エントリ

 大熊町の県立大野病院で2004年12月、帝王切開手術で妊婦を失血死させたなどとして、業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の罪に問われている産婦人科医、加藤克彦被告(39)(大熊町下野上)の第2回公判が23日、福島地裁であった。検察側の証人尋問が行われ、証人が検察側の主張と食い違う見解を示す場面があった。

 証人は、手術に先立ち加藤被告から相談を受けていた双葉厚生病院(双葉町)の産婦人科医と、手術で助手を務めた外科医の2人。

 最大の争点になっている、子宮に癒着した胎盤をはく離する処置をやめ、子宮摘出手術に移行する義務があったかについて、産婦人科医は「胎盤のはく離を完了すれば、子宮の収縮が期待でき、止血できるかもしれない」と弁護側の主張に沿うとも受け取れる一般的見解を述べた。この産婦人科医は、胎盤が子宮に癒着した患者の帝王切開手術で子宮の摘出手術に移行した経験があり、検察側が証人申請していた。

 胎盤のはく離に手術用ハサミを使った妥当性について、2人の証人は「切るのではなく、そぐように使うなら許容できる」などと理解を示す証言をした。福島地検は公判後、「無理にはく離して、大量出血を招いたことが問題」と反論した。

「被告の処置は適切」検察側証人の医師ら証言 大野病院事件(ヤフーニュース 2月24日7時2分配信 河北新報 キャッシュ

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コメント(17)

検察側が起訴状の内容が正しい事を証言してもらうつもりの検察側証人に,
"この起訴状はでたらめです。"
と証言されてどうするのか??

片岡次席検事が公判が始まれば世間があっと驚くといっていたが
臍帯=じんたい 
検察側証人=実は弁護側証人
と本当に世間があっと驚く事ばかり。
初期教育の不備で欠陥検事を大量生産している検察当局を国民は信頼できるのか?

>No.1 産婦人科医さん

>初期教育の不備で欠陥検事を大量生産している検察当局を国民は信頼できるのか?

この件は福島地検のスタンドプレーという説がもっぱらですので、
検察当局全体についてそのようにいうのが妥当とは思えません。
こういう事態(不当逮捕)の再発をいかに防ぐのかを考えるべきとは思いますが。

周産期医療の崩壊をくい止める会のHPに第2回公判の記録がありますね

http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%C2%E8%C6%F3%B2%F3%B8%F8%C8%BD%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%2807%2F2%2F24%29

ちょっと気になったところを。


検察 前回帝王切開、前置胎盤で帝王切開を実施の場合、癒着胎盤の可能性も念頭において執刀されるのですか?

証人 まずですね・・・

検察 いや、結論だけ答えてください。

弁護 医学的に可能性、可能性、というと、みな可能性があることになるので、そういう質問は不適切です。

裁判官 なるべく簡潔に答えてください。

証人 いや簡潔には答えられません。事前に検査を行い、検査で100%はわからないが、念頭におく。

この感覚がどうも法の世界の人と、医の世界の人との食い違いをあらわしている気がしますね。弁護人さんのおっしゃるとおりです。
結論だけ答えろというのは無理ですね。結論だけ答えた場合、どう答えようとも正確ではない。

医療の世界に100%はありませんからねー。
メリット、デメリットを考えて、最もメリットの大きい治療を選択する。
ってのが、医療ですから。

根本的に、医療の事がわかってないというか。

>No.4 Dr. I さん

>メリット、デメリットを考えて、最もメリットの大きい治療を選択する。ってのが、医療ですから。

まさか、Dr.Iさん、イケイケドンドン派ですか?(笑)
メリットとデメリットは切離不能な場合が多いので、単純化は誤解を招きます。

患者にとって、どの治療選択がメリットが大きいかについては、 ゲーム理論 が参考になります。

医療は不確実な情報に基づく判断・処置の連続ですから、最適なことが次々起こった時に最大のメリットを享受できる手法(マクシマックス戦略)は、当れば神業ですが、さて、失敗の時、想定外のリスク実現時のデメリットを考えると採るべき策ではないように思えます。

ミニマックス戦略または、リグレット・ミニマックス戦略が適当ではないかと考えます。

そんなこと言ってもオレは患者のために頑張ったんだという医師は、これからの世を渡っていけないような気がします。
患者のために医師が治療法を選択するという昔のルールを止めて、患者のために医師が治療法を提示して患者に選択させるという新しいルールに変更するのがJBMを切り抜ける秘訣ではないかと、こっそり考えています。

2人でケーキを分けても、不平がでなくなる方法を一度、考えてみてください
(非常に有名な問題ですが....答は下記のURLの”おわりに”の中)

『ポジティブ・サム的状況であるにもかかわらず我々の紛争処理能力の未熟さ故にゼロ・サム的状況に転化させてしまうことは極力避けねはならない』
http://www.kbs.keio.ac.jp/aoilab/class/sfc/nego99/nego.htm
を肝に銘じたいと思って、若い先生には独善的になる危険性を説こうと思ってます。

イケイケドンドン派ってのは、私から見ても、恐ろしい存在です。
"メリット、デメリットを考えて、最もメリットの大きい治療を選択する。ってのが、医療ですから。"という単純化には抵抗感があります。

もちろん、福島事件がイケイケドンドンというのは検察側の誤解で罪だと思ってます。
『我々は福島事件で逮捕された産婦人科医の無実を信じ支援します。』
に『私も賛同します』を19番目に表明してます。

証言内容の詳細は
大野病院事件第二回公判内容 
http://www.yabelab.net/blog/2007/02/24-221339.php
で紹介したサイトにあります。
 

公判の記録を読んでいて気付いたのですが、今回の証人の双葉厚生病院のK先生の勤務は、これはこんなので良いのでしょうか。

ひとり医長で、帝切の助手は看護師。麻酔は自前...たしかに20年前はこんなのもありましたが、いまでも存在しているのですね。無防備と言うか、無邪気と言うか、地雷原で素足でダンスを踊っているようです。今は、証人で済んでいますが、次は被告人として法廷に呼ばれてしまいそうです。ちょっと心配になっています。

>弁護 1人医長の期間は?
>証人 32年のうち、30年です。
>弁護 32年間、分娩は何件くらいですか?
>証人 月30あるので、1万件を越えるくらいです。
>弁護 約1万件のなかで、帝王切開は、
>証人 15%くらいですから、1500例です。

>弁護 麻酔は?
>証人 ひとりで全部やります。
>弁護 助手は誰がするのですか?
>証人 手術室の看護師です。

>弁護 前置胎盤?で搬送しようと考えませんか?
>証人 これだけではhigh riskではないので、ひとりで対応できます。
>弁護 県立大野病院では、加藤医師の体制では、外科医1名、麻酔科医1名、助産師などスタッフ全9名。この体制は不十分だと考えられますか?
>証人 私どもの施設に比べかなり恵まれていると思います。
>弁護 同じような症例に対して先生はひとりでされているのですね。
>証人 はい。
>弁護 加藤先生は術中にも超音波検査をされています。先生がおやりになったとき、術中超音波検査はされていますか?
>証人 やっていません。
>弁護 なぜですか?
>証人 滅菌の超音波検査機器がないからです。

No.3 立木 志摩夫さん
>結論だけ答えろというのは無理ですね。結論だけ答えた場合、どう答えようとも正確ではない。

二者択一で求めること自体が論理的におかしい場合もありますが(この場合は弁護人は誤導尋問として、異議を述べるべき)、本件の質問は「念頭に置いたか否か」であり、論理的におかしい問とも思えません。すなわち、本件における実際のやり取りと、裁判官または検察官が予期していたであろう
検察 前回帝王切開、前置胎盤で帝王切開を実施の場合、癒着胎盤の可能性も念頭において執刀されるのですか?
証人 念頭におきます。(又は「はい」)
とのやりとりで違いがあるとは思えません。
もし、念頭に置いたが、置かないかが争点であれば、検察官は「何故念頭に置いたのですか。」と質問を重ね、これに対し、証人は「検査の結果だけでは100%判明するとは限らないからです。」と答え、検察官が答えに疑問を感じれば「何故、検査の結果でその疑いが生じないことまで念頭に置く必要があるのですか」と質問し、証人は医学の不確実性からくる可能性の話をすることになるでしょう。裁判所は問い答えの流れの中で聞くことを期待しています。その方が理解しやすいですし、争点でない場合は証人が先回りして答えることは時間の無駄にもなるからです。また、直接聞かれないことまで、答えることは却って、証言の信用性を傷つけかねません。
特に、専門家が証人の場合、その証言の結果の有利不利が答える前に頭に浮び、聞かれていることに素直に答えない場合がままありますが、仮にそのまま答えると不利になるような場合でも、聞かれたことに正面から答える方が、結果的には信用性が高まると思います。No.7 某救急医さんの言う「無防備と言うか、無邪気と言うか、地雷原で素足でダンスを踊っているよう」な証言を裁判所は期待しているようです。
二者択一で答えたことが、不利に受け取られる可能性がある場合は、弁護人が反対尋問の中でその点を聞き直す筈です。本件の弁護人は、証人が「はい」と答えても「いいえ」と答えても不利になる場合もあると考え、助け船を出す気持ちで、先回りし、医療の可能性の話をしたものとも推測されますが、この推測が当っていれば、あまりスマートな方法とも思えません。

> CID 40892

検察の主張は癒着胎盤の「可能性がある」⇒予見可能
という 雑な立論です
リスクを定量的に把握しようという意欲が皆無

地方の弁護士さん,

>No.7 某救急医さんの言う「無防備と言うか、無邪気と言うか、地雷原
>で素足でダンスを踊っているよう」な証言を裁判所は期待しているよう
>です。

これは証言のことを指して表現したのではなく,現在のような「少しでも問題があれば訴訟になりかねないような医療情勢にも係わらず,全く防衛医療も行なわないような状態」を指して「地雷原で素足でダンスを踊っている」と表現したのだと思います.

ここで「念頭に置かない」という回答が返って来ることはない訳で,仮にそのような回答が返ってきても,実際にK医師は「念頭に置いていた」のですから,私にはこのようなやりとりに意味があるとは思えません.このようなところは流して話の核心にはやく到達しなければ裁判が長くなるだけです.
理系の考え方では論理を組み立てていく場合には不要なものはできるだけ除いて本質に関するもののみを簡潔に示すというのが原則なんですが,なぜこのような冗長なことをするのでしょうか?

No8:地方の弁護士さん

ほら、そこが少なくとも僕の感覚とあなたの感覚がずれているところです。
「念頭に置く」「置かない」の二分法が現場感覚とあわない

通常の意味の「念頭におく」という言葉の場合、
ある患者Aを見ているときに病態Sである可能性を念頭においているとも、念頭においていないともいえない状態で治療していますよ。
どっちかに無理やり振り分けるかというと、どっちかなぁ・・・

可能性があるかないかの二分法ならほとんどの病態は可能性がある、にふりわけます。

No.11 立木 志摩夫さん
No8:地方の弁護士さん

>可能性があるかないかの二分法ならほとんどの病態は可能性がある、にふりわけます。

そうですよねぇ。
目医者の私ですら、「女性を見たら妊娠だと思え」を必要なときは意識しますからねー

No.8 地方の弁護士 さん、こんにちは。
>二者択一で求めること自体が論理的におかしい場合もありますが

この場合、程度の問題であり、二者択一で求めることはおかしいと思います。

>No.13 創価板UD日報係さん
>No.8 地方の弁護士 さん

>二者択一で求めること自体が論理的におかしい場合もありますが

>>この場合、程度の問題であり、二者択一で求めることはおかしいと思います。

地方の弁護士さんが言われるように、二択で答えることは可能なので答えればよいし、そこで二択での質問自体に問題があると思われれば反対尋問でそれを糺すということですよね。

方法としてはそれでいいのだと思いますが、しかし
1. 医療裁判のたびにそんなくだらない(当然な)ことの尋問で時間を潰してホントもったいない。裁判の時間浪費も答える医師の時間浪費も。
2. そんな尋問やったところで、裁判官がそんなに上等な理解が出来るとは思えない。医療水準解釈を勝手に変えてしまうような人々ですし。

と感じます。

No.14 峰村健司 さん、適切なフォローありがとうございます。

ところで、話は変わり、ふと思ったのですが、証人が「自分の証言を裁判官が明らかに誤解し、その誤解をもとに明らかにおかしな判決を出した」と感じた場合、証人が異議申し立てをする仕組みはあるのでしょうか?
原告、被告のどちらかが控訴する場合はともかくとして、そうでない場合の仕組みがあるかどうかと言うことです。
裁判所としては、原告、被告が納得すれば、証人がどう思おうと関係ないということなのかもしれませんが、もし、自分が証人になって自分の証言がいいかげんに扱われたと思ったら、多分、腹立てるだろうなと。
行政訴訟とか、そんな感じなんでしょうか?
どなたか、ご存知の方は、いらっしゃいませんでしょうか?

二回目まで終わって今のところあまり劇的な(検察側有利な)証拠というものも提示されていないように思うのですが、裁判の一般的な進行として今後あっと驚くような証人を後から出してくるということはあるのでしょうか。

あるいは被告人有利と感じるのも被告寄りの立場からの欲目であって司法的判断からすれば検察の方がポイントを稼いでいるのか…

>Med_Law様

 Dr.I様がおっしゃってるのはメリット・デメリットを考えて、総合的なバランスで
もっとも良いもの(このもっとも良いものもメリットと同じ言葉を使ってるのが誤解の原因)と言うことではないかと思います。別にイケイケドンドンと言うわけではないでしょう。

 例えば、早期胃癌で手術をすれば確実に助かる場合、手術を選択するのは「もっともメリットの高い」方法ですが、DM、狭心症、COPDなどを併発していれば手術選択は最も良い方法とはなり得ないかも知れません。

 なお、先生のおっしゃるゲーム理論による選択は医師に選択権があるわけではなく、説明によって患者が選ぶものでしょう(つまり、文字通りのインフォームド・コンセント)。もちろん、ムンテラの内容によって患者を誘導することは我々には可能ですが。

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