エントリ

ひき逃げ誤認逮捕、塗装工を10か月拘置…警視庁謝罪(2006年6月29日13時52分 読売新聞)
ひき逃げ事件で警視庁が誤認逮捕 男性を10カ月勾留(asahi.com 2006年06月29日13時22分)
誤認逮捕:ひき逃げ、10カ月後釈放 容疑者は新たに逮捕(毎日新聞 2006年6月29日 13時06分 (最終更新時間 6月29日 13時19分))

 主要3紙の記事を並べてみました。

 どうして誤認逮捕・起訴が発覚したのかが気になったのですが、読売の記事では全くわかりません。
 朝日の記事では

男性の友人が、行方不明になっていた事故を起こした車を見つけ出したことで、同庁は再捜査。その結果、男性は事故と無関係と判明したという。

となっています。
 毎日の記事には

服役中の榎本容疑者が運転していたことを認め、菅野容疑者が同乗し、男性は車に乗っていなかったことが判明。両容疑者は、仲間十数人らに男性が運転していたように口裏合わせをしていたという。

とあります。

 比較すると、朝日の記事が一番真相に迫っているのかなと思いますが、それでもまだまだはっきりしません。

 誤認逮捕について考えてみますと、複数の人間に口裏合わせとされると、それを見破るのは難しいのかもしれませんが、釈放された無実の被告人の弁解を捜査段階においてどれだけ真剣に聞いて、その裏づけを取ったのかが問題になると思います。

 ともかく恐ろしい話です。
 日々のアリバイを証明できるようにしておかなければ、何時なにかの犯罪の犯人にでっち上げられるかわかりません。

 逆に言えば、本件で無実の人を陥れた真犯人らに対しては、できる限りの厳罰を与えるべきだと思います。

 同種事犯の防止のためには、なぜ罪のなすりつけが発覚したのかについて、もっと詳しい報道があってもいいかと思いますが、何か差し障りがあるのでしょうか。

両容疑者は、仲間十数人らに男性が運転していたように口裏合わせをしていたという。(上記毎日)

ということのようですが、こんなに多くの人間と口裏合わせをすれば、ばれるのも当然かなという気がします。

 ある程度の数の虚偽供述がなければ誤認起訴は困難かと思いますが、秘密を知る者が増えれば秘密が漏れる可能性も増えるわけですから、真犯人としてはいわばジレンマ状態になります。

 このような口裏合わせはいずれはばれると考えるべきでしょう。
 そしてばれた時には厳罰が待っていることを周知させることによって、同種事犯の再発防止を図るべきだと思います。

追記
 さきほどテレビニュースを見ましたが、釈放された無実の被告人のインタビューによれば、警察にアリバイを主張してコンビニの防犯カメラに写っているはずだと主張したのに、警察は調べなかったということです。
 これが事実なら、警察の姿勢に問題があることになり、警察が謝罪しただけではすまない問題です。
 姿勢や体質を改めない限り、同様の問題が必ず再発します。

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コメント(8)

>ともかく恐ろしい話です。
>日々のアリバイを証明できるようにしておかなければ、
>何時なにかの犯罪の犯人にでっち上げられるかわかりません。

度々利用させていただいております「傍聴記」を掲載されておられるサイトに
こんな記述が。

ttp://www.geocities.jp/waramoon2000/tko-hayama.html
「幸せを壊す男−無実の知人を犯罪の共犯に仕立てた男−」

>梅田は何度も中川に真実を語るよう手紙を出すが、
>中川にしてみれば梅田が無罪になろうがなるまいが、
>自分の死刑判決には何の影響もない。
>しかも、中川はこんなことを言っている。
>「他人が幸せそうにしているのを見ると、それをブチ壊したくなる」

>(19)60年にはいると、中川は梅田の弁護士に「梅田君が望む証言をするから
>50万円だせ。」という手紙を出す。
>その手紙にはどこにも「真実を証言する」とは書いていなかった。
>どうも中川の真意は、その金で旨い物をたくさん食べてから死にたい
>ということにあるらしい。

当時の警察の捜査方法にも問題があったんでしょうが、
こんな人間に関わったら……。

恐ろしい事件ですね。
毎日新聞によれば、すでに8回公判が開かれていたとある。公判では、被告側はどのような反論を行っていたのだろうか?検察は、何を証拠として提出していたのだろうと気になります。
気の弱い人間であれば、嘘の供述がなされることもあり得るのか。
裁判員制度が取り入れられる以上は、捜査における問題点とともに、この裁判の8回の公判記録も全て公表されることを望む次第です。

>警察にアリバイを主張してコンビニの防犯カメラに写っているはずだと主張したのに、
>警察は調べなかったということです。
>姿勢や体質を改めない限り、同様の問題が必ず再発します。

元早稲田大学植草教授が手鏡で女子高生のスカートの中を覗いて、現行犯逮捕された事件で、教授は無実を証明するために品川駅の防犯カメラを調べてくれと依頼したが、警察は調べてくれなかったそうです。
その後、弁護士が防犯カメラのテープを要求したところ、保存期間が過ぎていました。

現行犯逮捕といえども、証拠固めのため調べればいいのに。疑問の残る事件でした。

 防犯ビデオを確認するくらい、後で公判でもめることと比較すれば、全然たいした手間ではないはずなんですが、確認しないのが不思議に思えます。

モトケン先生
一つ質問させて下さい。
ifuさんの指摘では、警察はコンビニの防犯カメラに写っているはずだと主張したのに調べなかったとのこと。
被害者の弁護士は、そのコンビニに行って、アリバイを証明するテープか何か記憶媒体を入手して適切に証拠として確保できたのではないかと思うのですが、この考えは間違っているでしょうか?
報道されている以上の情報が無いので難しいのですが、多分被害者の弁護士はそれをできなかった理由があるとは思うのですが。

>疑問者さん
 弁護士としては、任意の協力を求めるしかありませんので、コンビニ側がビデオに写っている他の客のプライバシーを理由にして弁護士に対する協力を拒否する場合が多いだろうと思います。
 その場合の被疑者・弁護人の対応としては、刑事訴訟法179条の証拠保全手続を請求することが考えられます。

1項 被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
2項 前項の請求を受けた裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。

 しかし、私自身、この制度を使ったことはなく、検事当時も弁護人が請求した事例に関与したことはありません。

 本件についてみますと、確実にアリバイ立証ができる見込みがないと、つまり確実に写っている見込みがないと、逆に捜査官側の有罪心証の強化さらには有罪立証の材料になりかねない恐れがありますので、請求するかどうか微妙な判断になりそうです。

 捜査官側の捜査は、都合の悪い証拠しか得られなかった捜査手続については、場合によっては隠してしまうことが可能ですが、弁護人が請求した証拠保全手続は、有利な結果が得られなかったとしても(または不利な結果になったとしても)、それをしなかったことにはできません。

モトケン先生
お答えを頂きありがとうございます。組織も力もある捜査側が判断を誤ったときは、恐ろしいことが生じますね。
朝日新聞に以下の記事がありました。
http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY200607020156.html
モトケン先生の解説にプライバシーを理由にしての協力拒否の可能性の指摘がありますが、それはあり得ると思います。
しかし、この風潮は嫌ですね。個人情報保護法が施行されて以来、必要なことに対してプライバシーを保護しようと言うのではなく、なんでもかんでも個人情報だから開示しないとなっているように思えて仕方ありません。

街頭のカメラを証拠として利用する場合や、盗聴法に基づいて特定の個人の通信記録を調べる場合も、その際に、被疑者以外の人間のプライバシーを侵害する事は不可避だというのに、
弁護士への協力を拒否する為に、被疑者以外の人間のプライバシーを理由に持ち出すとは、ダブルスタンダードですね。

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