エントリ

仮出所中に2人殺害 中山被告の死刑確定へ(asahi.com 2006年06月13日17時05分)

 大阪府豊中市で98年、仮出獄中に男女2人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元建築作業員中山進被告(58)に対し、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は13日、被告の上告を棄却する判決を言い渡した。二審・大阪高裁の死刑判決が確定する。

 第三小法廷は「計画的で、殺害の態様も冷酷かつ残虐だ。仮出獄から約7年後に犯行に及んだもので、凶暴で反社会的な行動傾向は改善されていなかった」と述べた。

 判決によると、中山被告は、交際していた女性の別居中の夫だった建築業の男性(当時37)の存在が邪魔になり、豊中市内の路上で98年2月、男性の背中や胸を刃物や包丁で刺し殺害。さらに、一緒にいた店員の女性(同40)も口封じのために包丁などで刺殺した。

 中山被告は高知県土佐山田町(当時)で69年、役場職員をライフル銃で射殺。無期懲役刑が確定し、18年間服役した後の91年に仮出所していた。

 死刑(またはそれに代わる絶対的隔離刑)の必要性を感じます。

 しかし、被害者が一人ということであれば、前回の事件当時における死刑判決の可能性はかなり低かったように思います。
 最近、検察は被害者一人でも死刑求刑を行っていますが、裁判所の判断が注目されます。

対比記事
元静岡大生に無期懲役の判決 女性2人殺害事件(asahi.com 2006年06月12日18時20分)

 静岡地裁の判決です。
 死刑求刑事案です。

 判決によると、高橋被告は、同医院に通院していた親しい女性がその後がんで亡くなったため、院長を恨み殺害しようと、05年1月28日午後5時半ごろ、脳神経外科医院の2階にあった院長の妻が経営する店に侵入。院長が不在だったため、通報されると思い、店内にいた竹内真知子さん(当時57)と井本嘉久子さん(同60)をナイフで刺殺し、店のレジなどから現金計約6万6千円を奪った。

 判決理由の中で、竹花裁判長は、竹内さん殺害後に行きずりの犯行と偽装するために金を奪うことを思い立ったとして、井本さん殺害のみに強盗殺人罪が成立するとした。また「家庭内の虐待や愛情の欠如、同級生からのいじめなど、人格形成に及ぼした悪影響は否定できない」とし、同医院に通院していた女性の死により「大きな喪失感を味わい、自分の存在意義を見失ったことが犯行の背景にある」と指摘。「矯正可能性もあり、極刑に処すにはちゅうちょを感じる」とした。

 検察としては、控訴を検討していると思います。

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コメント(17)

無期懲役囚を仮出獄させた法務省の責任は、なぜ検証されないのでしょうか。

更生したかどうかの実態を見ずに、形式に流れて仮出獄を認めるから、このような事件が起きるのでは。誰かが問題提起をしないと、同じような事件は繰り返されるでしょう。

死刑事例には、感想文を書きたくなる私です。

>院長を恨み殺害しようと・・・。
昔、東京で泌尿器科のお医者さんが、患者の逆恨みによって駅の改札口で射殺された事件がありました。また兵庫県の相生で、外来診察中にいきなり刺殺された事件もありました。医者も命がけですわ。

>家庭内の虐待や愛情の欠如、同級生からのいじめなど、人格形成に及ぼした悪影響は否定できない。
>大きな喪失感を味わい、自分の存在意義を見失ったことが犯行の背景にある。

とのことですが、こういう事情が死刑回避の理由となることに釈然としません。
自分自身の問題じゃないですか。殺された2名の被害者の方々は、いったい何をしたというのでしょうか?

モトケン先生の紹介された『日本全国裁判官語録』に「人ではなく行為を裁くのです。」
との表記がありました。この男の「行為」は裁かれているのだろうかと思ってしまいます。

全くの印象ですが、静岡県(の裁判官)は刑罰が甘い?
女子短大生焼殺事件(アルバイト先から帰宅途中の被害者を、暴行目的で無理やり車に連れ込み、発覚を恐れ生きたまま焼き殺した事件。)も沼津支部では無期懲役判決。その後、東京高裁で逆転死刑判決でした。この事件など、まさにモトケン先生の仰るとおりだと思います。
>被害者の数が一人でも、被害者の死を現実的なものとして目の当たりにしつつ予見しながら、敢えて犯行を継続した犯行も十分死刑選択の余地があるものと考えます。

>最近、検察は被害者一人でも死刑求刑を行っていますが、裁判所の判断が注目されます。
奈良や広島の学童が被害者となった悲惨極まりない事件に対する、裁判所の判断に注目します。従来の判例にとらわれることなく、裁判官の独自性は発揮されるのだろうか・・・。

 ご参考まで。o(_ _*)o
「仮釈放の許否を決定する権限は,全国8か所の地方更生保護委員会が有しています。地方更生保護委員会は,3人の委員で構成する合議体で,通常,矯正施設の長からの申請に基づいて,仮釈放の審理を開始し,指名した委員(以下「主査委員」という。)に審理を行わせます。主査委員は,原則として被収容者本人と面接し,ア.仮釈放の適否,イ.仮釈放の時期,ウ.仮釈放の期間中守らなければならない特別遵守事項等について審理し,この結果に基づき,合議体で評議の上,仮釈放の許否等が決定されます。」

無期懲役の人が仮釈放中に殺人をすれば原則死刑になる(確率が高い)のが判例ではないでしょうか。
この類型の事例で被害者の数が一人ということを要因として考えるのは,おそらく違うと思いますが。

も一つご参考に

http://www.jca.apc.org/cpr/2002/kensatu.html
「悪質事件」の無期懲役囚、検察が仮釈放を「制限」
無期懲役刑が確定した事件のうち、検察庁が、「動機や結果が死刑事件に準ずるくらい悪質」などと判断したものを「マル特無期事件」と位置づけ、ほかの「無期囚」より長期間服役させる手続きを設けていることがわかった。最高検が98年6月、次長検事名で全国の地検、高検に通達を出し、同7月から実施された。「適正な刑執行のための権限行使」とし、収容期間の程度には触れていないが、「やり方次第では事実上の終身刑になる」との声も出ている。

関連で、も一つ

http://www.sanin.com/site/page/yamauchi/self/question/jukeishashoguu/#0
(山内委員)平成10年6月18日最高検察庁が通達を出している。無期懲役受刑者の中で特に悪質なものは、マル特無期事件として仮出獄を遅らせるという運用をすべき、というものだ。これは富田政務官が言った方向と検察の実務が矛盾するのではないか。

(大林刑事局長)あくまでも検察庁内部の通達であって、矯正施設の長や地方更生保護委員会に何らかの判断を強制するものではない。現に、検察官がマル特無期事件とした受刑者についても仮出獄を認められた事例があると聞いている。

(山内委員)この通達が出た後の平成11年から仮釈放の許可件数と申請件数が少なくなっている。これは通達が出たからではないか。

(麻生保護局長)検察官の意見がそのまま地方更生保護委員会の判断を制約することはない。個々に応じて適正な仮出獄の運用が行われている。

(中略)

(山内委員)個々の受刑者に適した処遇を考えて仮釈放を決めていると言われても、仮釈放率は毎年ほぼ同じ割合で、ほぼ同じ人数の仮釈放者となっている。
 地方更生保護委員会の委員は年間300人以上の面接を行っているとのデータもあるが、これでは能力的な限界があるのではないか。

(麻生局長)限られた人数で努力してたくさんの事件を審理している。

「絶対的隔離刑」というのは、現実的はありえるのでしょうか?
罪刑法定主義の下では、無理で、無期懲役が限界なのでは?
無期懲役で、出てこないようにする運用があるのでしょうか?
そもそも、無期懲役=出てくる、というものおかしいとは思うのですが。
米国のように、終身刑を作って欲しいものです。

 仮釈放が認められない理由として身元引受人がいないとか、帰る場所がないというものがあるそうです。服役態度とか犯状ではなく、本人の使える資源(ジェイさんに教わった言葉)で仮釈放されるかどうかが決まってしまうのはいかにも不公平ではないかと思う。

また裁判と直接関係無い話で恐縮ですが
被告人にうらまれた脳神経外科医について.
被告人の知人の経緯については全く知らないのですが
この医師の著作や活動を見て,医師のはしくれとして強い怒りを感じています
http://khon.at.infoseek.co.jp/chosha/s026.html
司直に医療をチェックする権限と能力と意思があるとするならば
まじめに医療に取り組む人間を罰しておいてなんでこんなのを放置するのか
疑問を持ちます.
医師には医師を罰する法的権限が与えられていないので
まともな医師は相手をしないと言う消極的方法に留まらざるを得ない
医療の自律制度を確立しようと言う機運が高まっている現在
こういった問題も新制度に対応していただきたいです

>或る内科医様
大阪府和泉市でヤクザな患者に看護婦が射殺された事件もありましたね。

>家庭内の虐待や愛情の欠如、同級生からのいじめなど、人格形成に及ぼした悪影響は否定できない。

この減刑理由には首をかしげてしまいます。虐待した親やいじめっ子への報復殺人などであれば、情状酌量も理解できます。しかし、この事件での被害者は加害者の生い立ちには何の責任もありません。

実際、いわゆる「不幸な家庭」で育った友人は、そういう生い立ちを言い訳にせず真っ当に生きている自分達を愚弄しているようではらわたが煮え繰り返る、といつも話しています。「そういう生まれなら人を殺してもしかたない」と世間が本気で思っているのなら、防犯対策として俺たちを収容所にでもぶちこめばいい、とまで言っていました。

弁護士としては減刑を求めるにはうってつけのネタなのでしょうが、「育ちの悪い人間は犯罪者予備軍」という偏見を助長しているように思えてなりません。

>私は仮出獄の制度を見直すべきなのだろうと思う。即ち、
「刑法28条 懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に出獄を許すことができる。」
「少年法58条 少年のとき懲役又は禁錮の言渡しを受けた者には、次の期間を経過した後、仮出獄を許すことができる。
一  無期刑については七年 (二以降省略)」
>私が考える問題点は、以下の通りである。
(1)裁判の軽視。司法が決定したことを行政が司法の関与なしで、その実質を変更する制度が良いのか。
(2)裁判は公開である。しかし、地方更生保護委員会は非公開であろうと思う。非公開で重要な決定を行ってよいのか。
>裁判員制度とのからみでも、仮出獄制度を真剣に議論すべきと考える。自分が裁判員になったときに、死刑判決を下さねばならないかも知れない。しかし、無期刑には仮出獄がある。これを一般市民として選ばれた裁判員は、どのように考えるのだろうか。
運用は、無期刑で仮出獄となった受刑者の平均は16年から20年経過後であり、中には70歳を超えても刑務所で受刑中の人もいるとのこと。
「三分の一」、「十年」という数字の合理性、保護観察制度(その規則の見直しも含め)等々も見直しを計るべきであろうと思う。その為には、現状の問題点の抽出、分析等も重要と思う。
なお、光市母子殺人事件で私が常に嫌な思いをするのは、死刑制度、弁護士、最高裁と言ったことより、被害者の夫であり父親である人がTVにも出て死刑のアピールを行っていると理解している。その中に、「少年の場合は、無期刑でも7年で仮出獄してくる。仮出獄をしてきたら、自分が犯人を殺す。」との言葉があるようだ。

エントリーのテーマからそれてすみません。

> いのげ さま
進行ガン等の難病に侵された患者さん、家族はワラにもすがる思いですからね。
マユツバものの民間療法に頼ってしまうのですね。医師資格を持つ人が、こういったことを標榜するのは、医者のはしくれのはしくれとして、「ちょとなー、ちがうんちゃうの。」と思います。

>医療の自律制度を確立しようと・・・。
個人的には、医師免許の更新制度が必要と思いますね。筆記試験、口述試験、人柄をみる面接をおこない医師の資質を再確認する。おっと、私が失業してしまうか。

>みみみさま
>大阪府和泉市でヤクザな患者に看護婦が射殺された事件
これも逆恨みの典型的な事件で、元暴力団組長が、入院させろ副院長に会わせろと騒いだ。ところが、以前にも同病院に入院歴のあるこの男は、入院中病室で飲酒したり、酒の肴を焼いたり傍若無人な振る舞いをした。当然入院を断るべく、前回入院中顔見知りだった看護師長が対応した。すぐにカッとなるであろう性格のこの男は、持参の拳銃を発砲した。その後、自分自身も刃物で自殺を企てた(何故、拳銃を自分自身のこめかみにあてずに、刃物で自殺しようとしたのか!!)。同院の外科医は緊急手術をして、この男を救命した。この男の手術をおこなった外科医の胸中察するに余りあります。亡くなった看護師長さんには、中学生の娘さんがいた・・・・。
実際、明らかに詐病であるのに、わざわざ救急車を呼んで「ハラいたいねん。もうあかんわ、入院させてくれー。」と三食昼寝付きの病院へやってくる輩もいます。危害を加えられたり、脅迫されないと警察も呼べないし、呼んでも到着する間にグサッとやられたり、どつかれたりする可能性もありますし。それに対応する医者、看護師、事務職員はホント命がけですわ。

さらにさらに脱線 すいません
医師免許更新制度もあっていいと思いますが、世間で言われる前提と
異なる認識を持っています。

テストの方法としてはペーパーテストに頼らざるを得ない
どんな方法でも倫理的適性をチェックすることはできない
手術手技の適正もチェックできない
専門外の医学知識をテストしても意味がない
おそらくテストするとすれば医療に普遍性の高い
安全領域に関する比較的新しい事項に限られると思います。
実際、自動車免許の更新もその程度です
歩けないとか字がかけないとか論外な医者を排除する程度の
機能しかありえない。この点、更新制度導入論者に
制度に対する過大な期待があると感じてますです。

頭が良くて患者を騙すのが平気な医師などに対しては
弁護士会の様な自律的排除機能を作らないと改善しないと思います。

確かに凶悪な犯罪者を殺してしまえば2度と罪を犯すことは出来ないでしょう。
しかも普通の感覚があれば死ぬのはイヤなので、犯罪の抑止効果も高い。
死んでしまった人間は、飯も食わないし逆らったりもしないから、お金もかからない。
費用対効果だけを考えると死刑というのは、いいことづくめな訳です。

しかし、本当にそれでいいのか? ということを考えた場合。
やっぱり、死刑の適用には慎重になるべきなんじゃないかな?というのが私の意見です。

死刑を連発しなければ国が保てないとしたら、それは先進国としては恥ずかしいことなのではないかな?と私は思う訳です。

それから、死刑になるべき人間が死刑にならない悪と死刑になるべきではない人間が死刑になる悪を比べた場合、私は死刑になるべきでない人間が死刑になる方が罪が深いような気がします。

問題点は、結局、現在の無期懲役が軽すぎるというイメージが作られてしまっていることにあると思います。
ようするに、「無期懲役では20年もすれば出てきてしまう。だから殺せ。」
こういう意見が多すぎるような気がします。

これを解決するには、仮出獄の条件を厳しくするとか、仮出獄後に厳しく監視するとかそういう方法で対処できると私は思います。
それくらいの人権の制限は凶悪犯罪者にとっては、むしろ当然だと思いますし、本人にとっても再犯を未然に防ぐことにつながれば、良いことであると考えます。

「島流し」って、いいと思いませんか?そこで自給自足。税金かからないし。

すみません。

 たくさんのコメントありがとうございます。
 最後のほうのコメントだけにちょっとお返事します。
 他のみなさん、すいませんm(_ _)m

RYZ さん
 現状では死刑をとても慎重に適用されていると思います。

Hachisuke さん
 「島流し」というのはよく出てくるアイデアなんですが(すいません^^;)、逃走防止のためには相当費用がかかりそうです。
 

18歳で一人殺して、死刑になる事って絶対ないですよね?

ブログタイムズ

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