医療事故、第三者が判定(東京新聞)
愛知県内の大学教授や弁護士らでつくる特定非営利活動法人(NPO法人)の「日本医学歯学情報機構」(愛知県日進市)が、医療事故の際に第三者機関として、医療機関の責任の有無などを判定し、賠償額を算定する事業を来年四月から始めることが二十四日分かった。同機構によると、医療機関からの依頼があった場合、医師や弁護士、保険会社の査定担当者などからなる審査会を設置。病院が提出した調査結果をもとに、医療行為が妥当であったかの判定や賠償額の算定を行う。
結果を受け入れ、和解や示談を成立させるかは医療機関、患者側双方の判断になる。将来的には、医療機関ではなく患者が依頼した場合にも応じられるようにしたいという。
当面は愛知県内で起きた死亡事故や重篤事故が対象。
同機構理事長の小出忠孝愛知学院大学長は「裁判になってこじれる前に話し合いができる体制をつくりたい」と話している。
なお、「日本医学歯学情報機構」のホームページはこちらです。
老人の医者 さんがコメントで紹介されたものですが、コメントの中に埋もれてしまわないようにエントリにしておきます。
今後、活動状況の情報を追跡したいと思います。
医療☆故調☆会とか全国自☆体病☆協議会とか医療界の獅子身中の虫は性質が悪いからなぁ。
この組織は大丈夫なのだろうか。
裁判と違って非公開でしょうから
効果を評価するのには何年か待ちでしょうな
基本的に試みとして評価したいと思っていますが、当面の課題は山積していそうですね。
原告側にしろ被告側にしろ自分が正しいと思って争っているわけですから、相手寄り(と感じる)の判断が下された場合なかなか受け入れがたいのではないでしょうか。結果として受け入れられるのは昨今目立つ和解的判決というもので見舞金程度の賠償金支払いになるのでしょうか。
医療の全経過を通じて何一つ突っ込みどころが無いというのは普通考えがたいところです。東京から大阪までタクシーで移動する場合、もっと早く&安く着けなかったことを証明しがたいのと似たようなイメージでしょうか?司法的には実質被告勝訴とみなされるのかも知れませんが、報道に接する外野の医療者サイドには「何でこれで賠償金?!」と感じられるでしょう。結果として現場の司法不信、医療崩壊には直ちに直接的な効果はないかも知れません。
むろん、原告側にしても「あの医者絶対許さない!」と頭に値が上っている状態(失礼)で理で以って説いても受け入れられるとも思えません。決裂し裁判になった場合でもこうした判定が尊重されるようになってくるとそれなりに権威付けが出来てくるのかも知れませんが、それに何十年かかるか。しばらくは地道な活動になるでしょうね。
あと一つ、メンバーに妙なのが入ってこないか気がかりです(苦笑)。
しかし 設立3年でこのHPの内容の無さは
驚異的とすら言えそう…
どうもよくわからないのですが、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」とは、どう違うんでしょうね。
http://www.med-model.jp/
使い分けがあるんでしょうか。
賠償金の算定 のための機関というのにはびっくりです。
責任の有無の判定 というのではなく
原因の分析、再発防止策の策定 ではなく こんなことをする第三者機関というのは 意味があるのでしょうか。
裁判所とか保険会社とか以外に必要なのでしょうか?
理解が出来ないでいます。
原因の分析、再発防止策の策定 以外に
と書こうとしました。すみません。
No.6-7 勤務医です。様
> 賠償金の算定
> こんなことをする第三者機関というのは 意味があるのでしょうか。
理事長の発言に、「裁判になってこじれる前に話し合いができる体制をつくりたい」とありますように、
この機構では、事故調査だけでなく、紛争解決機関としての役割を持たせようということなので、大いに意味があります。
損害賠償請求の争点は、
1.責任があるか(故意過失、因果関係)
2.損害額の評価
人の命は値札が付いて売っているわけではありませんので、如何ほどと見るべきが、問題になるからです。
責任は認めるが、請求金額は争うということは、よくあります。
患者側は高く払ってもらいたい、医療者側は安く値切りたいという、利害対立構造です。
裁判所に行かずに、安価に迅速に、和解的な紛争解決ができるということが、このような紛争解決機関のメリットとされています。
損害の評価方法は客観的損害(主に逸失利益)と精神的損害(慰謝料)とに分けられます。
客観的損害は交通事故の例にならって定式化されています。逸失利益とは、その人が生きていれば得られたであろう利益、つまり、
収入額×稼働可能年数−生涯の生活費 です。
慰謝料はケースバイケースで、患者の個性や医療者の責任の度合い等に応じて、多少とも幅があります。また、医療過誤の場合を、交通事故と同列に扱ってよいかについては、考え方が分かれています。
>損害の評価方法は客観的損害(主に逸失利益)と精神的損害(慰謝料)とに分けられます。
>客観的損害は交通事故の例にならって定式化されています。逸失利益とは、その人が生きていれば得られたであろう利益、つまり、
> 収入額×稼働可能年数−生涯の生活費 です。
寝たきり90才老人や末期癌患者でも数千万円単位の賠償金が出るところを見ると交通事故等とは算定の仕方が違うんでしょうね。
> 寝たきり90才老人や末期癌患者でも数千万円単位の賠償金が出る
私は事例を知らないのですが、それは本当に和解ではなく判決で、逸失利益として認められたのでしょうか?
90歳ではサラリーマンならとっくに定年退職して無職の年金生活者です。また平均寿命を超えているので、余命は5年程度と考えますから、普通に考えて、逸失利益がそんなに大きいというのは疑問です。
何か家業があって働けるから収入があるとか、株式配当や家賃収入のような不労所得を有する人だとか?
末期癌患者の逸失利益が数千万円と評価されることはあり得ると思います。
平均寿命まで生きないことがわかっているから、生涯賃金を通常人より少なく見るべきだというご主張かと思いますが、
私は個人的に疑問です。慰謝料で若干差を付けることはアリかもしれませんが、、、
(法曹の間でも意見が分かれる問題だと思います。)
「日の丸検索エンジン」計画は成功するのか
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2547870/detail
>「日の丸検索エンジン」計画をご存じだろうか。経産省が米グーグルに対抗し、官民一体で次世代検索エンジンを開発する巨大プロジェクトだ。300億円を投じ3年後の実用化を目指すというが、ナゾや不安が多い。
かたや、医療事故調査のための第三者機関設立に向けて、厚生労働省が2007年度に請求している予算額は700万円。
...
医療事故第三者機関の試みといいますが、
いろいろ複雑なことはしなくて良いです。
単に、医道審議会を充実させ、
独自の調査機能を持つべく、スタッフを増やして
年数回の処分決定を毎月に変更させれば、
いいだけです。
現状の判決決定後処分を改め、どんどん自浄作用を
発揮すれば良いでしょう。それが医療従事者の為でもある。
予算的に厳しければ、医師会等にも負担金を
拠出させるか、医者側人件費を被せればよい。
早くそうして下さい。他は何も考えなくて良いです。
1 重過失又は故意の医療事故(医療犯罪者)の処分
→ 医道審議会の大幅な充実
2 過失無過失認定前の患者の早期社会的救済処置
→ 行政処置(社会保障の一貫として)
3 民間の医療事故保険商品
→ 患者向け商品
(患者さんは結果的に優先的な診療(産科などで)を受けられる)
1,2,3をまとめて一つの機関で処理しようと思うのが
間違いでしょう。
どこかで聞いたことが有るような理論展開ですが
3は「医療保険に対する資本主義原理の導入」
宮内さんの思ううツボかもしんないです
医療事故第三者機関の話からはズレますが、
良い悪いは別にして、医療の変容に伴って
混合保険が登場するのは、止むを得ないでは?
ここでいう医療の変容というのは、
1 高価格医療の登場
(先進医療、高価値付加医療)
2 勤労医師の士気低下、医療機関側からの患者選別
(労働基準法違反、医療バッシングに由来する応召義務の破綻)
3 資本による医療参入の規制撤廃政策
などをさすとして、こういう医療環境変化の中では、医療者に無過失の
偶発症に関しては、受益者の自己責任で民間保険に加入するのが
道理になるんじゃないかと、思いますね。
混合保険に賛成するわけでなく、もう、引き返せないのではという
認識です。
別エントリにアップしたものの再掲です。なお,先の掲載でupしました「目次」は省略しました。
以下,再掲文
別な件を検索していたとき,偶然に以下の文書を引っ掛けました。
ご存知の方もおられるかと思いますが,以前,話題になった事故調査に関する第三者機関に関する日本学術会議の人間と工学研究連絡委員会 安全工学専門委員会による提言です。航空事故,鉄道事故のみではなく,以下のように医療事故も対象としています。
2. 事故調査機関
(1) 各種事故を対象とする独立性を持った常設の機関を設置する。
(2) 所掌とする事故;プラント等の事故、重大自動車事故、海難事故、鉄道事故、航空機事故、火災、労働災害、医療事故、食品事故、都市災害、自然災害等の各種事故を所掌とする。
委員や討議参加者に臨床医師こそいませんが,目次(下記参照)を見ると先に議論となった問題点の多くが検討,記述されているようで,一読する価値はあると思います。
*** 引用文書情報 ***
人間と工学研究連絡委員会 安全工学専門委員会報告
事故調査体制の在り方に関する提言
平成17年8月23日
日本学術会議 人間と工学研究連絡委員会安全工学専門委員会
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-te1030-2.pdf
再掲注: 目次は省略しました。上記ULRを直接ご参照ください。