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畠山容疑者の弁護士が会見(asahi.com 2006年06月09日13時07分)

殺害時の状況を詳細に話していることが分かった。接見した弁護士が9日、記者会見を開いて明らかにした。

 かなりきちんとした記者会見をセッティングして被疑者の自供内容を相当詳細に明らかにしているようですが、弁護人としての意図がよくわかりません。

 弁護士はマスコミに対してどこまで接見内容を語るべきかという問題はこれまでもこのブログでも他の弁護士のブログでも取り上げられていますが、基本的には消極的な意見が多いですし、私としても、確固たる弁護方針に基づくものでない限り、接見内容を漏らすべきではないと思います。

 今回のように、詳細な自供を明らかにする場合は、被疑者の自供が真実であり法廷でも争わないという絶対的確信がなければならないと考えます。

 その上でさらに接見内容を明らかにする積極的な理由が必要だと思います。
 私が思いつくところでは、刑事や検事が計画的犯行であるかのような自供調書を取ることを牽制するために、その前に偶発的殺意を強調する記者会見を開いてその内容を報道させるのが目的なのかな、というところですが、さてどういう思惑での会見だったのでしょう。

追記
殺害、まず弁護士に告白 県警幹部「疑問も」 秋田事件(asahi.com 2006年06月10日01時42分)
 それなりの理由が述べられてます。
 警察に対する牽制になっているようです。

補足追記
 牽制にはなっていると思いますが、結果的に弁護として有効かどうかは、後になってみないと分からないと思います。

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銀塩カメラ ぶろぐ - カビ注意! (2006年6月 9日 16:29)

「アナログからデジタルへ」 今となればこの言葉「レトロ」ぽくなってしまいました。 オーディオのスピーカーが、紙からプラスチックコーンに... 続きを読む

朝日だけど、この記事読んで、「何かいろいろすげーな」って思ったのだ。 まず、「弁護士が…、供述した内容を詳細に明かす異例の会見」ってとこがすごいでし... 続きを読む

(参考サイト・ライブドアパブリックジャーナリストニュース) 上記サイトのパブリック記者は、弁護士会見について批判的な見方をしております。被害者の人権、被疑... 続きを読む

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 たしかに、犯人性を肯定する内容の供述があったなどと弁護人が公表してしまうと、もし供述内容が大きく変遷した場合に(特に否認に傾いた場合に)、公判での弁護が難しくなるのではないかといった心配をしてしまいます。予断排除を習い性にしている職業裁判官が裁く現行制度の下では、弁護人による記者会見はあまり意味がないでしょう。

 ただ、裁判員制度が導入されると、現在のように警察からの一方的なリークが甚だしい場合(取調べ状況から自白内容、留置場内での挙動や就寝状況にいたるまでリークされるような場合)には、何らかの方法で捜査機関による一面的な世論形成に対抗する必要も生じてくるようにも思われます。具体的には、積極的に接見内容を開示して捜査機関の発表する被疑者像に修正を加えようとするか、捜査機関によるリークそのものに抗議するかしなければならないでしょう。

 先生にお伺いしたいのですが、捜査関係者が被疑者取調べ状況等をみだりに漏洩する行為について、弁護人は抗議したり情報漏洩者の懲戒を求めたりすることはできるのでしょうか。
 漏洩された供述内容を記した調書が後の公判で任意性なしとして証拠排除される可能性を考えると、本来公にされるべきかどうかまだわからない情報が勝手に公にされているのであって、問題なしとは言えないような気がいたしますし、端的に地方公務員法や犯罪捜査規範に抵触していそうな気もいたします。

よく分からないのですが,警察は正式会見で情報を流すわけではないですよね(そうだったら,これから書くことは前提が違います)。
ということは取材に対して個人的に漏らしたことにしているのでしょうか?
だとしたら捜査員個人のリークが守秘義務違反に問われると,マスコミは取材源の秘匿を主張するのでしょうか。
そういう前提があって個人的に「漏らしたことにしている」のかな?
そうだとしたら,なんだか馴れ合いのような感じで,たちが悪い。
まあ,そんな深い考えはないのでしょうが。

Webでは見つからなかったのですが、朝日新聞によれば、記者会見のセッティング前に報道各社に対し(1)容疑者の親族には取材しない(2)親族の顔や姿の写真や声を掲載、放映、再生しない(3)親族への取材は弁護士を通じて書面で行うを要望したとある。
秋田県警記者クラブは節度ある取材、報道に努めると申し合わせ、そのうえで記者会見が始まったとある。
私も最初は弁護士の行動に不快感を憶えたのだが、この事件の特異性やマスコミ取材の行き過ぎを考えれば、やむを得ず記者会見したのだなと思いました。

 なるほどそういうことですか。安田弁護士の件といい,表面的な部分だけを見て批判することは危険ですね。

なるほど,ということは結局マスコミの勝ち,思うつぼ?
人質司法ならぬ人質マスコミ?
この場合の人質は「親族を取材するぞ」という状態・情勢。得られたものが弁護士の会見による情報。

>オジヤマ虫 さん
捜査側が提供する情報ばかりがマスコミに載ってきた状況の中で、弁護側から情報発信したということは一定の評価ができると私は思います。
ただ、マスコミ相手はいろいろ難しいものがありそうです。
うまく交渉しきれるかどうかが問題だと思います。

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