうか。

TVドラマ、報道等でしか裁判を意識しなかった時は、厳正な法の番人としての裁判に幻想(良識としての)を持っていましたが、
ある時、自らの係わりとして、裁判を経験した折、その幻想は、一瞬にして吹き飛び、あたかも「茶番劇」としてしか、感じられませんでした。

だから、そんな茶番にセッセと犯人を送り込む機関としての警察には、なんら期待も抱いていません。

硬直した、形骸化した組織とならざるを得ないのでしょうか?

 結局は、人だと思います。
 人間性のことです。
 形式的に法律に従っていればそれでよいというのであれば、極論すれば、裁判官はいらなくなりますね。

これは逮捕状請求書の平成17年は明らかな誤記ということで通用するのでは?
逮捕状は出たのでしょう?裁判官のミスは不問?
送検後に気付いたということは検察で気付いた?
検察も誤記とする勇気がなかった?
気付いた以上釈放?
なんだか小役人的。
それとも厳格な手続が要求される?
割り切れませんね。

こういった件では、令状を請求した警察側の不手際は大きく報道されますが、ミスのある書類を確認せずに令状を発付した裁判所について言及されることはあまりありませんね。
現場ではこういったケースはかなりあり、私も以前裁判官の印のない逮捕状の発付を受けたり、裁判官の名前が間違った勾留状のせいで被疑者を釈放してしまったことがありました。
この福岡の件に関しては、裁判所が県警に対し悪感情を持っていて、必要以上に逮捕の必要性等を厳格に審査する傾向があるためだと聞いています。

感熱紙 さん
>この福岡の件に関しては、裁判所が県警に対し悪感情を持っていて、必要以上に逮捕の必要性等を厳格に審査する傾向があるためだと聞いています。

 なるほど。
 ありそうな話であります。
 裁判所全体の空気がそうなのか、特定の裁判官との問題なのかが気になりますが。
 いずれにしても、もしそうならば何らかの原因があったはずですから、原因を踏まえて関係修復をしないとそのうちもっと大きな問題が生じかねないです。

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