エントリ

畠山容疑者を簡易鑑定へ 秋田の連続児童殺害事件(asahi.com 2006年07月24日20時48分)

 秋田児童殺害事件関係のニュースですのでフォローしておきます。

秋田県藤里町の連続児童殺害事件で、秋田地検は、畠山鈴香容疑者(33)の簡易鑑定を実施する方針を固めた。同地検は「責任能力があることを明らかにしたい」としている。

 簡易鑑定といってもピンからキリまでありますが、できるだけしっかりした精神鑑定を行って、被疑者の人格の傾向等を可能なかぎり把握する必要があると思います。
 いままでの情報によれば責任能力の存在にはあまり疑問は持っていませんが、かなり特異の人格であることは間違いないと思いますので、自供の任意性と信用性の確保のためにも、被疑者の深層心理に対する理解は不可欠のように思われます。

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コメント(10)

簡易鑑定やってみて、やっぱり正式の精神鑑定やってみよう、となることもあるんですか?

精神科は素人なわたくしですが
テレビでけっこうしゃべってるとこを見た感じでは
ぜんぜん正常範囲内で簡易鑑定の必要性すら疑わしい
私は未見ですが刑務所に行ったことの有る人によると
刑務所内にはコソ泥とか無銭飲食とか微罪でぶちこまれてる
見るからに精神疾患の人が相当数いらっしゃると聞いています
現状の刑事精神鑑定は世間の耳目を集めている事件のみに
恣意的に行われて著しく公平性を欠いていると思います
人格の傾向の分析はけっこうですがそれは精神科じゃなくて
心理学者の出番ではないでしょうか
鑑定の主目的である刑事責任の有無と次元が異なる話じゃないでしょうか

>いのげ さん

 検察が、【簡易】鑑定の必要性を感じる場合というのはいろいろありますが、その中に、後で責任能力が問題になった場合、「検察は起訴前に責任能力について捜査を尽くしてないのか。」という批判を避けるために、または批判に対する言い訳の準備として、簡易鑑定をする場合があると感じています。
 本件で、検察が責任能力だけを問題にしているならば、その可能性がありそうです。

 以前のエントリで書いた事件ですが、弁護側が正式鑑定をする必要があると強く主張したのに、検察は面接時間が10分にも満たないごく短時間の簡易鑑定をして完全責任能力を認定して起訴したが、公判で正式鑑定を行った結果、心神耗弱になったという事件があります。

 なお、精神鑑定と言いましても、具体的な鑑定事項や被告人の病状または犯行時の異常性の原因如何によって、必ずしも精神科の医師が鑑定を行うとは限りません。
 本来的には、最も適切な経験と能力を持った専門家を鑑定人として選ぶべきであるということですが、通常は鑑定経験のある精神科の医師が鑑定人に選ばれる場合が多いということです。

>kenji47 さん

 あると思います。
 しかし、実例の記憶はありません。

 簡易鑑定をした鑑定人が誠実な人で、「微妙な事案だから時間をかけて正式鑑定をするべきである。」という意見を述べれば、正式鑑定が行われると思いますし、するべきだと思います。

先週NHKラジオニュースを聴いていると、精神医学の先生が当該容疑者について、「演技性人格障害の可能性がある。」とコメントされていました。

中田修先生の著書「犯罪と精神医学」をみると、演技性人格障害に関係する記述がありました。長くなりますが引用しますと、

『われわれ精神医学者が考えている精神病質というのは、クルト・シュナイダーの定義によるもので、つぎのとおりである。精神病質とは「性格の異常のために、自分自身がなやんだり、社会が迷惑をうける」、そのような人間である。』

『精神病質には、従来からいろいろのタイプ(類型)が分けられているが、シュナイダーの十類型の分類がもっとも知られている。それは意志欠如型、情性欠如型、爆発型、発揚型、自己顕示型、狂信型、気分易変型、抑鬱型、自身欠乏型、無力型である。このうち、はじめのほうの七型が主として社会を悩ませるタイプで、犯罪学的に重要である。』

次に自己顕示型精神病質の説明として、

『自分を実際以上にみせようとする傾向の強い性格である。すなわち、虚栄心の強い性格である。人間は誰でも他人からよくみられたいという傾向はあるが、この類型では、内容が空虚であるにもかかわらず、外面だけはよくしようと考えるのである。したがって、誇張したり、嘘をついたり、芝居じみた行動をとったりする。このような性格は犯罪者に少なくなく、とくに詐欺、偽造などの犯罪と関係がふかい。空想性が強くて同時に自己顕示性の強いばあいには空想虚言という症状をしめすことがある。非常に嘘が巧みで、自分自身でも嘘を真実と思いこんでいるようにも思えるほどである。』

ラジオニュースの先生によると、このような性格の人は役になりきることができ、俳優になると成功すそうです。

私はこの容疑者の言動を報道で見聞きした時、和歌山毒物カレー事件の林真須美被告を連想しました。

なんともいやな事件です。


人格障害は動機には関係あっても
責任能力には関係ないと思います

まあ,やっぱり注目されている殺人事件では医師の判断も
入れておきたい気持はよーくわかります.

で,注目されない微罪の被告人は鑑定されないままってわけ
国選弁護人さんはナニしてるのかなぁ

>いのげ さん

>国選弁護人さんはナニしてるのかなぁ

 国選弁護人が鑑定の必要を主張しても、微罪の場合はよっぽどの事情がないと裁判所が採用しないと思います。

逆に微罪の場合、一度でも被疑者に分裂病での通院入院記録があると、検察が裁判でひっくり返されるのをイヤがって安易に不起訴処分にしがちっていう批判も昔からありますよね(モトケン先生には反論もあるでしょうが)。大阪教育大附属池田小学校の事件の犯人が過去の事件で精神病院に通院してために不起訴処分になっていたことが当時ずいぶん話題になりました。

>コメ さん

>(モトケン先生には反論もあるでしょうが)

 いえ、ありません。
 たしかに微罪の場合はそういう傾向があると思います。

不起訴でも医療刑務所行きでもいいから
とにかく明らかに見るからに病気の人には
治療をうけさせてやってほしいんですけど

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