「終生、無償で看護」約束 医療過誤裁判で和解 愛知(asahi.comトップ 2006年10月03日09時34分)
昏睡(こんすい)状態になったのは愛知県半田市の市立半田病院が適切な外科手術をしなかったためだとして、寝たきりで同病院に入院している同県知多郡内の50歳代の男性と家族が、同市を相手取り、1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟は2日、名古屋地裁で和解が成立した。市は、慰謝料など8200万円を支払うほか、「終生にわたって無償で適切な看護、医療を受けさせる」と、条項に盛り込んだ。
訴状によると、男性は98年7月、自宅で下血して近くの医院で胃潰瘍(かいよう)と診断。同月31日夜、半田病院に入院した。担当医は内視鏡で止血したが、男性は数日間、吐血を繰り返した後、植物状態に陥った。男性の家族は、病院は外科手術をすべきだったと主張。同地裁が今年1月、和解を勧告していた。
同病院は「家族の意向をできるだけ受け入れた」という。条項ではまた、病院が将来、閉鎖するなどした場合も、市が転院先を確保し、無償提供するなどとした。
財団法人「日本医療機能評価機構」裁定委員で、医療過誤で子を失った勝村久司さんは「今後、被害者をどう助けていくかを明確にした理想的な和解で、とても珍しい」と話した。
市がここまで譲歩しなければいけない医療過誤だったのでしょうか?
「数日間吐血を繰り返した」との事ですが、その間に何もしなかったんですかね。
恐らくこの状態であれば入院中だったので、吐血の事実は主治医に速やかに連絡されているはずです。普通止血後に吐血したら再度胃カメラしたり、場合によっては手術に踏み切ると思います。
この記事の内容から判断するとこういう事情ではないでしょうか。ただ、マスコミって嘘つくからなあ。そのまま真実よいものかは分かりません。
救命救急センターを併設する500床の研修病院で(少なくとも現在は)消化器内科医も数人いるようです。年間120件の内視鏡的止血術と言いますから地方基幹病院として少なくとも水準の対応は出来るレベルであったでしょうし、経験も十分にあったと考えるべきでしょう。TAEも行っている施設ですから、動脈性出血を繰り返したとしても数日間何らの対策も取れないという状況は考えにくいところです。
http://www.city.handa.aichi.jp/byouin/03kakuka/12naika/index01.htm
止血困難ということであるいは肝硬変等の基礎疾患が存在していたのではとも思ったのですが、この経過で8年間生存しているという点で違うのかと言う印象を受けます。そもそも何故吐血から植物状態となったのかはっきりしません。血管虚脱による続発性の脳血管障害とすると病院がもっと主張しているのではと思います。
私が最も疑問に思うのが原告が「1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟」に対し地裁が和解を勧告、「家族の意向をできるだけ受け入れ」た結果8200万円に加え「終生にわたって無償で適切な看護、医療を受けさせる」という結論に至ったことです。昨今の医療情勢を考えますとこれは原告側の要求よりむしろ高度な補償にも思えるのですが、記事を読む限り病院側がそこまで譲歩する理由が理解できませんでした。原告が半田市民であればあるいはと思ったのですが違うようですし…
この「和解勧告」というのが曲者で、要するに「この和解案を丸呑みしなければ全面敗訴にするぞ」と裁判所自身が脅してくるわけだから、実質は勧告でなく脅迫、押し付けなんですよね。この新聞記事は、そこを知ってか知らずかスルーしてますよね。暴力団まがいの理不尽な「和解勧告」に泣かされている医師の実情を報じてくれるマスコミはなかなかありませんね。弁護士のセンセイはジンケンジンケンと連呼して暴力団対策に取り組んでるみたいな奇麗事言ってるけど、司法権力が暴力団と化している現状には目を向けてくれないどころか、裁判所と一緒になって医師いじめに走ってますからね。二枚舌もいいところですね。
和解と判決の違いというとまず公開性が違います
判決は公開情報です
病院としては公開したく無かったのかもしれません
第二に確定性
和解だとある程度結果が予想できる
ただし、この条件は全面敗訴同然なので
条件として有利と判断したとは思えない
裁判官が理不尽なことを言うのならさっさと敗訴にして
控訴を狙う方法もありますがこれは
かなり疲れる話ではあります
第三に和解は裁判官が判決を書かなくてイイ
裁判官の真のネライはここらへんだったりして
No.4 いのげ さま
>第三に和解は裁判官が判決を書かなくてイイ
>裁判官の真のネライはここらへんだったりして
他の理屈も当然ついてはきますが、これは常に存在する、しかも相当強力な、裁判官にとってのメリットであり、インセンティブです。
判決文の起案は、ものすごく時間と手間のかかる作業であり、常時数十件から百件に至るほどの手持ち事件を抱えている裁判官にとっては、1件でも和解で「落ち」てくれることは、非常にハッピーな事態ととらえられているようです。
もちろん、判決まで行かずに終局的解決に至ることは、当事者双方にとってメリットがあることが多いので、そのこと自体は批判されるべきではないですが、
法的な検討を充分しないままに安易に双方の主張の中間をとって執拗に和解を勧めるような訴訟指揮をするようなことがあれば、厳しく批判すべきだと思います。
>和解と判決の違いというとまず公開性が違います
実務上、和解条項に守秘義務規定を設けることもよくあります。
(結果的ないし事実上)紳士協定程度の強制力しかないことも多いですが。
記事を見ると病院はかなり積極的に、少なくとも傍目には誠意をもって和解の条件を出しているように思えますし、実際原告側にすれば勝訴並かそれ以上の結果を引き出しているわけです。
ならばそもそもどうして訴訟にまでなったのかという疑問がわくのですが。あるいは公立病院としては手厚い保障をするために敢えてこうした「形」を取らなければならなかったとかいった事情なのでしょうか。
>「終生にわたって無償で適切な看護、医療を受けさせる」
無償だと早く死なせるというインセンティヴが働くんじゃないかと思います。
もっと高めの賠償金とって転院したほうがいいような気が…。
病院を訴えるような患者を引き受けたがる病院は無いです
>病院を訴えるような患者を引き受けたがる病院は無いです
なるほど。
しかしまあ半田病院事件の患者さんはかわいそうなのは間違いないです
で、今度はこんなアホ判決が… 読んでズッコケました
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透析患者死亡で賠償命令 基準体重の管理ミスで 06/10/02
記事:共同通信社
提供:共同通信社
ID:320340
人工透析の際に基準とする体重の管理が不十分だったため、体内の水分が過剰になり死亡したとして、岡山県の女性の遺族が津山第一病院(同県津山市)を運営する医療法人に計約1億3400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁津山支部は29日までに、計約5800万円の支払いを命じた。
難波宏(なんば・ひろし)裁判官は「基準体重の設定が高すぎた」と病院の注意義務違反を認定。女性は基準体重の引き下げに反対していたが、医師は適正な基準体重を定め、患者が反対した場合でも家族や第3者に説得を依頼することも注意義務に含まれると指摘した。
判決によると、49歳だった女性は2002年8月、病院で人工透析を受けていた際、体内の水分量が過剰な状態になり、肺水腫から心肺停止し、その後05年11月に死亡した。
病院は「判決内容に不服だ」として控訴した。
透析の患者も素直じゃないですからね…
家族はまだしも第3者ともなると明らかに個人情報保護法違反だと思うのですが。世間では患者の自己決定権云々と叫ばれている時代にそれに逆行するような判決だなという印象です。