エントリ

 岡山県和気町の山陽自動車道で5月、走行中の乗用車など6台の車体が投石のため破損した事件で、県警備前署などは2日、同町のいずれも16歳の男子高校生3人を器物損壊の疑いで逮捕した。

 調べでは、3人は5月2日午後8時半ごろ、同町福富の山陽自動車道の側道から、上り線を走行していた大阪府吹田市内の男性(45)運転の乗用車など6台に向かって、石とロケット花火を投げ込み、ボンネットやフロントガラスなどを損壊させた疑い。

 現場には、約20キロの石7個とこぶし大の石三十数個、花火約20本が落ちていたという。少年らは「事故を起こさせたかった」などと話しているという。

 これは殺人未遂です。
 少年たちは、「人を死なせるつもりはなかった。」と言っているんだろうと思います。
 法律的に言うと、結果の認容がないという主張ということで故意の否認になります。
 しかし、高校生にもなって高速道路を走行中の車に20キロ大の石をぶつけたりして事故になったら最悪どうなるかということが想像できないという言い訳は通用しません。
 渋滞中ののろのろ運転なら話は別ですが。
 この事件が検察官送致(逆送)になって私が主任検事なら殺人未遂で起訴です。
 (逆送にならない可能性が大ですが)

 ほんとにやっていいことと悪いことの区別がつかなすぎる若者が増えてきている感じがします。
 本件の少年たちはいずれ家裁送致ですので、家裁で徹底的に鑑別を行って事件の原因分析を行い今後の対策(教育行政等を含む)に生かしてもらいたいと思うのですが、今後の対策に生かすことができる制度・システムになっているのかどうか、不勉強でわかりません。 

 ともかくこの少年たちには、自分たちのやったことの重大性をしっかり自覚させる必要があります。

| コメント(59) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

コメント(59)

昨年、飲酒運転中に追突した車を川に転落させ、その結果として3人の子供の命を奪った福岡の若者と比べても、この少年たちのほうが結果的に人の命を奪わずに済んだものの、行為自体の悪質度は上ではないかという印象を受けました。

何時だったか、高層建築の上から物を落としていて逮捕された高校生もいませんでしたっけ。これも人がその下を通ればどういうことになるか、ちょっと考えればわかることなのに、何にも考えずにストレス解消だけ図っていたみたいでしたね。

善悪の区別以前に「こういう行動をとればこういう結果が起こりうる」と言うきわめて簡単な論理が考えられなくなっている気が。政府の「ものを考えず、従順に上のいうことに従う子を作る」と言う政策が見事に実を結んでいるように思います。なんとまあ「美しい国」だこと。

やはり殺人未遂になりますよね。
これをやったのが成人だったら、殺人未遂で起訴されていたのでしょうか?
少年の場合、流れがわかりにくくなりますね。
この後、どういう流れで、少年達の更正が図られるのか、あるいはどう処罰されるのか、続報が知りたいところですが、きっと報道されないのでしょうね。

こちらなんかも、心情的には、ご両親を殺人で起訴して欲しいくらいですが…。けれどこれは未必の故意とは言えないでしょうねえ。認識ある過失ということになるのでしょうか。
衝突で幼児が投げ出され死亡、チャイルドシートなく…滋賀 (2007年6月3日15時15分 読売新聞)

全共闘世代でも、警官に上からレンガ落として殺しといて、就職時にはシレっと転向した連中もいるようですから、別に今も昔も変わらないんじゃないでしょうか?
いついかなる社会においても一定の確率で発生する連中であって、防止不能であり、対策として出来る事は「行った事に対する責任(罰)」をキッチリとらせることくらいでしょう。「信賞必罰」が老若男女貴賎の別を問わず公平に行われるかどうか、が社会的なレベルで見た人々の倫理観を高く保つ上で最も大事な事と思われますので。
その意味で殺人未遂で起訴賛成です。

以前、私の住んでいるところでも、本件と同じように、自動車専用道路を走行中の自動車めがけて、何日かにわたって神出鬼没的に拳大の石を投げつけ、その石が何回か運転席に命中し、数人の運転手に傷を負わせた事件がありました。
警察は殺人未遂罪で犯人を逮捕し送致したのですが、検察庁の起訴は傷害罪でした。
主観面と客観面の両面で、殺人未遂罪での公判維持は難しいとの判断のようでした。

>PINE さん

 投げた石の大きさが影響していると思いますが、行為の客観的危険性を低く見積もりすぎているように思います。

> 主観面と客観面の両面で、殺人未遂罪での公判維持は難しいとの判断のようでした(No.6 PINE さま)

未遂罪では、結果が発生していない場面で、「結果発生に繋がる具体的危険性があった」ことを立証しなければなりません。
ピストルを撃ち込むとか、銛で突くとかいうのと異なり、
投石行為だけでは危険度はそこまで大きくないという判断もありうると思います。
とくに、検察官は一か八かではなく、安全牌の固いところで起訴する習性がありますから(私はその態度は正しいと思っています)。

もしも、たまさか石に当たって死んでいたケースならば、
殺人罪で起訴され、弁護側が「殺人の故意はなかった」として傷害致死を主張するというような展開になるでしょう。

もっとも、本件は逮捕罪名が「器物損壊」だという段階なので、今後の捜査によって、家裁送致の罪名等がどうなるかはまだ予断を許しません。

この事件、車に石が当たらなかったら器物損壊は適用できるのでしょうか。
自動車が壊れたかどうかは本質的な問題ではないはずです。

夜の高速道路に20kgの石が落ちていて死亡事故につながらなかったのは幸運です。
この少年たちは結果を想像するだけの能力がなかったのでしょう。こんなことで人が殺されることによって周りの人間がどれほど不幸になるのか、いったいどのような想像ができたのでしょう。16歳の少年の判断能力、想像力については、自分の少年時代を思い返しても成人と比べ劣っていることは確かだと思います。
しかし、この少年たちが行ったことは(法律的にはどうか分かりませんが)常識で言えば殺人未遂です。
モトケンさんのおっしゃるように行為の重大さを教えるためには、器物を損壊させたかではなく、人が死んでもおかしくないことをしたのかどうかを問題にすべきだと思います。
もしこれが我々の常識とは違う「器物損壊」で起訴すべきであるというのなら、その技術的な理由を理解したい。そうでなければ司法に対する信頼が得られなくなると思います。
YUNYUNさんの説明では投石が死亡事故につながる危険性が認められない可能性があるということだと思いますが、本当にそんな可能性があるのでしょうか。夜の高速道路を自動車で走ってみれば誰でも分かることだと思うんですが。

線路の置石や新幹線に投石するのと罪の重さは本来変わらないと思います。が、高速道路には鉄道と違って自動速度取り締まり機という、一歩間違えれば事故を誘発しかねない装置が警察自身の手で設置されている関係上、投石に重罪を適用すればそういう装置の危険性にまで論議がおよび収入が無くなる事も考えられます。そういう事態を避ける必要に迫られて、器物損壊という隔靴掻痒的罪名しか使えないのでしょう(笑)。

えーーーーーーっ!
そんな事情ですかっ!
さすがにこれは「ぼつ」では?(笑)

高速道路にはバイクも走っているのですよ、二人乗り可能で。

こぶし大でも十分に死にますぜ!

仮に直撃でなくても追突で多重死亡事故が何度も起きている、殺人の環境は十分整っています。

確かに直撃で死ななくても、ショックでハンドル操作を誤ると十分死亡事故の可能性もありますし、命中せずとも道路上に残っている石でさえ、大事故を誘発する怖れも高いです。我々バイク乗りからすると、MultiSync@一市民様のご指摘、重々ご尤もと思います。

>少年らは「事故を起こさせたかった」などと話しているという。

これが事実とすれば、彼らがいくら馬鹿でも、バイクの免許も取れる16歳ともなれば、高速道路の事故なら、死人が出るかもしれないことくらいは、十分分っているでしょう。(高速道路の死亡事故は結構TV等で報道されてます。)むしろ「人が死んでも構わないから、事故を見てみたい」という悪意を感じさせます。

この16歳たちを、16年もの歳月をかけてこれほどの馬鹿に育て上げた、親の顔が見てみたいとは思いますが、これ以上馬鹿になると本当に遊びで人を殺しかねないので、親の躾が期待できない以上、社会が厳しく躾けてやるべきと思います。(本当は親の方を躾けたいのですが・・・)

> 投石が死亡事故につながる危険性が認められない可能性があるということだと思いますが、本当にそんな可能性があるのでしょうか(No.9 DDMR さま)

日本では未遂罪は罪刑上は既遂罪と全く同一にも処罰できる(刑法43条 刑を軽減することが「できる」)体制にあるため、かなり厳密に取られているということがあります。
殺人罪なら、ピストルで人に対して狙いを付けたくらいの段階。
車を狙って石をぶつけた場合に、車を損傷するのは確実だとしても、車中の人を<死なせる>程度の危険なのかどうかは、石の大きさ(フロントガラスを割れる程度のものか)等の具体的な行為態様によります。

なお、いくつかの重い罪に関しては、未遂罪に至らない段階の、予備罪が設定されており、殺人罪にも予備処罰の規定があります。予備とは基本罪に繋がる危険性を持った準備行為のことで、殺人目的で包丁や毒物を購入するような場合です。
本件は、殺人未遂に当たらないとしても、予備罪には該当する(石の当て方が上手いというか、ヘタにぶつかれば死傷者が出る)という考え方は成り立つと思います。
しかし量刑面では、
 殺人    刑法199条 死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
 殺人未遂 刑法203条、43条 同、軽減可
 殺人予備 刑法201条 2年以下の懲役、免除可
 器物損壊 刑法261条 3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料

器物損壊のほうが殺人予備より重いのですよね。
そういうことともあるので、とりあえず客観的に確実なところで、器物損壊の罪名で逮捕状を取ったのだと思います。
前述のように、捜査を遂げて最終的に家裁送致の段階で罪名が変わる可能性はあります。

>YUNYUNさん
非常に分かりやすい説明をありがとうございます。

彼らがしたことは殺人未遂であるという思いは変わりませんが、警察や司法の現場では複雑な判断がされているのだろうということがよく分かりました。
今後彼らが自分のしたこと、しようとしたことの意味をよく考え、内なる善悪の判断に従えるように祈っています。

高層階からの飛び降り自殺を試みるのは 下にいる人を巻き添えすれば 自らの殺人のみならず 他人の殺人ということにもなりうる ということを考えました。

どういうことになるのかを知りたい という気持ちから起きているのなら
浅はかな気持ちで いたずらをすると とんでもないことになるんだ だから 悪戯は厳禁 というのを分からせるために
ダミー人形が乗っている車での実験で 些細なことでも 痛ましい事故に結びつく という内容の 「教育的な」映像を 学校や図書館に置いておく 市販もする というのが 良いように思います。

道徳の教科書を作成するよりも 意味があるのではないかと思うのですね。

いかに交通事故をなくすか 

No.14 YUNYUN(弁護士)さん 、
おかげで未遂罪への検察のアプローチほ良く解りました。

しかし未遂の適用を躊躇するにしても、死罪と3年がすぐ隣で、3年を選択は異常。

たまたま怪我人が居なかったとしても殺人となりうる状況です、傷害罪(未遂)が提要されれば15年だし。

検察の満点主義、又は責任逃れ?

この検察の求刑、私には倫理観というものが全く感じられませんね。例え殺人未遂が裁判所で否定されると高率に予想されても、検察としては目先の有罪を得んがため器物損壊罪を適用するよりも、たがのゆるんだ社会全体に警鐘を鳴らす秋霜烈日の強い意志のもと堂々と殺人未遂罪を求刑すべきだったのではないでしょうか。それが職業倫理というものでしょう。

そもそも検察がマスコミや社会に愛される必要がどこにありましょうか。火付け盗賊改め長谷川平蔵は当時の庶民になんと呼ばれていたでしょうか。彼は人の心を持たぬ鬼だと呼ばれていたのです。今の世ならヒドイ言われようですがそれで彼の心が傷ついたり世を怨んで感情失禁して泣いたりしたでしょうか(笑)。
逆に言えば口さがない世間の言葉や評価がそんなに重要な仕事は、歯が命人気が命の役者稼業だけでしょう(笑)。

この事件での器物損壊罪起訴はある意味担当検察官が自分の出世のために(=失点を防ぐために)司法制度のなかの起訴便宜主義を私しているように私には見えますね。(笑)
また同時に、起訴有罪率を上げて(点取り虫くんみたいなものです)検察の起訴便宜主義というフリーハンドの権益を取り上げられないよう守ろうという狭量な組織防衛意識も垣間見える気がします。検察の手足である警察の捜査方法の問題点についてもついでにロンダリングできるでしょうし(笑)。

今回は長文で投票欄には書き切れないのでこっちに書いてみました(笑)。
本音では職業倫理については役者以外はみな同じ(医者も)だろうと思ってるんですが、ここではこのエントリーをちょい借りしただけですのでNo.10同様にもちろんぼつでおkです(爆)。
器物損壊罪での起訴も別に悪いとは思いませんが、世間にはこのように考えるヒネた奴もおりますよってことで(笑)

> 例え殺人未遂が裁判所で否定されると高率に予想されても、検察としては目先の有罪を得んがため器物損壊罪を適用するよりも、たがのゆるんだ社会全体に警鐘を鳴らす秋霜烈日の強い意志のもと堂々と殺人未遂罪を求刑すべきだったのではないでしょうか。それが職業倫理というものでしょう(No.18 ぼつでおk(医)さま)

「刑法の謙抑性」という理論があります。
刑法は人権を大幅に制約する強権的な手段だから、必要最小限にしか使わない、という考え方です。

検察には過度の正義感を持ってほしくありません。
正義<感>とは一つの価値観であり、ある人には正しく思えても、別の人からみれば間違っているという場合もあります。現代社会が「たががゆるんだ」社会かどうか、その原因は何かについては、様々な見方考え方があり得ます。
権力行使に当たる者が、自分の一面的な正義感を、国民に対して強く押しつけることは(権力を持つ者にはそれが可能です)、かえって社会にゆがみをもたらします。
福島産婦人科医師逮捕事件で、イヤというほど立証されたことでは?

検察は生ぬるいと言われるくらいで、丁度良いと思っています。
特に、青少年に対しては刑法による厳罰は無力です。
私たちは刑法の威嚇力に頼るのではなく、迂遠なように見えても、教育や福祉に力を入れ国民一人一人の知的レベルや生活の質を向上させることが、犯罪抑止と住みよい社会に繋がると考えます。

>No.19 YUNYUN(弁護士)さん
コメントありがとうございます(笑)。

>福島産婦人科医師逮捕事件で、イヤというほど立証されたことでは?
すみませんが、その件はあちらのエントリーでのちほど(笑)お返事したいと思います。

この事件では私はNo.1けんさんのコメントに同感ですので、検察には裁判で認められない事を前提として、その行為は社会では殺人未遂やテロ未遂と等しい犯罪行為と検察がみなして起訴しているという第一報の報道をしてもらうことが大きいと思うからです。

たとえ起訴が棄却されても無罪放免になるわけではなく、家裁送致になるでしょうから、あとはそちらに処分を任せればよいでしょう。検察は失敗するわけですが、これで失敗するほうが器物損壊有罪で矮小な成功を得るよりも、社会倫理を重く見た検察への信頼はかえって高まると思いますが(笑)。

それに、検察は行政、裁判所は司法で互いに独立し監視しあう別々の権力ですから、起訴有罪率99.9%は権力の独立が厳密に保たれていれば本来考えられない数値で、その数字99.9%を守ることの意義は倫理的には無に等しいでしょうしね(笑)。

 本件はまだ「警察が器物損壊の疑いで逮捕した」というだけで、検察官は求刑はおろか起訴すらしていない(つまり検察は本件についてまだ公式には何も表明していない)のに、なぜ検察がやれ「倫理感が全く感じられない」だの「起訴便宜主義を私している」だのと批判されているのか、浅学非才の私には皆目理解できないのですが、自然科学者の頂点に君臨するお医者様でありマスメディア問題にも造詣が深いぼつでおk先生の眼には、私などには到底思いも及ばないような検察の抱える深刻な問題が見えているのですね。
 メディア・リテラシーを身につけることの難しさを改めて思い知り、大変勉強になった次第です。

>an_accusedさん
 
 ご指摘のとおりなんですが、皮肉がきついで砂(^^;

>No.21 an_accused さん
コメントありがとうございます(笑)。
ほんとですね。元記事に当たらずにモトケン先生のコメントから入っていっちゃってました。メディアリテラシー不足はおっしゃるとおりです(笑)。

> メディア・リテラシーを身につけることの難しさを改めて思い知り、大変勉強になった
>次第です。
いえいえこちらこそ鋭いご指摘を受けて大変勉強になりました(笑)。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

> たとえ起訴が棄却されても無罪放免になるわけではなく、家裁送致になるでしょうから(No.20 ぼつでおk(医)さま)

少年手続きに対して少々誤解が・・
検察官は捜査を遂げた後、処分に対する意見を付けて、家庭裁判所に事件を送致します。検察官は少年事件では必ずしも審判に立ち会いません。

家裁が非行事実なしと判断すれば(刑事裁判でいう無罪と同じ)、「審判不開始」ないし審判を行った上で「不処分」、で終わりです。
本件では殺人未遂は認められなくとも、少なくとも器物損壊は認められるはずですから、非行事実が全く無いということにはならないでしょう。

しかし、少年事件では犯罪行為の有無だけでなく、「要保護性」の観点から処分を決めますので、審判時までに少年が十分反省して特段の措置なく立ち直れると判断されれば「不処分」という審判もあり得ます。
家裁の判断として、殺人未遂罪という認定になれば、重罪ですから何らかの保護処分、
場合によっては検察官へ逆送して成人と同様の刑事裁判に服させるという可能性が高くなります。

◆参考:少年事件の流れ

 警察→検察庁 ---------ここまでは成人の刑事捜査と同じ
      ↓家裁送致
      ↓
    家庭裁判所 → 調査(少年鑑別所) → 審判不開始
                 ↓         
                 ↓
               少年審判 → 保護処分(少年院送致、保護観察など)
                      → 不処分
                      → 検察庁へ逆送 → 刑事裁判所に起訴---成人の裁判と同じ     

ついでに言うと、少年事件の場合は、「全件家裁送致」が原則となっていて、非行事実がある以上、検察官は家庭裁判所に全件送らなければなりません。

成人で言う「起訴猶予」(いわば家裁送致猶予)というのはありません。
証拠が不十分な場合でも、虞犯(ぐはん)といって、犯罪にはならないけれども非行事実があれば家裁に送致することになります。

つまり少年事件は、家庭裁判所が主役になると言っても良いかと思います。

なお、有罪率99.9%というのは、認めている事件(自白)、しかも年間80万件もある略式請求(自白事件)を含んだ数字ですので、分母と分子が以上に膨らんでいる結果です。
自白事件で有罪率を出しても無意味です。
否認事件だと(これこそ有罪率を出す意味がある)、95%〜98%と言われています(周防監督の「それでもボクはやってない」では97%と紹介されています)。
ま、それでも高いと感じるかどうか、というところですがね。

おやおや、身から出た錆(笑)は当然ですがみなさまにしごかれております。
ここのエントリーでリテラシーに欠けたのはお説のとおりで反省しておりますです。きびしくご指導くださる諸氏にお礼申し上げます。
ついでに、福島大野病院医療過誤事件のエントリーにもぼつでおkなコメント致しておりますが、そちらのほうも皆様もれなくびしびしご指導いただければもっとしあわせですので、どうぞよろしく同様にご鞭撻くださいますよう(笑)。

誘導。
No.26 ぼつでおk(医)様が問題提起された、
福島大野病院医療過誤事件のエントリはこちら。
http://www.yabelab.net/blog/2006/10/13-230902.php

>>DDMR様
とりあえず車を壊していなければ最低限、道交法違反に問われると思うのですが、76条4項違反で120条により3ヶ月以下の懲役または罰金5万円以下。軽すぎますね。
ちなみに列車に置石をすると、乗客の有無に関わらず刑法125条の列車往来危険で2年以上の有期懲役。
あまりの格差にビックリですね。

ちなみに20kgの大石を線路に置くと列車は脱線することがあります。1980年京阪線で中学生のグループが線路にコンクリート製のフタ(重さは10kg〜20kgぐらい?)を置いて電車が脱線、先頭車が民家に突っ込んで2両が転覆、100人以上が重軽傷を負いました。中学生グループは京阪電鉄より1億円の損害賠償請求をされました。1両40トンもある列車ですらこれなのに、せいぜい1、2トンの車に20kgもある石を投げつけられたらひとたまりもありません。

ただ、今回の事件の連中が非常識なのは当然ですが、今も昔もそんなに変わらないような気が・・・。

この事件の現場である山陽自動車道は、高速自動車国道であることから殺人未遂罪が成立しない場合であっても、器物損壊罪ではなく、「高速自動車国道法違反罪」(同法第26条1項(自動車の破壊の程度によっては、同法27条1項))ではないでしょうか。
以下、高速自動車国道法26条及び27条を引用させていただきます。
第26条
1 高速自動車国道を損壊し、若しくは高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2  前項の未遂罪は、罰する。
第27条
1 前条第一項の罪を犯しよつて自動車を転覆させ、又は破壊した者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の罪を犯しよつて人を傷つけた者は、一年以上の有期懲役に処し、死亡させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

道路上に石を落とす行為が、「高速自動車国*道*を損壊」には、普通は当たらないと考えます。
大岩を道路の真ん中に置いて車が通れないように塞ぐとか、大小の石を敷き詰めて地面を凸凹にするとかして、道路としての効用を全く失わしめるまですれば、「道路損壊」に当たるとも考えられますが。

ROM向け補足

第26条
1 高速自動車国道を損壊し、若しくは高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

「又は」と「若しくは」の用法の違いが分からないとロジックが読み取れないうえ、「若しくは」が二重に使われていてわかりにくい条文です。
これの読み方は以下のとおり(だと思います・・・)。

(1)-a 高速自動車国道を損壊し、or
   -b 高速自動車国道の付属物を移転し、or
   -c 高速自動車国道の付属物を損壊して
 高速自動車国道の効用を害し、

又は

(2)-a 高速自動車国道を損壊し、or
   -b 高速自動車国道の付属物を移転し、or
   -c 高速自動車国道の付属物を損壊して
 高速自動車国道における交通に危険を生じさせた

者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。


a, b, c は、「効用を害する」 と 「交通に危険を生じさせる」 のどちらにもかかります。

少年らは、「道路」を損壊もしていないし、側道付近に転がっている石は、高速道路の「付属物」ともいえないでしょう。

abcに該当しない手段で 「高速道路の交通に危険を生じさせる」 行為は、構成要件該当性がありません。

26条2項と、27条の罪は、26条1項が不成立ならば当然に不成立となります。

ROM向け補足

第26条
1 高速自動車国道を損壊し、若しくは高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

「又は」と「若しくは」の用法の違いが分からないとロジックが読み取れないうえ、「若しくは」が二重に使われていてわかりにくい条文です。
これの読み方は以下のとおり(だと思います・・・)。

(1)-a 高速自動車国道を損壊し、or
   -b 高速自動車国道の付属物を移転し、or
   -c 高速自動車国道の付属物を損壊して
 高速自動車国道の効用を害し、

又は

(2)-a 高速自動車国道を損壊し、or
   -b 高速自動車国道の付属物を移転し、or
   -c 高速自動車国道の付属物を損壊して
 高速自動車国道における交通に危険を生じさせた

者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。


a, b, c は、「効用を害する」 と 「交通に危険を生じさせる」 のどちらにもかかります。

少年らは、「道路」を損壊もしていないし、側道付近に転がっている石は、高速道路の「付属物」ともいえないでしょう。

abcに該当しない手段で 「高速道路の交通に危険を生じさせる」 行為は、構成要件該当性がありません。

26条2項と、27条の罪は、26条1項が不成立ならば当然に不成立となります。

YUNYUN(弁護士)さま fuka_fuka(イソ弁)さま
私がしたコメントについて、ご反応されてのコメントありがとうございます。
ただ、私の解釈とあなた方の解釈が大いに異なるようですので、ここで、私の解釈について説明させていただきます。
>> a 高速自動車国道を損壊し、or
    b 高速自動車国道の付属物を移転し、or
    c 高速自動車国道の付属物を損壊して
      (中略)
a, b, c は、「効用を害する」 と 「交通に危険を生じさせる」 のどちらにもかかります。
(No.32fuka_fuka(イソ弁)さま)
とありますが、条文を素直に読むと、
「A 高速自動車国道を損壊する行為
B 高速自動車国道の付属物を移転して、高速自動車国道の効用を害する行為
C 高速自動車国道の付属物を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
D 高速自動車国道における交通に危険を生じさせる(一切の)行為
上記 A〜D のいずれかの行為をした者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」と読むのが正しいのではないかと考えます。

なお、この点については、「警察時報社発行 安西 温著・特別刑法2」によると
126 高速自動車国道法−高速自動車国道の安全阻害行為(P22〜P23)において、行為の定義について、前項<125 道路法(その2)−道路の安全阻害行為(P20〜P21)>を引用し、引用先の中で、
「・・(前略)・・道路における交通に危険を生じさせるとは、前期損壊等の行為はもちろん、その他の行為(例えば物件の投棄)によって、道路における交通事故発生の可能性のある危険な状態を現実に作出することをいう。従って、この罪は、いわゆる具体的危険犯である。」と解説されています。

本件では、投石行為自体が上記Dの要件を満たす(高速自動車国道法によれば、未遂犯処罰も可能です。)可能性があると考えたので、その旨コメントさせていただきました。

 なお、これから先は、私見ですが、道路法及び高速自動車国道法の罰則規定が、積極的に活用されるようになれば、現在道路交通法の罰則規定により処理されている行為のうち、特に悪質なもの(道路における交通に危険を生じさせる意図的な安全運転義務違反等)について実害が生じない段階においても、捜査機関の権限拡大(緊急逮捕及び警察官職務執行法による現行犯人に対する危害射撃が(やむをえない場合に)可能になるという趣旨で、)に繋がり、より適切な対応が可能になるのではないかと考えます。

最後になりましたが、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

ごめんなさい。私が入力した前のコメント中で、漢字の変換ミスがありました。
(誤) 前期損壊等の行為はもちろん、

(正) 前記損壊等の行為はもちろん、

入力した文字を変換したときは、慎重に確認しないといけないですね。

>No.32 fuka_fuka(イソ弁) さま

部外者が差し出がましいのですが、fuka_fuka(イソ弁)さまのように解釈するには、以下のように「又は」をたすきがけにする必要があるかのように思われます。

第26条
1 高速自動車国道を損壊し、又は高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

>No.33 冨田 稔さま
正確には以下のようにならないでしょうか?

A 高速自動車国道を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
B 高速自動車国道の付属物を移転して、高速自動車国道の効用を害する行為
C 高速自動車国道の付属物を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
D 高速自動車国道における交通に危険を生じさせる行為

冨田さまご指摘のように読解するには、以下のように最初の「若しくは」を削る必要があるかのように思われます。

第26条
1 高速自動車国道を損壊し、高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

sesu@医学生さま
私がしたコメントについて、ご反応されてのコメントありがとうございます。
基本的には、そのような理解でよろしいかと思います。
ただ、高速自動車国道そのものを損壊することは、その効用を害することに直結しますが、
付属物を移転し、又は損壊することは、高速自動車国道の効用を害することに直結しないので、効用を害しない移転・損壊行為について、法26条及び27条の適用を排除するために
(この場合には、原則に戻って器物損壊罪となると考えます。)、このような条文構成を採用しているのではないかと思います。

>No.37 冨田 稔さま

冨田さま、さっそくのお返事をありがとうございます。

>このような条文構成を採用・・・

第26条第1項の条文構成を厳密に読み解けば、高速自動車国道を損壊しても高速自動車国道の効用を害しない行為については、同項の適用はないものと考えますがいかがでしょうか。

sesu@医学生さま
私がしたコメントについて、再度のコメントありがとうございます。

>>第26条第1項の条文構成を厳密に読み解けば、高速自動車国道を損壊しても高速自動車国道の効用を害しない行為については、同項の適用はないものと考えますがいかがでしょうか。

この件については、このように分けて考えたらどうでしょうか。

1 高速自動車国道そのもの(これと一体となってその効用を全うする施設・工作物を含む。)(例えば、道路、トンネル、橋など)
⇒ 高速自動車国道の本質的重要部分
⇒ 損壊されたら、効用を害する(一般交通に著しい支障を与える)ものと認められやすいので、既遂罪として処断する。

2 高速自動車国道の付属物(例えば、街灯、道路標識など)
⇒ 高速自動車国道の本質的重要部分ではない。
⇒ 効用を害する態様の移転・損壊行為に限り、既遂犯として処罰すれば足りる。
(実際には、未遂罪として処罰される。)

この違いは、同法27条の適用に関して現れるものであると考えます。
すなわち、27条1項が26条1項の(既遂)罪を犯し、その結果、自動車を転覆させ、又は破壊した者に対して、十年以下の懲役で臨み、更に27条2項が前項(27条1項)の罪を犯し、その結果、人を傷つけた者には、一年以上の有期懲役、死亡させた者には、無期又は三年以上の懲役で臨もうとしています。
するとどこかで、合理的な区別を付けなければならない。
そこで、高速自動車国道の付属物(非本質的重要部分)については、その効用を害する(一般交通に著しい支障を与える)態様の場合を除き、27条の適用の余地を排除する。このようにして、立法者は、重罰が不適当な事案について、その基となる条文の適用を明示的に排除することで、合理的な区別を付けようとしたのではないかと思います。

例えば、(実際には、起こる可能性が極めて少ないが)高速自動車国道の街灯が1本その車線上に残らない形で、違法に移転した場合で考えると、わかりやすいと思うのですが、この場合、付属物である街灯を移転しても、高速自動車国道の効用を害することは、ほとんど考えられない。しかし、本質的重要部分である高速自動車国道の本線路面を損壊することは、たとえ、ごく一部分であっても、高速度で進行する自動車について、その交通に支障を与えかねないから効用を害したと認められやすい。
このように考えるのがわかりやすいのではないかと思います。

ちょとぉ、待った待った待った待った待ったぁ
というぐらい注意を引く必要がありますので、この表現に御容赦を! (長文です)

高速自動車国道法26条の条文読み(解釈?)を正確にしたいなら、まずは所管省庁である警察庁に聞いたらどうですか。
条文読みは、本来内閣法制局が一番厳しいのですが、聞いても所管省庁に聞きなさいと言われるでしょうから。
その上で話を進めるなら進めてください。

で、私の意見はと言いますと、あくまでも条文読みの法則でいくとですが、
No.31、No.32のfuka_fukaさんが正しい。
No.33以下の富田 稔さん、sesu@医学生さんのは疑問です。

以下に説明します。
1 法律条文では、同格(同等・同位の意味)のものを選択的に並べるときは、まず「a、b、c又はd」という記載になります。
(a・b)が(c・d)の括弧同士が同格で並列し、かつ、括弧内同士で同格・並列の場合は、「a若しくはb又はc若しくはd」となります。
それで、「若しくは」より更に一段落ちるときは用語がなく「若しくは」を繰り返すことになるので、非常に読みにくくなるのです。

読みにくくなったときのコツは、この条文の場合で言うと、「又は」が一つしかないので、その前後で同格のものは何かを見ます。
まず、一番最後の「又は告訴くじ同社国道における交通に危険を生じさせた」(Bとします)に注目し、これと同格を探すと、「高速自動車国道の効用を害し、」(Aとします)になります。

2 次に、「若しくは損壊して」(b2とします)に着目します。
これと同格のものは、誰でも分かる「移転し」(b1)になります。
何を「移転し、若しくは損壊し」となるかといえば、「高速自動車国道の附属物を」です。
結局、「高速自動車国道の附属物を移転し、若しくは損壊し」の全体が(b=b1+b2)となります。

そして、最初の「若しくは」以下(b)と同格のものが、文頭の「高速自動車国道を損壊し」(a)になります。
ですから、{a、b(1+2)}{A、B}となり、
aA、aB、b1A、b1B、b2A、b2Bの6種類の行為が刑罰の対象になります。

3 富田さん引用の文献にある「・・(前略)・・道路における交通に危険を生じさせるとは、前記損壊等の行為はもちろん、その他の行為(例えば物件の投棄)によって、道路における交通事故発生の可能性のある危険な状態を現実に作出することをいう。従って、この罪は、いわゆる具体的危険犯である。」という解説があるということですが、条文読みからいくと疑問です。

この著者は昔の検事さんだったと思いますので、念のため警察庁に聞くことをお勧めします(もっとも警察は広く解釈したいかも・・・)。

例えば、刑法の往来危険罪(125条)は、「鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は」と規定しており、「その他の方法により」という文言が重要になります。
この平仄から行くと、高速自動車国道法26条の解釈・解説は疑問です(元々は道路法99条の解釈が基本)。

なお、「又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた」自体を犯罪行為とするなら、行為が規定されていないので抽象的文言となり、罪刑法定主義の観点からすると疑問が残ります(もっとも「その他の方法により」を入れても大差ないと言えば大差ないが)。

4 富田さんの条文読み(当初)では、aとAとBの3つ(Aの中にb1とb2あって4つになる)が並列的ということになりますが、そうであれば立法技術上は、「a、A又はB」となるはずであり、最初の「若しくは」が不要になります。

つまり「高速自動車国道を損壊し、高速自動車国道の附属物を移転若しくは損壊して高速自動車国道の効用を害し、又は高速自動車国道における交通に危険を生じさせた者は」となるはずです。

5 さらに、sesu@医学生さんは、aAとb1Aとb2AとBの4つではないかと指摘し、富田さんは「そのような理解でよろしいかと思います」と答えています。
もしそうであれば、立法技術上は、「a又はb(b1若しくはb2)してA、又はB」(Aに対してaとbが同格になる)となるはずです。

sesu@医学生さんは、fuka_fukaさんの解釈だと、最初の「若しくは」が「又は」になると言っていますが、それだと最後の又は以下に掛からなくなるので、違います。
sesu@医学生さんの解釈の場合、「又は」の前後が著しく均衡に欠けて違和感があります(前者は行為まで含めて詳しく書いてあるのに, 又は以下は危険を生じさせる行為のみで、何も書いていないに等しい)

6 ま、内閣法制局や警察庁と言えども、昭和27年時点でどこまで厳密だったか分かりませんが。
ちなみに、議員立法の場合は衆議院法制局、参議院法制局が存在し、内閣法制局の厳密さに比べれば用語使いはいい加減と言われています(本件は内閣提出だから関係ないが)。

sesu@医学生さまのご指摘のとおりですね。
堂々と大ウソを書いてしまいました。大変失礼しました。>冨田さま & all

何のことかよくわからないROMの方もまだいらっしゃるかもしれませんので、 「又は」 と 「若しくは」 の用法について。 (出典:「公用文 用字用語の要点」 廣瀬菊雄著、新日本法規出版)

一つの文で、選択される物事が全部並列できる場合は、「又は」 のみを用いる。
選択される物事に段階がある場合は、小さい方の選択の段階に 「若しくは」 を用い、大きい方の選択の段階に 「又は」 を用いる。

これに(正しく)従えば、26条1項の構造は、sesu@医学生さまの書かれたように読むことになりますね。

「Aし、若しくはBをCし、若しくはDしてEし、又はFさせた者は、X又はYに処する」

Aする  ──┐                
BをCする  ┼ →  Eする ┬ → ┬ X
BをDする  ┘          │    └ Y
                    │
Fする   ─────────┘


で、私は以下のように誤読したわけですが、

Aする  ──┐                
BをCする  ┼─┬ → Eする ┬ → ┬ X
BをDする  ┘  └ → Fする ┘    └ Y

こういう構造であるためには、これまたsesu@医学生さまが正確に指摘されたとおり、

「Aし、又は BをCし、若しくはDしてEし、又はFさせた者は、X又はYに処する」
という条文である必要がありますね。


# ちゃんと文献に当たりもしないで、勝手に立法趣旨を読み取ってしまっては駄目ですね。
# 言い訳にもなりませんが、刑法の往来危険罪や道交法違反などの特別法の関係に立つのだから、何かしら手段が限定されているはず、手段限定なしの「危険発生行為一般」ならば刑法125条のように「その他の方法により」とか「手段を問わず」のような修飾がかかっているはず、という思いこみが誤読のもとでした。

あれ?

psqさまのコメントが。。。

私も混乱してしまいました。

すみません、週明けに問い合わせて確認してみます。

(もし偶然にも担当者がここ読んでたらバレバレだ^^;)

>No.39 冨田 稔さま

たいへんご丁寧な回答をありがとうございます。
私のコメントにより、いささかスレ違いに向かいつつある感は否めませんが、ここは条文の読み方の根本的な問題に関わってまいりますので、スレ違いを承知の上で、コメントさせていただければ幸甚です。

まず、私は冨田さまのおっしゃっている趣旨を十分理解しております。
と同時に、私の主張をうまくお伝えできかねている自身の未熟さをお詫びいたします。

私は、現行の高速自動車国道法第26条第1項では、冨田さまのおっしゃるような趣旨に読解したくとも、純粋に文言上の理由から不可能ではないかとお伝え申し上げたかったものです。その理由は、同項の規定には「高速自動車国道を損壊して高速自動車国道の効用を害した者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」と明示されているからである、というのが私の主張です。そして冨田さまがNo.39 にてご主張なさっておられるような運用を図るためには、私がNo.36により提示した文言のごとく、極端にいえば条文の改正すら必要となる旨をお伝えしたかった次第です。
高速自動車国道法の一部を改正する法律
第26条第1項中「若しくは高速自動車国道」を「高速自動車国道」に改める。
と。

法曹界の諸先生方を前にして畏れ多いのですが、法制執務上「又は」「若しくは」、「及び」「並びに」等の使用法は内閣法制局などにより厳格に管理されているはずのものです。これは国民からすれば法文を読み解くための基本的な約束事(ルール)であり、このルールに則れば、条文は原則として一義的な読み方(解釈ではなくて)ができるはずと信じております。そしてまさに第26条第1項は一義的にしか読み取れないはずの条文であり、その唯一の読み方がさきに私の提示した以下の読み方である、というのが私の主張の概要です。

A 高速自動車国道を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
B 高速自動車国道の付属物を移転して、高速自動車国道の効用を害する行為
C 高速自動車国道の付属物を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
D 高速自動車国道における交通に危険を生じさせる行為


「又は」「若しくは」等の具体的な使用法につきましては、上述のごとくfuka_fuka先生が解説されたとおりと思います。我が家にはそれを指南する手引書・法律書はおろか、縦書の図書は皆無に等しいありさまなものですから、これ以上のコメントはご容赦ください(汗)

それでは、今後ともROMの身ながら、諸先生方からのご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

本筋からずれてきてますが、現役行政官をしており、内閣法制局にも通い慣れている立場から、一言コメントを。

高速自動車国道法26条の読み方は、No.43 sesu@医学生さんの
 A 高速自動車国道を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
 B 高速自動車国道の付属物を移転して、高速自動車国道の効用を害する行為
 C 高速自動車国道の付属物を損壊して、高速自動車国道の効用を害する行為
 D 高速自動車国道における交通に危険を生じさせる行為
が正しいと思われます。
理由は、No.41 fuka_fuka(イソ弁) さんのとおりです。

厳密に言うと、「高速自動車国道を損壊する(a)」「高速自動車国道の効用を害する(b)」「高速自動車国道における交通に危険を生じさせる(c)」の3者の関係が、a若しくはb又はcの関係にあれば、最初の「若しくは」がこの「a若しくはb」の「若しくは」に相当し、No.33 冨田 稔さんの読み方が正しいこととなります。

したがって、文字面だけからは一義には決まりませんが、上記のa、b、cの関係はa、b又はcの関係にあると思われますので、No.43 sesu@医学生さんの読み方が正しいと思われます。
正確には、所管省庁たる国土交通省に聞くしかないですが。

所管は国土交通省でしたか・・・失礼いたしました、思い込み・勘違いでした。

>No.40 psq法曹さま

ご指南をありがとうございます。
「又は」のたすぎがけについて、私と解釈が異なるように感じました。

5 さらに、sesu@医学生さんは、aAとb1Aとb2AとBの4つではないかと指摘し、富田さんは「そのような理解でよろしいかと思います」と答えています。
もしそうであれば、立法技術上は、「a又はb(b1若しくはb2)してA、又はB」(Aに対してaとbが同格になる)となるはずです。

「a又はb(b1若しくはb2)してA、又はB」では「Aに対してaとbが同格」にならないと考えます。「a又はb(b1若しくはb2)してA、又はB」に関する私の読み取り方はこうです。
aA, aB, b(b1若しくはb2)A, b(b1若しくはb2)B
つまり「又は」のたすきがけ論です。
同様の使い方が、同項の以下の文言です。
「・・・効用を害し、又は危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」
A 効用を害する者
B 危険を生じさせた者
C 五年以下の懲役
D 二百万円以下の罰金
が、「又は」を2回使用することによって
AC、AD、BC、BDの4型に分類できます。

sesu@医学生さん
あ、そっちのたすきがけですか。
当方、犯罪構成のところしか考えていませんでした。

sesu@医学生さん、現役行政官さん
それはそうとして、もしそのように(ABCDに)分解したら、「又は以下」の構成要件を独立した一つの条文で書いたら、「高速道路において危険を生じさせた者は、懲役5年以下又は200万円以下の罰金に処する。」となり、なんだか抽象的な気がするというのが、私の法感覚です。
もちろんABCは単独条文で書いても大丈夫ですが。

この件は、交通に危険を生じさせた、が適用できそうですね。
しかし、道路上に大きな石を設置すれば舗装面に大きな異変を生じるので、損壊と見る広い解釈が可能にも思えます。

とびズレの続きになりますが、規則が斯くも難解なのは刑法ばかりか法律以外の様々な規則でも同じで、解釈次第で変化が逆転する場合も有るくらい大きいです。

運用する人間が「良く判らん」という悩みを抱え、統一するために様々な話し合いが続く現状ですが。
文書を箇条書きなどの構造にすれば、一段落の文字列より明解になることは容易に想像できます。

法律の文書で箇条書きやリストアップを避けるのは、何故なのでしょう?

>No.47 psq法曹さま

>なんだか抽象的な気がするというのが、私の法感覚です。
おっしゃることは分かります。ただ文言のロジックを追えばそう読める、とお伝えしたかったものです。psq先生の法感覚に私は敬意を払います。もっともこのような抽象的な規定は残念ながら他の法にも散見される気がする、というのが私の感覚です。

>No.44 現役行政官さま
ご賛同いただき、たいへん感謝しております。これから外出の予定がありますので、先生のご指南についてのコメントは後ほど記させていただきます。

>No.47 psq法曹さま

>なんだか抽象的な気がするというのが、私の法感覚です。
おっしゃることは分かります。ただ文言のロジックを追えばそう読める、とお伝えしたかったものです。psq先生の法感覚に私は敬意を払います。もっともこのような抽象的な規定は残念ながら他の法にも散見される気がする、というのが私の感覚です。

>No.44 現役行政官さま
ご賛同いただき、たいへん感謝しております。これから外出の予定がありますので、先生からご指南いただいた件につきましては、後ほど一点だけコメントさせていただきます。

>法律の文書で箇条書きやリストアップを避けるのは、何故なのでしょう?

現役行政官さまの感覚に基づくお答えを待つのがよさそな気もしますが、

私は、「日本語として完結した一文で書ききることへのこだわり」 なのかなあ、と思っています。


私が好きなのは(揶揄として)、道路交通法71条5号の3。

「正当な理由がないのに、
 著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、
 自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、
 若しくはその速度を急激に増加させ、
 又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで
 原動機の回転数を増加させないこと。」
 
 
 
これを一発で、

「やかましく急発進・急加速・空ぶかしをしないようにすること」

と理解できた人は、その日本語センスを自慢できると思います(笑)


さらに余談ですが、英文契約書で多用される "and/or" の表現ですが、
「そんなスラッシュ("/")の入った表現は英語ではない!」
と大まじめに英語学者(ネイティブの)が議論してるそうです。

and/orを使いたがる人を、andorian(アンドリアン)と言って揶揄しているそうな。
and/orで書けるなら、orで十分で(一つ当てはまれば要件を満たす)、この点は日本語も同じか。

また、日本語の「てにをはを直す」という細かい作業を、"dot the i's and cross the t's”(iに点を打ち、tに横棒を引く)と言って、どこの国の法律家も拘りが強い!

>No.51 fuka_fuka(イソ弁) さんのコメント

ありがとうございます「こだわり」有るかもしれませんね。

道路交通法71条5号の3

肝心の、マルボー君が読み取れそうにない(笑)
パクら・・・インスパイアさせて貰います♪

>"and/or"

これもね〜、仕様書やISOにも有りますね、ムリやりコジツケ解釈な感じが♪
同義語の意味なら‘=’の方がましですし。

psq法曹さま、fuka_fuka(イソ弁)さま、sesu@医学生さま、現役行政官さま

 もともとは、私の素朴な疑問から始まった議論にご参加いただき、誠にありがとうございます。
 
 たしかに、よくよく高速自動車国道法の条文読み返してみると「高速自動車国道を損壊して、その効用を害する(=一般交通に著しい支障を与える)行為」とより限定的に考えるほうが既遂となる時期が遅れるため、未遂減軽の(裁量的(中止未遂なら必要的))恩恵を行為者が受ける機会が増えるので、理論的には、その解釈のほうが良いのかも知れません。但し、実際問題としては、現実に供用されている高速自動車国道の本質的重要部分が損壊された場合に、なお、その効用を害しないことがあるのか?という疑問はありますが。
 ただ、いまだに、本件において重要なのは、「高速自動車国道における交通に危険を生じさせた」の要件ではないかと考えています。
 私は、この規定は、高速自動車国道又はその付属物に対する移転・損壊行為では、捕捉することができない安全阻害行為であっても、交通事故発生の可能性のある危険な状態を現実に作り出す行為を処罰することにより、高速自動車国道における交通の安全を図ることを目的としている。
 すなわち、最後の砦の役割を有しているものであると理解しています。

 この件では、被疑者は、「事故を起こさせたかった」と供述していると報道されています。(不利益供述の任意性及び信用性の問題は、さておき)
 高速自動車国道を運行する自動車は、他の規制がなければ、最高100km/hの速度で進行することができます。これは、ローカル線の鉄道よりも高速です。このような高速で進行する自動車に向けて物件を投げつけたり、無謀な運転により接近したりした場合、交通事故が起きる可能性は、通常に比べて、はるかに跳ね上がります。そのことは、一般人が普通に考えれば、容易に想像することができるはずです。
 刑事実体法の被告人に不利益な類推適用は、厳禁されていますが、本件では、既に高速自動車国道法という実体法があり、その構成要件は、本件に適用するのに支障があるとは思えないのです。
 その点をご考慮いただければとありがたいと思っています。

あっ。またやってしまった。
ごめんなさい。私が入力した前のコメント中で、入力ミスがありました。
(誤) 高速自動車国道法の条文読み返してみると
     ↓
(正) 高速自動車国道法の条文を読み返してみると

投稿前の確認は、慎重にしないといけないですね。

>No.44 現役行政官さま

厳密に言うと、「高速自動車国道を損壊する(a)」
「高速自動車国道の効用を害する(b)」
「高速自動車国道における交通に危険を生じさせる(c)」の3者の関係が、
a若しくはb又はcの関係にあれば、最初の「若しくは」がこの「a若しくはb」の
「若しくは」に相当し、No.33 冨田 稔さんの読み方が正しいこととなります。

現役行政官先生、ご指南ありがとうございます。
上記のご助言に対し、僭越ながら私の個人的見解を述べさせていただきます。
私は法文というものは極力無駄を削いだストイックなものと考えております。先生ご指摘の「a若しくはb又はcの関係」では、「a若しくはb」と「c」とが対等な関係として扱われることとなります。しかし、この構文ではなんら「若しくは」が積極的意味を形成しておらず、当該用語の無駄遣いとなり使用の必然性が認められません。なぜなら当該用語がなくても文意に差は認められず、まったくの非機能性言語と化しているからです。もちろんこれが「及び」であったなら文意はともかくその機能するところは理解できます。恐らくはこうした「若しくは」の用法を許容している手引書はないのではないか、というのが私の見解です。さらには内閣法制局の審査を通った法文中にも見受けられないのではないかと想像いたします。
そこで、この「若しくは」にはやはりそこに居座るべき必要不可欠な機能があったものと考えます。そしてその機能がまさにaが他の何者かと同格であることを指し示す示標となることだったと考えるのです。つまり高速自動車国道を損壊することが、高速自動車国道の附属物を移転したり損壊したりすることと同格である旨の主張をする必然性があったという思考です。これこそが当該「若しくは」の正当な役割ではないでしょうか。少なくとも本項は文字面のみから一義的に解読可能と考える所以です。もっとも、このような見解は現役行政官先生のご考察とさほど違わないものであったのかも知れません。

>No.48 MultiSyncさま

法律の文書で箇条書きやリストアップを避けるのは、何故なのでしょう?

法文には、一文字たりとも無用な字句を費やさぬというストイックな精神が秘められているから、のように感じております。
 
 
法文はロジックですから、「又は」「若しくは」等のルールに則り、内閣法制局が刻み込んだこれらの示標を丹念に追っていけば、本来、原則的には一通りの読み方しかできないはずだと信じております。逆にいえば二重の意味に読み取らせない法文を書くことが立法技術者の手腕で、この点で私はみなさま以上に内閣法制局の技量に対する妄信的な信奉者なのかも知れません。
翻って、ロジックこそ医療側と法曹側の双方が相容れることのできる共通言語だとも認識しております。そこには価値観の相違や不確実性の入り込む隙を極力排斥せんとする作用があります。「a又はB」といえばaとBは同格なのであり、一義的には、これらaとBの中身が同格に相応しくない、といった価値観は一切排除されてしかるべきです。平易な日本語に例えるなら、「aはBである」という際の名詞aが主語とされるのが日本語のルールです。aの中身が主語に相応しくないといった価値観は通用しません。(もちろん例外もあります。)
これに対し、各省庁が定める省令・通達の類いにはいささかのローカルルールが見受けられるような気がいたします。したがってやはり法文のテクニカルな作法は内閣法制局に確認することが理想的と思われます。もっともこうしたルール(「又は」「若しくは」の用法等)は法律で明示されているわけではありませんから、どこまで法文の具体的内容にルールとしての強制力を有しているのか、はなはだ疑問に思うこともあります。

この3人、ここまでやると器物損壊や列車往来危険というより「テロ行為」では?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070622-00000301-yom-soci

>No.52 psq法曹 さん
>>and/orを使いたがる人を、andorian(アンドリアン)と言って揶揄しているそうな。
>>and/orで書けるなら、orで十分で…
プログラマの先輩からは、仕様などでの「論理or」の対外的使用は厳禁され、必ず「and/or」と明記するよう指導されました。
「日常日本語」の「または」は「論理or」と「排他or」が混用されて区別も不明瞭、日常語らしい自然な言い回しに合わせたところでトラブルの元にしかなりませんでしたから。
「ティーorコーヒー?」に「両方!」と答えて異常者扱いされなくなったのは、ファミレスのドリンク・バーが当たり前になってからじゃないですか?
それにしても「アンドリアン」とは顔色蒼そう…で髪も真っ白?

No.58
ハハ、プログラマーの世界は知りませんが、これは法律(英語圏)の世界の話ですので、気になさらないように。

法律は、列挙した事項・要件に一つでも該当すれば効果が発生・消滅するのが普通で、仮に5つの列挙うちの二つに該当しても余り意味がなく、orが原則になるというわけです。

すべてに該当して初めて効果が発生・消滅するならandになるわけで、こちらは範囲が明確になるので、それ以外はorになるという理屈。

法曹・法律の世界は世の東西を問わず、理屈やうるさ型の人間が多いわけですな。

法律相談へ

ブログタイムズ