エントリ

脱出装置不備のSNA機、エンジン部品にひびも(asahi.com 2006年12月16日21時40分)

 スカイネットアジア航空(SNA、宮崎市)は16日、同社のボーイング737―400型旅客機1機のエンジンのタービンブレード(動翼)に1ミリのひびが見つかったと発表した。17日の運航後にエンジンを交換する予定。

 おいおい、そのまま飛んでもいいのか、と思って読み進めたところ、

 製造元のボーイング社の基準によると、1.3ミリ以下のひびは発見後10回までの飛行は「安全面が許容されている」という。

 だそうです。

 しか〜し、

 「発見後10回までの」というところにひっかかりました。
 ひびが生じてから発見されるまで何回飛んでいるかに関係なく、「発見後10回までの」飛行はOKなんでしょうか?

 問題の飛行機は、「今年5月の定期整備では異常はなかったという。」ことですが、その後何回飛んで、ひびはいつごろ生じたと思われるのでしょうか?

 不安な気分が払拭できないニュースです。


 ところで、このニュースには、上記の不安なニュースとは別に面白い発見がありました。

ひびがあったのは右エンジンのニッケル超合金製の動翼

 うん? 超合金?

 超合金というのは、変身ロボットもののアニメ(またはオモチャ)用語だと思っていたのですが、科学技術用語としてあるんですね(ウィキペディア
 勉強になりました。

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コメント(13)

 あそこは熱ストレスで変形とクラックが生じるのは、設計段階から想定の範囲内です。
 C整備やH整備で発見されるのは、1.20ミリメートル以下ですから、これが許容限度をの1.40ミリメートルを超えるのは、統計上20回以上の離陸と着陸が必要です。ですから、メーカーの交換基準も技術上の合理性があります。
 もっとも、双発機のパイロットなら、エンジン1発が停止(致命的破壊を含む)しても、安全に最寄の空港(オルタネータ・エアポート)に着陸できる能力がないと、耐空性安全証明が出ないので飛べないから、結構安全なんですよ。ここが車や列車との違いです。

| 「発見後10回までの」というところにひっかかりました。
| ひびが生じてから発見されるまで何回飛んでいるかに関係なく、「発見後10回まで
|の」飛行はOKなんでしょうか?

仮に、「ひびが生じてから発見されるまで何回飛んでいるか」が関係あるような
基準にするとして、発見されていない何回前にひびが生じたかはどうやって
判定するのでしょうね?

>ハスカップさん

 必要十分な頻度で定期点検がきちんとなされているのが前提と思います。

発見されなかった時点ではひびはない、毎回の点検は完璧であるという強気の発言だと思います。

お恥ずかしい。製造元の話でしたね。

>m さん

No.5の「製造元の話」とは何でしょうか?スカイネットアジア航空による日本でのエンジンの検査(外部委託していたと思いますが)で発見されたと、思うのですが。

モトケン先生は、発見時を基準にした許容飛行回数は、発生時を基準にする必要があるとお考えになったのかもしれませんね。

発見時の1ミリのひびは、許容限度の1.40ミリメートル未満であり、かつ20回保障の1.20ミリメートル未満でもあり、即時交換を要する値ではないので、翌日運行後に交換でも問題ないと思うのです。
ひびは、徐々に拡大していくもので、ひびの発生時期がいつであろうが、発見時1ミリは、発見以前は1ミリ以下であることが明らかなわけですから。

一方、発生時期が問題になるのは、点検で発見されたときに、いきなり許容限度の1.40ミリを超えていたときです。しかし、「必要十分な頻度で定期点検がきちんとなされているのが前提」というまでもなく、定期点検はそうならない頻度で設定されているはずです。
ただし、その経験則を超える急激な劣化が進行するような状況も皆無ではないかもしれませんが、それを危惧しますと、常時点検しなければならなくなりますし、飛べなくなってしまいます。それこそ「どないせぇっちゅうねん」ではないでしょうか。

いずれにしても、今回のケースは1ミリで発見されたわけですし、定期点検が正常に機能しているわけですし、翌日には交換すると言っているわけですし、何ら杞憂することはないと思うのですが。

>まささん

 要するにひびの大きさが問題だということですね。

 説明ありがとうございました。

まささんが説明されたのは損傷許容設計と呼ばれる設計思想ですが、一般の方には馴染みのない思想なので解りにくいものと思われます。それと「超合金」は科学技術用語ではありません。マスコミ関係者が使う「俗語」です。

>元造船技師さん

 超合金についてですが、ウィキペディアの解説は間違いということでしょうか。

>売れない経営コンサルタント様

おお、重ね重ねお恥ずかしい。スカイネットアジア航空が、製造元のボーイング社の基準を持ち出して、「安全面が許容されている」といったのですね。まじめに突っ込んで頂いて恐縮です。寝起きで雑用しながら書き込みしていて、頭が働いてませんでした。と、言い訳してしてみます。

元造船技師さんに代わりモトケン先生へ

英語のSuper heat resistance Alloy(超耐熱合金)が転じて、Superalloy(超合金)になったのではないかと言われております。
論文などで使用されている学術用語としては、Ni-Base Superalloy (Ni基超耐熱合金)、Ni-Cr-W Superalloy (Ni-Cr-W 系超耐熱合金) などと表記されておりましたが、最近の論文では「Ni基超合金」などのように「耐熱」が省略?されているのもみかけます。
では、「超合金」が科学技術用語あるいは学術用語として定義が確立しているかどうかは不勉強でわかりませんが、ウィキペディアの解説もその辺のニュアンスを感じます。

ところで、朝日の記事(記者)はなにを報道したかったのでしょうか?
非常脱出装置不備での運行は誠にけしからんですが、それと定期点検−ブレードのひび発見−交換というプロセスとはなんら関係ないと思うのですが。

JISの「鉄鋼用語」で超合金とは、「耐食性や耐熱性向上を目的とする合金であって、合金成分が大量に添加され、鉄分が50%以下となったもの」と定義されています。
つまり「超合金」とは総称であり、非常に広い概念です。
特定の材料を呼ぶ時は、合金成分と用途機能を付して、Ni基超耐熱合金あるいはNi-Cr-W 系超耐熱合金と呼ぶのが普通でしょう。
「ニッケル超合金」は、いかにも素人っぽく、俗な感じがします。技術論文で使用したらセンスを疑われるでしょう。その意味で「俗語」であると申し上げた次第です。
直接関係ありませんが、別の所で、「超合金ジュラルミン」という表現を見たことがあります。これはJISの定義からも逸脱していますね。

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