エントリ

いじめの背景に親の教育不在あり65%…読売調査(2006年11月18日19時56分 読売新聞)

 読売新聞社が11、12日に実施した全国世論調査(面接方式)で、いじめが原因とみられる子供の自殺が相次ぎ、いじめが大きな問題となっている背景を八つの選択肢の中から選んでもらったところ(複数回答)、「親が社会のルールを教えていない」が65%で最も多かった。

 次いで、「他人の痛みを思いやることができない」(55%)「親が子どもの悩みを把握できていない」(52%)の順で、家庭での教育の問題が大きいと考えている人が多かった。

 4、5位は、「教師の指導力や資質に問題がある」(48%)「学校が責任逃れをして問題を隠す」(45%)だった。

 どうせ報道するなら、提示した8つの選択肢を全部示すかリンクを貼ってもらいたいものです。

 ところで

 「いじめが大きな問題となっている背景」

 に関する調査とのことですが、調査の意図・目的がよくわかりません。
 何のために「背景」を聞いているのかよくわからないです。
 端的に「原因」を聞けばいいのではないでしょうか。

 揚げ足取りでしょうか?

 回答結果自体は一応理解できます。
 それじゃあ、どうするのか、についての質問はなかったようですが。

追記
 11月19日付け読売新聞に調査方法が掲載されています。
 調査日 11月11,12日
 対象者 全国有権者3000人(250地点、層化2段無作為抽出)
 方 法  個別訪問面接聴取法
 回 収  1757人(回収率58.6%)    

 統計学をほとんど知らないのですが、この程度の対象者数と回収率で「全国世論調査」と言ってもいいのでしょうか? 

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コメント(6)

>調査の意図・目的がよくわかりません。

 11月16日付の読売社説を読むと、少なくとも「読売の意図・目的」だけははっきりします。教育基本法改正案の採決において野党が欠席したことを批判する内容の社説ですが、

「(自民と民社がそれぞれ作成した教育基本法の)法案の中身が似通うのは、子どもの規範意識を高め、家庭の役割を重視することが、いじめなど学校現場が抱える課題の改善にも資する、との思いを共有するからだろう。民主党が、いじめ自殺などを「改正案の中身にかかわる」と本気で思うなら、与党に法案修正の協議を持ちかけるのが筋だ。」

という一文に読売の姿勢が表れています。いじめをなくす具体的方策になど大して興味はないのでしょう。「愛国心おたく新聞」の教育基本法改正後押し世論調査だと思いますね。

回答率も実回答数も示されていないアンケート結果など、最初からヌルーです。

「回答しなかった集団」は通常「回答した集団」と同質とはみなせません。
たいてい相当の理由があって「回答しなかった」のであり、もう一方は逆に「回答した」のです。

この手の問題を扱うときworst case scenario analysis(最悪事態分析?)という手法があります。
何も難しいことではなく、「未回答群を全員、特定の回答をした群とみなして検討する」方法です。
例えば、サイコロで振り分けた2つの群を、それぞれ高脂血症の薬X服薬群とニセ薬服薬群に割り当て、5年間経過を観察してその死亡率を比較する、という臨床試験であてはめれば、「脱落していった人たちを全員、死亡とみなして解析する」になります。
「X服薬群の脱落者のみ死亡とみなし、ニセ薬服薬群の脱落者は生存者とみなす」なら、Xの効果に対してより厳しい解析方法になります。

医学論文でさえ滅多に目にすることはなく(なので自分で解析する必要がある)、ましてや新聞に発表されるアンケート結果でworst case scenarioをふまえて検討されているのを見たことは皆無です。
この例では回収率すら示されていないので何をか言わんや、です。

#「%」表示の有効数字も、もう少しデリケートに扱って欲しいものです。よく「3人のうち1人」が「33.3%」になったりしますが、この場合有効数字は1ケタですので「30%」です。「30人のうち1人」でも有効数字は少ない方に合わせるので「3.3%」ではなく「3%」です。この点については、実は新聞どころか医学論文・学会発表ですらかなりいい加減です(とくに邦文)。

「あ、この程度のレベルで数字を処理してるんだな」と考えただけで以後の数字を読む気が失せてしまいます。

 本文に調査方法を追記しました。

新聞社の調査は、他の調査に比べると代表のとりかたとかはましなようですね。
数がこのくらいで十分かというのは、「大なべのスープの味も、スプーンでわかる」ちゅうことで問題ないと思うです。
よく、特定の主義主張の団体が、多数からのアンケートを行い、これだけの数で得たアンケート結果なのだから正確だといわんばかりの主張をすることがありますが、大事なのは対象者数よりも、全体の正確な雛形になっているかつまり対象者の選び方、と回答者数ですね。

おまけ:薬の副作用を主張する医師の新刊で、「この薬の有効性を示した論文はIntention to Treat解析という標準的な方法を用いていないから非科学的だ」と書いてありました。有名なStudyなのでITT解析してないわけないが、と思って読み進めるとworst case scenarioのことでした。ほんとどっちが科学をわかっていないんだか。

>>No.3 管理人さん
追記ありがとうございました。

回収率58.8%というのはこの手の調査ではいい方だと思います。

「3000人が多いか少ないか」というのはNo.4で立木 志摩夫 さんが書かれた通りです。
母集団のひな形を作る一番確実な方法は「サイコロを振って人を選ぶ」です。
これさえ守られれば、ひな形から得られた数字の誤差範囲は全て計算で予想出来る、というのが統計学でのタテマエです。
公開されている情報からすると方法論としては問題ないと思われ、つまりは当初選ばれた「3000人」は、ほぼ「全国の有権者」を代表していると考えます。
もっとも「3000人」の中に医者は含まれていそうですが、弁護士は含まれていなさそうではあります。

ただ、No.2で述べたように、「3000人」から「1757人」に減った段階で話はだいぶ変わります。
どういう人たちが脱落したのか、それを大いに考慮する必要があるのです。
訪問員がいつ対象者宅を訪れたのか、だけでも未回収者層が大きく異なってきます。
対象者が現にいじめを行っている子の親なら答えようとしないかもしれません。
コアな阪神ファンなら読売と聞いただけで訪問員に門前払いを食わせるかもしれませんし、もしかするとそのコアな阪神ファンたちはほとんど全員が5位に選ばれた「学校が責任逃れをして問題を隠す」(45%)がいじめの背景だと思っているかもしれないのです。(あくまで仮定です)

かくして出来上がったのが、エントリ本文にある数字です。

ま、だからと言ってこの手のアンケートの数字が全く無意味か、というとそういうわけでもなく、限界をふまえてさえいればじゅうぶん参考になるわけです。
2chの書き込みと同じです。

♯しかし、新聞社って「全国の有権者の中から3000人」を戸別訪問出来るだけの住所氏名等の個人情報を持っているんですねぇ。

公職選挙法(昭和25年法律第100号)によると、

(登録)
第22条 市町村の選挙管理委員会は、登録月の1日現在により、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の2日に選挙人名簿に登録しなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、登録月の1日から7日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、登録の日を変更することができる。
2 (省略)
(縦覧)
第23条 市町村の選挙管理委員会は、前条第1項の規定による登録については登録月の3日から7日までの間(同項ただし書に規定する場合には、政令で定める期間)、同条第2項の規定による登録については当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選挙議員の選挙については、中央選挙管理会)が定める期間、市役所、町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において、同条の規定により選挙人名簿に登載した者の指名、住所及び生年月日を記載した書面を縦覧に供さなければならない。

だそうです。

ちなみに、「登録月」は3,6,9,12月です。

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