エントリ

富山の冤罪男性、再審で無罪 女性暴行で逮捕・服役(asahi.com 2007年10月10日15時58分)

 結論は既に決まっていた判決なんですが、無罪となった柳原浩さんには不満が強く残る裁判だったようです。
 さきほど見たテレビのニュースでは、裁判官の最後の言葉に「むかついた。」と正直な感想を述べておられました。

弁護側は、県警の高圧的な取り調べが柳原さんを自白に追い込んだと主張。捜査の経緯を解明するため、取り調べを担当した警察官の証人尋問などを求めたが、却下された。

 問題はここなんですが、
 たしかに訴訟的には裁判所は結論(無罪)を出すのに必要のない証拠調べをする必要はないのですが、裁判長自身が「失われた時間は取り戻せない」と言っているように、回復不能な理不尽な冤罪被害を受けた柳さんの納得というものも考えるべきではないのかな、と思います。

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コメント(56)

外形面は異なりますが、横浜事件の再審を連想しました。

制度的な判断からすれば誤りがあるわけではないのですが、その訴訟の意味合いとか位置づけと言うものに対して、裁判所はもう少し気を使ってもいいのになぁと感じたのも両裁判に共通です。

今回の再審において、被告弁護側は取り調べを担当した警察官を証人尋問して、冤罪の背景となった高圧的な取り調べの実態を明らかにし、加えて被告人の柳原さんの受けた精神的苦痛の深さに対し、警察または検察側から何らかのお詫びとも受け取れる反省の言葉を引き出したかったのでしょう。

しかし、富山地裁高岡支部の藤田敏裁判長は、「犯人でないことは明らかで、犯罪の証明はない」ことを審理で明らかになれば無罪を言い渡すのに充分であり、それ以上の審理の必要性は無いとお考えになられて訴訟指揮をされた。

その結果、警察官の証人尋問が行なわれなくても犯罪が無かったことを充分証明出来る、と藤田敏裁判長ほか計3名の裁判官は判断されて弁護側の請求を却下した。言い換えれば、県警の高圧的な取り調べにより柳原さんが嘘の自白に追い込まれ、その結果として柳原さんが受けた冤罪による服役という精神的苦痛の評価については、再審法廷での目的ではないから証人尋問は不要という論理なのでしょう。

確かに再審で無罪判決を導くのに、柳原さんの精神的苦痛を審理することは不要なのかもしれない。でも、それならば裁判長が「無実であるのに有罪判決を受けて服役したことを、誠にお気の毒に思っています」などと慰めの言葉を述べる必要は無いではなかろうか。それよりも「被告人の精神的苦痛の審理は当法廷の責務ではなく、別途国家賠償請求訴訟等にて審理されるべきである」などと木で鼻を括った判決文とした方が、理に適っている分だけまだしも被告弁護側は納得できるのではないかと思う次第です。

最後に付け加えた裁判官の同情というか慰めの言葉はかえって白々しく感じます。

 今日判決があったんですか。こちらで初めて知りました。人違いだけに、簡単に済んだようですが、根深い諸問題がありそうです。
 原審の弁護人のあり方にも、疑問の声が上がっていたようですが、光市事件とは比較にならず、この判決のニュースもさほど大きくは取り上げられず、世間の関心も低いように思われます。

無罪で服役した方に、犯罪行為がなかった認定の裁判で、慰めを贈るより事実を明らかにする機会を贈る方がよほど優しいと思います。
刑事裁判の無謬性を守って、結果として誤謬の悲しさを際だたせたと言ってはきついでしょうか。

こういった冤罪の報道がされるたびに思うことは、
もし自分がこの裁判の裁判員で会ったらどういう判断をしていたか。

犯行を自白した被告人に無罪を言い渡すことができるか。
被告人の自供は信用できないので無罪とする、なんて主張がはたしてできるのか。
ほとんど不可能でしょうね。

現実の裁判においては裁判官が被告人に質問することができる。
裁判員も質問したい。


別レスで書いたように、法曹と国民との考えの乖離の
一つなのかな?と思います。

うかがった書き方をすれば、責任逃れを
法曹三者がグルになってやっていると・・・。

でも、少しづつでも変わっていくのでしょう?
そう信じています。

 エントリの趣旨とはズレますが、「いくら刑事弁護人の職責だからって、被告人の利益のためなら被害者や遺族を傷つけるような主張をしてもいいのか?」などと主張されていた方々は、無実の被告人が否認しないままに有罪判決を言い渡されたこの事件をどのようにとらえたのでしょうか?

柳原さんの、失われた人生を再出発する為に(国家賠償が足りるのかも疑問ですが仮に十分でも)
金銭の賠償や名誉回復だけで足りるのでしょうか?。

心の傷も尋常ではないものを整理し、或いは次の人生の糧とするための「事件の総括」が必要不可欠なのでは?

初めてコメントを書きます。この事件のけじめの仕方には、とても関心がありまして。。。ご意見を伺いたく。

証拠を「捏造」することは、例えば「裁判への侮辱(?)」等の罪には、ならないのですか?もし、罪だとしたら、犯罪の可能性があれば、告発ということも出来るのですよね?
犯罪とならないのであれば、やはり、これで終わりということなのでしょうか?

これって真犯人が自供しなかったら、このまま犯罪者にされてたんですよね。
うーん、冤罪って怖いなあ。
こういう事件があると刑事弁護の重要性が再認識されるわけですが。

Wikipediaには
>男性が知らないはずの事件の詳細についての自白書類が富山県警により捏造され、
>署名・指印させたことも判明している。
これって公文書偽造にならないんですかね?

勝手に規定するつもりはありませんが、僕はこのエントリの論点は
「検察側が無罪を主張したので判事は取り調べ捜査官の尋問を不要として(裁判を打ち切り)判決を出したこと」及びそれについて「冤罪被害者が納得していない(であろう?)こと」ではないかと思っています。

僕の考えは「権力を行使するものは自分の職務権限を逸脱しないことは原則ではなく絶対的規範である」というもので、この判事の判断を支持する立場です。

不要な審理は事実上捜査手法の指弾となるもので、冤罪被害者の心情なり将来の冤罪を防止するために捜査の実情を明らかにすることや捜査官に説明責任を求めることの有益性があるとしても、それは職分(再審の判断)を越えることであるからできない。
国賠でやっていただきたい。
もとより、この審理への批判意見はいかようにも発せられるべきである。
仮に捜査側を庇ったとか、誤審の後ろめたさがあった、といった批判があることも予想されるが甘受するよりほかはない。
と…

僕の憶測が当を得ていると仮定すれば、この判事が守ろうとしたものは何だと思いますか?


>被告人の自供は信用できないので無罪とする、なんて主張がはたしてできるのか。

証拠主義の立場からすれば自供ではなくて「秘密の暴露」を厳格に判断してもらいたいですね。

>No.9 ぷく さん

証拠を捏造したならば証拠偽造の罪になりうるとは思いますが、今回の事件のどの行為についてでしょうか?

No.7 けん さん

たとえば死刑にされた後に、「冤罪」だと分かったときに、元の事件の被害者遺族はさぞ気分が悪いことと思います。

>No.14 47 さん
どうでしょう。
私、甲山事件の「被害」児童遺族が元被告人の女性に投げつけた言葉を思うと、とてもそんな風には思えません。
精々、気の毒だったけど仕方ないとか、死刑判決下したのは自分じゃないとか、色々と精一杯の合理化を図るような気がします。
というか、そうでもしなきゃ耐えられないような・・・。

>No.14 47 さん

>たとえば死刑にされた後に、「冤罪」だと分かったときに、元の事件の被害者遺族はさぞ気分が悪いことと思います。

 おっしゃる通りのような気もする一方で、実際はどうなんだろう…という気もします。
たとえば、死刑囚が死刑執行された後に、

,修了犒瑳が真犯人だとは(第三者には)到底信じられくなるような数々の決定的証拠が見つかり、

なおかつ、

∋犒瑳とは別の人間が自分が真犯人であると(第三者の誰もに)確信させるような数々の決定的証拠を引っさげて真犯人としてとして名乗り出るくらいのことがあっても、

それでも被害者遺族は死刑執行された人間を真犯人として信じ続けるのでは…という気もしたりします。

No.16 けんさん

冤罪が冤罪被害者にも犯罪被害者にも計り知れない傷を残すことは間違いないでしょうね。

何かの事件が再審無罪になった後、被害者遺族が「あの男が犯人だと信じて何十年も憎んできた。今更犯人が別にいますと言われても納得できない」と途方に暮れていたのを見たことがあります。

あと冤罪とはちょっと違いますが、アトランタ五輪の爆弾テロで濡れ衣を着せられてマスコミの餌食になった警備員さん(先日亡くなったそうですが)の特集をテレビでやっていました。それによると、彼に会う人会う人がみんな「彼が犯人だと見なされた」ことは覚えていても「彼の濡れ衣が晴れた」ということは覚えておらず、「容疑が晴れたとかいっても、実はやったんじゃねーの?」という偏見が最後まで拭えなかったそうです。

よそのエントリーで揉めてる最中ですが、冤罪被害者も世間(マスコミ)が貼ったレッテルを剥がしてもらうためには説明責任を果たさねばならんのでしょうかねえ。

>No.17 せっせ さん

>よそのエントリーで揉めてる最中ですが、冤罪被害者も世間(マスコミ)が貼ったレッテルを剥がしてもらうためには説明責任を果たさねばならんのでしょうかねえ。

その視点、素晴らしいですね。
思わず、うなってしまいました(笑

No.17 せっせ様

>よそのエントリーで揉めてる最中ですが、冤罪被害者も世間(マスコミ)が貼ったレッテルを剥がしてもらうためには説明責任を果たさねばならんのでしょうかねえ。

うーん、なるほど。No.18 けん様同様です。思わずうなってしまいました。

>No.17 せっせ さん

>よそのエントリーで揉めてる最中ですが、冤罪被害者も世間(マスコミ)が貼ったレッテルを剥がしてもらうためには説明責任を果たさねばならんのでしょうかねえ。

説明責任を果たすべきなのはマスコミではないかと、、

No.11のコメント変更について

今日、昼食中にふと、No.11のコメントは民事裁判ならそういう審理もアリかなと思いますが、やはり刑事裁判は当事者の主張によるだけでなく、まず事実を徹底的に究明することが裁判所に求められると気づきました。

国賠は民事訴訟なので(これまではあまりなかったと思いますが)国側が争わない方針をとった場合にはスピード結審もありえます。その場合、裁判で事実を究明する機会は失われます。

再審は事実上は原判決の上級審ですし、もし原判決が最高裁まで行っている場合、再審開始決定を差し戻し判決(第四審)と看做せば、再審一審はすでに第五審。
被疑者が相当長期間刑事訴追に晒されてきたことを考えても厳粛かつ速やかに事実究明に努めるべきです。

そう考えた上で、今回の富山地裁の審理は将来に禍根を残すとともに裁判所の権威を貶めるものであったと言わざるをえません。

以上、申し訳ありませんでした。

No.13 学生その1さんへ

コメント、ありがとうございます。

今回、無罪になった被疑者は、入った事も無い部屋の見取り図を、自分で説明したことになっていますよね。それは、証拠として、申請されていると思われます。すると、捜査側の誘導でない限り、完全に不可能であることで実現した証拠を、本人が自分で書いたとして、証拠登録したのですから、その部分は証拠の捏造の可能性ありとは、なりませんでしょうか?
まあ、素人の浅い知識なのですが。。。

>No.21 Yamakojikiさま

本件で国家賠償請求訴訟となった場合は、国は賠償の責任があることについては争わないと思いますが、賠償すべき金額の算定とその根拠については相当争うものと推察します。

過去の冤罪事件での国賠訴訟では、刑事訴訟で無罪を勝ち取っても、こうした国との賠償額の争いが長期化し、なかなか世間が事件を忘れてくれずに冤罪被告人が冷たい目で見られるつらさに耐えきれず、自ら国賠訴訟を中途で取り下げた例(甲山事件など)すらあります。

特に今回の富山冤罪事件では、有罪判決を受けて服役したのはと酷かつ違法(?)な捜査手法で虚位の自白を強要された為だと刑事訴訟の再審でも被告の柳原さん側は主張しており、国賠訴訟でもその捜査手法の適否は当然争点になると考えます。

この捜査の違法性を争点とした場合、被告の国側が反論せずにスピード結審を図るという法廷戦術をとると、結果として捜査の違法性が判決で事実とされることに繋がりますので、国側がそうした戦術をとることは考えられません。必ず国側は徹底的に反論するでしょう。このように国賠訴訟では原告(柳原さん側)代理人の弁護士は当然捜査員の証人尋問を請求するでしょうし、裁判官も簡単には却下しにくいと考えます。

この辺りは法曹資格のある常連さんのお考えも聞いてみたいところではあります。

実は,これは再審ないし刑事裁判のみの問題ではなくて,「裁判」あるいは「司法」というものがどうあるべきかという「根源的な問題」に根ざしています。

あえてやや極端な両意見を書いてみます。
1説
司法あるいは裁判においては,人権擁護,被害者救済,社会正義の実現および公共の福祉維持などの目的のために,その後の制度改善等を示唆するに資するために,できるだけ真相を明らかにすべきである。また,ここでの考慮要素としては,訴訟関係者の納得というのも含まれるべきである。したがって,真相を明らかにし,また当事者の納得を得るため,裁判所は手厚い審理をすべきである。

2説
司法あるいは裁判は,あくまでも具体的な紛争を解決するための手段である。そして,迅速かつ適正な裁判を行うためには,争点を中心に審理すべきである。民事事件においても刑事事件においても,具体的事案に即して争点整理をしっかり行い,争点の解明に必要かつ十分な証拠調べ(証人尋問等)を行えばよい。

もちろん,これらの意見はやや極端ですから,実際にはこの間の意見が多いでしょう。でも,ちょうど真ん中という方はすくないのではないかと思います。果たして,皆さまは1説に近いでしょうか? 2説に近いでしょうか?

両意見の違いは結構解り難いと思います、庶民的に書いて見ますと。

1.争点として関連が薄い事項や、判決に直結し難い事項も審理して明らかにする。
2.争点を極力整理して重要なものに絞り、それだけに尽いてしっかり審理する。

私はこのように解釈した上で「刑の重い事犯ほど1.に近く扱う」のだろうと思います。

>No.25 MultiSyncさま
そういう理解で構いません。

あるいは,2説基本だけど,再審などは1説に近い運用が望ましいという意見もあるかもしれませんね。

>No.24&25

論点整理ありがとうございます。
ところで、刑事と民事では実例の取扱い傾向に違いは見られないのでしょうか?

>No.27 Yamakojikiさま

>ところで、刑事と民事では実例の取扱い傾向に違いは見られないのでしょうか?

私の感覚では,現在の実務では,民事の方が刑事に比べて争点を絞り込んで,尋問も必要最小限にしようとする意識が強いのではないかと思います。
#ただ,そういう運用がいいかどうかという点についても意見をうかがいたいと思っていますので,その点ご留意いただければ幸いです。
#また,法律実務家のみなさまにおかれては,私の実務に関する認識が間違っているということであれば,遠慮なく突っ込んでいただければと思います。

確かに国賠は「過失」も要件になりますので「刑事は無罪確定したが逮捕、起訴の判断には合理的理由があった」として争う例がほとんど(国は争わずに非を認めるということを基本的にしない組織のようです)ですね。
しかし、昨今の政治情勢(反省内閣?)のもとで、世論の動向が影響する可能性もひょっとして?と思いました。
被告は警察庁長官?外局(検察庁)の場合は法務大臣?の両者ですかね。訟務弁護士は独立官職ではなかったはずですので、決定権は法務省事務方かと思われますが、政治家の関与は容易でしょう。
組織防衛批判が沸き起こった時に世論に影響されるのは必然かつ当然と思われます。そこに警察庁から「捜査の実情をつまびらかにしたくない」との意見が加わることもあるかも?と思いました。
(よくわからないところもありますので専門家のご指摘を歓迎します)

ま、この事件の国賠が始まってからということになりますが、国側がひたすら恭順に徹すれば、審理しないことも制度的に可能であれば僕にはやはり不安というか疑問は残ります。

No.28 Sou 様
重ね重ねお世話をおかけしています。
時間が遅いのでまた後日。

初めて書き込みをさせていただきます。

>No.25 MultiSyncさま

井上元判事の「司法のしゃべりすぎ」は、徹底的な2の立場のようですね。

以前、モトケンさんもちょっと触れられております。
ちと、視点は違うのですが、同じ問題を含んでおります。
http://www.yabelab.net/blog/2005/10/31-140218.php

 冤罪とは直接関係がありませんが、金沢地裁で殺人罪に執行猶予がついた判決が出たようです。
 事案は、出会い系サイトで出会った男性と関係を持ち、望まぬ出産をした23歳の女性が、出産直後の女児を浴槽に沈めて殺害。
 検察の求刑は7年の懲役だったようですが、判決は3年の執行猶予3年。検察の求刑は半分以下になったようですが、これも珍しい裁判のように思われます。
 裁判官は、軽率だが子供に対する情も持っていたことが認められる。というようなもので、検察は、人間の尊厳を軽視したもので、控訴を検討する、というようなコメントを出したようです。
 求刑の半分以下で、執行猶予の殺人罪というのは珍しいと思われ、冤罪事件のあった富山県のお隣の石川県の裁判ですが、ますます裁判というものがわからなくなってきました。

 一番たって次の記事を見て、考えついたのですが、やはり裁判所は裁判員制度をにらんで、思い切った判決を出してみたのでしょうか。
 スレ違いですが、産経新聞系のizaで、次のような解説を今し方見つけました。
>裁判所も冤罪事件の真相を究明しようという熱意が感じられない。これでは、国民の裁判不信は募るばかりで、裁判員制度どころではない。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/90076/

 実は、No.32の判決の報道を探してみたのですが、未だ見つかっていません。北国新聞のホームページも昨夜見たのですが、取り上げてはいませんでした。

元被告の男性には無実を証明できるアリバイ(電話の通信履歴)があったけれど、検察はそれを無視した、と聞きました。
被告に有利な証拠は出さなくてもいいことになっているとか。

======
NHK教育「私はやってない〜えん罪はなぜ起きたか」番組より

<富山事件の元被告男性インタビューの後、スタジオでの話>
[秋山賢三弁護士]足跡痕跡と通信履歴はちゃんと押収されているんですね。その真実の証拠を隠して、偽の証拠を裁判所に出している…
<中略>
[秋山弁護士]国民の税金で集めた証拠を全部開示しなくてもいい、被告を有罪にするための証拠だけ開示して、無実の証拠は隠匿してもいいんだと、この法制をこのままにしておいたら必ずまた同じような冤罪は起こる。
<テロップ「証拠の開示 現在の刑事訴訟法では、検察官はすべての証拠を開示しなくてよい」>

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被告に有利な証拠を、検察は(知っていても)出さなくていいんだ…と、ちょっと驚きでした。

弁護人が被告に有利な証拠を出せばいいのでしょうが、弁護士には検察のような捜査権限がないのですから、検察に不利な証拠は隠しておいていいというのは不公平だなあと。

無実の証拠を隠匿しても上記のとおり検察側には何のお咎めもなしというのは、司法への信頼感を失わせるものだと私などは思います。

 こちらに情報がありました。詳細です。
乳児殺害の母 刑猶予 金沢地裁 『社会で更生を』
 光市母子殺人事件裁判との比較、対照の上でも参考になると思いますので、是非ごらんになり、ご感想などお聞きしたいところです。
 検察(金沢地方検察庁)のコメントにも含蓄が感じられます。

興味深い事件ですが、コメントできません。
量刑のエントリか新規エントリを立てていただくか。

 無実の人に有罪の調書を作成したのが大問題。
取り調べが強圧的であったとしか考えられない。
 裁判官がなぜこの時の警官をかばうのか?
裁判所と警察はぐるになっていると考えられても仕方がない。
 やはりこの警官の氏名の公表、喚問は必要と思います。
なぜなら、これが始めてではなく、他にも同様の事を行っていると考えるのが妥当でしょう。
 さらに言わせてもらえば、類似のことが他でも行われているのではないでしょうか?
 つまり、他にも無実の人が相当数いるはずだと推測します。
アメリカ軍が犯罪米兵を引き渡そうとしない理由も今になれば良く理解できます。
 自分も交通事故の被害者になったときに調書を取られましたが、警官は一度作成した調書を決して変更しようとはしませんでした。根負けしてサインをしてしまいました。
忘れられない体験です。

 元検察官である管理人さんにも無視されている身ですが、たとえ有罪で量刑が同じであったにせよ、事実の通り認定してもらえれば、ここまでどん底の状態にはならなかっただろうと、つくづく思っています。
 刑事裁判の軽薄化については、こちらのブログを見ていると十分納得は出来るのですが....。切ないです。

>No.37 CHACHAさん
裁判官が本件の取調官の証人尋問を行わなかったのは、本件誤審の発生の責任が警察官一人に添加される事を避けたのだと思います。
私の感覚からすれば、本件で第一に責任を問われるのは、取調官本人よりも、この事件を統括した(であろう)担当係長と、捜査主任官として事件送致に責任を持つ刑事課長です。
また本件で明らかとなる問題点は、刑事の高圧的な取り調べなどという単純な事ではなく
 ・関連証拠の収集精査よりも、被疑者の自供獲得を優先する警察の捜査体質
 ・自身で捜査することなく、警察が送致した書類のみで起訴の判断を行う検察の姿勢
 ・被告人が否認しなければ矛盾点にも気付かず事実を争おうともしない弁護人の怠慢
 ・他の証拠よりも被告人の自白を最大限に評価する裁判官の自白偏重
といった部分です。
そしてはっきりと言わせてもらえば、警察官は裁判官ではありませんから、有罪か無罪かを勝手に判断する事は出来ません。
「被疑者」という用語からも分かるとおり、最初から「この人物は罪を犯しているのではないか」と疑ってかかっています。
最後に付け加えますが、私は本件捜査については、最低限の裏付け捜査すら行っていないという点において最低であり、このような不作為や怠慢を警察が指弾される事は当然であると思っています。

No.37 CHACHA さんのコメント
> 自分も交通事故の被害者になったときに調書を取られましたが、警官は一度作成した調書を決して変更しようとはしませんでした。根負けしてサインをしてしまいました。
忘れられない体験です。


警察の調書については脇道ですが、私の忘れられない体験から。

1.家族の被害者調書の作成に以前立ち会いました。
話を聞いて警官がまとめた(まとめ方がまどろっこしかった)。
2.近くの交番で、自家用車の自損事故で、保険請求の為。警察の事故番号?を貰うときに定型書類(調書?)を作るとき、名前などの欄を自分で書きたいと申し出ると、拒否された。

警察って、国民が書字が出来ないことを前提にして動いているのかと、その当時、思いました。


「調書」でググッて見ると
供述調書の実際
http://www.h7.dion.ne.jp/~drivebee/police/atta1-2b.htm
>供述調書を、「自分(被害者)のだけでもコピーが欲しい。」
 と刑事さんに申し出ましたがダメでした。
「じゃぁその草稿である 鉛筆書きでもよいので下書きを欲しい。」
と言いましたがこれもダメでした。

法律家にお伺いしたいのですが、現行法では、自分が署名した調書でも、情報公開法などを使わないと開示して貰えないのでしょうか?また、署名の前に校正の為、原稿と赤ペンを警察で借りる権利は無いのでしょうか。
留置所で手持ちぶさたなら、私なら調書をじっくり読み込みたい口ですが...。

No.40
お答えします。

刑事訴訟法第47条「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」
1 ここでいう「公」というのは、簡単に言えば捜査機関以外に表に出すことですから、これに該当し、自分で署名したものと雖も写しなど入手できません。

2 なお訴訟に関する書類は、各種情報公開法の対象外であり(この点誤解しているようですが)、刑事事件でいえば、刑事確定訴訟記録法に基づきます(つまり確定前は無理であり、訴訟手続内で開示されるだけです)。
民事事件なら、その訴訟に関係のない一般の人は、訴訟係属中でも「閲覧」はできますが「謄写はできない」(民事訴訟法91条)。

3 被害者保護の観点から各種法律に特別規定もあります。

4 供述調書は、取調官が作成する書類であり、訂正を申し立てればよいかと思います。

>No.39 感熱紙(刑) さんのコメント
 廣野秀樹です。蒸し返しをするつもりは毛頭ないのですが、誤判の要因に関する分析を指摘された、あなた様の今回のコメントには、参考になる点も大きいので、自分のブログの方で、以前の別エントリでのあなた様の私に対するご指摘の回答に絡めて、エントリを書きました。 ご紹介させて頂きます。
http://d.hatena.ne.jp/hirono_hideki/20071014/1192344335

No.41 psq法曹 さん

横道の解説、有り難うございました。
供述調書の位置づけが良く分かりました。
私は役所に出す申請書と同じ様なものと勘違いしておりました。

裁判所トップページ > 裁判手続の案内 > 裁判手続についてのQ&A > 刑事事件Q&A
http://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_keizi/index.html
を読みました。もう少し、横道を整理させて下さい。

1.刑事事件では、被告人の居ない初期の捜査は司法警察職員と検察官が担当して(証拠収集の一環として)供述調書を取り、公僕として刑事事件性があるかを判断する。

2.被害者、加害者、被疑者 を問わず、供述調書作成に当たり警察官や検察官に話したことのメモを取る権利が供述者にあっても、取ったメモは、刑事訴訟法第47条「訴訟に関する書類」と判断されれば、証拠書類(書証)として扱われ、刑事訴訟法第47条では公判の開廷前の開示を禁止し、刑事確定訴訟記録法では確定前の開示は無理。

3.検察側が持つ裁判で公開されなかった供述時の記録(取ったメモなど)については、各種情報公開法を利用すれば判決確定後に初めて警察官や検察官以外が見ることが可能になると思いますが、証拠の保存義務は判決確定後も法的にあるのでしょうか。あれば、調書作成時の状況をメモするのは、一定の役割を果たせます。

4.証人を含む被疑者側の立場の人は、少しでも疑念のあることは調書として認てはいけない。警察官や検察官が作成した調書を訂正することに関して、被疑者以外は訂正の自由度は高いが、被疑者は、拘留されることで、かなり高いハードルがある。

5.調書/証拠について、検察官は裁判中は秘匿出来る立場である。(No.34 kiriko さんのコメント)

6.検察官がした不起訴処分の当否を審査する機関として検察審査会があるが、司法警察職員や検察官に冤罪となった判断を下した部署の責任を問う機関はない。
また、無実の証拠の秘匿や不当な調書の作成に関して、(思いこみであっても、正当な公務と判断されたら?)検察官個人の刑事責任を問う法律がない?ので、裁判官は民事「国賠」以外での判断を下しようが無く、処罰は民事以外では警察/検察の内部でしか出来ない。

No.41 psq法曹 さん

横道の解説、有り難うございました。
供述調書の位置づけが良く分かりました。
私は役所に出す申請書と同じ様なものと勘違いしておりました。

裁判所トップページ > 裁判手続の案内 > 裁判手続についてのQ&A > 刑事事件Q&A
http://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_keizi/index.html
を読みました。もう少し、横道を整理させて下さい。

1.刑事事件では、被告人の居ない初期の捜査は司法警察職員と検察官が担当して(証拠収集の一環として)供述調書を取り、公僕として刑事事件性があるかを判断する。

2.被害者、加害者、被疑者 を問わず、供述調書作成に当たり警察官や検察官に話したことのメモを取る権利が供述者にあっても、取ったメモは、刑事訴訟法第47条「訴訟に関する書類」と判断されれば、証拠書類(書証)として扱われ、刑事訴訟法第47条では公判の開廷前の開示を禁止し、刑事確定訴訟記録法では確定前の開示は無理。

3.検察側が持つ裁判で公開されなかった供述時の記録(取ったメモなど)については、各種情報公開法を利用すれば判決確定後に初めて警察官や検察官以外が見ることが可能になると思いますが、証拠の保存義務は判決確定後も法的にあるのでしょうか。あれば、調書作成時の状況をメモするのは、一定の役割を果たせます。

4.証人を含む被疑者側の立場の人は、少しでも疑念のあることは調書として認てはいけない。警察官や検察官が作成した調書を訂正することに関して、被疑者以外は訂正の自由度は高いが、被疑者は、拘留されることで、かなり高いハードルがある。

5.調書/証拠について、検察官は裁判中は秘匿出来る立場である。(No.34 kiriko さんのコメント)

6.検察官がした不起訴処分の当否を審査する機関として検察審査会があるが、司法警察職員や検察官に冤罪となった判断を下した部署の責任を問う機関はない。
また、無実の証拠の秘匿や不当な調書の作成に関して、(思いこみであっても、正当な公務と判断されたら?)検察官個人の刑事責任を問う法律がない?ので、裁判官は民事「国賠」以外での判断を下しようが無く、処罰は民事以外では警察/検察の内部でしか出来ない。

>No.39 感熱紙(刑) さんのコメント

説得力のあるコメントですね。
僕自身の被疑者体験では警察はそれなりにやっているというか、公権力を行使して、場合によっては市民が処罰されるわけですから「それなりに」やろうとすれば担当分野の法令をそれなりに理解(法律家ではなくて公務員なので法学知識でなくてもよいが○○は取っておかなければいけないとか、××はやってはいけないとかの現場知識)が必要なため、かなり神経を使う仕事のようですし、また普通の警察官は日々そのような環境で仕事をされているように思われます。

この事例をもって警察はケシカランというつもりはありませんが、それでも感熱紙さんのおっしゃるようなことが不幸にして起こることもある。
そのために課長(たいていは警部?)になるには巡査部長試験、警部試験があったと思うのですが、被害者の証言以外に証拠のないような事件では自白を取って片付けようとなってしまうのかも知れません。
本部長陳謝というのは、警察という(間違いがあってはならない)組織ではあってはならないことで、かなり重いはずですし、ただの「ゴメンナサイ」ではないと思っています。

それで十分かどうかは捜査機関の問題としてまた考える所ですが、問題は裁判所がどういう落ちをつけるのか?です。

誤審は予定されていないので、再審担当の裁判官は粛々と無罪判決を言い渡すのみ…単純な非難や責任追及以外にもう少し今後の再審裁判のあり方を検討すべき余地があると思います。

マスコミなんかでも、おおいに議論されたら有益でしょうけどね。

No43・44(二重投稿)
 整理してくださるのは結構なのですが、その整理に小さな(大きな?)誤解や間違いがあり、中には質問も入ったりしています。
何度もやり取りするのは好ましくないので、書かれた文章を基に色んな場合わけも含めて、お答えします(長くなるので3分割に)。

 以下の番号は、passerby(和訳名は「通りすがり」?)整理の番号に対応します。
1 初期の捜査も中期・後期の捜査も関係ありません。捜査の全過程において、様々な証拠収集をします(例:物の押収、現場検証、鑑定依頼、聞き込み)。
その結果は差押手続書になったり、捜査報告書になったり、鑑定書になったりするわけです(これらは供述調書ではない)。
 
供述調書(=供述録取書)とは、事件関係者から話の内容を聞いて調書という形にしておいた方がよいものを「供述者の署名のある供述調書」という形で残すのです(広い意味で証拠の一部になりますが、これを「供述証拠」という)。

ですから「被告人のいない初期の・・・」という「被告人のいない」という形容詞は不要ですし、これがあると理解していないと受け取られます。

2 「権利」という言葉を使うと、法律家はそれを裁判に訴えた場合、認められるかどうかという形で意識します。
 そういう観点から言うと、「・・・話したことのメモを取る権利が供述者にある」というのは、そもそも不正確・間違いになります。

 その意味が、単に取調の前や後に(取調べ中ではない)、自分で話す内容を思い出してメモするのは自由ですし、そのメモを捜査官に提出しない以上(自分で持っている以上)は、訴訟に関する書類にはなりません。

 では、取調の際中に取調官が調書に記載した内容をメモできるか(権利があるか)というと、そういう「権利」はなく、通常はメモしないように言われるでしょう(許す人もいるかも知れませんが)。
 それは不確実なメモにより、不確実な情報が調書の完全な内容であるかのようにして外に出回るのを避ける意味があるからだと思います。
(つづく)

No.43・44
(つづき)
3 質問の意味が明確ではありません。
 まず、私の前のコメントで書いたように、各種情報公開法の対象外です。単に刑事確定訴訟記録法に基づいて要件を満たせば閲覧できるだけです(この法律は情報公開法とは呼びません)。

 passrebyさんの言う「証拠の保存義務」というのは、誰の義務を指しているのか理解に苦しみますので、以下に場合わけします。

 検察や裁判所を意味するなる次のようになります。
 passerbyさんの言う「証拠」の意味が「確定裁判記録」のことなる、確定後は検察庁で保管されますが、それは刑の重さによって期間が異なりまして、法で定められた期間だけ保管されます。

◆,發掘passerbyさんの言う「証拠」の意味が「法廷に提出された証拠物そのもの」を意味する質問なら、確定後は原則として不要になりますから、証拠物を提出した人に返すか、不要であれば廃棄処分されます(例外として、他の事件等に必要なら保管は継続されます)。

 もしかしてpasserbyさんが2で言っていた「供述者が取ったメモ」が証拠になると思っている(誤解ですが)のでしたら、それは証拠ではありませんので、別にメモを持っている人に保管義務はありません(保存しようが捨てようが自由です)。

 そして最後の一文の「あれば、調書作成時の状況をメモするのは、一定の役割を果たせます。」というのは、私には何を意味しているのか分かりません。
 「あれば」というのは保管義務があればということなのでしょうが、メモを持っている人には保管義務はありません。捜査機関に提出されていれば「確定裁判記録」の一部として保管されます。

 なお確定後に閲覧できるのは,あくまでも「裁判に提出された場合」です。提出されなかったものは閲覧出来ません。

 以上、この文には、何か前提の誤解があるかと思います。

この証人尋問は「取調官の責任を追及する」ためではなく、誤った起訴・裁判のモトとなった「虚偽自白」について、それが生じた「原因を明らかにする」ために申請されたものではないでしょうか。

あくまで一般論ですが、公判に至って否認に転じた被告人に接した弁護人が「あーこんなにバッチリ自白調書取られてたら無罪なんて無理だよ…。起訴されて刑に服するのが怖くなったんだろうな、ちゃんと情状弁護するから変な争い方したらダメだよ」などと安易に思い込んではいけないのは確かです。不十分な弁護活動が誤判の一因をなしていないか、不十分な弁護活動があったとしたらそれは何に由来するのかも十分に検証される必要があるでしょう。

しかし、取調官が虚偽自白を引き出した原因は、それ以上に十分に検証される必要があるのではないでしょうか。刑事さん検事さんが組織人なのは判りますが、やはり個々の捜査官の行動を検証の出発点にせざるを得ないと思います。捜査の対象になっている被疑者の立場にたってみれば「なぜ捜査官は私の言い分に耳を傾けず、裏付け捜査を行わないばかりか、私に有利な証拠の存在まで握りつぶすのか。私に恨みがあるのでないなら、なぜそんなことをするのか」と思いませんでしょうか?もしそのまま冤罪で服役したら、そのような思いをずっと抱くことになりませんでしょうか?

再審の審理においてそれをするのでなく、別途国倍を起こすべきだという意見が強いようですが、国賠の審理がどうなるかなんて何の保証もありませんし、仮に国賠で証人尋問が実現したとしても、そこまでしないと捜査官から直接のお詫びの一言さえ出てこないというのでは、当事者にとっては本当にしんどい話ですね。

No43・44
(つづき)
4 前段(1文目)は正しいですが、後段(2文目)は誤解があります。
 被疑者であろうが無かろうが、身柄を拘束されていようがいまいが、署名に関しての自由度は違わず、本人次第です。
 身柄拘束されていると、取調に応じるという義務がありますが(実務上)、供述義務や署名義務というのはありません。

 例えば、ルーシーブラックマンさん(被害者)の事件で、被告人が拘置所で全裸になって出頭を拒否したということがありました。
 取調段階で、そういう事態が生じたとすると、取調を受ける義務があると言ったところで、裸のまま連れてくることは事実上できません。
 徹底抗戦すればそうなるわけで、供述や署名については義務すらないのですから(仮に義務があっても)拒否しようと思えば出来るわけです。

5 検察官には裁判所に提出する証拠を選別できる権限はあります。
 それを「秘匿」というかは立場によって違うのかもしれませんが。
 ちなみに、富山の事件では、捜査官・検察官がアホだったのではないでしょうか。

 伝え聞くところによれば、A事件で逮捕勾留→釈放→B事件で逮捕勾留→ABで起訴(起訴が同時か日にちを置いてかは知らない)。
 それで、A事件の時に集めた証拠、B事件で集めた証拠(記録が別々になる)、をそれぞれ別々の記録で判断したために、片方の事件の証拠がもう片方の消極証拠になっていることを気付かなかった(批判する側からは「無視した」)ということのようです。

 二つの事件を相互に検討していて無視・秘匿して起訴したら故意になりますが(気付けば不起訴になるでしょうね)、見落として起訴していても過失・アホ・バカ・マヌケということになるでしょう。

 もちろん、事実関係がこの通りかは知りませんので、想定・仮定の話になりますが。

6 検察官適格審査会で問題にすることはできるでしょうが、その他は表現にやや問題があり(穏当を欠き)ますが、大体その理解で間違いないでしょう。
 ただし、悪意をもって無実と知りながら捜査したとか起訴したとなれば職権乱用罪は免れないでしょう。

 なお検察官適格審査会は、不起訴をチェックする検察審査会とは全く別物です(→http://www.moj.go.jp/SHINGI/kenteki.html
 根拠法令→http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23SE292.html

報道によれば、警察は、足跡痕や通話記録といった証拠があることを把握し、かつ、自白内容と被害者の供述の不一致を自覚しながらも、もっともらしく辻褄を合わせた内容で自白を維持させたとされています。

同一犯によるものと思われる同種事案2件について被害者の識別供述と自白が存在するという状況で、消極証拠が数点存在すればそれだけで慎重に検討して起訴を思いとどまるというのが検察の通常の事件処理で、この件を公判請求した検事が特別に能力がなく見落としをしたのだ、と本当に言えるのでしょうか。

psq法曹 さん

二重投稿(No43・44)失礼しました。
(投稿確認の数時間後、後からブラウザで画面を更新をしたら、何故か再投稿されてしまいました)

No.40 では事実誤認がありました。
自損事故で事故証明に関する番号を発行して貰う為の警察への届出、拾得届は、共に「調書」では無いので、自筆が原則ですよね?
そのような認識の元で、警察官に自筆を希望しても許されなかったので、
passerby>警察って、国民が書字が出来ないことを前提にして動いているのかと、その当時、思いました。

被害届に付いては、ウェブ検索したところ上記より複雑で、被害事実を届け出るだけだと単純な届けだが、処罰まで望むと調書扱い(告訴状や証拠の提出を求められることがある)となるようですね。
以前の家族の被害届けの時は受理番号の発行を求めたので、調書扱い=証拠扱い で、こちらは納得しました。


No43・44(二重投稿)の3.
私が云いたかったのは、検察の弁証には不要で(都合の悪く)法廷に出さなかった供述調書・証拠は検察以外、弁護士、裁判官、被害者などが果たして確認出来る機会が確保されるのかと言うことです。

No.47「確定裁判記録」に、
「実況見分調書をはじめとする刑事書類は公式の記録ですが、現実には内容に食い違いのあるものもかなり含まれている」
http://www.mika-y.com/journal/journal3.htm
のが分かり、(No43・44(二重投稿)の5)に対しては一定の安心感を得しました。

しかし、
psq法曹 さん>なお確定後に閲覧できるのは,あくまでも「裁判に提出された場合」です。提出されなかったものは閲覧出来ません。

だと、
No.50 まげ さん>足跡痕や通話記録といった証拠

が、もし裁判に提出されず、「確定裁判記録」になっていなければ、廃棄されているのでしょうか。

もし検察が選別して裁判所に提出しなかった供述調書・証拠が、裁判中は検察以外は見ることが許されず、判決確定後も原則として廃棄処分されるのであれば、検察以外は事件の全容を把握出来ないようにしている恐い制度と感じます。


No43・44(二重投稿)の4.
被疑者の場合、警察官や検察官が作成した罪を認める調書を認めたら一ヶ月未満の短い拘置期間であるのが、あくまで警察官や検察官の考える罪を否認して調書の訂正を求めたら数ヶ月以上の長い拘置期間になるのは一般的だと思っています。

psq法曹 さん>拒否しようと思えば出来るわけです。
は、事実でしょうが、
passerby>被疑者は、拘留されることで、かなり高いハードルがある。
と相変わらず思います。


最後に、検察官適格審査会の存在を教えて下さり、ありがとうございました。

〔検察官適格審査会〕
http://www.moj.go.jp/SHINGI/kenteki.html
所   掌   事   務
1  検察官が心身の故障,職務上の非能率その他の事由に因りその職務を執るに適しないかどうかを審査
(注)  一般の方から特定の検察官について,その適格性を審査してほしい旨の申出があった場合には,検察官適格審査会において,随時審査を開始するかどうかを決定することとしている。

直近の平成16年3月15日
http://www.moj.go.jp/SHINGI/KENTEKI/040315-1.html
「申出があった事案5件(被申出検察官数7人)について,..(中略).. 審議し,いずれも随時審査を開始しないこととした。」

の記述を見つけました。

〔検察官適格審査会〕は、機能すれば良さそうな制度ですが、これまで不適格と認定、或いは、審査を開始 された件数はどの程度あるのでしょうか。富山冤罪事件の検察官がもしアホ・バカ・マヌケなら不適格と認定されそうでしょうか?

委員を見ると、マスコミが国会議員を扇動するか、日本弁護士連合会会長 が只ならぬ頑張りをしないと機能しそうに無いようにも思います。

この種の問題が起きると、「検察側が被告人に有利な証拠を出さないのは不正義だ」という主張が強くなるわけで、私もそれは共感するところです。

一方、弁護側も、被告人に不利な証拠は決して出しませんが、上記の主張をする人々も、このような弁護側の姿勢は問題視しない。というか、当然のことと理解している。

いわば、ポーカーの勝負で、「お前は手持ちのカードを全て晒せ。でも、こっちのカードは見せないよ。」というに等しい。

もちろん、証拠収集能力に格差があるということは理解できますが、それは決定的な理由になるのでしょうか。検察は、強制捜査ができるものの、敵対する当事者側から証拠を集めるという難しさがある。弁護側は、捜査権限はないものの、捜査機関より任意の協力を求めやすい立場にある。例えば、被告人の家族や共犯者(とされている者)からの事情聴取は、捜査機関より弁護人の方がスムーズにできる場合もあると思います。

で、そういう事情聴取の際に「被告人は犯人じゃない」という話が聞ければ、証拠として請求する。「実は被告人が犯人だ」という話になれば、証拠として請求しないし、そういう話があったこと自体ひた隠しにする。決して表に出さない。

一方、検察官が同様のふるまいをすると、「不正義だ!」と攻撃する。

弁護士さんによれば、「検察官には真実義務があるが、弁護人に真実義務はない」のだそうですが、一般の人を納得させるのは難しそうです。裁判員裁判で、その辺りの違和感が被告人に不利に働くのではないか、という感じもします。

No.51
1 届出書の類(被害届・遺失届・事故届など)は様式が決まっており、一定の書き方もあるし(例えば「免許証」では曖昧で、「自動車運転免許証」と書くなど)、大半の方は、字が汚いからとか面倒だからなどと言って書いてもらうのが多いので、親切・サービスで書いたのだと思いますよ。

 民事裁判でも当事者は上申書とか陳述書を出しますが、弁護士さんがワープロで書いていますし、もともと司法書士・行政書士・社労士というような代書ができる職業もあるくらいですから。

2 裁判に提出されなかった記録も裁判提出記録と同じ期間・一緒に保管されます。
 誰かが保管しなければ行けないわけで裁判所が不提出記録まで保管するとは思えず、結局、passerbyさんの懸念も分かりますので、そう思われないように検察官も信頼を得ないといけないですね。

3 裁判でも捜査でも誰か(負けた方?)が不満を持つ世界であり、そういうことだけで申し立てる場合が多いとも聞いていますので、そう間単には処分されないし、そういうことで適格なしとはならないと思います。

 ご不満はあるかと思いますが、この辺りで納得してくださるとありがたく存じます。

No.53の3の「そういうこと」というのは、単に巻けた不満を理由とする場合を意味しました。
 富山事件の場合は、その例だけとって処分するならそうですが、他にも一杯事件をやっており、その仕事振りも勘案するでしょうから、一概に申し上げられません。

No.51 passerby さん>私が云いたかったのは、検察の弁証には不要で(都合の悪く)法廷に出さなかった供述調書・証拠は検察以外、弁護士、裁判官、被害者などが果たして確認出来る機会が確保されるのかと言うことです。

 刑事訴訟法第298条によれば、第1項において、「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。」と定め、また、第2項において、「裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。」と定めていますので、証拠の特定が可能であり、且つ、証拠としての許容性(自白法則・伝聞法則・違法収集証拠排除法則等)に問題がないことを前提として、被告人又は弁護人(通常は、弁護士)の請求により又は裁判所の職権で「証拠調をする旨の決定」をしたうえで、証拠調をすることにより、制度上は、確認することはできます。また、証拠調べをした書類又は物については、基本的には終局裁判確定時まで、裁判所において保管されることになるので、弁護人は、閲覧謄写権を行使することにより、裁判官は、原本を閲覧することにより、常に確認することができるといえますし、犯罪により害を被った者又はその遺族については、平成12年に定められた「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」に定める要件を満たすことにより訴訟記録の閲覧又は謄写をすることができるとされています。
上記以外の方については、法律上の利害関係を有していないのですから、裁判が確定するまでの間は、閲覧及び謄写をすることができないとされていても、自らが利害関係を有する民事訴訟において証拠として用いようとする場合を除き、特段の問題はないのではないのでしょうか。

http://www.yabelab.net/blog/2007/10/10-191247.php#c91881

psq法曹さん、

いろいろ教えて下さり、ありがとうございます。

No.54 psq法曹さん>富山事件の場合は、その例だけとって処分するならそうですが、他にも一杯事件をやっており、その仕事振りも勘案するでしょうから、一概に申し上げられません。

一段落 話は変わりますが、君が代不起立処分では、日頃は生徒教育に熱心な真面目な先生が処分されたかと思います。
従って、君が代不起立処分で大きく勘案された「仕事振り」は、生徒教育に対するものでなく、いかに学校/教育委員会の方針に従ったか、のように捉えております。

同じことを検察/警察で考えると、大きく勘案される「仕事振り」は、国民に対するものでなく、いかに検察/警察/行政の方針に従ったか、のように思います。


また、処分と言っても、国家公務員法82条上の懲戒処分(免職、停職、減給、戒告;「勤務成績が良好でない者」とされるため、昇給延伸、勤勉手当のカットを同時に伴う)と、実務上の文書訓告,口頭訓告、文書厳重注意、口頭厳重注意があるようです。

〔検察官適格審査会〕がなす事は、「その職務を執るに適しないかどうかを審査」。
平成16年3月15日は、「免職、停職」に対する審査の開始するかを検討して、「開始しないこととした。」訳ですね。

まあ、〔検察官適格審査会〕があるので、「免職、停職」の審査の対象となりそうな人なら組織内部で予め懲戒処分しておきなさいよ、との意味合いでしょうか。


今頃になって、周回遅れで、

無罪 カテゴリー @元検弁護士のつぶやき
http://www.yabelab.net/blog/112/
を見ました。

富山冤罪事件の検事(起訴検事はバカ、決裁官(次席及び検事正)は間抜け)について、
「服役の男性無実 富山県警は関係者「処分しない」」(asahi.com 2007年02月01日06時39分)

また、http://ja.wikipedia.org/wiki/富山連続婦女暴行冤罪事件 では、
>長勢甚遠法務大臣も1月26日に男性に対し謝罪したものの、男性が述べた自白の強要については違法性が無いと述べた。そのため、当時の捜査員に対して処分は行わないとしている。


組織に忠実なら、無実の人を3年懲役で服役させる結果があっても「処分されない」多少の過失扱い。処分が無いので実名報道もマスコミはしにくい。

しかも、これに対して、
1.行政処分に関して国民もつ宝刀〔検察官適格審査会〕は、「免職、停職」の審査しか出来ない。
2.公務員の公務上の過失の場合、刑事罰の対象とならない?公務員個人の刑事責任を問う法律がない?ので、検察審査会は機能しようがない。

今回の冤罪被害者は国家賠償訴訟は出来るでしょうが、事実がハッキリし過ぎているので、国が争わなければ、後半はすぐ結審で、起訴検事と決裁官は証人として出てこないのでしょう。


ところで、過去ログの 、
No.7 感熱紙 さん| 2007年02月01日 15:19 | CID 35751
>不作為による故意があったと言われても仕方ない事案です。
>地方公務員法に規定がある「信用失墜行為」が該当すると考えます。

「信用失墜行為」は、一国民が起訴検事/決裁官/検察の長/警察の長/行政の長/弁護士/裁判官 に対して訴えられる法律でしょうか?証拠をキッチリ検討しなかった、行政処分を科さなかった、という明らかな過誤があるので、訴人の資格さえあれば、誰でも出来そうですが。


社会的に警察・検察への唯一、実効性のありそうなことは、マスコミ,webへの当事者の実名の報道でしょう。起訴検事や決裁官の氏名は、処分はされなくとも、調書などに書かれているので、「確定裁判記録」として、国民が検証出来る体制ですね?

また、当事者の冤罪被害者の立場だったら、「確定裁判記録」を3年の服役中にじっくり読めたら、「靴のサイズ」のような矛盾は確認出来た可能性があります。服役囚が独力で「確定裁判記録」の複写を閲覧する手段はありそうでしょうか?
(例えば、ホリエモンなら確認しそう>検察は手を抜けない)

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