エントリ

 この事故は気になっていたのですが、ものすごく釈然としない事故ですね。
 経産省の不作為責任も問題にされていますが、パロマの企業としての姿勢にシンドラー社と共通するところが感じられます。

パロマ工業(名古屋市)製のガス瞬間湯沸かし器で一酸化炭素中毒事故が相次ぎ、85年以降15人が死亡した問題で、親会社のパロマが事故原因だと主張する安全装置の不正改造を、87年ごろ同社系列の修理業者が行っていたことがわかった。小林弘明社長は14日の記者会見で、「下請けも含めてパロマでは不正改造はしていない」と説明していた。

 この社長の説明は嘘っぱちだったわけですね。
 故意ではないかもしれませんが、確認しないで会見に臨んだことは明白で、責任感や誠意が感じられません。

パロマの伊藤美樹夫・総務部長は「パロマサービスショップと直接の資本関係はないが、知らないところが勝手にやったとは言えない。今後どう対応するかは社内で検討したい」と話している。

 「知らないところが勝手にやったとは言えない。」というのは、本当は言いたいけどさすがに言えない、というように聞こえます。
 責任逃れ願望の往生際の悪さを感じます。
 
 法律上の責任の有無はともかく、社長や幹部がこんなことを言う会社の製品を使う気にはなりません。

追記
 疑問者さんから、

勿論、パロマはこのような改造が行われたことを認識した時に、メーカーとして直ちに広報活動を行って、その危険性を広く呼びかけるべきであった。

というコメントをいただきましたが、企業の姿勢としては、まったくそのとおりだと思います。

 ガス器具の不具合は人の命に直結する重大事故を招く可能性があるのですから、事故防止のための最大の努力をするのが当然であると思います。
 もし、パロマが事故防止より会社の信用や対面を重視した行動を取ったのであれば、ガス器具製造会社としての根本を忘れた会社ということになり、退場していただく以外にないでしょう。

 パロマには、これまでの経緯についての正確な説明を求めたいものです。

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コメント(8)

今になってパロマ事故が浮かび上がってきたのは、何故なのでしょうか?
Asahi Comの
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200607150145.html
からすると、当時21歳の松江市から東京に出てきていた息子が96年3月18日に港区のマンションで亡くなっているのを友人が見つけた。当時、赤坂警察署員から、心不全による病死と説明を受け、担当刑事からは「本人の健康管理や、親の監督がなっていない」と言われた。

死亡から10年たった今年2月母親が赤坂署に、当時をしのばせる物が残っていないか尋ね、署員の勧めで都監察医務院に連絡し、「死体検案書」を手に入れた。そこで、解剖所見欄に、高い濃度の一酸化炭素中毒だったことを示す記述があった。今月4日、警視庁捜査1課と赤坂署刑事課の捜査員が自宅を訪れ、「当時敦さんが住んでいた部屋のガス給湯器を調べている」と告げた。湯沸かし器が息子の死因と関係があることを初めて知った。そして、今月14日に「湯沸かし器の改造が原因で、一酸化炭素が充満した」との説明を受けた。

こんなことが、起こって良いのだろうか。この警察の対応について私には、パロマ工業より、シンドラーエレベーターより悪質な犯罪に思えてしまう。(最後まで、嘘を通さなかったのが救いですが)

ところで再発予防の観点から言うと
不正改造なんてめんどくさいことを何の目的でやったのかがここには
報じられて無いのですが,どこかに情報ありますでしょうか?
事故予防はシステムを見る事が最も重要です,

シンドラーやパロマの製品は避けるというのが第一歩でしょう(w

パロマ製品の場合、何故安全装置がはずされていたかは、明確であろうと思うのです。

火災報知器や煙感知器で、よくあったと思うのですが。しばしば、誤作動を起こす。敏感すぎて、少しの煙で反応してしまう。或いは、いたずらで大騒ぎになる。これに対する一番簡単な対策は報知器を止めてしまうことなんです。当然、止めることから発生するリスクがある。でも、場合によっては、実行してしまう。製品によっては、本当に誤作動が多いこともあると思います。

パロマ湯沸かし器の場合も、同じと思います。古くなって、安全装置が働いて使えなくなる。原因としては、安全装置関連が古くなって誤作動するようになったのか、器具自身が古くなって(例えばファンが時々停止する)安全装置が働くような状態になる。根本原因を取り除く必要があるが、それをせずに安全装置を働かなくすることで、リスクは伴うが使用可能状態にしてしまう。

そこで、誰が安全装置を働かなくするような修理を行うことについて判断をしたのかが最大の問題です。ユーザーにはそんな改造知識はない。しかし、修理業者であれば、メーカーでなくともそれぐらいはわかっている。このあたりのところが本事件の解明されなければならない部分であろうと思う。

勿論、パロマはこのような改造が行われたことを認識した時に、メーカーとして直ちに広報活動を行って、その危険性を広く呼びかけるべきであった。

いのげ さん
>不正改造なんてめんどくさいことを

報道によると、安全装置をパスする不正改造は「保護カバーを開けた状態で露出しているハモニカ端子に接続されている配線を短絡させる」というものです。
ドライバ1本で簡単にできますから、「めんどくさい」ものではありません。

この辺、東海村でのバケツでウランの件と良く似ている気がします。
安全装置が誤動作する<安全装置を止めてしまえば良い
ここには「なぜ誤動作するのか。止めると発生する危険は何か」という理解が抜けています。
ウランを混ぜればよい<バケツで混ぜる
ウランを混ぜるときになぜ面倒な手順を踏まねばならないのかへの理解が無かった。
マニュアル化の問題点はこのようなところにあります。
マニュアルから外れる事をしたとき、ただ壊れるだけなのかそれとも致命的な問題があるのか、マニュアルだけを見ていては判断できません。

消費者としての素朴な疑問は、「パロマ」だけなんだろうか?ということです。
他メーカーの製品でも同じようなことが起こっていないといいのですが。

> 死亡から10年たった今年2月母親が赤坂署に、当時をしのばせる物が残ってい
> ないか尋ね、署員の勧めで都監察医務院に連絡し、「死体検案書」を手に入れ
> た。
安全性の問題とは別に、この一節が不思議です。
なぜなら、「死体検案書」が無ければ、「死亡届」が受理されず「火葬許可」が発行されないので、10年前の死亡時に遺族はそれを見る機会があったはずです。

なぜ、今事件化したのだろう?

>なぜ今か さん

 東京都の死体検案の実務についてよく知りませんので自信がありませんが、考えられる可能性としては、たしか問題の件は病死扱いされていたと思いますので、死体検案書とは別に病院の医師が作成した死亡診断書で火葬されたのではないか、または、遺族が死体検案書のCO濃度の記載を見落としたのではないか、というところですが、誤りがあればご存知の方から訂正をお願いします。

 それはそれとして、一般的にいって、本来、事件または事故として立件されるべき事案が立件されないということは決して珍しいことではありません。
 それによって完全犯罪となっている殺人事件も相当数あるのではないかと想像しています。

 秋田の彩香ちゃん殺人事件も、豪憲君殺害事件がなければ、単純な彩香ちゃんの自己過失事故として終わってしまっていた可能性が高いです。

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