エントリ

今枝仁弁護士のコメントの転載」のはてなブックマークのコメントに以下のようなものがある。

「私自身のスタンスを変更する必要を認めておりません」転載しておいてなんだそりゃって感じ。橋下弁護士は論外だが、矢部善朗のダブルスタンダードな態度もおかしい。懲戒請求を扇動している側の態度の方が政治的。

 光市母子殺害事件の弁護団に関する問題は決して一つではない。
 ただでさえいくつかの問題があって複雑なのに、橋下弁護士が懲戒請求を扇動したものだからさらに問題が錯綜している。

 これまで批判の対象になったものを思い浮かぶ範囲で指摘すると
   最高裁弁論期日の安田弁護士らの欠席問題
   被告人の供述変遷の理由
   殺意否認に関する主張の説得力
   弁護団の記者会見のあり方
   弁護団の弁護活動は懲戒理由になるか
   弁護団に対する懲戒申立またはその扇動は損害賠償請求の根拠になるか
   総括的な問題として、刑事弁護とはどうあるべきか
などなどである。

 以上のそれぞれは関連はするが独立した問題を含んでいる。

 従って、ある問題については弁護団を批判し、ある問題については橋下弁護士を批判し、ある問題については弁護団(の一部)の意見に同意し、ある問題については橋下弁護士に共感するということは当然あるのである。

 そのような問題の切り分けや分析をしないで(またはできないのに)ダブルスタンダードなどと批判するのは自己の無理解を露呈しているだけということがわからないのだろうか。

 それ以前の問題として、弁護団を批判している者(つまり私)が弁護団の一人の見解に同意できる部分を見つけてその意見を転載することがなぜダブルスタンダードになるのだろうか。
 これをダブルスタンダードになるというのは、要するに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というのと同じで、
単なる感情反応(このブログの流行語に従えば脊髄反射)に過ぎない。
 物事を善と悪、右と左などというように2項対立でしか捉えられない発想の表れと言えるもので、そのような発想は物事の客観的かつ正確な認識と理解を妨げるものである。

 なお、末尾の「懲戒請求を扇動している側の態度の方が政治的。」の意味するところは理解できない。
 「政治的」というのは、より好ましいという意味なのだろうか?
 

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コメント(17)

最近テレビ見ないんで正確ではないかもですが
橋本弁護士による懲戒請求のススメの骨子
「差し戻し審弁護団の主張が真実なら、
一審二審弁護団は被告人の主張を無視したことになり、
一審二審弁護団が正しいのなら
差し戻し審弁護団はウソを並べ立てていることになる」
という論理は大筋では崩れていないと思います
(橋下氏自身が既にグダグダだそうですが見てない)
今枝弁護士が自分らはウソを言ってないというのは
当然でありましてそれなりの根拠らしきものもあるそうで
ここは一審二審弁護団の見解も知りたいです
で、今枝弁護士が伝える一審二審弁護団の方針
「下手に争って死刑のリスクを高めるより、反省の情を示し無期懲役を確実にする方が得策」
これが法曹界の常識だとするなら 世間の人間は困るわけです
事実関係を詳しく争うと死刑の確率が上がるような客観性の無い裁判官もヘンだし 弁護側の戦術に「どうせ後から都合が悪くなってから言い出せばええし」という計算があるんじゃないのと素人は思うわけです。そして、今枝弁護士が、
「このように、弁護人の主張はスルーされるわけでもなく、法廷では事実が証拠に基づき主張が激突しているのです。」
とおっしゃられても、
「何でいまさら」
というのが世間の大部分の人間が思うことです
これはまぁ弁護士の問題というよりは制度の問題ですから
刑事訴訟法を改正してでもなんとかしていただきたい。
そういう意味で今回の件は悪しき前例となるべきです。
弁護士に限らず法曹の皆さんは裁判の遅さに平気すぎるです。
一審二審でなんぼでも時間無制限で言いたいことを全て言ってけっこうですから、後から「あれは違った」というのは無しにして、そういう制度の前提で被告人に最善と思われる弁護をしていただきたい。

わたくしの意見は世間の大多数から そんなにズレてないと思うし、今枝弁護士の説明を読んでも解消されてない話と思います。言及しきれないほどこの件の問題点が多すぎるだけなのかもしれませんが。

光市母子殺害事件に関してはピュアな私ですが、いのげさんの書き込みを読んでると、法曹の方が医療者に向かって「事実隠蔽体質」とか「かばい合い体質」とか批判することに、ちょっと違和感が出てきました。

安田弁護士の最高裁欠席問題を強く批判しましたが、その後については何も意見を述べていません。

基本的には「こういう判決で無ければならない。それ以外は認められない」といった主張を組織的に行うことに反対です。

裁判で争う双方が相手の弱点を見つけて自分の側を有利にしようとするのが当然のことで、その中には奇策もあり得ます。

その結果を批判(評価)するのは当然ですが、事前に「前回の奇策はけしからんから禁止しろ」とか「奇策を用いる弁護士は排除しろ」というのは、かなり恐ろしい事です。

その意味で、裁判の進行の個々の段階を通過する以前に批判すること自体に反対です。

後になってから「考え方としておかしい」とか「学問的に問題だ」と批判するのは大いにやるべき事でしょう。

この「事前・事後」をきっちりと分けるべきではないのか、と強く思います。

なんというか、僕含め、皆弁護士って職業を誤解していたんじゃないかと思いました。弁護士ってその名の通り、ある一人の人を弁護する、ただそれだけ(言葉悪いですが)の役割しか予定されないし、しちゃいけない人なんでしょうね。

弁護士を医師とするならば、患者は弁護士が「施術=代理」を行う人。つまり、民事なら当事者の一方、刑事なら被告人を指し、弁護士が護る倫理って言うのは、基本、患者=被告人の利益にかなう行為をする、ってことになる。だから、医者の医療過誤や隠蔽体質とは同列に語れない。

医師というより、「弁護士はボクシングのセカンドだ」って言ってくれた方がわかりいいです。これなら、「被害者のことを考えないのは当たり前」も、青コーナーのセカンドしてる人が、対立する赤コーナーに利益のある事を考えるのは変、って感じですっきり納得がいきます。

そりゃ明らかに八百長はダメでも、変なダッキングして相手選手の攻撃を回避しようとする分には、問題ないでしょうし。それを見た外野が、「青コーナーの亀●の戦い方は気にいらねー」と思っても、「普段、あいつの指導してるセカンド処分しようぜ」ってのは飛躍があると思います。

僕は、このブログを覘くようになってから、裁判とは大岡越前張りの正義のお裁きの場ではなく、裁判官というレフェリーの前で、当事者がガチンコでぶつかり合って、必死に勝敗を決するボクシングなんだと理解するようになりました。刑事ではたまたま赤コーナーが検察=国になるだけだと。そして、刑事では設備も整っている大型ジムの選手が相手だし、観客の罵声も通常の三倍になる。この比喩が適当かどうかは知りませんが笑、このように考えるようになってから、法曹関係者の方が強調する、手続き保障の重要さもスッと入ってくるようになりました。

なんだか、司法全般に、「絶対的な正義」という幻想を持っていたのかもしれません。それがある面では危険なことも知らずに。

ここ1週間くらい記事を読み、勉強させていただいてます。
初めてコメントいたします。

はてなコメントの「懲戒請求を扇動している側の態度の方が政治的。」の意味ですが、わたしがこのコメントを書いたわけではありませんので推測に過ぎませんけども、次のような意味じゃないかと思うんです。

『弁護団は死刑廃止のアピールに光市裁判を利用している、という意見があちこちで見られますが、
むしろ懲戒請求を扇動している人たちこそが光市裁判を政治的に利用しているのではないか。
光市裁判において一見突拍子もない弁護団の主張を喧伝して懲戒請求を煽り、安田さんを初めとする死刑廃止派の弁護士を攻撃しようという魂胆だろう。』

まあ確たる根拠もないわけですが、わたしもそんな印象を漠然と持ってますので、はてなコメントを書いた人の気持ちは判るような気もします(ダブルスタンダード云々についてはまったく外れたコメントだと思ってますが)

「死刑廃止運動に利用してる!」という意見が根拠が薄いままマスコミやネットで一気に流通してしまった様子は、イラク人質事件の「自作自演説」が広まった様子に似てる気がします。

本筋とは離れてますかね。
失礼しました。

>これまで、彼ら弁護団に対する3900件の懲戒請求に匹敵する数の、メール・ファックス・電話でご支援のお言葉を頂戴しました。本当にありがとうございます。
今度は、その皆様の声を、裁判所に提出させて下さい!!!

上記は9月 7日付けの橋本弁護士のブログからの引用ですが、政治家の選挙演説みたいなだなあ…と感じました。
それをもって、その方は「懲戒請求を扇動している側の態度の方が政治的。」とおっしゃっているのではないでしょうか?

「弁護士のため息」の管理人さまにお願いして今枝仁弁護士のコメントを転載されるキッカケを作った者として、昨日からの盛上がりには驚くばかりです。

最初に私が今枝弁護士のコメントを読んだとき「この弁護士は凄く真面目な方なんだなぁ」という印象でした。弁護団の一員でありながら安田弁護士の戦術(欠席や記者会見等々)の全てに共感しているわけではない。そのことを気取らずに表明している、だから信頼できる人柄だと思ったのです。

ただ今枝弁護士個人の人柄への評価と、安田弁護団全体の法廷戦術への評価は別の次元の話です。まさしくモトケン先生の言われる通り一つ一つを分けて考え、冷静に、かつ論理的に評価するべきです。

十把一絡げの議論はしないように自戒したいと思います。

タロ様>
   私も素人ですが根拠が全く無いとは思っていないのです。安田氏か宮崎学氏のプログを検索していましたら
安田氏&宮崎氏&魚住氏の対談が載っていました。
3者の話では「この様に裁判がイケイケドンドンで早く結審したら民主主意の崩壊に繋がる・・・最高裁の判事が辞めるのが1月後だから・・・・その後にするか・・」
そして安田氏は韓国の死刑廃止運動に積極的に参加されています。
記憶が悪いのでどこの記事だった定かではないのですが
最高裁で差し戻しになったら国選弁護士が付くので結審が早まるはずだっのだけど安田弁護士が出てきて裁判を一階まで戻した・・・本当は4段まで上がっていた。7年間かけて。

で、素人ですが安田弁護士は引き伸ばしをかけたのですから
死刑廃止も絡めての事と思っていました。

 ネットや現実社会の一部では、社会事象を「勝ち組・負け組」や「批判派・擁護派」や「プロ・コン」という二者択一思考に収斂されるだけの方が見受けられます。
 そういう方は「総合評価」や「是々非々」や「複数問題混合の分類」という判断思考ができない(しない)方なので、グッと怒りを堪えて、粗雑な思考や感情的善悪二元論はスルーした方がいいと思います。
 また、死刑判決批判や弁護=死刑廃止論者とか、匿名=卑怯者とか、公務員=税金浪費集団とかレッテル貼りで思考停止をされる方もいますので、やはりスルーして、正面から思考や議論の王道を粛々と進める方が生産的な気がします。

オードリーさん
お返事、ありがとうございます。
「安田氏&宮崎氏&魚住氏」でネット上を検索してみました。いろいろな議論が読めてとても参考になります。
検索の過程で元外務省の佐藤優さんの話なんかも興味深く読めました。

安田さんが死刑廃止を唱えて活動されてるというのは分かりますし、法廷戦術に批判があることも分かります。
が、それをもって今回の裁判を死刑廃止運動のアピールのために利用している、と推測するには少し根拠が薄いように思われるんです。
弁護団には死刑廃止を考えてない人もいらっしゃるようですし、少なくとも裁判上で死刑廃止を主張されたこともないようですので。

もしかすると「死刑廃止すべきだと考えているので、死刑になりそうな被告人を弁護する」という感じで、弁護団に参加する動機になった人もいるかもしれません。
しかし動機が何であるのか、と裁判を利用する、というのとでは違うことですし。

一生懸命に考えて書いてますが、支離滅裂気味。。。ですかね。オードリーさんへのお返事になってるかどうか心配です。

でも死刑廃止すべきかどうか。私自身もいろいろ迷ってるところがありますので、それに絡むことを書くと、文章まで右往左往してしまいます。

今回の弁護団の行動にどういう印象を持つか、理解を持つか、とともになんだか一方的なマスコミの扱い方に違和感を持ってしまうんですよね。光市裁判については。

タロ様>
    レスありがとうございます。一生懸命、考えておられるのですね。私もシロ−トで解りません。でも考えて答えを欲していたら自然に必要な情報を引き寄せる事ができます。丸山明宏氏の必然というのでしょうか(--;

モトケン先生は他の方のプログに今回の弁護団は故意的に裁判を遅らせた・・・趣旨のコメントを載せられていました。(先生、間違っていたら訂正してください)

このサイトでも勿論ですが先生を検索したら沢山、モトケン先生の書かれたりしているのが見つかります。00大学の刑法の先生ですからとても勉強になります。
タロさんは自分の頭で考え様としておられますから偉いです。普通はどこかの受け売りを自分の意見を言うのが多いで
す(私の事ですが・・・)

タロさんが少しずつ資料を集められご自分で真理をみつけてくださいね。

私としてはマスコミ報道は半分の耳でしか聞かないつもりですけど。

  
モトケン先生はどの人の持論でも自分のイデオロギ−の観点
からみて正しいと思う部分があると先日かかれていますよね。(先生、間違っていたら訂正を)
マスコミ報道に関して近頃は殆どマスコミで見かけ無くなった森田実氏を検索してみてくださると嬉しいです。
MORITA RESEARCH INSTTTUTE CO.LTD に沢山 書いてあります。
参考に。

頑張って勉強してください。応援しています。

追伸 タロ様>
      モトケン先生は今回の裁判を弁護団がおくらせた。・・・とだけ言っておられるので死刑廃止を絡めてとは全く言っておられません。(プログ:一寸の虫に五寸釘)


私個人の考えで絡んでいると判断したまでです。

>No.9 ハスカップ さん

 亀レス気味ですが

 このエントリの本当の宛先は、件のはてブコメントの主ではありません。
 はてブのコメント全般などを見ますと、同じような考え方をする(していた)人の中に説明すればちゃんと理解してくれる人がたくさんいることが実感できます。
 もっとも、刑事弁護を理解する根拠となったのが、私のエントリではなくて今枝弁護士の投稿であったことが悔しいというかうらやましいというか(^^;
 やはり、当事者の強みでしょう。

>グッと怒りを堪えて、
 
 怒りにまかせて書いたのではありませんよ。
 匿名のくせに実名の他人を呼び捨てにするところはムッときましたけどね(^^; 
 

モトケン先生。横合いから失礼いたします。

>もっとも、刑事弁護を理解する根拠となったのが、私のエントリではなくて今枝弁護士の投稿>であったことが悔しいというかうらやましいというか(^^;
>やはり、当事者の強みでしょう。

 私は、モトケン先生達の刑事弁護という職務の説明を聞いた上で今枝弁護士の投稿を読んだおかげで弁護団への怒りが治ってきています。改めて怒りは被告に向け直しました。
 
 モトケン先生達の説明を聞いて「それが職務だ」ということは理解できましたが、弁護士先生達に向けた怒りが何故か感情面で今ひとつ治らなかった。それは「当事者の弁護士の人たちは、少なくとも起こった事件(本村さんに対してを含む)に対してどういう気持ちで弁護してるのだ?」とどこかで思ってたんでしょうね。別に納得したくて読んだわけではないですが、今枝弁護士の弁を聞いていて、「裁判での主張が正しい」とは思って無かったのに、妙に感情が抑えられて怒りの矛先が違うという正論をどうにか「私は」納得できましたから。
 
 要は、「自分の身内が同じ目に会ったら」と言う人が、仮に「当事者弁護士の気持ち(感情面)」を知りたいと思ってるとすれば、当事者以外の人どれだけ理論上正しいことを言っても納得できない人は納得できないと思うんですよ。知りたい気持ちは当事者にしか分からないので。
 
 さりとて、「当事者」に「刑事弁護の職務」と「自らの弁護行為が如何に正しいかを」
「感情面の考慮抜きに」切々と語られたら、「言ってることに理屈の矛盾が無い」ことと、今までの報道のやり方、事件の性質等から却ってムカつくと思いましてね。

 だから、「刑事弁護の職務」という正論をこのブログで聞いてから今枝弁護士の本音を少し聞いたおかげで「私は」整理がついたと思いました。良い勉強になりました。
 
 これ、このブログを見ず(刑事弁護の職務の整理が全くつかない状態で)にいきなり今枝弁護士の弁を聞いた場合、「パフォーマンスだ。本当にそう思ってるならそれこそあの被告の弁護など出来るわけがない」と思う人も出る気がします。
 
 第三者の弁と当事者の弁。両方聞いて判断するのは大切だとつくづく思いました。

>ばりん さん

 コメントありがとうございます。
 誤記があるようでしたので、勝手ながら直しておきました。

No.13
日本古来の慣習から言えば、呼び捨てにしていいのは、歴史上の人物、政治家、芸能(古典、落語、タレントなど)、スポーツ選手、社会に認知された有名人などです。

ということは、矢部善朗、は上記のいずれかに該当したと考えると腹も立たない(笑and謝)。

> モトケン先生
> 誤記があるようでしたので、勝手ながら直しておきました。

今思いましたが、誤記って多分今枝弁護士の名前を間違って書いていた気がします。失礼極まりないです。
修正ありがとうございました。そして、要らぬお手間を取らせて申しわけ有りません。

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