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 畠山彩香さんについて、河原で遊んでいて過って転落した「事故」と早々に判断した秋田県警。捜査関係者からは「きちんと捜査していれば、豪憲君事件は起きなかったかもしれない」という声が出ている。

 捜査関係者からの声としては、何をいまさら、という感じです。
 大沢橋付近での目撃情報、遺体の不自然さ、事件までの親子の関係などは、初動段階で得られた、または容易に得られたはずの情報ですから、県警は批判されてもやむを得ませんし、「きちんと捜査していれば、豪憲君事件は起きなかったかもしれない」というのは誰もが思うところで、今後の被疑者の供述次第では、非難を免れないかもしれません。

また「捜査批判が出ても甘んじて受ける覚悟で、彩香さんの件をきちんと捜査しなければいけない」とする捜査関係者もいる。

 「もいる」ですか?
 全員がそういう認識を持たなきゃいけないんじゃないでしょうか。
 彩香ちゃん殺害事件については、被疑者の自供の裏づけをすればするほど、裏づけが十分できればできるほど、事故とみた当初の判断が明らかな県警のミスであったことが浮き彫りになってくるという関係があります。
 言い換えれば、どれだけ初動捜査がおざなりであったかを明らかにすることによって、自供の裏づけが取れるということになります。

 本件は、捜査の進展が警察への批判の根拠にもなり得るという複雑な事情をはらんでおり、県警としては反省と自戒をもって捜査にあたっていただきたいですが、まかり間違っても初動捜査の不手際の言い訳をしようなどという余計な思惑をもつことなく、(誰かの考えたストーリーではなく)真相の解明こそが信頼回復の要と考えていただいて冷静に捜査を遂げてもらいたいものです。

関連ブログ
 落合弁護士の「日々是好日」

さらにブログの紹介
 Here There and Everywhereというブログに、彩香ちゃんのエピソードがまとめられています。
 ニュースソースがはっきりしないのですが、付近住民からの聞き込み情報のようです。
 理不尽な事件です。

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コメント(10)

エントリー本文についての感想は私もおっしゃるとおりだと思います。

しかし
> 全員がそういう認識を持たなきゃいけないんじゃないでしょうか。

だと思っての怒りの反面、こんな場合豪憲君事件だけで彩香ちゃん殺害については初動捜査の拙さを隠し通すためにうやむやにしてしまうんじゃないの?という警察不信の念もあったので、そこまで警察は腐ってなかったとほっとする面もあります。

過去の失敗は失敗そのものよりもその隠蔽はもっと悪く、明らかにして挽回に努めることが一番だということが全国で徹底されてほしいと思います。

でも、捜査関係者のあくまで一部なんですよね、残念ながら。

捜査関係者の全部はもとより、県警の幹部からしてそういう認識を持たなければダメなんですよね。現場のできが悪いのなら、ダメな捜査員を叱り飛ばしてでも、徹底させるほどのリーダーシップが、本部長以下に求められるはずなんですが、どうにも・・・あまり認識はなさそうですね。

警察の初動捜査の怠慢・不手際が最悪の結果を招くのは、桶川ストーカー殺人、栃木リンチ殺人、神戸院生殺人などで、散々指摘されてきたはずなのに、同じような悲劇を何回繰り返しても学ばないんですね。多分、何度事件が起こっても、所詮他所の署が下手打っただけと思ってるんでしょう。

今回のケースも、他の警察では嘲笑って見ているだけなんでしょう。「うちは、あそこほどバカじゃないから大丈夫」などといって。多分、秋田県警も、他の事件ではそう思ってたんでしょうけど。

じじいさん、

>でも、捜査関係者のあくまで一部なんですよね、残念ながら。

そうかもしれません。 たぶんそうなんでしょう。
しかし、不信感は持っていても、日本つまり私たちが住む場所の警察なんですよ。
代わりをすぐに作れない以上は希望の光を見るしかないんですよね。
第三者としてみれば、じじいさんのコメントの意見のままでも構わないのですが。

我が国の警察に対して体質改善が中々進まなくてもそれでも将来の期待を捨てずに厳しく見ていくことが必要だと思います。

私も、警察官のモラルが一番重要なポイントとは思っています。そのモラルが保たれるよう、住民が厳しくチェックしていくことが大事であるということに異論はありません。(じゃあ、書いとけよ、というお叱りが聞こえてきそうですが)

私は、今回のような不可解な初動を見ると、警察の悪しき実績主義というのが脳裏にちらつきます。
警察の場合、実績評価の分かりやすい数字として検挙率があります。これはあくまで評価のポイントの一つに過ぎませんが、他の部門で僅差で競っている場合など、検挙率が前任者と比べて上がったか下がったかというのは、幹部にとって大きな出世の分岐になると思います。

捜査を一生懸命頑張る方向で検挙率を上げるのなら、現場は大変でしょうが、住民にとって何も悪いことではないのですが、もう一つの手法として、難しい事件を減らす、つまり分母を減らすという禁じ手があります。社会保険庁で使われていた手法です。

事故か事件か分かりにくい、事件とすれば証拠も少なく解決しにくい案件を、事件として処理すれば検挙率が下がるかもしれませんが、事故として処理すれば検挙率に影響はでません。

大多数の警察官はまじめに前者の方法で検挙率を上げるよう努力されていますが、今回のような初動の状況を見ると、こんなことさえ疑ってしまいます。もしこういったことが行われているようなら、まず幹部から鍛えなおす必要があるのかなと思っています。

周辺住民 からの声があって、
容疑者の自宅が取り壊される方針のようですね。

豪憲君の殺害現場の可能性もある場所を、壊すんですね。
良くある事なんでしょうか。

報道を見ていても、捜査の進捗状況が思わしくないのは感じるのですが、
それは、取りも直さず、犯人は鈴香容疑者以外には考えられないとする証拠がないからだと分かりますが、
鈴香容疑者が犯人ではないことを指し示す証拠は、有るかもしれないのに。

被疑者の証拠保全請求権を行使しなければ、おかしいですね。

>オルフェウスは振り返る さん

 被疑者の供述が大きく変遷している現状を見ますと、被疑者の供述は真実か、被疑者は本当に犯人か、という視点は極めて重要だと思います。

 しかし、犯行場所(とされている場所)を裁判の確定まで保存しなければならない、という原則はありません。
 借家等の場合は、大家さんの不利益が大きすぎます。
 実況見分等によって、きちんと証拠化されていればよいと思います。

 ただし問題は、捜査段階の、たとえば建物が取り壊される前において、現場の状況がきちんと正確に証拠化されているかどうか弁護人が確認する手段がないという点です。

 弁護人自らが証拠保全するのは費用等の観点から制約が大きいですし、刑事訴訟法第179条の証拠保全手続も、警察が実況見分または検証をしているまたは予定している状況において、「あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるとき」と言えるかという問題があります。
 たぶん、実況見分調書が不正確である、というような事情がなければ裁判所は認めないのではないかと思いますが、捜査段階では実況見分調書の正確性を確認する手段がありません。

 客観証拠については、捜査段階から弁護人に開示する制度が必要だと思われますが、たぶんこれは司法取引とのセットの問題になりそうです。

直接証拠は、自白のみ。
間接証拠は、目撃証言のみ。凶器である可能性のある物。殺害現場とみなす事が可能な場所。どれも、証明力のないものばかりのようです。

こういう状況では、間接証拠が出てくる可能性のある場所は残さないと、うやむやに終わってしまうのではないでしょうか。
はっきりさせる気がないのでしょうか。

>捜査段階の、たとえば建物が取り壊される前において、現場の状況がきちんと正確に証拠化されているかどうか弁護人が確認する手段がない。

一般的に、被疑者側に有利な証拠は残していないものだから、弁護側とすれば、起訴される前になくなるのは、認められないと思います。

「ネグレクト」だ、「子供を殺して東京に行く」だ、というような事が報じられている、
この事件の真相を明らかにする事の社会的意義の大きさから言えば、
残すべきだと思います。

町営住宅なので、
町に、
事件の解決に協力する気があれば、
周辺住民 の方々を、説得して、納得してもらうほかないでしょう。

 突然の失礼をお許し願います。
 トラックバックを送信させて頂いたのですが、反映されないようなので、次のURLをご覧願います。
http://d.hatena.ne.jp/hirono_hideki/20060725/1153834717

 トラックバックを確認しましたまことにありがとうございます。
 なお、トラックバック、リンク先でご紹介させて頂いている資料には、ずいぶんと長文なものが含まれております。
 まずはブログ内の記事をお読み頂くことをお勧め致します。

「豪憲君事件は防げたかも」 問われる県警の初動捜査
能代署は、本当にいい加減な所です、きっちり捜査もしないで犯人扱いですからね、こちらで話した事すぐ裏付け捜査すればいい物を、やっても居ない事件引っ張り出して犯人にしようとする能代署員は少し異常です。聞いた話ですが、ゴミ置き場から拾った物を所持していただけで窃盗扱いで起訴しようとしますからね、全然聞き込み捜査なんかしないで強制供述だけで捜査進めてるみたいです。畠山鈴香の起こした事件も能代署による強制供述も有るのではないでしょうか、私は少し疑問に思っています。真相はもっと深いところに眠っているような気がします。能代署でも冤罪とか今までも有ったのではないでしょうか。豪憲君の事では能代署は謝罪するべきだと思います。

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