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 薬害エイズ訴訟で検察側証人として証言した内田立身(たつみ)医師が手記「真実を直視する 薬害エイズ訴訟の証人医師として」を出版したとのことです。

 同じ医師の責任追及には心の葛藤(かっとう)もあったが「真実が永遠に闇の中に葬り去られてしまう」と証言に踏み切った。エピローグでは「医師にとって、自分の眼で病気を直視することほど重要な体験はない」と締めくくる。
 「患者の死があまりに壮絶で、非加熱製剤に凶器のようなイメージを抱いた。同時期に安部医師の下で非加熱製剤の使用が続けられていたことは、想像もしなかった。後に知ってまさに仰天した」

 とも記している内田医師としても葛藤があったのですね。

 当時の報道にはバイアスがかかっている感じはしていましたが、安部英・元帝京大副学長の弁明に釈然としない印象を持ったのを覚えています。

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コメント(10)

薬害エイズ事件に関して、なぜか郡司氏が悪者扱いされていることに釈然としない思いがありました。当時、なぜそのように思っていたのかは忘却の彼方ですが。

バランスを取るために以下の記事を紹介します。

薬害エイズ被害者の抱えるジレンマ
http://www.campus.ne.jp/~lap/lap1/lap2/nlback/nl29/nl29-4.html

この事件は将来、
血友病治療の進歩のタイミング
HIVというかなり特殊な感染症(潜伏期間が長い)の出現
対外からの血漿に頼り切った血液行政
などが絡まって生じた悲劇だという評価になるんじゃないでしょうか。

どこかで、郡司氏は血友病治療薬の汚染問題を一番真面目に考えていたのは安部氏だったと評価していた気がします。
まぁ安部さんのエキセントリックな雰囲気・風貌は悪役にはぴったりだったですけど。
あれもマスコミ裁判だった部分が大きいと感じていますね

8月15日の私のブログ「大野病院事件」初公判に向けてのエール 「医療事故と検察批判 」―東京女子医大事件、血友病エイズ事件、両無罪判決より」
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/
でも書きましたが、「血友病エイズでの帝京大安部英医師に対する刑事訴追は、冷静に考えればあまりに無茶であり、日本以外のどこの国もやらなかったことである。まったく同じ被害が世界中で生じたのであるが、何処の国でも臨床医の責任追及などという馬鹿げたことをしようとはしなかった。それにもかかわらず、日本では、敢えて世界情勢に目をつぶって、1人の医師をなぶりものにしたのである。ところが、ほとんどのメディアは、「被害者」へ同情し同調するあまり、日本の検察官のこのような権力行使に対してきわめて寛容であった。」との安倍さんの担当弁護士さんのお話は重要だと思います。被害者は、もちろんかわいそうですが、それを一臨床医に責任を押しつけるようなことは避けるできであったと思います。

 厚生省エイズ研究班の班長を務めた安部英医師を「一臨床医」と呼ぶのは釈然としません。
 過失の有無は、具体的な地位・役割・実質的影響力などに即して判断されるべきものです。

>モトケンさん
厚生省エイズ研究班の班長としての安倍氏に、どの程度影響力があったのかが問題になるという事ですね。エイズと言う未知の病気に関して、厚生省、つまり行政が対処するべきなのか、医療側が対処するべき問題だったのか。

諸外国ではどうだったんでしょうね。

血液製剤に関しては、非加熱濃縮血液製剤の使用はやむを得ない事だったのではないでしょうか。加熱血液製剤を使用しなかったとか、クリオを使用しなかったと言う視点で過失を問われるべきではないと思います。

> 厚生省エイズ研究班の班長を務めた安部英医師を「一臨床医」と呼ぶのは釈然としません。
 過失の有無は、具体的な地位・役割・実質的影響力などに即して判断されるべきものです。


東京地判平成13年3月28日判時1763号17頁
は、詳細な判示をしていると思います。
この裁判官はかなりデキル人らしいですよ。
世論からは大批判浴びましたけどね。

>kenji47 さん
判決文をざっと読んでみましたが、異論を挟むような隙は見あたらないと思います。感情的には反発を受ける人もいるかも知れませんが、理性で判断する限りは全く問題ない判決文ですね。

この判決文は医療側にとっても重要な意味を持つと思いますが、現場の医師にはどのように受け取られているのでしょうか。

 ご存知の方も多いと思いますが、薬害エイズ一審無罪判決の合議体の右陪席裁判官(主任裁判官)は、医者から裁判官になった方です。

>ハスカップさん
それは存じませんでしたが、以下のような記述を見ると、確かに医師というか、理系的な思考の持ち主が、判決文を書いたように思われますね。

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本件は、エイズに関するウイルス学の先端的な知見が血友病の治療という極めて専門性の高い臨床現場に反映されていく過程を対象としている。科学の先端分野に関わる領域であるだけに、そこに現れる問題は、いずれも複雑で込み入っており、多様な側面をもっていた。これらの問題について的確な評価を下すためには、対象の特性を踏まえ、本件公訴事実にとって本質的な事実とそうでない事項とを見極めた上で、均衡のとれた考察をすることが要請されている。
http://www.t3.rim.or.jp/~aids/abe5.html
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「エイズに関するウイルス学の先端的な知見が血友病の治療という極めて専門性の高い臨床現場に反映されていく過程を対象」にしていてそれを判断したのであれば、これはまっとうな話です。安倍さんは科学者として、臨床医としての役割を果たしていたのだと思います。責任の所在を判断するにのあたり「過失の有無は、具体的な地位・役割・実質的影響力などに即して判断される」というご意見には、賛成しかねます。「過失」に対して医学的科学的根拠なし臨床医を起訴したのであれば、検察の失当だと思います。

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