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刑務所行き希望の64歳男、留置場で同房者の首絞める(2007年8月15日10時18分 読売新聞)

 刑務所志願のために殺人未遂を犯したということになりますと、かなり深刻な問題を提起します。

 刑務所志願の犯罪といいますと、典型は無銭飲食なんですが、この男は窃盗→自首で捕まったようです。
 この程度ですと、困ったやっちゃな、というレベルの話なんですが

 調べによると、碓氷容疑者は14日午後10時ごろ、同署留置場の同房で寝ていた男性(30)を殺害しようと、ひも状にした布団カバーで首を締めつけた疑い。男性は軽傷を負った。

 ここまできますとそうは言ってられません。

 調べに対し、碓氷容疑者は「以前、刑務所にいたが、食事もあり、生活が安定している。重い罪を犯して、また刑務所で暮らしたかった」と、供述しているという。

 こういう人間を相手にしますと、刑務所の処遇を改善するのも考えものだという意見が出てきそうです。
 刑務所は、本来は入りたくないところでなくてはならないはずです。
 しかし、入りたくないかどうかは結局塀の中と外の比較の問題になってしまいますので、刑務所の処遇を改善すればするほど比較が逆転してしまう人が多くなってきます。

 緊急避難的な刑務所志願というのは理解できなくもないのですが、長期間の服役を自ら望み、しかもその手段として他人の命を奪ってもかまわないという人が増えてくるとたまったものではありません。

 今回は幸い軽傷の未遂ということですが、最悪の事態が生じていたとしますと、死刑を視野に入れるべきではないかと思います。
 本気でシャバより刑務所の中がいいと思っている人に対しては、絶対的終身刑も抑止力としては無力です。

 もっとも、この問題は行刑つまり刑の執行のあり方より社会政策の問題として解決されるべきだと思います。
 どんなに刑務所の中の処遇が改善されたとしても、やっぱり塀の外のほうがいいという世の中であるべきです。

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コメント(8)

死刑必要な理由でも有りますね。

問題が深刻で、社会政策の充実が欠かせませんが、外国人犯罪対策も必要なのでは?

実際、大陸では簡単に死刑でも、日本国では凶悪犯罪者がぬくぬくと収監され・・で

刑務所が苦にならない傾向は支那やブラジル人にも強いと想像できます。

還暦過ぎた大人が、なんと短絡的な・・・と思いましたが、恐らく

 もっとも、この問題は行刑つまり刑の執行のあり方より社会政策の問題として解決されるべきだと思います。
 どんなに刑務所の中の処遇が改善されたとしても、やっぱり塀の外のほうがいいという世の中であるべきです。

と言う部分に関わる要素が、なにがしかあるのでしょうね。

「刑務所の中よりも生きにくい社会」なんてブラックジョークにしてもタチが悪すぎますが、日本の世の中は(北九州の「おにぎり食べたい」餓死事件とか)そういう状況に立ち至りつつある――少なくとも、そういう「階層」は既に発生している――のでしょう。
福祉や厚生・保健分野の問題を、社会防衛の一環に位置づける見方も、功利主義的な世情にあっては必要かもしれません。

>死刑必要な理由でも有りますね。

なぜそうなるのでしょう。刑務所志願者がいるから死刑が必要である、というのは論理的ではないですね。ちなみに日本は他の先進国とは違い死刑制度が廃止されていませんから、死刑判決を受ける程の凶悪犯罪者が「ぬくぬくと収監され」ている、なんてことはないでしょう。まあどちらにせよ、死刑制度を存続させる合理的な根拠が存在しない以上、いつまでも前近代的な価値観に執着する必要はないように思います。

ちょっと、問題発言かもしれませんが、2006年1月に起きた下関駅放火事件の犯人に関して、洒落にならない話も有るようなので、この事件も似たようなケースの可能性は無いのでしょうか?

その場合、刑罰を厳しくする/緩くする、刑務所内の待遇を変えるだけでは、対処できない(再発防止には役に立たない)と思います。

>この問題は行刑つまり刑の執行のあり方より社会政策の問題として解決されるべきだと思います。

そのとおりなんですが、社会保障経費(公的扶助など)は予算が底尽き状態で、本件のような方々の社会内処遇を図る政策立案も現状制度の利用拡張も困難を極めます。
これから冬に向かって、路上生活者の寒さしのぎ対策を思うと頭が痛いです。警察〜刑務所は、とにかく屋根付き布団と食事と風呂があるので、寒空のすきっ腹だとよからぬことを考える人がいます。
そして、暖かい房内から出たくないと警察の代用刑事施設や刑務所の中で再犯に及ぶ方もまれにいらっしゃいます。(+_+)

万年下っ端プログラマさんの「洒落にならない話」については、私も話に聞いています。

軽度知的障碍者は社会に出そう・社会の中で生活しようというのが福祉の流れです。

そして自立支援法が出てきたのですが、軽度知的障害者達の中には、障害年金ももらえないほど軽い人々も多いのです。そういう軽い人は施設に入れるほど重度ではないわけです。
親が亡くなると孤立無援になりかねない存在でもあるのです。

障碍者が長じて社会に出るということは、援助者がいないとたちまち無一文で孤立することになるのです。なぜなら、彼らの心は幼いので、色々とだまされる確率が非常に高いからです。

そういう彼らが空腹から万引きなどを起こしてしまい刑務所に入る。そして、唯一の居場所が三食の食事と温かい屋根の下を保証する刑務所となるのは当然です。

そして犯罪を起こす人々の中には、人を死なすことと、万引きをすることの、罪の重さの差は、残念ながら理解できません。あまりに高度で抽象的な事柄だから、理解できないのです。

福祉の分野からも、厚労省は財源をせっせと削っているのですよね。だから、軽度知的障碍者のセーフティーネットがなかなか構築できないのが現状です。

本件のような状況は、高齢の累犯者、特に窃盗の累犯者に非常に顕著です。
刑事施設や刑務所の処遇に対し、度々非人道的であるとの非難を行う内外の人権活動家の皆さんにあっては、堀の中より非人道的な現在の日本の社会に対しても、積極的に批判してもらいたいものです。

No.6 ばあばさん
これはあまり報道されていないのですが、近年構成員不足に悩む暴力団が、軽度知的障碍者を言葉巧みに組織に組み入れる状況が多発しています。
彼らのほとんどが前科前歴を有さない上、指示に忠実に従う傾向があるため、警察にマークされにくく扱いやすい、そして万が一警察に逮捕されても、組織の幹部まで追求されることがない捨て駒として使われています。
警察もこれを問題視しているのですが、彼らは衣食住を保証する組織から自発的に離脱する意思がないため、脱会させる事ができない状況です。

私は精神科病院の事務として勤めています。その前は、急性期病院や老健などでも働いていました。

国は自立支援法という新しい法律を作りましたが、これは実際には利用する障がい者の負担を増やし、財源を減らすためのものと言わざるを得ません。
精神障がい者の方々に対しても、国は病床を減らす計画を既に公表し、精神科病院ではその具体的な対応を検討しています。障がいのある方々に対して、適切な支援体制がとられ、社会と共生することは我々医療者側の望みでもあります。従って、病床を減らすこと自体については反対ではないのですが、そのためのセーフティーネットが不十分な中で、障がい者の方々を社会の中に出すことで、感熱紙さんやばあばさんの仰るようなことが起こるのだと思います。
当院へ通院している患者の中にも、やはり騙されて金銭トラブルを抱えている方も多くいます。人の話を簡単に信じてしまう傾向の方も多く、それを知って騙そうとする輩が多いのも現実です。また、いまだに障がい者に対する偏見も多く、社会と共生しているとは言えない状況です。

精神科の病棟の中では様々なことが起こります。そのため、一般病院や老健などではほぼ認められなくなった「抑制」ということも行います。これは、自傷他害の恐れがある場合に限られていますが、その目的は「他人を傷つけない⇒患者を加害者にしない」ということです。
被害者を作らないことは重要ですが、病気や障がいのある方々を加害者にしないという観点でのセーフティネットの構築が重要なのではないでしょうか。

医療・介護の世界の中にいると、患者・利用者の苦悩は勿論、その家族の苦悩も目の当たりにします。しかし、国の制度に大きく左右される業界にあっては、中々患者側にとって最適な支援が出来ないという現状に突き当たります。
財政諮問会議では、財政面ばかりから議論が行われ、来年度も2200億円の社会保障費の削減が決まっています。しかし、被害者を作るらない=加害者を作らないためにも、省庁の縦割り行政ではなく、厚生労働省と警察庁などの横の連携が必要なのではないでしょうか。

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