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 関係者によると、第2東京弁護士会の綱紀委員会は「模擬裁判のリハーサルと重なることを欠席の理由の一つにしたのは妥当ではなかった」としながらも、「被告の権利を守るため、やむを得ず欠席したもので、引き延ばしなどの不当な目的はなかった」と議決。これを受け、同弁護士会は懲戒せずの決定を下した。

 いずれもっと詳細なソースが明らかになると思いますが、上記の範囲で言えば

 「模擬裁判のリハーサルと重なることを欠席の理由の一つにしたのは妥当ではなかった」というのは全くそのとおりで、リハーサルを欠席の理由としてあげたことがこれを聞いた多くの人に重大な誤解を生じさせ問題を複雑化させたと思います。
 今年のワーストKY発言です。

 私も現時点では「被告の権利を守るため、やむを得ず欠席したもので、引き延ばしなどの不当な目的はなかった」という点は理解することができます。
 最高裁が死刑を自判する可能性がたとえわずかでもあったとすれば(事実上はほとんどなかったと思いますが)、被告人の主張を尽くす機会を確保するためという主張は理解できますし、少なくとも差戻審の審理を見る限り安田弁護士が主導している弁護団に訴訟引き伸ばしの姿勢はまったく認められません。

 但し、「刑事裁判と被告人の納得(光市母子殺害事件から)」で既に述べていますが、被告人の主張・弁解については、最高裁にいくまでに、つまり1審や控訴審で出し尽くし審理を尽くしていなければならなかったはずです。
 まあ、結果論の部分もあり、1、2審の弁護人の弁護方針がその時点において間違った判断だったと断言はできませんが、1、2審の弁護方針に起因する問題を安田弁護士の責任として問うことは的外れなところがあると思います。

 がしかし、ドタキャンを回避することは不可能ではなかったのではないかという思いは残っています。
 そして、できればドタキャンはしてほしくなかったという思いが強いです。
 ドタキャンによって、いわゆる世間の刑事弁護に対する(誤った)印象が強くなったのは事実であると思いますので。

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コメント(16)

 ちなみにリハーサルを理由にしたのは去年です。

 一点気になるのですが、リハーサルを理由にするのがよくないとして、ではリハーサルに行くべきだったのか、行かないべきだったのかは疑問として残るように思います。
 行ったら行ったでマスコミにすっぱ抜かれて、もっとひどいことになる可能性があるように思いますし、行かない、という選択肢があったのかどうかも微妙な気がします。

 弁護士会が何かその点を判断してくれていれば知りたいところですが。

どっちに転んでも痛い思いをするわけだから
多少軋轢を生んでも手の内は明かしといたと言うところでしょう。

もし、これで「懲戒相当」となったときの方が
被告人の権利と言う点で見た「刑事弁護」に
対するプレッシャーと言う点で
看過できない事態になったと自分は考えます。

 懲戒されなかった結果は結果として、弁護士さんは被害者家族に
余計な負担と、苛立ちを与えてしまったことは忘れないで頂きたいと
思います。
 すなわち、被害者に感情移入している世間の人にも、決して刑事
裁判のありかたに良いイメージは残していないと思う。

 ただ、弁護士会もわざわざドタキャンの理由にまで言及し、
欠席を諸手をあげて正当化していないところから、私のこのような
コメントは、そんなことわかっとるわい!の次元かもしれませんねw

 

被告の権利を守るため、やむを得ず欠席したもので、引き延ばしなどの不当な目的はなかった」と議決。

 関係のない話ですが、なぜマスコミは被告人のことを「被告」といつも呼ぶのでしょう?綱紀委員会の議決では「被告人」となっているだろうに。

>>4
新聞だと使用する用語は申し合わせで決められてるそうですが、テレビはどうなんでしょうね?

>>4
「誰々被告」という呼び方も違和感がありますね。
被告=刑事被告人を示す言い方が流行ってしまったため、民事事件の当事者になった方から、
「自分のこと、被告呼ばわりですよ、ひどい」
と、訴状や、裁判所からの呼出状に文句を付けるひとが居ます。

被疑者のことを「容疑者」と呼ぶのもマスコミ用語ですね。
すいません、脱線です。

非常に気になる点があります。
「被告の権利を守るため、やむを得ず欠席した」とあるようですが、これは欠席することにより被告に対して利益があるということなのでしょうか。
裁判制度に詳しくはないのですが、これが許されるのであれば、どこかおかしいような気がします。

> 裁判制度に詳しくはないのですが

刑事訴訟制度として、具体的戦術として、安田弁護士の欠席が是か非か、また遡って刑事弁護人の義務とはという問題については、これまで、ものすごーく時間を掛けて議論し尽くされました。
あなたの疑問の全ては、このブログのどこかに答えがあります。
検索機能(右上)をご利用ください。

YUNYUNさん、ありがとうございました。
答えは見つかりませんでしたが、理解したつもりです。
弁護士会の判断も納得はできます。
ただ、これも語り尽くされていると思いますが、制度として、たとえば裁判員制度が始まったときにドタキャンがおこる可能性もあると考えると、今回の処分が前例となってしまうのは、うーん、と思ってしまいます。

モトケン様、皆様、はじめまして。
昨年このブログを知って、家族とともに裁判について勉強中の者です。
裁判について、というより裁判員制度について、ですが。
私も家族も、ものすごーく時間をかけて過去の議論を読ませていただいてます。
が、まだまだ私達には高レベルな内容も多く、噛み砕いて理解できるようになるのはいつのことやら…。

昨秋、地域の小学校の運動会が雨天延期で平日に変更となりました。
その時、ふと思ったのです。子供の運動会が理由じゃ裁判員免除にはならないよなーと。
子供の小学校最後の運動会、見たかったなー、でも裁判員に選ばれたんだしーと、使命感を持って出席したら弁護人ドタキャンじゃ、やるせないです。
子供の運動会と被告の人生(命)がかかった裁判を同列に扱うな、とお叱りを受けてしまいそうですが。

この期に及んでこんなことになってるらしいですが:
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08011002.htm

こんなことをしても何にもならないよ、と本村氏を諌める人はいないのでしょうか? そんなに安田弁護士を憎んで罰を与えたいというのなら、それこそ自分自身で襲撃するしかないんじゃないの、とすら思えてきます。

それと、ここまでやってしまうと、仮に安田弁護士側から「名誉毀損である」と訴えられた場合、勝算はほとんどないんじゃないですかね? 本村さんの無念は察するに余りあるとしても、このやり方は刑事訴訟のあり方を全く考えていないという点で明らかにおかしい。
本村さんを「裸の王様」にしているのは、誰の責任なんでしょうか。

No.11 とても残念ですさん

安田氏を憎んでではないように思いますよ。弁護するにも正当なやり方があるでしょ!って言いたいんじゃないのかな。

ドタキャンが法的に問題無いとしても、正当ではなかったように思う。

全ての弁護士が安田氏のドタキャン行動を支持してるとは思わないが、積極的な批判は弁護士会に身を置く弁護士には難しいんだろうね。

綱紀委員会の議決ってのも傍からみたら「中東の笛」ならぬ「弁護士会の笛」のような感じが否めないですね。

>とても残念ですさん

 ちゃんと懲戒制度を読むように・・ 綱紀審査の項目読めば「この期に及んで・・」とか言うのが的外れな事が分かるでしょう。
 本村氏はどちらかと言うと今度の綱紀審査会の決定にこそ期待してるんじゃないかな。 綱紀審査会での評決委員は非法曹と決められているので綱紀委員会の結果と異なる可能性がありますからね。

 私的にはこの2名は何らかの処分が下るべきだと思います。 ただそれ程重い処分ではなく戒告とかの範囲でね。 でなければ今後も弁護士会はドタキャン奨励しそうだから。

>本村さんの懲戒請求を受けた第2東京弁護士会は先月20日、「意図的な引き延ばしなど不当な目的はなかった」とする同会綱紀委員会の議決を受け、「懲戒せず」と決定。これに対し、本村さんは「被告の利益擁護のためなら規則違反も許される、という判断はおかしい」と主張している。

「規則違反」と言うのが自分は腑に落ちません。どういう規則に対する違反だったのでしょうか。

>最高裁は「何ら正当な理由に基づかずに出頭しなかった」として、翌月に延期した弁論に出席を命じる「出頭在廷命令」を出した。

「被告の利益擁護」と言うのは、引継ぎ時間から考えた場合
十分な「正当な理由」だと考えるのですが。
実際にその後不当な引き伸ばし戦術を取ったと
言う証拠は無いわけですし。

>No.13 通りすがりさん
> ちゃんと懲戒制度を読むように・・ 綱紀審査の項目読めば「この期に及んで・・」とか言うのが的外れな事が分かるでしょう。
そうでしょうか?
安田弁護士への懲戒請求については、こちらのブログでも侃々諤々の議論が展開されましたが、「もっとマシなやり方も可能だったかもしれないが、処分には当たらない」という見解の方が多かったと記憶しております。つまり、綱紀委員会で常識的な議論が展開された場合、同じく「処分には当たらない」という結論に達する蓋然性が大きい。しかも、実務に携わる者が「問題なし」と判断したものを覆すとなれば、ハードルはかなり高くなりますよね。

それでも敢えて「処分が妥当」という判断を下すとすれば、せいぜい「戒告」というところかもしれませんが、
・弁護士側は「世間に阿って処分を決めるのか」と反発する
・一般人からは「処分がぬるい」「やっぱり自浄作用がない」という批判が出てくる
−−このような板挟みが待ち受けている。普通なら「弁護士会の判断に従って、処分なし」という結論に至るのではないか? と予想するのは、さして難しくないことなのではありませんか?

だいたい、異議を申し立てるなら黙ってやれば済むものを、なぜマスコミにリークする必要があったのか? 結局は、世間の安田弁護士への反感を煽るだけなのに。
そもそも、安田弁護士がこれまで受けた、そしてこれからも続くバッシングを考えれば、「戒告処分」など目じゃないぐらいの社会的制裁を既に受けている、とも言えます。にもかかわらず「処罰が必要だ」というのなら、では一体どんな罰を与えればいいと本村氏は考えているのか? そこが分からないのです。

>No.12 ゲンさん
>安田氏を憎んでではないように思いますよ。
憎悪からくる行動なのか否かはともかく、私は上記の通り、「やりすぎ」と感じています。

>No.14 どうだろうさん

上記で私が引用した引用元は
下記リンクからとったものです。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08011002.htm
(08/01/12 2:22現在)

引用元明示に反することをしてしまい申し訳ございませんでした。

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