エントリ

 さっそく判決がアップされましたので、読んでみました。
 以下は、第一印象的な感想文です。

 この判決でまず目を引かれるのは、最高裁が弁護人の事実誤認の主張を一蹴していることです。

なお、弁護人安田好弘、足立修一は、当審弁論及びこれを補充する書面において、原判決が維持した第1審判決が認定する各殺人、強姦致死の事実について、重大な事実誤認がある旨指摘する。しかし、その指摘は、他の動かし難い証拠との整合性を無視したもので失当であり、本件記録によれば、弁護人らが言及する資料等を踏まえて検討しても、上記各犯罪事実は、各犯行の動機、犯意の生じた時期、態様等も含め、第1、2審判決の認定、説示するとおり揺るぎなく認めることができる。

と述べた上で、さらに本件の情状に関係する主要な事実関係を具体的に判示しています。

 これによって、差戻審では、犯行当時の事実関係について弁護人が争う余地が封じられたと考えられます。

 そして、犯行当時の事実関係を前提として

以上の諸点を総合すると、被告人の罪責は誠に重大であって、特に酌量すべき事情がない限り、死刑の選択をするほかないものといわざるを得ない

という情状判断も差戻審を拘束します。

 その上で最高裁は「特に酌量すべき事情」として、まず計画性を検討していますが、殺人については

殺害につていの計画性がないことは、死刑回避を相当とするような特に有利に酌むべき事情と評価するには足りないものというべきである。

と判示しており、この点も差戻審を拘束します。

 次に最高裁は、被告人は犯行当時18歳になって間もない少年であったことを問題にしていますが、

結局のところ、本件において、しん酌するに値する事情といえるのは、被告人が犯行当時18歳になって間もない少年であり、その可塑性から、改善更生の可能性が否定されていないということに帰着するものと思われる。そして、少年法51条(平成12年法律第142号による改正前のもの)は、犯行時18歳未満の少年の行為については死刑を科さないものとしており、その趣旨に徴すれば、被告人が犯行時18歳になって間もない少年であったことは、死刑を選択するかどうかの判断に当たって相応の考慮を払うべき事情ではあるが、死刑を回避すべき決定的な事情であるとまではいえず、本件犯行の罪質、動機、態様、結果の重大性及び遺族の被害感情等を対比・総合して判断する上で考慮すべき一事情にとどまるというべきである。

としています。

 つまり、18歳未満は死刑にできないが、逆に言えば18以上は死刑にできるのであるから、18歳になって間もないとしてもそれをもって死刑回避の理由にはできない、ということのようです。

 要するに、最高裁判決の論理というのは、

 本件犯行の悪質性に照らすと、本件は「特に酌量すべき事情」がない限り死刑に処すべき事案である。
 原判決(控訴審)は、「特に酌量すべき事情」として、「殺害に計画性がないこと」、「被告人が犯行時18歳になってまもない少年であったこと」を考慮して死刑を回避したが、その判断は誤りである。
 そこで、原判決(控訴審)が指摘した事情以外の「特に酌量すべき事情」の存否を確かめる必要があるので、事件を差し戻す。

というものであると解されます。

 それでは現実問題として、新たな「特に酌量すべき事情」というものがありうるのかということを考えてみますと、犯行当時の事実関係が固定されてしまい、そして犯行当時の事実関係からは死刑回避の事情が認められないと最高裁が判断している以上、犯行当時の事情に基づいて死刑を回避するに足る「特に酌量すべき事情」を主張立証することは事実上不可能であると思われます。

 そうすると犯行前後の事情が問題になりますが、犯行前の事情として最も重視されるのは被告人の生育環境の劣悪さ(つまり被告人ではなく社会が悪いという主張)ですが、この点については、すでに本件の最高裁判決が

特に劣悪であったとまでは認めることができない。

と判示しており、生育環境に関する主張もやるだけ無駄と言えそうです。

 とすると残るは問題は犯行後から差戻審の弁論終結までの事情ということになりますが、本件判決から差戻審の弁論終結までの事情については、そしてその間の事情のみが、原判決及び最高裁判決が(未来の事実として)未だ考慮に入れてはいない事情として評価の対象になるものと思われます。
 どのような観点で問題になるかといいますと、被告人の更生の可能性、被告人の反省・悔悟の念、遺族感情等が主要な問題になります。

 その観点で言いますと、被告・弁護側が、殺意を否認して傷害致死を主張したのは死刑回避戦略として果たしてどうであったのか、が問題になります。
 冒頭で指摘しましたように、最高裁は、弁護人の傷害致死の主張を文字通り一蹴しました。
 判決の「揺るぎなく認めることができる」というのは私が知る範囲で、とても強い表現です。
 最高裁は、弁護人の主張は全く説得力がありません、と言っているように感じられます。
 
 そうなると、「犯行当時は殺意があった」という事実を前提にして、被告人の言動が評価されることになるのですが、裁判所から見れば

 犯行当時殺意があったにもかかわらず、死刑が予想される事態になったとたんに殺意の否認を始めた。
  ↓
 これは、死刑逃れのための虚偽の言い訳にほかならない。
  ↓
 これでは真摯に反省しているとは思われない。
  ↓
 言い訳しか考えない被告人に更生の可能性があるのだろうか。
  ↓
 いや、ない。→ 死刑しかないな。
  ↑
 まして、1審判決後にはあんなふざけた手紙をだしていることだし。

というふうに見えるのではないのかな、と思えてしまいます。

 結果論かもしれませんが、このような判決が出てしまいますと、傷害致死の主張はしないほうが差戻審の弁護がやりやすかったのではないかと思います。

追記(H19/6/28)
 別エントリで、差戻審の被告人質問について検討してみました。
 刑事弁護に関する議論については、こちらのコメントで引用されているエントリも参考にしてください。

追記(H19/9/10)
 最近のエントリ(橋下弁護士関係など)
 刑事弁護について
 「被告人を守るということ」と「被告人の自己責任」
 今枝仁弁護士のコメントの転載


追記(H20/4/22 差戻審判決の日)
 関連エントリは以下にまとめてあります。
 http://www.yabelab.net/blog/040ue/041oeieoei/046oeiooeie/

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コメント(76)

大変わかりやすい解説ありがとうございました。

最高裁での証拠として弁護側が提出した元少年の手紙の文面や
少年の父親の判決後のコメントをテレビで見ましたが、どれも
自己憐憫に満ち満ちた、他人を納得させるには程遠い内容でした。

次は、広島高裁が裁判の迅速化に沿った的確な訴訟運営ができるのか
について注目したいと思います。

被害者お二人のご冥福をお祈りします。

これは、もう無理ですね。
安田弁護士を擁護していた私としては複雑な心境ですが、さすがに最高裁の判決文だけあって説得力があります。
そもそも、私が安田弁護士を擁護したいという気になったのは、マスコミやネットで袋叩きにあっているのを見るにみかねてということで、理性的なものではなかったということなのだと思います。
完全に私が間違っていたということなのでしょう。

わかりやすい解説で理解することが出来ました。

裁判官と言えども人の子ですし、
「蝶々結び」の主張には怒髪天を衝くとはいかないまでも
かなりのインパクトを受けたんじゃないでしょうかね。

結果論になるかと思いますが、
「蝶々結び」を主張した安田、足立両弁護士は
自分たちの手が元少年の首に掛かっていたことを理解できなかった
ということになるのかもしれませんね。

それでも、まだ少し釈然としない部分があるので質問させてください。
判決文には、殺人・強姦致死・窃盗の事案と書いてあったのですが、
罪の数え方として、この事件は「殺人1・強姦致死1」なのでしょうか?
それとも「殺人2・強姦致死1」なのでしょうか?
そういうことは、こういう事件については、あんまり関係ないのですか?

この件で一番の不快感を覚えたと言うより、「余計な汚点」を付けてくれたのは、
やはり、「安田好弘」と「安立修一」の両弁護人でした。
弁護人が「法律を分かってない」
「死刑を回避させる為なら何でもやるぞ」
のパフォーマンスは、見苦しいを通り越して、滑稽にさえ見えました。

サンドラールさん、安田の支持者でしたら何も言いません。

しかし、奴の擁護は無用だと思います。
被害者の苦しみなど、「毛」程も分からない、分かろうともしない「無神経さ」を持ってます。
いくら、マスコミやネットで袋叩きにされようと、
「俺の言うこと、やることは正しいのだ!」
と思って、益々意気盛んになりますよ。
そう言う輩です。


被害者の母親については、
判例の立場としては、殺人と強姦致死の観念的競合、
つまり、本件殺害行為は殺人罪と強姦致死罪の両方の罪に触れる行為である、としています。
この場合は刑法54条により、2つのうち最も重い刑(本件の場合は殺人)により処断されることとなります。

で、子供の方は、殺人罪ですから、「殺人2・強姦致死1」として判断していると思われます。


弁護士らの「蝶々結び」の主張は、死刑回避という戦略上は失敗だと思いますし、それをさらに法廷のみでなく、会見で報道した意味については何を考えたのかさっぱりわかりません。被害感情の強化、社会的非難を巻き起こすだけにすぎないように見えたのですが。

殆ど刑が確定した様なものだが、また何年も掛かるのだろうか・・・。
関係者は大変ですね。

幾つかのブログを見た感想
安田氏を擁護する方の大半は、
・高所に立って「教えてやる」「答えてやる」という態度が多い。
・答える事が出来ない(都合の悪い)質問がぶつけられると、
そのまま流すか、論点をずらして煙に巻こうとする。
・中立の立場で見る事が出来ない。
・被害妄想が強過ぎる。
・そもそも「盲信者」が多いので、議論が出来ない。

多少の偏見が入っていますけど・・・
安田氏は売名行為をしている様に見えます。
「弱者の味方」とかではなく。

安田さん、別に名前売るメリットないじゃん。

>しゅうさん

ご指名を受けたので返信いたします。
「安田の支持者」というご指摘を受けたので文章を読み返しましたが、
それに該当する内容が思い当たりません。
ひょっとしてRYZさんの書き込みと混同されたのでしょうか?

立場を明確せよ、というご指摘だとすれば
私は消極的な死刑存置論者です。
又、弁護士という職業の重要性は理解しておりますが、
今回の私選弁護士であるお二方の主張には
私の到底理解の及ばない内容ですので、とてもコメントする気にはなりません。
平たく言えば「コメントする価値無し!」です。

初歩的な質問をさせていただきたいのですが。

今回の訴訟では、「被告人から友人に宛てた手紙」が高裁で証拠採用されたと聞いています。日常用語では手紙は書面にあたると思いますが、刑事訴訟法323条は証拠とできる書面を厳しく制限しています。「被告人から友人に宛てた手紙」がなぜ証拠採用できたのか、教えていただけませんか。

モトケン先生の解説 たいへん分かりやすかったです
一点 言及されてないのが最後の最後

>いや、ない。→ 死刑しかないな。

で 死刑判決ではなく破棄差戻しである点です
ご遺族はこの点に大きな不満を表明されています。
私としては最高裁の心意気なんてどうでもいいのですが
時間と税金の無駄遣いもたいがいにしていただきたい。

最高裁のホンネとしては先日のぶっちゃけた話かな思ってますが
報道によると「更正の可能性に関する事実関係の審議が不十分」
であることを理由としているそうです。
例の手紙で十分だとみんな思っているのに
タテマエのでっちあげ方はさすがうまいな、と感じます。

>犯行当時殺意があったにもかかわらず、死刑が予想される事態になったとたんに殺意の否認を始めた。

 これは死刑の威嚇力が国民の目の前に曝された稀有な事例かも知れません。

無名人 よ

次のブログを読むがいい

http://critic2.exblog.jp/3251270

以下、引用

本村洋の復讐論と安田好弘の怠業 − 山口県光市母子殺人事件

本村洋を最初に見たのも「ニュースステーション」だった。記憶が不確かだが、99年の一審の求刑が出たときだっただろうか。事件の残忍性も衝撃だったけれど、彼が生放送のスタジオで発した言葉が鮮烈で、私の心の奥深いところに届き、彼に対して尊敬の念を抱いた。私が若い人間に尊敬の感情を覚えることは滅多にないが、この男は何と偉大だろうと胸を打たれた。当時23歳。簡単に言うと、彼がスタジオで言ったのは、「もし犯人が死刑にならずに刑務所から出てくれば、私が自分の手で殺す」という殺人予告だった。結論だけ聞けば過激で異様な報復宣言だが、それを論理的に説明する彼の弁舌が実に見事で、秀逸で、久米宏と一緒にずっと息を詰めて聞き入った。録画できなかったことを後悔しているが、忘れてはいない。それはまさに刑罰論であり、刑法総論の序章をなす法哲学の開陳だった。例えば国立大学の法学部の二年生が履修する刑法気旅峙舛遼粗で聴かせてやりたいような彫琢された美しい議論だった。

死刑は廃止してはならない。死刑の意味は、殺人の罪を犯した人間が、罪と向き合い、犯行を悔い、心から反省をして、許されれば残りの人生を贖罪と社会貢献に捧げようと決心して、そこまで純粋で真面目な人間に生まれ変わったのに、その生まれ変わった人間の命を社会が残酷に奪い取る、その非業さと残酷さを思い知ることで、等価だという真実の裏返しで、初めて奪われた人の命の重さと尊さを知る、人の命の尊厳を社会が知る、そこに死刑の意義があるのだ、とそのように言っていた。私はテレビの前で感動し、またそれを23歳の若さで、あれほどの悲しみと不幸と混乱の中で、毅然と整然と説得的な論理に纏めて言葉にできた本村洋に強い尊敬の念を抱いた。そして彼の復讐論に感銘を受け、彼の意志と信念を強く支持する気分になった。心を揺り動かされた。それから七年が過ぎ、事件は最高裁判決の手前まで来たが、さらに様々な問題の膨らみを抱え、予想せぬほどの過酷な試練を本村洋に与え、今日に至っている。

社会は、歴史は、全ての荷重を一人の庶民に集中して負わせ、苦しめ、耐えさせる。まるで橋田寿嘉子がドラマを作るように、橋田寿嘉子よりも十倍も苛烈に、そういうことをする。偶然に選ばれた庶民は、歴史に人間の気高さと誇り高さを証明するために、どこまでも不条理に耐えて戦う姿を見せなければならない。河野義行、須藤光男、本村洋。ノーベル賞もなく、文化勲章もなく、紫綬褒章もなく、金一封もなく、あらゆる困苦に耐えて、人間の気高さと崇高さを証明しなければならない。その犠牲によってこの社会が支えられている。本村洋の復讐論は近代法制度の欺瞞と限界を暴露し告発するものだった。またそのとき思い知ったのは、刑法が、どれほど近代法の様式を纏ったものであっても、そこにはハムラビ法典以来の復讐法の思想がそのまま原型保存されていることだった。ハムラビ法の復讐法理と聞くと、人はそこにアジア的専制国家の野蛮と粗暴を想起し、近代合理主義の対極にある因習のように捉えてしまうが、本村洋の説得によって私の見方は一転し、古代の人間の考え方こそが普遍的で合理的なものだと確信するようになった。

復讐権を独占しながら、その権利を行使せず、加害者のみを庇護し、被害者遺族の権利を踏み躙っている近代国家と法制度に問題がある。そういう根本的な問題を本村洋は提起しているわけだが、論理的にも心情的にも当然の主張であるように思われる。紀藤正紀は、最高裁上告審の口頭弁論を欠席した安田好弘をほぼ全面的に擁護し、あまり安田好弘を責め過ぎると凶悪犯を弁護する人間がいなくなるから控えるようになどと言っているが、この主張には全く賛成できない。どんな刑事被告人にも弁護士がつくのが国選弁護人の制度であるはずで、今回、【行為者】(管理者注、原文は実名)を弁護する安田好弘は国選ではなく民選だ。自ら引き受けている。また、口頭弁論を欠席して時間稼ぎを図るというやり方も姑息で卑劣きわまる。裁判制度そのものを愚弄し否定するものだ。弁護士だから被告人の量刑を軽くするべく尽力するのが当然だという議論もあるが、裁判が正義と真実を明らかにするものであり、弁護士もその司法の大義に仕える一部であるのなら、弁護活動の目的の第一は被告人の量刑軽減ではなく、正義の実現と真実の解明ではないのか。

この場合、罪を反省せず、被害者と被害者遺族を侮辱している被告人の【行為者】(管理者注、原文は実名)の量刑軽減が達成されて、死刑が無期懲役になることが、社会正義の実現になるのか。昨日(4/17)、安田好弘は記者会見の席上で事件を描いた絵を示して、被告人である【行為者】(管理者注、原文は実名)の殺意を否定、検察および一審と二審の事実認定が誤りだったという主張を繰り広げていた。被告人は一審二審では事実については争っていなかったはずだ。今頃になって、しかも先月の上告審口頭弁論を勝手に欠席しておきながら、この言い草はどういうことだろう。弁護士は何をやってもいいのか。安田好弘の行為は裁判と裁判所と国民への愚弄であると同時に、被害者と被害者遺族に対する明らかな名誉毀損だろう。本村洋は安田好弘を名誉毀損で告訴するべきだ。二十年くらい前からだろうか、凶悪事件の増加とともに、安田好弘の類(たぐい)の公共敵とも言うべき「人権派弁護士」の跳梁跋扈が目につくようになり、「人権派弁護士」の言語の意味がプラスシンボルからマイナスシンボルにスイッチした。弁護士の特権的地位を濫用して身勝手な司法妨害を平然と行っている。

判決は死刑以外にない。最高裁判決で死刑を確定させた上で、安田好弘の名誉毀損を追及するべきだ。


管理人から
 本コメントの引用部分には、少年法61条に抵触するおそれのある記載がありましたので、その部分について編集させていただきました。

横レス失礼します。
今回の判決には納得している者なのです。
(被害者の皆様には大変な日々が続くのは痛ましいのですが)
特に安田弁護士を批判するわけでもありませんがどうしても納得のいかないことがあります。それは第一審の事実誤認を訴えたことです。これは弁護人の権利として認められているのでしょうか?弁護人の変更に伴いこのような事実誤認の訴えがなされるような自体は裁判制度そのものを揺るがす行為と伺えるのですがどうなのでしょう。
今まで指して来た将棋の盤を最終面でひっくり返そうとする技は納得いきません。

素人考えながら裁判における弁護人や検察官は決して被害者・加害者の味方であってはならないと思っていました。あくまでも司法という物差しの下、被害者・加害者それぞれの視点より事実を明らかにする代理人であり、明らかにされた事実関係を元に最終判断を下すのが裁判官である。私の認識は上記のようなものでした。(要するに視点が違うだけで求めるものは一緒ということ)

この裁判を見ていると、弁護士は加害者の味方、検察官は被害者の味方で双方に感情移入しまくった上に自分の思想をも加味して判決を意図的な方向に向けようと努力しているように伺えます。こういった裁判制度の現状は本来あるべきものからは遠いのかなぁと思ってしまうのですがどうなんでしょう。所詮人間がやることだから100%はありえないといえばそれまでなんですけどね。

少なくともこんな痛ましい事件が二度と起こらないようにしたいですね。

元検様、わかりやすい解説ありがとうございました。

>安田氏は売名行為をしている様に見えます。
「弱者の味方」とかではなく。

私も、安田氏は売名目的ではないと思います。
また、当然「弱者の味方」でもないでしょう。本来の弱者である遺族について一切考慮していませんので。

ここからは、私個人の偏見ですが、彼は自らの「死刑反対」という信条にのみ従って行動しているのでしょう。ですので、死刑案件の弁護は何でも引き受ける。そして今回のように時間が足らなくなるような案件も出てくる。

自らの目的達成のためには、ルール違反や遺族を傷つけることなどでも平気でやれる。しかも、信条に基づいた行動なので、反省することもない。

ついには、今回のような主張に至ったのでしょう。ただ、時間がなかったことが災いしたようで、作戦が余りに稚拙すぎました。「死刑反対」主義者が、自らの手で情状面での弁護を困難にして、被告に死刑を近づけるようなことをしてしまったのですから、皮肉といわざるを得ません。オウムの松本被告弁護団に匹敵するような稚拙さを感じます。自らの信条にとらわれるあまり、人間の心や周囲の状況すら見えなくなっているのでしょう。

今一番悔いているのは、彼らに弁護を依頼した被告本人かもしれません。


モトケン様
2006年06月21日 22:44の無記名のコメントは、少年法に違反する内容を含むと思いますが、削除されてはいかがでしょうか。

刑法ゼミ生さん。
私の疑問に答えていただいて、ありがとうございます。
殺人2と数えているのであれば、死刑もやむなしかなということになるのでしょう。

それでも私は安田弁護士を支持しますね。
そもそも、弁護活動をするにあたって被害者感情を考慮して活動に手を抜くなんてことが許される訳がないと思います。
安田弁護士を輩よばわりしている人がいらっしゃいますけど、そっちの方がよっぽど名誉毀損にあたると思いますよ。
ハッキリ言えばマスコミの印象操作にひっかかってるだけじゃないんですか?
妙な突っ込みを入れられるのとなんですから断っておきますが、私は死刑反対論者でもなければ、安田弁護士の弁護内容が納得できると言っている訳でもありません。
叩きやすい相手を選んで袋叩きにすることを正義と言うのはおかしいと言っているだけです。

RYZさん
それって、「安田弁護士を支持」してるんじゃなくて、印象で番組を構成するマスコミとそのマスコミに「ひっかかる」人達に反対してるってことだと思うんですが。

「安田弁護士を支持」というのは誤解を受けやすい表現で、損だと思います。
割とみんな印象でモノを読むものですから。

被告人をかばうのが弁護士のお仕事です。
安田弁護士は彼なりのやり方で仕事をしているだけです。
仕事のやり方の当否を論じることはできますが、凶悪犯をかばっているから悪い、という論法はお仕事のやり方の当否を論ずるものとして何らの説得力をもちません。
それを言うのがマスコミであろうと、ネット上の個人であろうと。

モトケンです。
 関連する三つのエントリに対して多数のコメントありがとうございます。
 幾つかの質問についてはお答えしなければいけないかなと思っていましたが、既にほとんど回答されているように思います。

無名人 さん
 「被告人から友人に宛てた手紙」がなぜ高裁で証拠採用されたかについては私も興味があるところですが、情報不足でよくわかりません。

いのげ さん
>>いや、ない。→ 死刑しかないな。
>で 死刑判決ではなく破棄差戻しである点です

とのご指摘ですが、これは私のエントリ本文の舌足らずであり、趣旨としては、「死刑しかないな。」というの差戻審の高裁の判断について言ったものです。


 どうして自判しないのだろうというご意見が多いように思いますが、基本的には死刑を確定させるためには慎重な審理が必要だという考えがあるのだろうと思っています。
 死刑を宣告するためには、死刑になるべき事情の存在と死刑を回避すべき事情の不存在の両方が確定されなければならないとしますと、現状では審理が尽くされていないということになるのだろうと思います。
 そして最高裁は法律審ですから、事実審理が必要な場合は高裁に差し戻すことになるのだろうと思います。

 しかし、差し戻したとしても、最高裁が判断した事項は裁判所法4条によって差戻審を拘束しますから、そして最高裁はかなり詳細な判断を行っていますから、控訴審はそれほど長くはかからないだろうと予想しています。

最高裁のタテマエ論が100%正しいとしても
地裁高裁は今までどうして事実関係の大筋に全く争いが無い事案で
事件発生以来7年かけても「慎重な審理」が出来なかったのかという疑問は消えません.
最高裁が判断を示した多々の論点と「更正の可能性」の問題は全く独立した論点です.ルーチンとして全ての犯罪者に必ず論じられるべき点です.審理することは出来たはずなのにナゼしないのか.慎重で必要十分な審理というのはそんなに困難なものなのか.原資料にタッチできない人間には大きな疑問です.
この疑問 遺族だけでなく国民の大多数が抱いているはずの謎について
原因究明が無ければ,今後も同様の現象が再発する事は必至です.
裁判所はなぜそれを究明し,調査結果を公表しないのか.これだけ世間の批判を浴びる結果に対して再発予防の意思が無いのか.

高裁においても有名な事件の審理ですから,充分に調べていると考えるのが自然です.高裁の判事のサボタージュが存在したのなら経費を弁済していただきたい.
裁判官には血税に対するコスト意識が欠落しているのではないでしょうか.

>>弁護士は加害者の味方、検察官は被害者の味方で双方に感情移入しまくった上に自分の思想をも加味して判決を意図的な方向に向けようと努力しているように伺えます。

kazunon さんの意見に賛同しますが、問題はマスコミ報道が被害者側中心であるため、本来「社会の秩序を回復する」ための司法が、報道によって世論が復讐といった原始的な思想に回帰しつつあるのではないかという危惧を感じざるを得ません。かくいう私もblogには大手マスコミからの情報だけで安田弁護士を批判しておりました。

なぜ、安田弁護士が事実人認定に疑義を生じたのか、それがきちんと報道されることはありませんでした。私がそれを知ったのは「神保・宮台の丸激トーク・オン・デマンド」であり、ほとんどマイナーなジャーナリズムからでした。

一方的な、特に被害者側から世論に感情的なメッセージを送り続ける手法は、ワイドショーネタとしては最高にオイシイモノなのかも知れません。しかし、公平性を存在の基盤として存在しているジャーナリズムとしては最低の作法でしょう。

このところの、ライブドアあるいはムラカミ氏報道に代表されるように、検察リークだけで報道しているマスコミには取材能力すら疑問です。同様に、マスコミが世論を操作し、さらにあおった上でさらに視聴率をかせごうとするワイドショー的マスコミ報道。blogですら世論を左右することがあります。私たちはモノを言うまえに「それが中立的意見なのか」を厳しく判断すべきことを、もう一度考えておく必要があるのではないでしょうか。

>なぜ、安田弁護士が事実人認定に疑義を生じたのか、それがきちんと報道されることはありませんでした。私がそれを知ったのは「神保・宮台の丸激トーク・オン・デマンド」であり、ほとんどマイナーなジャーナリズムからでした。

そ そういう大事な事はもちょっと詳しく教えて欲しいです…
で 検索してみたらここのことでしょうか 無料で見れるようですね
http://www.videonews.com/

↑大ウソ

すいません 月額525円 見放題でした…

TBありがとうございました。
より詳細な事実関係がわかって、勉強になりました。コメントされている皆さんのご意見にも多様で示唆に富むものがあり、あらためて当該裁判の社会的影響力とその関心度の高さを知る思いでした。

さて、私の見解です。

通常1・2審で無期懲役という判決が出て、最高裁にいった場合、これまでは下級審の判決を支持するものが多かったように思います。ましてや事実認定において疑義があるというようなケースでもないわけですから、本村さんの活動がなかったならば、おそらく無期懲役になっていたと思うのです。
ですから、最高裁が差し戻しをした背景には、当然のことながら世論を考慮したということがあると思います。それは、死刑相当という判断ですね。高裁差し戻しの内容でも、この点に言及し、本ブログにもあるように、それは強い拘束力を指し示していた…。そして消去法じゃないですけど、差し戻し理由として考えられるのは「更正の可能性」であると…。
でもね、死刑相当と判断した一方で、更正の可能性を再審理させるというのは、得心がいきません。しかも、それが最高裁の判断であるという点です。矛盾した内容で下級審に戻すということが理解できないのです。私は最高裁のとるべき態度として、自判しかなかったと思っているのです。世論を考慮しておきながら、肝心の部分では下級審に委ねて、自らの裁決を留保したということです。これでは法の最終番人としての責任を果たしたとは言えないのではないでしょうか。

昨年来、このブログを愛読してきた者ですが、今回初めてコメントさせていただきます。
>テッド様
およそ法曹界に何の関係もない、ガテン肉体労働系のワタクシですが、これまでの報道や、モトケン矢部先生のエントリー、そして皆様のコメントを読んで思ったのは、
2審で、薄弱な根拠で死刑判決を回避した高裁への、キツ〜いペナルティなのではないかと(ペナルティという表現が適切かどうか判りませんが)

ひとつひとつ、「情状酌量」の根拠を反証していって、最後に
「これでもまだ、無期懲役を支持できるものなら、やってみろ」と。
最高裁が職権をもって2審をひっくり返すのではなく、「日和った」広島高裁に、あえて死刑判決を読み上げさせるのが目的...と言うのは、皮肉すぎる見方でしょうか?

特に少年による凶悪犯罪など、市井の人間の常識的感覚から見れば異様に日和った判決がしばしば下される、各地の地裁や高裁への、「法と秩序の番人たれ」と言う警告、と私は読みました。
深読みしすぎでしょうか??>>モトケン先生

テッド さん、いらっしゃいませ。
 破棄差戻判決には違和感を覚える方、納得できない方が多いようですが、法律家的には常識的な判決なのです。
 高裁は、計画性がないことや若年であることをなどを理由として死刑を回避して無期懲役にしたわけですが、最高裁はその判断は誤りだと指摘しました。
 しかし、高裁が判断の対象にしなかった事情で死刑を回避すべき事情があるかもしれないということで、最高裁はそのような事情を高裁に確認させるために差し戻したのです。
 結果的には2審の高裁の判断が間違っていたことになるわけで、以前に私が、本件の裁判長期化の原因は高裁にあると言ったのはそのような意味合いからです。

太郎冠者さん、はじめまして
>深読みしすぎでしょうか??>>モトケン先生
 
 やや深読みしすぎだと思います(^^)
 2審の裁判官と差戻審の裁判官は、同じ広島高裁でも別の裁判官が担当するはずですから、ペナルティという面はないと思います。
 比喩としては何となく理解できますが。
 最近の裁判所に対する評価として、高裁は先例踏襲型の無難な判決をする傾向があり、それを最高裁が覆しているという指摘があります。
 本件もそのような傾向が表れたのかな、と思っています。

いのげさん
 二審の高裁は、被告人の更生の可能性に触れて、それを最大限死刑回避の理由にしたように思われます。
 しかし最高裁は、それを重視しなかったわけです。
 まあ、差戻判決の根拠としては、最高裁は事後審及び法律審としてのスタンスを守っていると言うのが最大の理由だと思います。

iFinder さん
 安田弁護士の事実認定については、証拠の全体を見てみないとはっきりしたことは言えません。
 が、最高裁の口ぶりに照らしますと、相当いいとこ取りの意見なのかなと想像されます。
 いずれにしましても、犯行状況に関する勝負は既につきました。
 再審事由に該当するような新たな証拠が出てこない限り、覆ることはないでしょう。
 
 マスコミの報道につきましては、見識をもった主体性というものが感じられませんね。
 勉強不足であることが大きな原因だと思いますが、勉強しようという気持ちが欠けているのかもしれません。

モトケン先生 またもや丁寧なご開設ありがとうございます

最高裁は事実関係の審議は行わない原則があり、
高裁における更正に関する審議が不十分だった、
高裁に原因が有る、ということですね。

>基本的には死刑を確定させるためには慎重な審理が必要だという考え

無期懲役より死刑の方が慎重であるべきというのは正論です
しかし順序が逆じゃありませんか?
死刑にする気が無いから慎重な事実審理をしないというのは
審理より先に結論ありきです。こんな訴訟指揮ってありなんですか?

他に何か十分な審理をしなかった理由が高裁にあるのでしょうか?
更正の可能性についての十分な審理ってそんなに難しいんでしょうか?
具体的にどこらへんの審理が不足していたのでしょうか?
不十分と判断する根拠は公表しないでいいんですか?
根拠を聞かなくても納得するのが法律家の常識なんですか?

まだまだ謎は尽きないです。

 う〜ん、どう説明したらいいか悩みますが(^^;
 高裁が慎重審理をしなかったというわけではなく、最高裁が年には念を入れようとしている、と言えばおわかりでしょうか。
 高裁の審理は、原則として当事者、つまり検察官と被告人及び弁護人の主張の当否を審理します。
 高裁は、弁護人の計画性のなさとか若年だということを採用して無期懲役にしました。
 ところが最高裁は、それじゃあ無期懲役の理由にはならないと言ったわけです。
 つまり被告人及び弁護人としては十分主張したとして一安心していたところに、それでは十分でないと言われたわけで、そのまま確定させたのでは被告人及び弁護人に反論の機会をあたえないまま死刑を確定させてしまうことになります。
 そこで、今までの主張以外に別の主張はありませんか、あるならその主張を審理しましょう、ということで破棄差戻になったわけです。

 つまり、破棄差戻というのは、一部のマスコミが言っているように、「審理のやり直し」ではありません。
 補充審理または追加審理と言うべきものです。

 そういうことなら最高裁で被告人及び弁護人の主張を聞けばいいじゃないか、というご意見があるのは当然ですが、そこで最高裁というのは事後審かつ法律審であるという性格が問題になるわけです。

 最高裁がなぜ事後審かつ法律審になっているかといいますと、一言でいえば最高裁は一つしかないからです。
 つまり仕事を減らさないと最高裁がパンクしてしまうからです。
 裁判でいちばん手間がかかるのは証人尋問などの証拠調べですので、上告事件が一カ所に集中する最高裁としては、証拠調べをしないことを原則としているのです。
 

 ぶっちゃけた話をすれば、責任分散だと思いますが、死刑判決は慎重の上にも慎重にという考えは正しいと思いますので、破棄差戻判決自体には賛成です。
 しかし、今までの裁判が長くかかりすぎているということも感じます。

モトケン様

市民にもわかり易い解説で大変役立っております。有難う御座います。

ひとつ質問があります。
法律審である最高裁で、

「上記各犯罪事実は、各犯行の動機、犯意の生じた時期、態様等も含め、第1、2審判決の認定、説示するとおり揺るぎなく認めることができる。」

というような事実認定はできるのでしょうか。
また、これの有効性はどうなのでしょうか。

最高裁が事実審理をしないのはよーく分かってるんですが(しなくていいとも思ってます)
やっぱりモトケン先生の説明は事実関係の時系列順が逆だと思います

>つまり被告人及び弁護人としては十分主張したとして一安心していた

これって高裁判決後の時点の話です。高裁が判断を下す時点での審理が充分であるか否かとは全く無関係です。高裁で審理する時点(結審以前)では裁判官は弁護人の主張の是非を認定したりしないので、弁護人は言いたいことを全部言ったはずです。(一審の判決で安心して二審で審理をしなかったのなら、今度は二審検察側の立証が不十分ということになります)

私はモトケン説より日曜朝の日テレのワイドショーで解説された丸山弁護士の解説の方が納得いきます。安田弁護士が最高裁で持ち出した新しい主張に関連する審理が充分でない、と。これはなるほどと思います。世間では「珍妙」ともとられた無殺意説ですが、裁判引き伸ばしには(差戻し審の後にまた控訴もできるわけですから)相当有効な法廷戦術であったということで、これなら理屈として納得がいきます。

わたくしの解釈が正解かどうかはわかりませんが、この様に問題点の本質を突き詰めることは重要かつ必要であり、今日に至るまでこの点についての充分な解説が法律家からなかったことが残念です。

公判ドタキャンとか7年もかけた裁判の土壇場で新しい論点を持ち出すとかいう法廷戦術の有効性、これは安田弁護士が弁護人として優秀なんだなと分かりました。そしてこの有効性が存在することが明らかになった今、専門家はこれに対応する気はあるのでしょうか?制度の見直しは必要ないのでしょうか?とりあえず全国の検察や高裁判事は「珍妙な説」にも対応できる事実審理を行って無駄な裁判を減らす努力を尽くしていただきたいです。精密司法の名が泣くでしょう。

安田弁護士は苦しい立場で現行の制度の範囲内でやれるだけのことをやった、それが弁護です。非難する気はありません。それよりも丸山弁護士が実はただの酔っぱらいのオッサンでないことが分かってかなり驚きました。

あれれ よく読むと安田弁護士らの主張はこのページの一番上の引用部で却下されてますね。読み方が足りなくて失礼しました。↑前言撤回です。

で、ここのエントリー本文を読み直しても差戻しの理由がまだ良く分かりません
もうギブアップです(泣
結局のところ例の「ぶっちゃけた理由」じゃないのかなぁ

丸山弁護士がやっぱりただのオッサンであることはよく分かりました…

RITZ さん
 上告審は法律審ですが、
 第411条3号によって「判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。」の有無を判断できます。
 また、第414条が準用する第393条により「事実の取調をすることができる。」わけですから、事実認定が可能だということになります。

モトケン 様

回答有難う御座います。
少し、勉強してみたいと思います。

いのげさん

>で、ここのエントリー本文を読み直しても差戻しの理由がまだ良く分かりません

 理論的には、訴訟法や訴訟の構造とかを勉強していただくと、法律家の感覚が少しはご理解いただけるかな、と思います。
 訴訟というのは、かなり技術的な場ですので。
 素人の方が理解できないというのは、ほんとはそれだけで問題だと思いますが。

>結局のところ例の「ぶっちゃけた理由」じゃないのかなぁ

 コメントを控えます(汗

 モトケン様の分かりやすい説明を見て、更に最高裁の判決を読んでみて感じたのですが、現在の差し戻し審で弁護側が主張してる過失致死とかは既に争点にすらならないはずなんですが、何故この様な主張が出来るんでしょうか? 裁判って差し戻しされたら又事実認定から始める事が可能なんでしょうか?

初めまして。
世の中の何も解っていないおバカさんですが、家族を失った痛みは解ります。

ヤツを弁護する弁護士って、どういう気持ちで弁護してるのでしょう・・・。
もしも・・・自分の家族が同じような目に合った。・・・その時どうなの?

全くの冤罪だと自分で確信したのなら、弁護するべきだと思っているけど
犯してしまった罪を軽くする為に弁護するなんて、人としてどうかと思います。

理由なんかオマケであって、やった事の方が先でしょ。

宮崎ツトムの「ねずみ男」しかり
今回の「どらえもん」ともども異常者のふりをしているのか
未成年だから死刑はないと思っていたのがやばくなってきたんで
低レベルな知恵をつけたんでしょうね。

亡くなった人々は確かに戻ってはきませんが
こいつらを早く死刑にしないと遺族の人々は気持ちが前に進めないのでは。

法律も何にも詳しくない感情論の私ですが、安田さんといい、ドラえもんといい、蝶結びといい、ふざけるのもいい加減にしろと思うばかりです。人を意図的に殺しておいて何が人権だ、少年だ、死刑反対だ!でもちょっと待って。私のような感情論者のフラストレーションの晴らし場所をあえて安田さんのような人を選び、彼等に苦情が一点集中になるように仕向けている人は、組織はいったい誰?そいつらと加害者こそ、生きながらにして地獄のような苦しみを、遺族の方たちが味わわされているような苦しみと悲しみを味わうべきだし、人の心がわからなければいけないと思います。ただ、そんな組織の人たちの中にも、いやいや冷血漢を演じさせられている人もいるかもしれない。だからといって、やはり遺族の心がこれ以上踏みにじられるのは見たくない。何度も繰り返しますが加害者は同じ苦しみを味わわされる日がきっとくる、自分のまいた種を駆り取らさせられる日が。

被告のバックグラウンドがどうであれ、減刑の理由にはならない。世の中辛い環境で育ちながらも、常識的な社会の一員になっているのが普通だ。被告は全く反省していないようだし、むしろ売名行為にしか見えない多数の弁護団がついたことで変な勢いを得ているように思える。彼のような人間を、善良な市民の税金を使って何年も刑務所で養う必要があるのか。弁護団の姿勢には怒りを通り越して、世も末だと思った。

はじめて、おじゃまいたします。
じっくりと読ませていただきたいので リンクさせていただきました。
宜しくお願い致します

司法・行政の職に「ない」者です。

「被告人に入れ知恵した弁護士許せん」とか「弁護士に人の心はないのか」とか「あんな大人数の弁護団とは一体何のつもりだ」とかの感情論はこのブログではもう何度も何度も何度も出ています。
お願いですから過去の議論を読んでください。
弁護士の職にある方々にも当然人の心はありますし、「弁護士としての職務としてしなければならないこと・してはいけないこと」があるのが分かりますから。
議論を読んでから意見を言っても遅くないはずです。

刑事弁護人の主張について
弁護団の主張について(光市母子殺害事件)
">安田弁護士に向けた脅迫状

bobcat 様

>むしろ売名行為にしか見えない多数の弁護団がついたことで変な勢いを得ているように思える。

あなたが、安田弁護士ら弁護団に抱いている感情と似たような感情を、きっと国民の多くが抱いたことでしょう。あなたが安田氏らに抱いている感情は尊敬や信頼でしょうか。むしろ、彼らの人格を否定するようなマイナスの感情でしょう。

現にネットなどではあなたのコメントのようにボロクソですし、橋下氏に煽られた人たちの懲戒請求攻めにもあっているでしょう。現状を考えると、事務所などにも抗議や脅迫に近い電話などがジャンジャンかかっていて仕事にならないであろう事も想像に難くありません。それらが彼らの普段の業務にプラスに働くとも思えません。報酬もないでしょうし。

そして彼らは、これまでの経験でそうしたことを覚悟(さすがに同業者に後ろから撃たれるとは思ってなかったでしょうが)の上で活動しているでしょう。それが売名目的になりますか?

あなたのコメントを読むと昔の自分の思い込みと重なります。

あるご婦人からの一言です、もと不良少年へお伝え下さい。
私が、貴方と暮らす? 何時? 私が??? 誰と??? 夫も居るのよ、そこで聞いてるのよwwww笑うしかない。馬鹿なー  何故娘に手を架けた それは絶対の悪なのです
1万年後も貴方を許す気は、ないわー

少年の母: 貴方の言うことは言い訳だね。 反省もあんまりないね。 ママも死んでて善かった。奥様(弥生様)の元へ行けるわけないでしょう。
生きなさい。 生き恥を晒しながら。 御主人の影に怯えて生きなさい。
貴方には親も友人も恋人も永遠にないのですよ。でも一言お前に話せるなら 馬鹿なママを許してね。 貴方だけと暮らす勇気もなかったし お父さんの裏切りも暴力が耐えるには
・・・・・・・・・・死んで良かった・・・でも私の恥を息子である貴方が刑に服すのよ。
頑張って・・て言葉がママは辛いなー   (泣いてる様子)      以上です。
 

本村氏へ
貴方も笑ってね。 ぶスーとしてるから、つけ込まれるの。【奥様)

Fより 本村氏へ 貴方の怒りが貴方の家族を路頭に迷わせてるのです。
貴方の望む結果は、ありえません。でも無理して飲み込んでください。
貴方の幸せは2度目の結婚で娘さんをもう1度誕生させることです、奥様は寛容な方ですね、あの少年へも多少理解を示された部分もありましたよ。
でも、貴方が便乗して彼女の1番恥ずかしい出来事を世間様に公表してる!という想いに
苦しんでるのです、娘さんの人生を取り戻したい想い。 これに尽きる母親なのです。

ここまでいくと感情論100%というか、妄想の集積と言うか。

まあ、結論から逆算した、ように思える文言です。

>MultiSync@一市民さん
あれです、大宇宙からの毒電波ってやつです。
放射線なんかと違って、一般人には影響を与えない特殊な電磁波ですよ。
そっとしておいてあげましょう。

 初めてコメントします。


 私の考えから申しまして、弁護団の行動は法律家として恥を知るべきと思います。

 日本は三権分立を標榜する国家です。

 死刑廃止を実現したいのであれば、立法府である国会で論じられるべき。


 司法は国会で定められた法律に従って、刑罰などを決める役割。

 ですので、この弁護団の姿勢はお門違いも甚だしいと思います。


 同じように、司法で確定した死刑を、行政の長である法務大臣がサインしないのは職務怠慢。

 死刑が存在することの善悪を議論するのは司法の仕事でない。粛々と職務を遂行して欲しいものです。

>No.46 はせじゅん さん
>死刑廃止を実現したいのであれば、立法府である国会で論じられるべき。

 弁護団は、法廷、マスコミを含め、この件で、死刑廃止を主張していないと思います。
 また、死刑廃止を主張するのに適当な事件とも思えません。

人気グラビアアイドル大久保麻梨子が映画で初の濡れ場撮影!!かなり官能的なワンシーンがすでにネットで流出!先取り公開です!!
http://oomari903.blogspot.com/

初めまして。

少し古い記事のようですが、本日拝見いたしました。
素人にも分かり易いご説明をいただき、感謝します。

わたくしも最高裁の「差し戻し」(テレビで言う「やり直し」)の意味が良く分かっておりませんでしたので、非常にすっきりしました。

数々のコメントを拝見することで、最高裁が「事後審」「法律審」という(多少限定された)役割である事、そうなった背景も理解できました。

ちなみに・・・そうすると、

>いや、ない。→ 死刑しかないな。

ここを

”このままでは”死刑しかないな。
”広島は事件の突発性と若さが死刑回避の充分な理由になるって言ってるけど、俺はそうは思わないから。”

と読めば良い、ということですね。

どなたかの「差し戻しの理由が分からない」というご質問への回答は、

「単純に”死刑回避の理由”に関して
二審のメンバー(弁護士、検察官、裁判官)と
最高裁の裁判官の見解が違っただけ」

(=「これだけで死刑回避の理由になるだろう」
⇔「いやいやそりゃ理由にならないだろう」
という違いなので、
うんとザクっと言えば
「最終的には人間による判断なので、そういう差が出る事もある」
と捉えるしかない)

と理解してよろしいのでしょうか?

たとえ、未成年・学生であっても、罪のない人を殺めるのは許してはいけないこと。時が経てば経つほど、少年(当時)の心から罪悪感が薄れているような気がするし、被害者の命の尊さと、かけがえのない家族を失ってしまった人の心の痛みをもっと真剣に考えていただきたいです。

弁護団のかた、もし全く逆の立場で大切な家族を無意味に失っても同じことが言えたりできたのでしょうか?

こいつが死刑でないなら、裁判所はいらない、リンチあるのみ

正直何時もこのような事件を聞くと計画性だの心身薄弱だの責任能力がないとか聞きますけど、私はそんな事は関係ないと思います。
被害者と加害者が全く接点の無い関係でまして被害者に何も落ち度ない無差別のような・快楽的目的の犯行あと自分だけが不幸せで自虐的な犯行などどちらにしても
被害者側から見れば死刑であって当然です。
罪も無い人の命奪ったんですから反省して当然でその後死刑になるのが当たり前の事だと思います。弁護人方々はその後更正する可能性あるとか言いますけど。更正する可能性がる場合は何人殺しても(そのとき計画性が無いとか・・・いろいろ)助けるんですか?
私が被害者の父・夫となったとき加害者も絶対殺しに行きます。
そして弁護人の方々にも絶対復讐します。
親の気持ちとか人間としての気持ちがあればみんな同じ気持ちになるとお思います。

(サイト誘導につき削除)

(サイト誘導につき削除)

(サイト誘導につき削除)

このような書き込みは 初めてですが、弁護団の方に直接伝えることができるならと書いています。
正直、少年を死刑にしていいのかなんて、人が人の生死を決めていいのかわかりません。
法務大臣の方も、執行の文面に印鑑を押す時は多分勇気がいるようなことだと思います。

でも本村さんを見ていると、涙がでてくるんです。
どんなにあの時悲しかったんだろうと・・・
私も人の親ですから、子供が殺されたら気が狂います。
昔で言うなら あだ討ちしてやりたいと思います。
でも できないでしょ、今の時代では。
被告も少年だったとして十分考慮しても、奥さんや赤ちゃんを殺してはいけないということは わかる年ではないですか?
 
弁護団の方々にお聞きしたいです。
自分の家族を子供を無残に殺されて、それを目にしてもその犯人を弁護しますか?できるんですか??
 
もし出来るのならば、その方がおかしい。よっぽど愛のないひとなのだと思います。

殺されて死んでいった奥さんや赤ちゃんだって、生きる権利、幸せになる権利は あったんです。

ここで私がしゃしゃり出るのもどうかと言う気もするのですが・・・

日本の国の法律の定めでは、刑事事件の裁判では、被告人には弁護士がついて、被告人を最大限弁護するように決められてるんですよ。
そうしなくちゃいけない(裁判自体を行うことができない)仕組みになってるんです。

心情としては仰ることは分かるんですが、これは弁護士を責めてどうなるってもんじゃないんです。

むしろ、もしかしたら弁護人は「こんなやつ死刑になって当然だ」と内心思いながらも、そんなことはおくびにも出さず、自分の感情を押し殺して、自分の気持ちとは全く正反対のことを「国の仕組み」のためにやってるのかもしれないですよ。

私も人の親様

>自分の家族を子供を無残に殺されて、それを目にしてもその犯人を弁護しますか?できるんですか??

何で皆おんなじことばっかいうんでしょうかね。
ご質問の件についてはこちらをどうぞ。
http://www.yabelab.net/blog/2007/09/26-235854.php

>殺されて死んでいった奥さんや赤ちゃんだって、生きる権利、幸せになる権利は あったんです。

本件被害者に限らず、生きる権利、幸せになる権利を持っているにも関わらずその権利を履行できずに死んでいく人は
ごろごろいます。
ウガンダ辺りでは10歳の子供がレイプされて覚醒剤吸わされて銃を持たされて兵隊にされたりとか。
日本でもネットカフェ難民みたいな人間も発生してますし。

彼らが我々のように教育を受け十分な衣食住を与えられ
幸せに生きる権利を教授できるように努力している人が
たくさんいます。
しかし、人間の力は限られているがゆえに特定一部の人しか救うことができません。
だから、ウガンダの少年兵を助けるべく働いている人達に
日本のネットカフェ難民を助けろといっても、そりゃ難癖ですよね。
そんなにネットカフェ難民を救うべきだというのなら自分で動けばよろしい。

そして本件被告人も刑事被告人として当然の権利を持っています。
弁護団は彼が持つ権利を履行する代理人です。
弁護団に対して「被害者の権利を考慮しろ」というのが
どういう意味を持つのか、お分かりですよね?

裁判制度の根本的仕組み、刑事弁護人の職責・・ってやつ
ですか?・・

冤罪の可能性が在りえないケースでさえも、仕事だから・・

今枝氏のブログの最後に「皆さん、被告を護ってください!」
とエールがありましたが・・・職責から解かれた今尚でさえ・・

感覚的に麻痺してくる気がしますね。いやはや。。。

職責の前にもっと大切なものがあるのではないかと・・
ボキャがないので表現しかねますが。。

No.50 ゆーき様 No.52 2児の子供を持つ親として様
犯人に対する気持ちはとてもよくわかります。私も1児の親として、妻や子を殺されたなら犯人を殺してやりたいと思います。間違いなく。

しかしですよ、その犯人と思われている人(つまり被告人)が冤罪であったなら?あなたがその犯人と疑われている立場になってみてください。被害者遺族が恨みをはらすといってあなたを殺しに来たところを想像してみてください。「違う、やっていない!」と主張しますよね。主張したいですよね。実際殺したとしましょう。でもこういう理由があったから正当防衛が成立するはずだ、というような主張もしたいですよね。被害者から私はこんな危害を加えられてきたのだといいたいですよね。法はその主張をする場を、裁判を受ける権利として与えているのです。

万一犯人とされた人に対し、復讐をしたとして、その犯人とされた人が冤罪であったなら?その犯人とされて復讐された遺族が復讐し返しに来たら?法もなにもあったものではない。こんな無秩序な世界で生活したいと思いますか?私はそんな恐ろしい世界で暮らしたくありません。

No.56 私も人の親様
>自分の家族を子供を無残に殺されて、それを目にしてもその犯人を弁護しますか?できるんですか??
できるはずないと思います。うろ覚えですが、このような場合弁護につけないはずです。被告人が不当な弁護を受けてしまう可能性があるからです。

No.56 私も人の親 さん>

最初に断っておきますが、私は今回の被告は死刑にして然るべきと思う一市民です。
また他のエントリーに書きましたが、戦争状態等の特別な状況下は別として、理由や精神状況、更生の可能性はどうであれ第三者の命を奪った以上、その被害者の遺族の希望を最大限聞くべきだと思う一市民です。

しかし、現在の法律で、死刑にすべきかどうかを決めるのは刑事裁判です。そして刑事裁判で裁判官が判決を下す為には、被告を攻める検察、被告を守る(正確には、被告の言い分や同情すべき状況を裁判官に提示する)弁護士、そしてそれらが全て出たところで、過去の事例や事の重大さ等を加味した上で判決を下す裁判官の全てが必要です。

仮に、今回の裁判において弁護士がいないとなると、裁判は開廷される事すら出来ないでしょう。そして、弁護を引き受けようと動かれた方々それぞれに理由はあるでしょうが、それぞれが自らの信念と、今回に限ると被告の1審2審の主張が明らかに被告の本心と違う事からの弁護義務に動いたのではないか(まぁ他のファクターも“死刑廃止論とか色々情報は出てますね”あるのかもしれませんが)と思うのです。

私は、当サイトを知るまで、刑事弁護というものの難しさを知らず、やはり私も人の親 さんと同じ気持ちでいました。しかし、それでは何も動かないのだと知った次第です。
今回の裁判で、弁護士ばかりがクローズアップされているように思いますが、被告を攻める役目を背負う「検察」と全てを判断する「裁判官」がいるのを、忘れてはいけません。

私は、検察・弁護士双方の主張が出尽くした後に、本村氏が最終的に「これで良かった」と思える判決、それに対して被告がしっかりと自身に下された判決を受け止め、本村氏はじめとした遺族の方々にしっかり伝わる形で謝罪をして、その後に刑に服す事を期待しています。

弁護をするとは…?
私がただ一つ疑問なのは弁護団が何を根拠に「強姦目的ではなかった」と言っているのかが解らないのです。
元少年の話だけを鵜呑みにしているのか…
強姦目的でないのなら何のために本村さん宅を訪問したのか?殺した後に暴行しているのに、それでも強姦目的ではなかったと、どうしていえるのか…
弁護士が被告の弁護をすることが仕事なのは十分解っているけれど、事実を暴こうとしないでただ被告の刑を軽くしようとすることが弁護士の本来の責務であるのか?
私はどうしても納得できないでいます。

No.62 ちーずけーき様
>元少年の話だけを鵜呑みにしているのか…
鵜呑みというと極論かもしれませんが、そうなります。どれを証拠として採用し、事実と認定するかは弁護士がするのではありません。裁判官が行うことです。弁護士は被告人の主張を整理し、論理立てて説明することが仕事だと思います。

私は、今持っているだけの情報でしたらこの被告人は死刑が相当だと考えていますが、弁護団の大きな弁護方針は理解できますし、間違っていないと思います。私が裁判官であったなら、証拠として採用しないだろうということです。

No.62 ちーずけーき様
えーとですね、その点については、既にモトケンさんが下のエントリで書かれていると思うので参照ください。

http://www.yabelab.net/blog/2007/09/23-180455.php

弁護士が、真実を発見しようと考えることは危険です。弁護士検察裁判官が一体となって、それぞれの役割を果たすことで、真実に出来る限り近づこう、そうすることで(少なくとも今考えられる制度としては)一番真実に近づけるんだ、というのが、刑事裁判の制度だと思います。

NO.63Lega様
NO.64しゅう様
ありがとうございました。弁護士としての役割というものは
認識できました。なんか難しい世界ですね…
これで裁判官がどう判断するかで、いろんな人の運命が変わってしまうのに、これから裁判員制度が導入されてキチンとした知識も持たない(私のような者も含めて)人間が人、一人に判決を下すなんて恐ろしいことが始められるのかと思うと怖いです。
特にこの事件に関しては正しい判断を下されることを切に願っています。

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【加護亜依】AV女優としてのなんと契約金5億円!!サンプル動画入手!
http://kagokago907.cocolog-nifty.com/blog/

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(サイト誘導につき削除)

はじめまして、トラックバックを貼らせていただきましたので
ごあいさつをしておきます。
昨日、ようやく結審をしましたが、来春の判決がどうなるのか注目しています。

東京に長いこと住んでいる外国人です。
死刑制度については複雑な思いがあって、簡単には表現できませんが、今回の報道に対して、不可解に思っていることがあります。
「元少年」という言い方です。他に表現の仕方がないから使っているのか、事件当時の年齢を問題にしているのか(それにしてももはや「少年」ではなかったはずだという理解ですが‥‥)、よくわかりません。
この不思議な日本語の用法について、教えて下さる方、いませんか。

Steven in Tokyoさん

私も無知なので間違っているのかもしれませんが。。。

法律においては、「少年」という用語について様々な用法があり、代表的なものとして「小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者」(児童福祉法第4条第3号)という定義や「20歳に満たない者」(少年法第2条第1項)という定義がある。(wikipediaより)

とのことです。

事件当時の年齢は18歳でしたので「少年」という扱いになり少年法の61条により実名報道はされてませんでした。
そのため、既に20歳を過ぎていても実名報道はされず、「元少年」として報道していると思います。

駄文で申し訳ございません。

現在、被告が「ドラえもん」うんぬんのくだりで、弁護側が、被告の精神年齢は12歳程度だったという、その12歳の娘がおります。
はっきり申して、ドラえもんが何とかしてくれるなんて、小1(7歳くらい)の子でも、思ってません。
12歳の子供100人に、何か困ったことがあったら、ドラえもんが助けてくれると思う人と、質問したら、限りなく0%に近い数値しか出ないと思います。
被告の弁護団を直接存じませんし、個人的な好み・感情を抜きにしても、やっぱり、主張なさってきたことに、一般の人間は違和感をおぼえずにはいられないのではないでしょうか!?
魔界転生の本にしても、私も毎月平均7〜8冊の本を購入していますが、単行本だったかどうかくらいは、数十年前に読んだ本でも記憶しているものです。
法に関して専門的なことは、よくわかりませんが、私の友人の兄が昔通り魔に子供2人の目の前で殺害され、今も遺族の方、私も含めた知人の哀しみは風化されることは決してありません。
被告の悲惨な生い立ちが、凶悪犯罪の理由にされたら、それこそ、ひとつの非もなく殺された被害者は、遺族は、ただただ泣き寝入りしなければならないのではないでしょうか。
安田弁護士はじめ、被告の弁護団の方々は、それぞれ正義感や使命感のもとに、職務を遂行なされたのでしょうから、それを批判しようとも思っておりません。
ただ、(当たり前ですが)法律用語を屈指なさる弁舌の巧みさ、司法試験も突破しただけあって、勉学的に頭は良さそうですが、それとは別に、もうちょっと頭がキレる方々なのかな・・・と思ってた次第です。
奇想天外な主張も、被告が言ったのであれば、弁護人としては、主張せざる得ないのもわかりますが、これからの裁判で、
「殺した後、蘇生させられる魔法を試したかった」
「母(恋人)のぬくもりが恋しくてレイプした」
こんな理由の犯罪者が出てきたら、被害者はたまったものじゃありません。
審理を重ね、真実を導くのはとても大切だと思う一方、どうしてこんなに時間がかかりすぎるのか本当に疑問に感じます。
何か、後味の悪いものを感じているのは、私が無知だからでしょうか・・・。
残された被告の人生の中で、深い反省の気持ちが、遺族の方に届き、皆がほんの少しでも心が安らかになることを祈ってやみません。

リボンナポリンさん

ありがとうごさいました。これで実名が用いられない理屈がよくわかりましたが、「元少年」の代わりに、年齢が問題とならないはずの「被告」を使っても差し支えないのではないか、とも思ってしまいます。「元少年」って、二十歳を過ぎた人間であれば、誰にでも当て嵌まりませんか。(「元少年」を英訳せよ、といわれたら困るなー、という思いもあって。)

>やっぱり、主張なさってきたことに、一般の人間は違和感をおぼえずにはいられないのではないでしょうか!?
当然そうでしょうね。おそらくほとんどの人は違和感を覚えるはずです。しかし、一方で一般人には到底理解できない思考をする人がいるのも現実です。被告人も「馬鹿にされると思った」旨述べていますから「ドラえもん」の話がおかしいことは認識していたようです。私が以前読んだ本によると、「およそ人が人を殺す時においてまともな精神状態であることは通常ありえない。したがって犯行前後にきわめて不自然な発想や行動を取ったりすることが普通であり、そのような行動がないことのほうがまれである。後になって加害者に「なぜあの時あのような行動をしたのか」ときいても本人も上手く説明できないことが多い」という趣旨の記述がありました。ここら辺に彼の発想を理解するポイントがあるかもしれませんが、今回は「虚偽の供述をした」ということなのでしょう。ただ、殺人犯の心理など一般人には到底理解できませんから弁護人がこのような被告人の主張を信じることが全て間違いにはならないと思います。

>遺族は、ただただ泣き寝入りしなければならないのではないでしょうか。
悲惨な生い立ちがあっても真っ当に生きている人はたくさんいますから、悲惨な生い立ちがあったからといって死刑が必ず回避されるわけではないのは判決の示すとおりですね。ただ、情状面のひとつでもありますし、被告が戸別訪問をした動機ともなっている事情でもあります。また、今後このような事件が起きないようにするために考えなければならないひとつの事情でもあります。弁護団が主張することに一定に意味はあるでしょう。この一事のみを持って「遺族が泣き寝入り」するような判決は期待できないでしょうし弁護団もそう考えていたと思います。

>こんな理由の犯罪者が出てきたら、被害者はたまったものじゃありません。
そうした意味でこうした理由を述べたことが被告人にとって不利に働いた本件判決には意義があるといえるでしょう。もっとも副作用もありますからそこらへんをどう手当てしていくかは今後の課題になるかもしれません。

>どうしてこんなに時間がかかりすぎるのか本当に疑問に感じます。
本件に関して言えば事件の翌年には地裁判決、さらに2年後には高裁判決があったわけですが、その後3年半最高裁で審理もなくほったらかしにされていたわけです。長期化の最大の原因は最高裁にあるわけですが最高裁の処理能力から考えると最高裁のみを批判するのも難しい。差戻し後の上告審もそんなにすぐには結論は出ないかもしれません。何らかの改善策は必要なのでしょう。

>何か、後味の悪いものを感じているのは、私が無知だからでしょうか・・・
後味の悪いものを感じない人の方がどうかしているでしょう。知識ではなくまともな感覚の有無によるのではないでしょうか。こういう事件に後味の良い終わり方などありません。

>残された被告の人生の中で、深い反省の気持ちが、遺族の方に届き、皆がほんの少しでも心が安らかになることを祈ってやみません。
その通りだと思います。

ろくろくびさんへ

丁寧かつとても親切にお話して下さってありがとうございます。
モニタの前で、一人うんうんうなずきながら、読ませていただきました。
きっと被告も幼い頃は、褒められたら素直に喜び、友達と無邪気な笑顔を見せる可愛い少年だったと思います。
この痛ましい事件が起こらないのが一番だったのですが、この事件を教訓に少しでも哀しい思いをする人がいない世の中を切望します。
私自身、19と16の息子と、12の娘がいるのですが、長男のこの一年間の成長は、めざましいものがあります。
ちょうど、被告の犯行当時の年齢ですよね。
私たちの、一年間の人間的・思考的成長の度合いと、やはり若いものの一年間では、かなり違いがあると思います。
この度の判決そのものに、異議があるとは申しませんが、つくづく、その著しい成長過程で、犯してしまった過ちの大きさが、他人とはいえ、残念で仕方ありません。
このように、世間に大きく広まり、遺族の方々の悲しみも、手に取るように伝わってる事件があっても、今この時も、毎日、加害者・被害者が続出してるのは、なげかわしいことですよね。。。
できれば笑顔でこれからも子育て頑張らなくちゃと、決意をあらたにした母です。
長々と、わけのわからない駄文失礼しました。

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