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飲酒運転で夫婦死傷 元姫路市職員に懲役7年(asahi.com 2007年02月28日12時36分)

 五十嵐常之裁判長は「公務員でありながら以前から飲酒運転を繰り返し、規範意識が欠如していた」として、懲役7年(求刑懲役10年)を言い渡した。
 判決によると、船引被告は昨年9月8日午後6時ごろから、居酒屋など3軒でビールの中ジョッキを計10杯ほど飲み、翌9日午前0時15分ごろ、姫路市飾磨区の国道2号交差点で夫婦をはね、夫の会社員福田工(たくみ)さん(当時31)を死亡させ、妻のいづみさん(26)に1カ月のけがを負わせた。

 うーん、中ジョッキ10杯ですか。。。
 よく運転する気になりますね。
 飲酒運転常習者だったようですが。
 公務員であろうがなかろうがひどいもんです。

 医療過誤業過は過失犯と不可罰の限界の問題ですが、この種の危険運転致死事件は故意犯(殺害結果)と過失犯(過失的結果)の限界があいまいになってきている事案に思えます。
 危険運転致死傷罪は、純然たる故意犯でもなく過失犯でもなく、結果的加重犯といわれる類型であり、危険運転という故意行為に起因する死傷結果を加重処罰する規定であって、殺害の故意がないことが前提です。
 結果的加重犯というのはもともと故意犯と過失犯の間に位置する犯罪類型だと考えられますが、殺意の有無に着目すると、量刑上の観点から見た場合、ある場合とない場合とが接近してきているようです。

 たぶん、危険運転の危険性の程度が高くなるほど故意犯(殺人罪に接近するのだろうと思います。
 そうであるとすると、故意論における蓋然性説に近い考え方が見て取れるように思います。

 ところで

 福田さん夫婦は当時、新婚3カ月。近所のレンタルビデオ店でDVDを借り、手をつないで帰宅していた。工さんは10メートル以上はね飛ばされ、意識不明の重体となった。いづみさんは回復を願って千羽鶴を折り始めたが、10日後、800羽折ったところで夫の死を知らされたという。

 中ジョッキ10杯にこういう事情を併せ考えますと、懲役7年は軽すぎると思えてしまいます。
 たぶん、市民感覚的には、未必の故意による殺人と本件を区別することは困難ではないかと想像します。
 裁判員裁判であれば、求刑どおりの懲役10年でも生ぬるいということになるのではないでしょうか。

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コメント(3)

単純に「飲酒運転で、人を死亡させた場合は、殺人罪を適用する」ということは、無理なのでしょうか。
「飲酒をして運転するリスクを、ドライバーが知らない」(過信している人はいるかもしれませんが)ことは、ないと思うのですが。

素人考えてすが、専門家の皆様のご意見を伺えれば幸いです。

>単純に「飲酒運転で、人を死亡させた場合は、殺人罪を適用する」ということは、無理なのでしょうか。

 現在の殺人罪の解釈を前提にすると無理です。
 飲酒の程度と具体的な事故現場の状況から可能な場合がないとは言えませんが。

「(誰でもいいから)誰かを殺そうとして車を運転した」という場合でなければ、殺人罪とはならないということでしょうか。

飲酒運転他の罰則強化を主とした道路交通法改正案が閣議決定されましたが、予想通りというか、甘いという意見と意味が無いという意見が大勢です。

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