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起訴後、遺族らは、危険運転致死傷罪の適用を求め、署名活動を続けた。全国から約18万人分が集まり、先月末、地検に提出した。

 とのことですが

 冒頭陳述によると、井沢被告は06年9月25日午前10時ごろ、川口市の市道を時速50〜55キロに加速して運転中、助手席の携帯カセットプレーヤーの操作に気を取られて運転を誤り、園児の列に突っ込んだとされる。

 ということであれば、危険運転致死傷罪の適用は難しいことになります。
 但し、このニュース記事の最大の欠陥ですが、事故現場の道路状況が全く分かりません。
 見出し等で車の速度を指摘しつつ危険運転致死傷罪の適用の可否を問題にするのであれば、最低限現場の制限速度くらい記事の中で書いて欲しいものです。
 そうでないとこのニュースだけではコメントのしようがありません。

 もっと根本的には、交通事故の厳罰化にあたって業務上過失致死傷罪の規定や法定刑をいじらずに、危険運転致死傷罪という新しい罰則規定で対処したことがそもそもピンボケだったように思います。
 今になって業務上過失致死傷罪の法定刑アップを言い出したことがピンボケだったことを示しています。

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コメント(15)

遺族の方々を非難するつもりはありませんが、署名を集めて法で定めた以上の刑を求めるのは無理筋だろうと思います。署名を提出するなら、むしろ立法府である国会じゃないでしょうか。今回の裁判には間に合いませんが。

そもそも過失犯に厳罰を科すというのは、再発防止に役に立つのでしょうか。

>そもそも過失犯に厳罰を科すというのは、再発防止に役に立つのでしょうか。

 そういう議論はありますが、

 医療事故の場合は医師が危険の中に飛び込んでいく場合が多いと思いますが、交通事故の場合は運転者が自ら危険を作り出す場合が多いのです。
 交通事故にもいろんなパターンがありますけどね。

刑法総論解釈を変えるわけにはいかないのですかね。
観念的競合(=一所為数法)と言ったって、一つの行為で二つの犯罪に評価できる場合と、被害者が複数の場合とは実質的に違うと思いますので、柔軟にできませんかね。それで併合罪と考えても1.5倍までですけど。

 交通事故は車を運転すればわずかなミスで誰もが起こしかねない犯罪ですし、累計的に被害が大きいといえるとは思えません。交通事故に限って業務上過失致死傷罪の法定刑をあげる最近の法改正論議はなんとなくいびつな感じがします。
 業務上過失致死傷罪全体を底上げするのなら理解できるのですが。

このニュースをみると、速度制限のない「生活道路」であったようです。

http://www.saitama-np.co.jp/news01/28/02p.html

ヤブ医者様にリンクしていただいた埼玉新聞の写真からみると、歩道もセンターラインもない、車一台がようやくすれ違える住宅街のまさに「生活道路」ですね。両側の家から飛び出してくる恐れも多分にあり、30Kでも十分速いような気がします。

>交通事故は車を運転すればわずかなミスで誰もが起こしかねない犯罪ですし、累計的に被害が大きいといえるとは思えません。

風の精霊様、一般論ですよね。まさか、この事件のことでは・・・・。

狭い住宅街の道を60k以上出してなお加速しつつ、ステレオ操作でよそ見をすることを、わずかなミスとは言わないでしょうし、死者4人、重軽傷者17人は、故意犯なら史上まれに見る凶悪犯ですよ。

>最低限現場の制限速度くらい記事の中で書いて欲しいものです。

60kn/h制限だったそうですよ。
とくに何も表示されてなかったわけですね。

>じじいさん
 一般論です。bambooさん、モトケン先生のコメントの流れに乗ったつもりで書いたものです。危険運転致死傷罪の規定自体は悪いとは思わないのですが、立法は場当たり的であるし、論議もちょっと被害者感情に乗り過ぎなのではと思っています。

 なお、今回の事件に関連しそうな一般論としては、法定速度内でも「進行制御が困難な高速度」で危険運転罪適用の余地がないとはいえないかと思います。
 もちろん検察官もそれくらい考えた上で、業過で起訴したのだと思いますが。

>刑法第208条の2
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で四輪以上の自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで四輪以上の自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
2 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

文理からいって危険運転致死傷罪には明らかに該当しないでしょう。
これを無理矢理適用できるんだとしたら、いったい法律ってなんなのさ?

 明らかに「進行を制御することが困難な速度」であると言うことが分かれば、法定速度であるかどうかは関係ないでしょう。法定速度と言う単語は、危険運転致死傷罪のどこを見ても出てきません。
 もちろん、法定速度が一つの強力なメルクマールとなるし、法定速度を信じていれば「進行制御困難速度の認識」の問題が出てくるので、実際上簡単ではないと考えて検察官は諦めたのだと思いますけど。

 明らかに「進行を制御することが困難な速度」であると言うことが分かれば、法定速度であるかどうかは関係ないでしょう。法定速度と言う単語は、危険運転致死傷罪のどこを見ても出てきません。
 もちろん、法定速度が一つの強力なメルクマールとなるし、法定速度を信じていれば「進行制御困難速度の認識」の問題が出てくるので、実際上簡単ではないと考えて検察官は諦めたのだと思いますけど。

>その進行を制御することが困難な高速度で
助手席の音楽プレーヤを操作しながらであれば、55Kmは十分危険な高速だと思います。

横浜の交通事故(高校生の列につっこんだ)では、法廷速度以上ということで、危険運転致死傷罪が適応されていました。
今回も、助手席の音楽プレーヤを操作しながわ運転することについて、、危険運転致死傷罪が適応されてもいいんじゃないかと思います。

検察は、負けると困るから、メンツの手前起訴しないけれど、
素人なので、起訴して、裁判で、争えばいいんじゃないかと思います。
そういう感覚は、「一か八かで手術してもらっては困る」という検察と、「一か八かでも手術する」医者との違いなんでしょうね。

今のままでは、自動的に、最高の5年の懲役を適応するだけで、裁判官の考える余地もないですよ。
危険運転致死傷罪が適応するかどうかを裁判官に考えてもらうためにも、ここは、起訴したらいいと思います。

>MJさん
 「別の操作と合わせて」スピードが出ていると言い出したら、わき見、居眠りなどほとんど全ての業過が危険運転になりかねませんから、それは認められないのではないでしょうか。あくまでもその道路での時速55Kと言うスピードを評価するのが大前提だと思われます。

 ちなみに、審理の過程で仮に裁判官が危険運転致死傷罪が成立するかもしれないと考えれば、検察官に訴因変更を促すことがありうるかと思います。

風の精霊さん

>明らかに「進行を制御することが困難な速度」であると言うことが分かれば、法定速度であるかどうかは関係ないでしょう。

それはそうです。
検察官は、法定速度以内であっても進行を制御することが困難な速度であったと証明しなければならないわけだ。
これは無理でしょう。

はじめまして。
この事故、現場/事故が起こった時の詳しい状況がわからなくてもやもやしています。
一度だけ新聞かテレビで、白線の内側(路側帯というのでしょうか)に二列、外に二列(これは対面四人乗りの乳母車です。)になった園児の図を見ました。
自動車は乳母車に接触し、乳母車が園児を跳ね飛ばしたという解説を記憶しています。
これは記憶違いなのかもしれませんが…報道はどうも片手落ちが多くて正しい判断ができません。

もしかしたら車は斜めに突っ込み直接園児をひいたのかもしれませんが、しなくても良い大幅なはみ出しをしていた園側の法的責任などがどうなっているのか気になります。

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