エントリ

 医療問題は、当然のことながら司法との関係だけが問題ではありません。
 司法についてみても、立法は司法判断に対して決定的な影響を与えますし、医療行政は実質的に最も大きな影響を持つと思われます。

 そこで、このエントリでは立法と行政を含む医療政策についてのご意見をお聞きしたいと思います。
 立法と行政は、本来は分けて考えたほうがいいと思うのですが、日本は議院内閣制ということで、とりあえずまとめてしまいました。

 立法や行政は、国家機関である内閣や国会が行うものですが、一国民、一市民、一医療者さらには医療者グループなどとして何ができるか、という観点でお考えいただければより実りある議論になるのではないかと思っております。

 個別論点が浮かび上がってきましたら、またはご希望があれば、別エントリを立てることを検討します。

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医療政策の問題点というと色々あると思うんですが。

古くからは医療費はケチった方がいいのかどうかとか、年寄りはどこまで生かしておくのかとか、死にそうなのや障害者とか透析患者はどこで諦めるのかとか、話がどう考えても人権無視、生命無視の議論になってしまうので、理想としての生命よりも現実の算盤勘定という人と、いや、それじゃ人としてアレだろうという人の間で平行線になってしまいます。

最近もそうなんですが、地方が困っているから医者の人権を制限して、クジか試験かは知りませんが、運の悪いのが地方都市の病院でいったん研修をはじめたら、バックアップもないような僻地で勤務させたあと褒美として地方都市の病院の中間管理職でストップさせるキャリアにしてしまおうとか、指導者や、何かあったときのバックアップもない、臨床経験豊富な腕利きしか勤まらないような僻地診療所に研修を終わったばかりの経験に乏しいぺーぺーを放り込んでしまおうとか、医療を実際に行う方の意見を全くとりいれない机上の空論が横行しています。

このような状況で何ができるのか、私には全くわかりません。逃げる以外に何ができると思いますか?

>No.1 さなぎまんさん
>逃げる以外に何ができると思いますか?

私も現在一部で検討されている僻地勤務義務化などは、大して効果のない机上の空論だと思っています。ですが、このような状況では何もできないから逃げるという発想には同意できません。

医師(医療者)が逃げるという選択ができるのは、医療制度の改革に献身的に協力するしないにかかわらず、生活できる安心感が背景にあるのではないですか? もっとあからさまに言えば、改革に献身しようとしまいと食べるに困らないのが現実なのではないでしょうか。

ですが、医療者の収入が最低限確保される現実の背景には、日本の医療法や健康保険法による制度の枠内において、という前提条件が付くと思います。健康保険法は決して理想的で完璧な法制度ではありませんが、そうした法令やそれに基づく行政の諸施策、更にはそうした社会基盤に支えられて医療者は日々活動できるのであり、収入を得ることができるのは事実だと思います。

このように社会制度の恩恵に多少なりとも与って医療者も生活しているならば、その拠って立つ社会の要求から逃げるのではなく、医療者として団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選択肢を選んで頂きたいと思います。

>No.2 法務業の末席さん
>社会の要求から逃げるのではなく、医療者として団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選択肢を選んで頂きたいと思います。

既出の話なんですが、せっかくの医療政策エントリなので、

会員からも信頼されていない(^^;日本医師会ですが、それでも日医総研なんかで政策提言しています。医師会の定例記者会見でも、その提言に基づいてコメントしていますが、ほとんど取り上げられません。たまに取り上げられても「既得権益維持のため」との論調です。昨年は厚労省の将来医療費推計が過大だとの医師会の主張(医師の間では何年も前から周知のことでしたがマスコミはスルーでした)がやっとマスコミに取り上げられましたが、国会で取り上げられたからです。ですから法務業の末席さんが医師会の政策提言を御存知ないのも無理のないことです。

「逃げる以外に何ができる」と私は思っていませんが、相手が話を聞かない状況なら医師個人レベルでは「逃げるほうが合理的」です。おっしゃるように逃げても生活できますから。医師集団としても、実際に窮地に陥らなければ真剣にならない国民性(我々医師も同じですが)を考えれば、主張を聞いてもらう手段として(今までさんざんスルーされてきましたから)「皆で逃げる」ほうが合理的、合目的ではないかという考え方から「医療崩壊待望論」も生まれています。

医療政策対策はマスコミ対策でもあります。

>このように社会制度の恩恵に多少なりとも与って医療者も生活している
>ならば、その拠って立つ社会の要求から逃げるのではなく、医療者とし
>て団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選
>択肢を選んで頂きたいと思います。

法務業の末席さん,
既に何周も遅れた議論になっているようですが,医師特に勤務医には現実的にそのようなことに裂ける時間はありませんし,いくらかの団体が提言してもマスコミのこれまで(現在も?)の医療バッシングの姿勢でそれらはほとんど多くの人間の目には触れて来なかったというのが実際のところでしょう。
確かに収入はある程度保証されているかもしれませんが,現状では基本的人権が守られているとは言い難いです。労働基準法の基準をはるかに超える勤務に大して厚労省は見てみぬふりです。強制労働省と揶揄されても仕方が無いでしょう。
医師も動く努力をする必要はあるでしょうが,最大の問題は「問題が分かっていながら対応しようとしない,厚労省や政府の対応にあるのではないでしょうか?
そのためには我々医師よりも国民自体が医療の必要性を考えて政府を動かす必要があるのではないかと思います。最も困るのは非医療者の国民ですから...

>Level3 さん

>そのためには我々医師よりも国民自体が医療の必要性を考えて政府を動かす必要があるのではないかと思います。

 そのきっかけを作るのだ誰だと思いますか。
 医療側が作らなければ医療崩壊という事実がきっかけにならざるを得ないと思います。
 医療崩壊をただ待つというのであればこのブログの医療関係エントリの存在意義はありません。

 既に指摘されていますが、国民は医療の現状を 知らないのです。
 誰かが教えなければずっと知らないままです。
 では、その誰かとは誰でしょう。
 医師以外に考えられますか?
 このブログにわずかにしろ存在意義があるとすれば、その一点であろうかと思っています。

 投票機能はそういうことも意識して作りました。
 投票オプションに「医療の実情」とか「医師の労働条件」などというオプションを増やして、テーマごとに過去のコメントを拾い上げて提示することもできます。
 
>既に何周も遅れた議論になっているようですが,

 私はそうは思いません。
 上に述べたような意味で、この問題は常に現在進行形だと考えています。
 
 

>No.2 法務業の末席さん

>医療制度の改革に献身的に協力するしないにかかわらず、生活できる安心感が背景にあるのではないですか? もっとあからさまに言えば、改革に献身しようとしまいと食べるに困らないのが現実

残念ながら、そのようです。

しかし、食べるに困らない理由は国家によって守られているが故ではなくて、国家が医師を減らしているが故に、結果的にそうなっているのです。

医師が逃げざるおえない環境を作れば作るほどに、その周辺に食べられる地域が増えていきます。なぜなら病を治してほしいという国民のニーズは、国家の想定した、医療費を減らすための妄想需要よりもはるかに大きいからです。

これほどまでに国民が求めているものを与えようとしない国というのは大した民主国家だと思います。

> No.5 モトケンさん
しかし現実として我々現場の人間が行政に訴えても行政処分という形での事実上の制裁を受けてきました。ようやく旧帝国大学が行政に対して半期を翻し始めたところですが、彼らだからできたのでしょう(但し、まだまだ序盤戦ではあります)。
それまでは上記の通りですので多くの大学病院や大病院の医師たちは及び腰になっているのも無理はありません。そういう意味では行政が変わらなくてはならないと私は思います。現場の個人個人の意志の力なんてたかがしれています。
一番変わらなければならないのはマスコミだと思います。彼らの影響は強大です。最近ようやく理解しようとする基盤ができはじめたと思いますが、まだまだでしょう。
現場の人間からいわせていただくと世間的に足りないかどうかの議論はともかく、きっかけは作ってきたと思います。今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。そして最後に精索に反映させる、今考えられる方策はこれしか無いと思いますが、今後はインターネットの普及により大きく変わることを個人的には期待しております。
インターネットが普及する前はきっかけを作ってもそれをマスコミや行政が取り上げず、その結果崩壊してしまったのです(これは残念ながら事実です)。

こうした意味では私はLevel3さんの言うとおりだと思わざるを得ません。

>yama さん

>こうした意味では私はLevel3さんの言うとおりだと思わざるを得ません。

 だったら、このブログやめちゃいましょうか?
 そう言ったら身も蓋もありませんが

>今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。

 誰が、どうやって理解させるのですか?

>インターネットが普及する前は・・・

 今はかなり普及していますが。

> モトケンさん
あまりそうやって医師をいじめないでいただきたいのですが(涙)。

まず第一に私は世間に知って貰うという意味でもこのブログの有意義性を認めています。また、医療従事者や法曹の人達がこの問題を考えることが大切だとも思います。
第二に、それにちょっと厳しいことをいうようですが、そうやっていつまでも医師を責め立てても解決しません。こちらが法曹を責め立てて解決しないのと一緒です。こちらは十分行政の冷たさを知っているからこういう発言が出てくるのであり、そういう現場の声を聞くことは大切だと思いませんか?
そのこれを元に解決を考えるというのが大切なプロセスだと私は思います。最も解決にはほど遠い状態ですが、いつかは解決するという希望を抱く・・・これが最も大切な姿ではないでしょうか?

ちょっと今回のモトケンさんの発言にはがっかりしました。

追伸
しかし、我々はモトケンさんのこうしたいろいろな圧力に耐えてやって努力してきているのを見ています。こういう意味において頑張っていただきたいと切に願っております。

>No.9 yama さん

>あまりそうやって医師をいじめないでいただきたいのですが(涙)。

 いじめているつもりも責めているつもりも全くありません。

 諦めないで欲しいと思っているだけです。

 医師が諦めたら、つまり医師が口をつぐんだら、成り行きまかせにしかならないからです。
 成り行きにまかせて事態が医療側にも国民にとっても良くなると考えるほど私は日本の官僚や国会議員を信頼していません。
 もちろん司法も同じです。

 現状を見る限り、医療の実情に無知な人間が少なくないことには変わりがありませんから。


 医療問題においては、医師がメインキャストの一人であることは疑いようがありません。
 主役が舞台から降りたら、その演劇は終わりです。

> No.11 モトケンさん
私はあきらめていませんよ。自分でいうのも何ですが、かなりしつこい性格です。

>インターネットが普及する前は・・・
 今はかなり普及していますが。
>今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。
 誰が、どうやって理解させるのですか

インターネットが普及しているとはいえ、ブログなどで問題になっている諸問題を理解するにはまだ至って居らず、そういう意味においてインターネットの普及が不十分であると思います。まだまだ人類はインターネットを十二分に活用するまでに至っていないと思います。
それから誰がマスコミに知らせるのか、ということですが、今までは実際に医療が崩壊してマスコミが変わりましたが、それこそインターネットの理解度の普及(こう言葉を変えてみました)が期待できるということがいいたかったのです。
我々は国家権力の怖さをよく知っております。最近保険診療が破綻していますが、例えば保険病名が監査によって認められなくなってきています。そしてカルテに記載が不十分な保険病名に対しては報酬が無効だといわれてもいます(現実問題として保険病名をつけた理由なんて医学的でも何でもないのでカルテに記載なんかできません!患者に治療費返還の口実を与えますし、それこそ行政から「保険病名なんてものは存在しない」なんていわれますから)。でも、それで行政からは「理由をちゃんとカルテに書かないと保険医と保険期間登録を取り消します」と脅されます(かなり怖いですよ、実際にいわれたときは)。
これはほんの一例ですが、こんな国家に一人で立ち向かうなんてことはできません。ドンキホーテと一緒です。いくら世間で日本は民主主義といっても実態は社会主義です。
やはりこの問題は国民レベルで変えていかなければならないのです。我々はそのきっかけを作る役割だと思います。不十分かもしれませんが、Level3さんも含めてある程度はそのきっかけを作ってきたと思っていることでしょう。でもそれが理解されていないということが解りましたし、逆に攻めどころが解りました。そういう医師の認識が違う、と思わせるに至るきっかけを作ってくれたという意味においてこのブログはまた有用だたわけです。
では医師たちの行動に何が足りないのか?それを考えていきたいと自分では思っています。

モトケンさんは「結局、医師たちの中には理解してくれない人がいる」と嘆いておられましたが、私はそうは思いません。譲歩するしないは別としてお互い問題点を指摘し合い、考えています(もちろん、一部の例外は除きます)。私が見る限りは少なくとも考えが多少なりとも変わっている医師が大勢います(同じ職種だから変わったことが理解できるのかもしれません)。これほど有用なことがあるでしょうか?理解はできなくても考えることはできるのです。そしてそれが理解への第一歩となるのではないでしょうか?

一般の医療問題を記したブログは医師たちの一方的な情報発信であり、世間一般には理解度を得るのが困難であると思います。しかし、このブログはさらにそれが発展し(本来ここは医療ブログではなく、すなわち医療ブログが発展したわけでは無いのですが、あえてこの表現を使わせてください)、法曹という医療に関して素人の人達が参加しています。従って一般の人達の疑問も他の医療ブログに比べ理解しやすいかもしれません。

ついでにいうと、No.7に誤字がありましたね。いうまでもないかもしれませんが、「半期」→「反旗」です。

過去 現在 未来
司法 行政 立法

司法は,個別具体的な紛争の終局的解決をするものであって,個別の事案を超えての権利調整やら未来像を描く力には乏しいし,それを司法がおこなおうとうすると無理が生じる

未来を見据える力に乏しく(立法政策能力が乏しく),現状維持だけに奔走すると行政力依存で,成り行き任せのデタラメになる.時代が変われば陳腐になりうせる

本当に必要なのは未来を見据えた立法府の働きでしょうし,それは司法・行政での働きをフィードバックした3権の長としての役目です

司法は医療に例えると病理医でしょうか?
なんでも知っているし,なんでもできるけれども,既に患者は死体.

生きている人に限られた医療資源をできるだけ公平に公正に分配するには知恵がいるとともに,将来を見据えた未来像の構築が欠かせないが,10年後の医療像を騙れる政治屋はいても,語れる政治家はいるのか?

民主党の枝野氏に期待を寄せたい.

残念ながら、日本医師会の上層部がマスコミ対策の方向性を理解していないのは、最近の妙な医師会製作CMを見れば(見なくても?)少なくとも医師の皆さんは実感できると思います。

そこで、勤務医の皆さんにお願いがあります。医師会に入ってください。m3などでも勤務医だけの新医師会を作ろう!との勇ましい意見がしばしば出ますが、そんなことをしなくても、今の医師会を勤務医で乗っ取ってください。

非医師の方への説明も兼ねて言いますと、日本医師会会長は都道府県医師会選出の代議員による選挙で決まります。都道府県医師会会長は各地区医師会の代議員による選挙で決まります。まず、勤務医の皆さんがこぞって地区医師会に加入すれば、勤務医の意見を代表する地区医師会会長や地区代議員を選出できます。これが全国で起これば、日本医師会会長も勤務医の意向で決まることは御理解いただけると思います。勤務医のほうが、開業医より数が大いですから。ちなみに私の加入している地区の地区医師会の勤務医会費は月額3,700円です。そのほかにも内科医会会費とか、○○会会費といわれるかもしれませんが、丁重に断れば問題ありません。上部の都道府県医師会や日本医師会に加入するのは更にお金がかかりますが、前述のように地区医師会にだけ加入すれば間接的に日本医師会会長選挙に関わることができますので、地区医師会の加入だけで十分です。もちろん代議員は更に上部の医師会に加入しなければなりませんが。

忙しい勤務医の皆さんに必要な行動は、皆さんの代表への委任状(郵送されてきますので、代表の名前を書くだけ)を郵送するだけです。(正直言って、全国的に委任状選挙が可能なのか自信ありません。たぶん、可能だと思いますが)

また、つらつらと妄想を書いてしまいましたが、少なくとも新医師会構想よりは実現可能性が高いと思います。

>そのきっかけを作るのだ誰だと思いますか。
>医療側が作らなければ医療崩壊という事実がきっかけにならざるを
>得ないと思います。

モトケンさん,
既に医療側は十分な資料を出してきていると思います。きっかけは作っているでしょう。ネットを探せばそういった情報はいくらでも見つかります。

最も重要なのはマスコミの役割です。これまでのような医療バッシングを改めて,正しい情報を国民に知らせるのはマスコミの本来の役割だと私は思います。マスコミが我々の出している情報を拾い上げてそれを勝手なフィルターを通さずに広報することが現在のマスコミの最大の使命です。
違いますでしょうか?
我々医師は,そのような強力な広報の手段は持ち合わせていないのです。

No.9 yama先生

モトケン先生もお忙しいので、法曹側としてモトケン先生の真意を、私なりにご説明したいとおもいます(もっとも、既にモトケン先生が新しいテーマを建てているので、屋上屋になるかもしれませんが、そのことはご容赦ください)。

>第二に、それにちょっと厳しいことをいうようですが、そうやっていつまでも医師を責め立てても解決しません。こちらが法曹を責め立てて解決しないのと一緒です。

十分おわかりになっていると思いますが、モトケン先生をはじめこのブログでコメントしている法曹は、医師の先生方に、医師が声を上げないと「いけない」とは言っていないと思います。ただ、現状を変えるためには、声を上げないと「動きませんよ」という、現状認識を言っているに過ぎないのです(もちろん、このまま論を進めていくと、「声を上げないという選択をした」→「現状は変わらない」→「声を上げなかったのだから現状が変わらないのもやむをえない」→「現状が変わらないのは声を上げなかったからであって、文句を言うのは筋違いだ」となり『がち』です)。

実は、私も、当初からROMしてきて、医師の立場以外から、「これほどせっぱ詰まっているのに、どうして医師の皆さんは声を上げないのだろうか?」と思っていました(し、現在もそう思います)。
以前に、PINE先生が述べられていましたが、司法改革は恐ろしいほどのスピードで変革しています。そして、それは変革を望んでいる人がいて、その変革を主導した人物(達)が(政治家や行政側の人間ではなく)いるのです。

一例を挙げますと、これも以前このブログでも少し話題に上っていた、「刑事裁判手続への被害者参加制度」です。
この制度は、妻を殺害されて遺族となった一人の弁護士をはじめとして、被害者・遺族が団体を作り、活動を続けています。この弁護士は、企業法務系のパートナー弁護士で、日々の業務に携わりながら、被害者(遺族)の権利獲得に奔走されました。
この制度は今国会での成立が有力視されていますが、現在でも、「最後のお願い」とばかりに、上記弁護士を中心とする被害者の会から、与党・野党を問わず、陳情をして欲しいとのパンフレットが配布されます。
私自身は(というより多くの弁護士は)この制度に疑問をもっていますが、その内容はさておき、上で述べた弁護士の活動状況には頭が下がります。

もちろん、医師の皆さんとは状況は違うことは百も承知です。特に違いがあると反論されるのは、マスコミの扱いなんでしょうね。『現在は』遺族の側にたった報道はされやすいということはあるでしょう。
ただ、マスコミの報道も『最初』は違っていたのです。また、上記の弁護士の行動は、法曹側からも相当な反発を受けたはずです。今では考えられませんが、上記弁護士が犯人(被告人)の裁判の法廷で、妻の遺影をもって傍聴したところ、裁判所から遺影を出さないように言われて、これに対し、上記弁護士は相当な反発をしたのです。
しかし、「当時は」(くどいようですが、私個人は「現在も」ですが)、法曹の常識としては裁判所の判断は、一般的に妥当であると言われていたのです。

「では、具体的に何をすればいいのか?」というところで、止まってしまう、というのはよくわかります。具体的方法がないので立ち止まってしまい、「逃散する」という気持ちになる。
医師の先生方が「逃散しか方法がない」と言われるなら、私自身は、『それも仕方ないかなあ〜』と思うのです。しかし、せっかく議論の場を設けてくれたモトケン先生は、残念に思うだろうなあ、と考えてしまうのです。

とりとめのない話をしていまいましたが、今の自分の正直なを述べてみました。

舞台から降りるのも相当勇気と行動力が必要です。舞台から降りてはじめてマスコミも取り上げるようになってきましたし、国民の目にも留まるようになってきたんじゃないでしょうか。舞台から降りるという行動によってしか声をあげられない、というかそれしか国民に意見を届ける有効な方法がないのが現状です。団結して声を上げれば、国や医者たたき君たちにターゲットをしぼらせ悪役に仕立てられるだけですからね。それは現時点のm3をみても明らかですよね。

朝投稿した自分の発言にいくつかレスが付いていますが、No.2の私の発言にいくつか追加させて下さい。

私自身は社会保険労務士として、健康保険などの社会保険制度、時間外労働などを規制する労働基準法の世界の人間です。一般の国民より健康保険などの社会保険の仕組みには詳しい専門家だと自負しています。その私の立場から見て次のコメントには正直失望させられました。

>食べるに困らない理由は国家によって守られているが故ではなくて、国家が医師を減らしているが故

日々の売上の7割について、法律(健康保険法・社会保険診療報酬支払基金法・その他関連法令)に基づいて、国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか? 健康保険法という社会制度(立法・行政システム)の恩恵に与っている何よりの証拠ではありませんか? にもかかわらず先のコメントが出てくるのが社会保険制度の専門家として哀しいのです。

勤務医の過酷な労働実態、違法な労務管理の数々、こうした現実の矛盾を解消する手助けできる法務業として、私どものような社会保険労務士があるのです。とは言っても我々社会保険労務士は代理業ですから、「困っているから何とかしてくれ」という一人一人からの個別の依頼が無ければ動きようがありません。相談や依頼というアクションが無く、逃散という選択をされては手も足も出ないのです。

労働問題を所管する旧労働省と、医療問題を所管する旧厚生省が2001年に合体し、厚生労働省が出来上がりました。ですが一体となったはずの厚生労働省は、単に労働大臣と厚生大臣が同じ大臣が兼務しているだけで、旧来通り2つの異なった役所が存在しているのが自体と言っても良い有様です。その結果医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消が実現されていないのも事実です。

私は医療者でもなく法曹者でもない場違い者ですが、そうした日本の社会制度の限界のなかで、個人としてできる範囲で発言し、行動したいとおもっています。それが周回遅れだ、筋違いだとブログ管理者がおっしゃるのなら退散致します。

>日々の売上の7割について、法律(健康保険法・社会保険診療報酬支払基金法・その他関連法令)に基づいて、国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか?

介護保険を適用すれば、寝具業界も建築業界も同様ですよ。

さらに言わせていただけば、国が行う建設事業などもまた、同様です。

しかし、医療に限って言えば、医療側に細目は秘密とされ、おおまかな適応症のみが開示されている支払い基準によって、売り上げの数パーセントは必ず査定といって支払いを拒否され、自己負担分も未収となるリスクがかなりあります(患者さん側も病院は福祉なのだからまけて当然という意識を持つ方が少なからずいらっしゃいます)。公共事業で数パーセントは支払い拒否などというおかしなことはないと思いますので、医療だけが厚遇されているというのは迷信です。ユダヤ人の鼻が大きいとか、アーリア人青年を搾取しているとかいうのと同じたぐいのプロパガンダです。

ちなみに売り上げのうちの数パーセントが損金勘定などという放漫経営の企業というのはどれぐらいあるのでしょうか。

理由を訊いてもろくに応えてもらえない、ただ過剰であるという一言だけである月は認められず、ある月は認められるという不思議な査定が行われています。明確な公刊された基準というものはなく、係官との一問一答というふざけた文書から基準を推測するしかない状況です。

患者さん側から見ればそれなりにまともそうな制度も、楽屋裏はこんな珍問答が日々行われ、理由のわからない査定や、診療報酬の突然の減額や基準の改変などがそれこそ朝令暮改と言うような頻度で行われ、安定した経営を行うことが非常に困難な状況にあります。

日本の医療機関、そして医師達は本当によく耐えているとおもいます。

>No.18 法務業の末席さんのコメント
>私は医療者でもなく法曹者でもない場違い者ですが、そうした日本の社会制度の
>限界のなかで、個人としてできる範囲で発言し、行動したいとおもっています。
>それが周回遅れだ、筋違いだとブログ管理者がおっしゃるのなら退散致します。

横から失礼致します(笑)。私が寺子屋仲間として議論を拝見していて思いましたのは、No.5 からのモトケン先生のコメント にあるようにブログ管理者先生は誰も退散などする必要なしとおっしゃってるのではないでしょうか(笑)。

No.18 法務業の末席さん

>国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか

例えば水道トラブルに対して国が7割払ってくれるシステムができたとします。これによって利用者は倍増です。自分で修理していた人が頼むようになり、来客が3倍になりました。これでウハウハかと思いきや、国の決定で今まで一件5000円でやっていたものが、1500円に下げられてしまいました。3倍働いて500円の収入減です。今さら国のシステムを拒絶しようにも、国のシステムでやっている業者と競争するのは不可能です。いくつかの業者はつぶれました。そして4倍の来客が来るようになりました。すると今度は値段を1000円に下げて来ました。

多少の誇張はありますが、今の医療はこういうことです。開業医、及び開業経験者は皆知っています。

はじめて投稿する弁護士です。
  部外者が事情も知らないのに生意気だと思われるでしょうが、ちょとだけ提言させて頂きます。

  医師や看護師の増員については、国民の賛同は得られるはずです。患者はよりよい医療を受けたいと思っていますし、国民全員が患者ないしは患者予備軍なのですから。

 最近はマスコミも医療崩壊の危機について取り上げるようになっています(例えば、朝日新聞は「ドキュメント 医療危機」という連載をしています)。マスコミも国民も、医師の方々が思っておられる以上にこの問題について関心が高いと思います。

 私は医療従事者の方々の組織やその活動をよく知りませんが、組織的、政治的な活動はもっとできないのでしょうか。
 
 例えば、医療危機について分かりやすい(あまり長くなくて人目を引くような)パンフレット(現状の紹介と提言を簡潔にまとめたもの)を作成し、新聞広告に出す、同時にものすごい数の医師のブログでも一斉にそのパンフレットを掲載する、それがまたマスコミの関心を呼んでニュースになる、というように・・・(思いつきですいません)。署名運動をして請願をする、政治家に陳情する等もどの程度の効果があるかは不明ですが、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

 もっともそのタイミングは(政治的配慮は必要でしょうから)、今(参院選の前)が適当かどうかは分かりません。
 
 弁護士と違って、医師の数は多く、弁護士会に比べればはるかに圧力団体になり得ると思います。また、この問題について、国民全体の関心は高く、(司法改革の問題点などについてはちっとも記事にしてくれない)新聞記者も記事にしてくれると思います。

 「逃散」も仕方ないのかもしれませんが、ブログや掲示板に書き込むだけでは、国民はなかなか味方についてはくれないし、政治家も動いてはくれないでしょう。インターネットの力は強くなっているとはいえ、まだまだ利用者は少ないですし、医師の方々のブログの読者には医療従事者は多くても一般人は少ないように思えます。

 以上、思いつきで失礼致しました。

 
 

(要請により二重投稿につき削除)

nukiさま

実は、私も、当初からROMしてきて、医師の立場以外から、「これほどせっぱ詰まっているのに、どうして医師の皆さんは声を上げないのだろうか?」と思っていました(し、現在もそう思います)。 
中略
「では、具体的に何をすればいいのか?」というところで、止まってしまう、というのはよくわかります。具体的方法がないので立ち止まってしまい、「逃散する」という気持ちになる。
医師の先生方が「逃散しか方法がない」と言われるなら、私自身は、『それも仕方ないかなあ〜』と思うのです。しかし、せっかく議論の場を設けてくれたモトケン先生は、残念に思うだろうなあ、と考えてしまうのです。

過労死レベルの業務を日常化されても、いまも声なき医師はnoblesse oblige を実践しています。
それが心折られて途切れるは声もでません。 
ただただ、消え去ること、あるいは自死を選ぶことしかできないほど追い詰められているです。 
夜寝る前に 寝てる間に死んでしまったら、明日仕事にいかなくても許される。 そうなってくれないか と思ったことが何度かあります。 
しかし、この場で皆さんのお話を読ませていただいている内に少しずつ私にできることは何だろうかと考えることができるようになりました。
今ここで声を出せる医師は、ここで希望を与えられ、やっと声が出るようになっているのです。
声なき医師は現場を逃げずに自分の健康まで捧げて仕事しています。 その人たちには今目の前にいる患者さん以外のことで声を上げる余裕はありません。
もどかしいかと思いますが、議論を逃げている訳ではないのでご理解ください。

モトケンさま

なんだか変な投稿をしてすみません。
No24(CID 55387 )を削除してください。
すみません。

>労働問題を所管する旧労働省と、医療問題を所管する旧厚生省が2001年
>に合体し、厚生労働省が出来上がりました。ですが一体となったはずの厚
>生労働省は、単に労働大臣と厚生大臣が同じ大臣が兼務しているだけで、
>旧来通り2つの異なった役所が存在しているのが自体と言っても良い有様
>です。その結果医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消が実現されて
>いないのも事実です。

法務業の末席さん,

私のコメントは厚労大臣が「労働基準法を厳密に適応したら救急医療は成り立たない」と発言していることを指してのものです。
これが解っていながら何も行動を起こさない,改善を行おうとしない,そんな大臣なぞ大臣である意味がありません。
「医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消」と書かれていますが,artである医療は徒弟制度のような形でしか伝承できないでしょう。それと労働基準法無視の労働環境,時間外労働に対する賃金の不払いなどとは別個の話です。国公立病院の管理者(自治体などの行政)が,医師の良心に「おんぶにだっこ」してきただけの話でしょう。
時間外労働に賃金を払わずに済ませ,過重労働の是正など考えようともしない,こうした行政に問題があったのですね。患者の変な権利意識の増大で医師のモチベーションが下がり,かつてのような「あまい考え」のままでは立ち行かなくなったというのが現状でしょう。
言ってしまえばすべては行政の怠慢ではないですか?
現在でもO病院事件のあったN県をはじめH県なども医療行政はひどいものですね。国を筆頭に,どこの自治体も似たり寄ったりかもしれませんが。

No.22 元行政さん

>今さら国のシステムを拒絶しようにも・・・

健康保険制度での7割保険給付がの具体的な中身は、診療報酬の算定方法(厚生労働省告示第92号、平成18年3月6日)に基づいています。この告示(早い話がレセプト点数表)は、中医協の諮問により決定されます。この中医協のメンバーは18人で、保険者側委員(保険料を負担する側)6名、医療側6名、学識経験者6名の構成であるのはご承知のことと思います。この医療側6人は、日本医師会の推薦する医師の中から厚生労働大臣に任命されていますし、他の委員の人選にも、諮問される厚生労働省原案の内容や審議の落としどころ、といった中医協の運営にも日本医師会のインフォーマルな影響(政治力や強うい発言力の影響)がある、と私は感じています。

つまり日本の健康保険の制度設計、診療報酬の単価、保険の対象とする疾病や療法の決定などは、日本医師会の意向で決まっている部分がかなりあるのではないでしょうか?

しかし、日本医師会の委員人選に関する推薦や、審議に関する意向反映を変えようと思うなら、日本医師会のメンバーとなり、日本医師会の執行機関の決定を変化させなければならない、と言えるのではないでしょうか?

そうして日本医師会のメンバーとして医師会の総会等で投票できるのは医師のみです。日本の健康保険制度の改変・改革に一番大きな影響力を発揮できるのは、医師ではないか? 私はそう考えています。

ですが、医師は虐げられている、オカミとマスコミには逆らえない、だから逃げる。この短絡的な思考パターンが私には理解できないのです。

No.23 M.T. さんへのちょっとした回答

パンフですが、兵庫県保険医協会からとてもよいパンフレットができています。「医療も命も削られる」という題名で、非常にわかりやすく今の危機的状況を取り上げています。あちこちのブログでも取り上げられたし、私も取り寄せて外来や病棟においています。でも持って行く人はほとんどいません・・・新聞も完全に無視しています・・・
署名運動については、福島県立大野病院の刑事訴訟問題や、「看護師内診」問題でたびたび署名を行いました。結果は、署名を渡したときだけは話題になりました。しかし大野病院問題ではあえなく起訴。看護師内診問題は実質看護協会に押し切られているような報道でした。なぜ医師の声はマスコミにこれほど無視されるのでしょう。

No.27 Level3 さんの書き込みを読む前に次の投稿をしてしまいましたので、もう一つ投稿致します。

私は次のように思っています。

今、毎日毎日、身体を酷使して頑張って居られる若い勤務医に、法令通りの時間外労働手当を支払うことを、行政や司法(労働基準監督署は司法警察権を有しています)が厳密に取り締まったら、それこそ日本の医療は1年を持たずに崩壊してしまうでしょう。なぜならば、勤務医に支払わなければならない賃金の総額は今の2倍、3倍になってしまいます。しかしながら、病院の受け取る診療報酬は保険点数表により決まっており、すぐに改変することはできません。その結果、病院の資金繰りが破綻し、病院が次々に倒産・廃業するのは経済の面から見れば自明の理であり、医療体制は崩壊します。崩壊すれば一番の犠牲者は医療を受けられなくなる国民です。

この悪夢が実際に起こったときのことを想像して、厚生労働大臣は決断ができないのです。単に不法労務管理を取り締まれば、医療の諸問題が解決することはなく。両者は密接に絡んで一体不可分であることを知って欲しかっただけです。

>そうして日本医師会のメンバーとして医師会の総会等で投票できるのは
>医師のみです。日本の健康保険制度の改変・改革に一番大きな影響力を
>発揮できるのは、医師ではないか? 私はそう考えています。

法務業の末席さん,
すべての医師が医師会に入っているわけではありません。勤務医の多くは会員ではないでしょう。私も会員ではありません。

基本的には診療報酬が上がったとしても,勤務医には直接よいことはありません。間接的に病院の収益が上がれば,いくらかの締め付けが緩むことはあるかもしれませんが。
そもそも診療報酬の大筋は政府が決めているのであって,手術料などの技術料が諸外国のような価格になることはあり得ません。非常に廉価に抑えられています。そういったことも問題点のひとつではありますが,医師(勤務医)の労働問題,訴訟問題などとは別次元の話です。

いまの医療の最大の問題は勤務医が疲弊し,モチベーションを失い逃散して国公立病院から医師が消えようとしていることです。現在のところかろうじて良心のかけらで止まっている医師たちも,ひとつきっかけがあれば雪崩のように崩れていくでしょう。政府の次の一手次第です。現状を認識しない頓珍漢な手を打てばそれまでということも十分にあり得ます。そこまで行かないと,解らないほどおバカさんなのかもしれません。大臣の言動も見ていますと。
半分くらいはあきらめていますが...

行政とマスコミが両輪となって医療潰しに奔走していることもむろんですが、医療崩壊の最大要因はやはり受益者である患者=国民の意識だと思いますよ。
ここまでこじれてしまった現状を素直に眺めた場合、一度行政の主導するがままに崩壊を実現させて医療に対する歪んだ期待値をリセットしてしまうのが一番確実かつ手っ取り早いと考える者が増えても全く不思議ではありません。

崩壊崩壊と言いますが実際全国どこでも必ず近所に救急病院が必要なのか、まずは国民が本当に必要である医療水準とはどんなものなのかをきっちりと確定することが第一でしょう。
その上で自分たちが必要だと言うのであれば幾ら金がかかろうがそれは自己負担していくしかないという当然のことをもう一度一人一人が認識し直すべきだと思います。

ちなみに自分の場合は食っていくための一手段として医療を選択した者ですが、「医療人であるからには当然に○○すべし」式の意見に対しては相当に違和感を覚えます。
社会的にさまざまな職業があり、それぞれが需要と供給の関係でなりたっている。労多くして実りの少ない職業は廃れていくのは当然でしょう。
大多数の医療者たちは不当に暴利を貪ろうなどと考えているわけではなく、一方的な献身を強要されるいわれはないと考えているだけです。
要求される水準にふさわしく報われていると考えるものが増えていけば、自然に医療崩壊の危機など遠ざかるはずです。

ついでにもう一つ。

政策に影響し得る医療側の代弁者として医師会あるのみであり、故に医師は積極的に医師会に参加するべきという意見もありますが、自分はこの意見には与しません。
かれこれ半世紀も某政党による政権の(ほぼ)独占が続いていますが、故に政治に意見があるなら某政党員にならなければならないというわけでもないと思います。

むろん医師会による数の論理を主張するのも一つの手段だと思いますし、他の手段も多々あるでしょう。自分は全く違う方向から少しばかり小細工を弄してみようとやってみていますが。
人それぞれに自分が出来る一番有効と思える手段を行使すれば良いのではないでしょうか。

>今、毎日毎日、身体を酷使して頑張って居られる若い勤務医に、法令通り
>の時間外労働手当を支払うことを、行政や司法(労働基準監督署は司法警
>察権を有しています)が厳密に取り締まったら、それこそ日本の医療は1
>年を持たずに崩壊してしまうでしょう。なぜならば、勤務医に支払わなけ
>ればならない賃金の総額は今の2倍、3倍になってしまいます。しかしなが
>ら、病院の受け取る診療報酬は保険点数表により決まっており、すぐに改
>変することはできません。その結果、病院の資金繰りが破綻し、病院が
>次々に倒産・廃業するのは経済の面から見れば自明の理であり、医療体制
>は崩壊します。崩壊すれば一番の犠牲者は医療を受けられなくなる国民で
>す。

法務業の末席さん,
そんなことはもちろん解っています。しかし,一方で某大臣は「医師は足りている。偏在しているだけ」と事実を認めようとはしません。
労働基準法を守るためには,いまの2倍も3倍もの医師が必要なわけです。
イギリスのように医師の勤務時間を厳密に規定しつつ,24時間の医療提供を考えるなら,です。
改善する努力をするどころか,事実に目を瞑って逃げているだけではないですか。一度に解決できなくても,できるところから少しずつでも是正して行こうとする態度を示しているようであれば,まだしも救いがあります。

今の厚労省,政府の方策は状況を悪化させそうな小手先の対応だけではないですか?研修医に僻地勤務を義務づけるなど言語道断,実効性もない上に人権無視も甚だしい。憲法違反でしょう。医師免許を持っているだけで一人前の医師としてカウントできると考えているところからして実情無視です。単なる頭数あわせの数遊びにすぎません。医師が一人前になるには少なくとも10年は掛かります。それでもまだまだ経験不足です。
行政が行うべきことは,現状のひどい労働条件を緩和して十分な環境を整え,逃散した医師を呼び戻せるように取り計らうことです。逃散した医師の多くは本来若手を教育する指導層の年齢の医師たちです。彼らを呼び戻す,または残っている医師たちを止められるようにしなければ次世代の医師は育ちません。今よりもレベル低下することは避けられないでしょう。
また訴訟問題に関しても医師たちが納得できるような解決法を政府が作り上げなければならないでしょう。現在の動きを注意深く見て行く必要があります。

山口(産婦人科)さんへ

<パンフですが、兵庫県保険医協会からとてもよいパンフレットができています。「医療も命も削られる」という題名で、非常にわかりやすく今の危機的状況を取り上げています。あちこちのブログでも取り上げられたし、私も取り寄せて外来や病棟においています。でも持って行く人はほとんどいません・・・新聞も完全に無視しています・・・>

 ということですが、私はそのパンフは見たことがありません。
 全国的に配布されているのでしょうか。
 その協会は全国紙の記者と(記事にしてくれるよう)交渉されたのでしょうか。
 あちこちのブログで取り上げられたということですが、ブログに貼り付けたりされたのでしょうか(なんでしたら、このモトケン氏のブログに貼り付けて頂いたらどうでしょうか)。

 それに、「医療も命を削られる」という表題は、ちょっとどういう内容のパンフなのか分かりづらいと思います。もっと明解に「ストップ 医療崩壊」とか、「ストップ 医療危機」などとした方が分かりやすいのではないでしょうか。
 
<福島県立大野病院の刑事訴訟問題や、「看護師内診」問題>と現在の医師不足、看護師不足の問題を一緒に訴えない方が、国民にはアピールできると思います。 
 医師や看護師の労働条件の劣悪さから増員を訴えることはアピールできると思いますが、あまり医療過誤問題にからめてアピールすると逆効果だと思います。

 マスコミや国民向けのアピールには、もっと作戦が必要に感じます。
 また、医師の方々があまりインターネット上で「逃散、逃散」と書き込むことも(内容や表現の仕方にもよりますが)、一般の方々には逆効果であると考えます。

行政が動くためには国民の声が大きくならないといけません。
まだ国民はわれわれ医療者が思ってるほど、医療崩壊に対してあまり興味を持っていません。すべてのことに対してですが、自分の身に降りかからないと問題と思わない国民性が根底にあるとは思いますが・・・。
医療者から見れば、いまだったら修正できるのに、と悔しくおもっています。
そこで、私ができることとしては、まず周りから固めることです。
他の医師の方もやられてる方法だと思いますが、たとえば外来で待ち時間が長い、医療費が高い、夜間救急が不十分・・・」などという発言をした患者さんには「申し訳ありません。確かにおっしゃるとおりです。しかし、これは国の政策によるもので、私たち医療関係者も困っているんです。お互いに医療をよくしようと頑張りましょうね。」と話します。そうすると、「そうだ、そうだ」という話でだんだんとまとまっていきます。
あとは、さりげなく外来や病棟の図書コーナーに医療崩壊の本を置いたりしています。患者さんは時間があるので、きっと読んでくれると思いますから。
小さな力が大きなうねりになると信じて行動しています。

いまの医療崩壊は立ち去り型サボタージュじゃなくて医者の形を変えたストライキなんじゃないでしょうか。通常のストライキでは国民、マスコミの批判をあびることは必至です。これを避けるためには職場をやめるという形にするしかない、自爆型ストライキですね。

問題は医療費ではなく、社会保障費が一律で減額されている事にあるのでしょうから、そこを焦点にして訴えた方がわかりやすいように思います。

社会保障費の額がそのままで、医療費だけ増える可能性もありますし。ここは一つ、社会保障の他分野の方々と連携して、社会保障費全体の額を増やすことを考えた方がよろしいのではないでしょうか。ちなみに、社会保障費の財源としては、消費税が一番手っ取り早いとは思います。


>Level3さん

また訴訟問題に関しても医師たちが納得できるような解決法を政府が作り上げなければならないでしょう。現在の動きを注意深く見て行く必要があります。

そのためには、医師が納得できるような解決法を、医師自らが政府に働きかける必要があると思います。


M.T.さんの

 また、医師の方々があまりインターネット上で「逃散、逃散」と書き込むことも(内容や表現の仕方にもよりますが)、一般の方々には逆効果であると考えます。

私などは、待遇が悪いのであれば条件のいい職場に移ったり、条件のいい職種に移るというのは自然なことであり、納得してしまうのですね。そこで思考がストップしてしまうわけです。

行政は医療崩壊の原因を現場(医療機関、医師、看護師など)に押しつけ、着々と医療費削減に取り組む。行政は医療崩壊の原因が何であるか、わかっている、わかった上で現状を作り出しているように思えます。医療は非採算部門であり、医療を必要とするのは多くは老人、生きていても年金がかかるだけ。以前、行政がうたっていた健康日本21も医療費のかからない老人を増やそうなどと、そうでない老人はどうなのかと勘ぐりたくなるスローガンをぶちあげ、悪意をもってみれば道路、施設の建設は生産的、医療は非生産的なのだから最低限度で良いではないか、というような行政の心の声が聞こえてきそうにも思います。
現在のわが国では医師は悪人とマスコミにたたかれ、国民はそれを鵜呑みにし、行政はそれに便乗し、自らの目的を達しているわけで、私たち医師が声を上げたところで何がかわるのかなと思ってしまいます。まあ、ここまできたらどうとでもなれといった心境です。

流れとはまったく異なりますが、TVタックルで医療問題を扱っていました。最近のこの手の番組では保険料の未納問題が必ず出てきます。払えるのに払わない人と、払いたくても払えない人は当然分けて考えるべきですが、その時、いつも疑問に思います。税金、年金、医療保険、何故、分けて徴収するのでしょう? 所得状況を最も知っているのは税務署です。所得に応じた減免処置を採るのなら、なおさら所得状況を把握している税務署が一元的に徴収するのが合理的です。社会保険庁を解体すると言うぐらいなら、何故、その機能の一部を国税庁や税務署に併合すると言う話が出てこないのでしょう? また、正規雇用者と非正規雇用者では年金や医療保険の負担が異なります。正規雇用者であれば、概ね半額を企業側が負担します。これもどちらかに合わせるべきです。自営業者や雇用の流動化を考えれば、企業が負担している分は、給与に上乗せし、全額個人から徴収するほうが平等のような気がします。

マスコミと言えば、このところの読売新聞の検視の報道には異様なものを感じます。しっかりと報道しすぎているような印象を受けるのです。あまり注目されているとも思えないですし、法医学会に政治力があるとも思えないのですが。

マスコミもまともな報道ができる事がわかったのですが、何が彼らをそうさせたのでしょうか。

 凄まじい現実ですね。
 私も社会問題には関心のある方ですが、このような医療の現実は知りませんでした。地方在住者にとっては目の前の問題なのでしょうが、都市に住んでいる限り、「医療崩壊」は見えにくいです。見えるのは「保険証の取り上げ」とか「医療過誤」とか、患者側の不幸に関する事柄ばかりです。お医者さんの苦労は解りません。また、地方の医療崩壊に関しても、地方の病院の医師の給与の高さがまず目につきます。なんだかんだ言っても結局、お医者さんは恵まれているなぁ、と思ってしまいます。そう思う人たちは少なくないと思います。
 
 単なる認識のギャップ、私たち一般庶民の無知と言ってしまえばそれまでなのですが、雇用融解とか格差拡大とか憲法改悪とか、いろんな問題があり過ぎて考える手が回りません。
 
 しかし何しろ医療は直接、私たちの生命や不幸に関わってきます。崩壊はくい止めて欲しいものであります。

>地方在住者にとっては目の前の問題なのでしょうが、都市に住んでいる
>限り、「医療崩壊」は見えにくいです。

きとらさん,
何も地方だけの問題ではないのです。都会であっても産科は崩壊しつつあります(既に崩壊しているという説もある).また,救急医療も同様です.
いざ急病になって救急車に来てもらったはよいが,送ってもらえる救急病院がない,ということは大都会でも既に生じている話です.病気になっていないため(身内も含め),そのようなことが視界に入らないだけだとお考え下さい.

私は日本の医療界の不幸のひとつは
アカデミズムを自認する(実質はともかく)大学、各種学会(これを A)と
医療経営の専門家たる開業医集団(すなわち日本医師会 これを B)に分断されていることだと思います。

A はこれまで病院で医療を提供する勤務医集団に対して絶大な影響力を行使してきた。一方、診療報酬をはじめとする医療経営的側面や勤務医の労働条件などに対しては、そういう世俗的なことは自分たちの関知するところではないとして、見て見ぬ振りをし、事実上影響力もなし。

Bは開業医利権代表として経済闘争至上主義。

このA とB のはざまで、悲しくも翻弄されているのがいわゆる一般勤務医と理解しています。

一般外来診療とは異なり、生命、機能予後に直結しうる救急、入院医療を担う勤務医は
ますます患者、家族との対応に緊張を強いられ、かつ これをバックアップしてくれる組織はないのです。

現在いわれているところの医療崩壊とは勤務医問題に他ならないと理解しています。

大学、学会は勤務医の経済的、労働的側面を全く問題とせず、日本医師会も開業医の利権擁護に終始してきた。これでは今日の問題は必然でしょう。

遅くなってますが
No.23 パンフは「医療も命も削られる」
http://hodanren.doc-net.or.jp/kenkou/isi-fusoku.pdf

本田宏先生の講演  「市民公開講座 このままでは病院から医師がいなくなる!
−今、私たちが知るべきこと、なすべきこと−」
http://st1.hiroshima.med.or.jp/2007/0302/003-2.asx
広島県医師会 -> ビデオコーナー > 市民公開講座から見れます。

No.44 yanyanさんのコメント

 <私は日本の医療界の不幸のひとつは
アカデミズムを自認する(実質はともかく)大学、各種学会(これを A)と
医療経営の専門家たる開業医集団(すなわち日本医師会 これを B)に分断されていることだと思います。

A はこれまで病院で医療を提供する勤務医集団に対して絶大な影響力を行使してきた。一方、診療報酬をはじめとする医療経営的側面や勤務医の労働条件などに対しては、そういう世俗的なことは自分たちの関知するところではないとして、見て見ぬ振りをし、事実上影響力もなし。

Bは開業医利権代表として経済闘争至上主義。

このA とB のはざまで、悲しくも翻弄されているのがいわゆる一般勤務医と理解しています。>
 
 なるほど、そういうことなのですか。
 部外者にはなかなか分かりにくい世界ですね。
 
 しかし、弁護士もこれから激増して、経営弁護士と勤務弁護士のそれぞれの利害が対立し、弁護士会もまっぷたつに、なんてことになりかねないと思うので、人ごとではないです(今だって、主張面ではAとBに分かれているような気がするのですが・・・。)

 勤務医の方々も、前にどなたかが提唱されていたように、日医に加入するか、別の組織を作るかして、組織的に活動することはできないものでしょうか。

No.45 32432 さんへ

 パンフ「医療も命も削られる」拝見しました。

 立派なパンフレットですね。内容も体裁も素晴らしいです。
 でも、立派すぎ・・・。文字が多すぎて、一般の方々はなかなか読まないと思います。

 もっと短くて、絵や写真の多いものの方(ある程度インパクトのあるものの方)が、一般の方々は手にとって読む気になると思います。
 私は、弁護士に向けた運動をしたことがありますが、忙しい弁護士は長いパンフやビラはまず読みません。せいぜいA41枚かA42枚程度の文字の大きいものでないとダメなのです。
 もっと短くてインパクトのあるビラやパンフをたくさん作成して、マスコミやネット上に流した方が効果的だと思いました。
 

現在の医療問題に関しては、立法よりも(もちろん対策として不要ということではありませんが)行政サイドの政策立案のウェートの方が高いと思います。課題が多岐に渡るため、
「医療政策の諸問題」というくくりでは、論点が広がりすぎるという面があると思いますが、一方で医療に関する根元的な問題に共通する社会・経済の背景があるわけです。
例えば、医療費に関しては、国や地方の財政赤字の増大、人口減少等による税財源の確保困難などが背景にあるわけです。この観点から(私の意見ではありませんが)行政としては、医療費削減の方向に向かうのは必然です。だとしたら、政策的には予防医療に重点を置いて、できるだけ病気にかからないないような生活様式の導入などを地域住民と取り組むという具体的な施策が求められるわけです。もちろん、施策として考えなければならないことはもっとあるのだと思いますが、「医療費削減」だけでも一つのエントリが必要でしょう。ところで、私としては、喫緊の課題は、やはり「医師不足の解消」だと思いますが、施策としては、当然、医師の供給の増大(医学部定員の拡大等)とともに、現在の医師の労働条件等の改善が必要だと思います。最低限、労働基準法を遵守する体制を確立することが早急に求められるでしょう。大学病院の友人に聞いたところ、大学病院の医師は、研究職であり、診療と研究の区別が出来ないので、時間外手当は支給しないと言っていましたが、実は労働組合の問題もあると聞いています。つまり、現業職員は、組合が強く、労働条件の改善を当局と交渉するが、医師の組合はないため、労働条件の改善はおざなりになっているとのことでした。そういう面で、医師のみなさんがどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。

モトケン様、見落としていました。すみません。
>個別論点が浮かび上がってきましたら、またはご希望があれば、別エントリを立てることを検討します

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