京大病院で心臓手術ストップ3カ月 収拾のめど立たず(asahi.com 2007年03月10日00時59分 キャッシュ)
京都大医学部付属病院(内山卓院長)で、心臓手術ができない異例の事態が約3カ月続いている。昨春の手術ミスをきっかけに、心臓血管外科と他の診療科との内輪もめが表面化。心臓血管外科を取り仕切る教授が欧米仕込みの手術スタイルを持ち込み、協調を重視する日本のスタイルと合わなかったことが原因といわれる。有名国立大病院で起こった内紛。収拾のめどは立っていない。同病院は8日夜、運営方針を決める病院協議会を開いた。記者会見した内山院長は、心臓血管外科に安全管理体制で問題があるとし、(1)他科に比べて手術中のガーゼなどの紛失や患者体内への異物の残存が目立つ(2)再手術の頻度が高い(3)他科や看護部とのコミュニケーション不足がある――などを指摘。安全性が確保されていないとして、手術再開は決められなかった。
手術ミスは昨年3月下旬、京大病院で実施された5例目の脳死肺移植で起こった。肺の移植を受けた30代の女性は手術後、意識不明となり、10月に死亡した。
病院の調査委員会がまとめた報告書によると、手術中、人工心肺を使った血液循環がうまくいかず、血液中の酸素が不足。脳に十分な酸素供給ができなくなった可能性があるという。手術を主導した呼吸器外科と心臓血管外科や麻酔科との事前の打ち合わせがなく、患者の身体管理の責任が不明確になり、異変を見逃したと指摘している。
同病院は昨年5月、手術を担当した3科の連携に問題があったとして、肺移植手術を自粛。その後の調査で12月末、心臓血管外科に安全管理上の問題があり「最も改善すべき科」とし、心臓手術も中止した。
今月6日、手術に加わった同科の診療科長米田正始(こめだ・まさし)教授(52)は「科長を辞めることが手術再開のために必要」と通告されたとし、大学を相手に地位保全を求める仮処分を京都地裁に申請した。一方、米田教授の手術を受けた患者の家族らは同日、2501人の署名を添えて、病院に手術の早期再開を求める嘆願書を提出するなど、混迷が深まっていた。
米田教授は81年に京都大医学部を卒業。医局を飛び出し、カナダ、米国、オーストラリアの大学病院などで手術の修業を積んだ。腕を買われて98年、京大教授に招かれた。国内外で年間200件近い手術を執刀する著名な心臓外科医だ。
しかし、関係者によると、大手術は1日1件という慣行を破って米田教授が1日2件行うなど、手術部や手術後の患者管理をする集中治療室の看護師ら、麻酔科などにも不満が広がっていた。
米田教授は、朝日新聞の取材に対し、他科の医師らとのコミュニケーション不足を認めたうえで、「患者のために最善を尽くして手術に取り組んできた。安全が確保できないとか、患者の立場に立っていないと批判されることには耐えられない」と話した。
命に直結する心臓手術にかかわるので表面化したのかな、と思います。
大学病院の内情についてはよく分かりませんが、外から見た範囲で言えば、やはりコミュニケーション不足が決定的に問題であるように思います。
どんなに腕のいい名医でも心臓手術を一人ですることはできないでしょう。
検事も立会事務官や検察庁職員とのチームワークなくして仕事はできません。
患者とはコミュニケーションが取れていたみたいですね。
某掲示板経由で、京大病院による経緯説明を見つけました
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/documents/070309_1.pdf
色々と考えてしまう内容ではあります
>大手術は1日1件という慣行を破って米田教授が1日2件行うなど、手術部や手術後の患者管理をする集中治療室の看護師ら、麻酔科などにも不満が広がっていた。
何となく報告書の内容や上の辺りの話からすると、病院対米田教授というより、心臓血管外科VS看護部の「仁義なき戦い」が勃発しているような気がします。で、看護部側の要求が「米田教授の排除」なので、病院もそこに拘っているのかなと。
名医って・・・。そもそも、その前提から検証してほしいものだ。
大学としては、これ以上看板を傷つける前に辞職してほしいというのが本音でしょ。
超ハイリスク症例の手術を行う大学病院の心臓外科ということを踏まえれば、合併症率や再手術率の高さを取り上げて批判すること自体ナンセンスな話だと思う。世界でも有数な手術経験と実績を持つ医師を、看護部の意見を優先しないからということで(何かもっともらしい理由を付けて)排除するようなことがあれば、有能な人材はどんどん海外に流出するだろう。
看護部が心臓外科を煙たがる理由が、看護部の手順、やり方に合わせてくれないからだということは容易に予想できる。臨床実習中にも気になるのだが、大学病院の看護部はチーム医療の意味をはき違えていると感じることはたびたびある。現代のチーム医療では確かに各医療職の立場は対等であるとされるが、それは発言権や指揮命令系統においての話である。チームリーダーはあくまでも医師であり、チーム内で議論が平行線となった際にはリーダーの意見に従うのがチーム作業の原則である。大学病院や基幹病院には、マニュアル通りの仕事しかできない能力の劣る看護婦や医師を尊重しない看護婦は不要である。熟練した手術室担当看護婦であれば、術野をしっかり把握して器具のカウントの際に本当に体内遺残かどうかは分かりそうなものである。ハイリスク手術の最中に器具カウントのために術者の手を止めさせるようではまだまだ未熟である。
まぁ京大の看護部は典型的な医学部付属病院でありがちな「働かない」看護師さんたちだったからなぁ。
採血なんかも研修医任せで、つまりは採血の技量が劣り、この病院首になったら再就職先ないだろうな、などといわれてました。
まだ時間外の薬を取りに行くのは研修医の仕事らしいですし…
ブランド大学でマッチングで研修医が集まり、その分他の大学より看護部・検査部などの改革の原動力に欠ける傾向はあるでしょうね。
ただ米○先生も独善傾向のある先生ではありましたが(笑
カンファレンス中に近医での出張手術のビデオを流して悦に入ってたり。
権力社会、上意下達方式で下が意見をあまり言えない雰囲気はありましたね…
個人的にはどっちも改革して欲しい面はありますね。
>じじいさん
京大の経緯説明を見る限りでは、京大病院側は看護部との対立だけを問題にしている訳ではなく、「手術部・麻酔科・呼吸器外科・消化管外科・ICU・CCU・心臓血管外科病棟・輸血部」からのクレームや要望書が寄せられた事を問題視しているように思います。
病院内から集中攻撃を受けているのではないでしょうか。
>No.7 しまさん
>京大の経緯説明を見る限りでは
病院が『看護部から文句を沢山言われているので、更迭します』なんて、声明出せる訳ないでしょう。
まともに文面を取りすぎです。
旧帝大には、組合活動で権利意識が極限まで高まった看護師が山ほどいます。
権利の主張はいいのですが、その皺寄せが全て医師に回ってきます。
境界領域は、全て大学病院では医師の仕事、民間病院では看護師の仕事。
No.5 医学生さんの意見が、核心を突いているかもしれないと思えてなりません。
私には報告書で問題とされているのは、
合併症率の高さといった技術的な面ではなく京大手術部の安全管理マニュアルを遵守しないといった安全管理体制の不備と各部門(他科も含む)とのコミュニケーション不足がある
といった内容に読めました。
マニュアル化されている手順を踏まずに、ガーゼ等を置き忘れ、
手術中に再び創を開くことは患者側にとって何もいいことはありませんし
各部門との協力体制無くしてハイリスク症例を診ることは不可能です。
大学病院のNs.様もかなり「使えない」ことは確かですが
外科医も手術の腕だけでは「使えない」と言われる時代だと思います。
まさにご指摘のとおりですね。しかし、これをわかりえるのは、大学病院と民間病院の両方の勤務兼務経験がある医師に限られます。多くのそれに該当しないROM諸氏には、「大学の看護師は働かない」という一般論がピンと来ないのではないかと推察します。そこで、自経験に基づいた具体的比較事例を挙げて、この一般論を説明してみたいと思います。
このあたりを理解されたうえで、No.2のしまさまの引用された文章をお読みになるといいでしょう。
大学病院 民間病院
1:手の点滴ライン確保 医師 看護師
2:静脈採血 医師 看護師
3:時間外の薬剤を薬剤部へ取りに行く 医師 病棟クラーク
4:翌朝の採血準備(前日15:00まで) 看護師 看護師
5:翌朝の採血準備(前日15:00以降) 医師 看護師
6:病棟回診のためのカルテ準備 医師 看護師または病棟クラーク
7:検査のための食事の欠食オーダ 医師 看護師
8:外泊のための食事の欠食オーダ 医師 看護師
9:病棟での検査のコスト請求 医師 看護師
10:尿道カテーテル留置(男性患者) 医師 看護師
11:尿道カテーテル留置(女性患者) 看護師 看護師
12:病棟患者の退院日最終決定権 看護師長 主治医
13:経過カルテへの熱型表の記入 医師 看護師
14:緊急画像検査の放射線科への連絡 医師 看護師
15:緊急採血への提出(時間外) 医師 看護師
16:看護師がカンファに費やす時間 とても長い とても短い
まあ、これくらいにしておきます。(^^); 念のために再度申し上げますが、これは、あくまで私の一体験に基づいた情報です。上記のことが普遍的として断定し、大学病院看護師を批判しているわけではありません。私の経験いう事実を書いているだけです。
私がここで伝えたいことは、「大学の看護師は働かない」という医師がいうところの一般論のイメージ化です。
H16年度から始まった新研修医制度で、多くの医学生はその研修先として大学病院を選択しませんでした。こういう雑用といえる仕事の多くを医師に課しているのが大学病院の伝統(?)であったことがその原因のひとつであったとはいえると思います。
一方、米国では、医師でなくてもできうる仕事は徹底的に他にやらせ、医師には医師にしかできないことをやってもらうというスタンスですよね。 その環境で仕事をしてこられた米田教授と京大看護師の間に軋轢が生じるのは、必然ではないかと愚考する次第です。
>ER医のはしくれさん
それは分かります。そして、それは一般論の話ですよね。
朝日新聞では「手術部や手術後の患者管理をする集中治療室の看護師ら、麻酔科などにも不満が広がっていた」とあります。朝日新聞の報道を元にして議論するというのなら、「米田教授と京大看護師の対立」だけではなく「米田教授と京大麻酔科の対立」に対しても議論するべきでしょう。
>Med_Lawさん
看護部から文句を言われてるのは事実かも知れませんが、院内他科の医師からは文句を言われてなかったのでしょうか。私が関心を持っているのはその点なのですが。
しま様
>京大の経緯説明を見る限りでは、京大病院側は看護部との対立だけを問題にしている訳ではなく、「手術部・麻酔科・呼吸器外科・消化管外科・ICU・CCU・心臓血管外科病棟・輸血部」からのクレームや要望書が寄せられた事を問題視しているように思います。
米田教授自身がコミュニケーション不足の話はしてるようですので、他科ともうまくいってないのでしょうが(そのため今回も他科の先生方が助けてくれないんでしょうが)、説明の中心が他科とのトラブルではなく、ガーゼ等のカウントの話であり、看護側の視点で説明が展開されているように感じられましたので、看護部が強硬なのかなと。
病院としては米田教授に辞めて欲しいようですので、他科とのトラブルも重視しているのなら、そちらの方についてももっと説明がされていると思うのですが。
ネット上での噂のみから状況を想像しています。
報告書を見ると特に手術部と大変に折り合いが悪いようです。手術部と言えば五時になると手術中でも放り出して帰宅する、時間外の道具出しは全て医者に押し付けるというかの手術部です。一方かの教授はと言えば無理目の手術もどんどん勝手に入れてしまうというタイプ。京大病院の内情が噂に聞く通りとすれば元よりうまくいくはずがありません。
独善的かつ極めてアクティブな教授が独走してそれに対し仕事したくない看護サイドが噛みついている、他科医師は看護に言いたいことは多々あるが教授もアレなのを知っているのでどちらにも与しがたいという構図を思い描くのは自分だけでしょうか。医療の質的向上を望む多くの傍観者達は共倒れを願っているのではないかという気がします。
ネット上での噂のみから状況を想像しています。
報告書を見ると特に手術部と大変に折り合いが悪いようです。手術部と言えば五時になると手術中でも放り出して帰宅する、時間外の道具出しは全て医者に押し付けるというかの手術部です。一方かの教授はと言えば無理目の手術もどんどん勝手に入れてしまうというタイプ。京大病院の内情が噂に聞く通りとすれば元よりうまくいくはずがありません。
独善的かつ極めてアクティブな教授が独走してそれに対し仕事したくない看護サイドが噛みついている、他科医師は看護に言いたいことは多々あるが教授もアレなのを知っているのでどちらにも与しがたいという構図を思い描くのは自分だけでしょうか。医療の質的向上を望む多くの傍観者達は共倒れを願っているのではないかという気がします。
あれ?何故か二重投稿になってしまった…
管理人さま削除いただければありがたいです。
患者さんのためと緊急でない緊急手術を行い、他科とトラブルになるのは京大だけではありません。確かに患者さんのための医療を提供するのは当たり前ですが、1−2時間を争う緊急でもないのに休日に手術を強行する教授は大学に1人、2人はいることも珍しくありません。人手不足の折、このような教授は困ることは確かです。1−2日待機しても大丈夫ならば計画的に人のいる平日に行うべきと私は思っております。
医療事故だって緊急でやるより待機手術の方が起こりにくいのも事実。人手不足なのに独断で休日でも行うというのはちょっと私としては賛同できません。
以前、CCUにいた頃、救急の教授が「休日だろうが何だろうがとにかく早くカテーテルをやり給え」と循環器内科に要求した教授がいました(今の教授はそんな要求しませんが)。しかし、我々は「緊急であれば今でも人を呼んで行うが、人のいる時間帯の方が安全」と突っぱねました。人が余っているのであればまだしも、人が足りないのに無茶な要求をするのでは医師の士気も下がるでしょう。緊急であれば人手不足から医療事故の確率だって増えます。上に立つもの、合理的でなければならないと私は思います。
>確かに患者さんのための医療を提供するのは当たり前ですが、1−2時間を争う緊急でもないのに休日に手術を強行する教授は大学に1人、2人はいることも珍しくありません。
ゴールデンウイークや正月休みの直前に大きな手術を入れられるのも困りますよね。
患者でもそういうことを要求してくる人もいて困ったものです。
京大当局の報告をみる限り、看護部だけではない 問題を抱えているように思います。
働く=はたを楽にする という感じでは全然なさそうですね。
どんなに周囲の環境が悪くても 少しずつ徐々に 変えていけば そのうち良い方向に変えていくことは 出来ることが多いと思いますが、急に変えるのは どこでも 不満続出の事態を招くと思います。とくに大学のようなところは 難しいでしょう。
周囲との関係をうまくまとめていくことを 診療科のトップが行うのか トップには無理でも 次の地位の人がうまく動くのか 少なくとも番頭さん役の人がいないと 無理ですかね。
みんなK教授は手術上手いという前提で話をされていますが、その根拠は何ですか?K教授の手術を見たのですか?K教授執刀症例の麻酔管理や術後管理をしたのですか?
手術が下手でも口が上手ければ名医、手術が上手でも口が下手ならたまに良いようにいかなかった症例で訴えられてしまうという事例をここにいるみなさんならご存知のはず。マスコミ受けの良い医者ほど信用ならないということも嫌というほど見てきたはず。
京大のような自由を重んじる大学でこんな厳しい措置がとられたということの背景を考えてください。
再手術が多いというのは 要するに 上手ではない と単純に考えるべきなのでしょうか。
まあ
マスコミ受け とか 欧米帰り とか そんなに大したことがない というか むしろ危険 という 例は多いのは確かでしょうね。
>手術が下手でも口が上手ければ名医、手術が上手でも口が下手ならたまに良いようにいかなかった症例で訴えられてしまうという事例をここにいるみなさんならご存知のはず。
米田教授の人となりはよくわかりませんが、口が上手で、手術が下手な人を、わざわざ心臓血管外科の教授にスカウトしたのだとすると、京大サイドの人を見る目のなさが最大の問題ですね。