エントリ

幼児3人死亡の飲酒運転、今林大被告が控訴(ヤフーニュース 1月22日21時14分配信 読売新聞 ウェブ魚拓

 今林被告の主任弁護人、春山九州男(くすお)弁護士らは「(追突された車は)約40メートル走って(海上に)落下しており、その間、ブレーキもハンドルも操作されていない。適正な責任の配分を求めたい」と説明。大上哲央(あきお)さん(34)の居眠り運転を認めなかった判決には事実誤認があり、量刑も不当としている。

 一言でいって、この事件の被告人・弁護人の主張は、光市母子殺害事件の弁護団の主張と同様だと思います。
 本件の弁護人の主張が荒唐無稽というのではなく、被告人に有利な判決を追及するための考え方としては同じであって、弁護方針としてはあり得るという意味です。

 危険運転致死傷罪で起訴されたが(死刑求刑をされたが) 、福岡地裁(広島高裁控訴審)は業務上過失致死傷罪等(無期懲役)の判決を言い渡した。
 検察官に控訴されて(最高裁で差し戻されて)、危険運転致死傷罪適用(死刑判決)の可能性がある。
 危険運転致死傷罪が認められれば(無期懲役判決が破棄されれば)、当然福岡地裁(控訴審)より重い判決が予想される。
 危険運転致死傷罪さえ認められなければ(破棄さえされなければ)、今より重い判決はあり得ない。
 何か言って万が一でも裁判所が認めてくれれば、少しでも判決が軽くなる可能性がある。
 よし、言うだけ言ってみよう。

 こんな感じです。
 言うまでもないと思いますが、上記()書きの部分が光市母子殺害事件にあてはまる部分です。

 ところで、被告人・弁護人は、何を根拠に被害車両運転者の居眠り運転を主張したのでしょう?
 衝突前の状況に基づいて具体的な根拠は指摘し得ないはずです。
 被告人は(たぶん被告人の供述に基づいているはずの裁判所の認定によれば)、衝突の直前まで被害車両に気づいていないからです。
 
 そうすると衝突後の状況しかその根拠はありませんが、どうやら

(追突された車は)約40メートル走って(海上に)落下しており、その間、ブレーキもハンドルも操作されていない。

 というところのようです。

 報道された判決要旨(西日本新聞)では、被害車両の衝突時の速度がはっきりしませんので、衝突時の相対速度もよくわかりませんが、加害車両の前部の損傷状況(湘南のJOHN LENNON)から考えて、相当の衝撃で追突したものと思われます。

 そのような激しい追突衝撃を受けて、ブレーキやハンドルを操作することが可能であったか、はたまたブレーキやハンドル操作によって転落事故を回避可能であったかを考えますと、少なくとも被害者側に落ち度があると考える裁判官は希であろうと思われます。

 光市事件の被告人と同様、本件の被告人も墓穴を掘っている可能性が感じられます。

 福岡高裁は、危険運転致死傷罪の適用の可能性を最大限に追求するかも知れません。
 それでもダメかもわかりませんが。

 関連エントリ
 福岡3児死亡事故地裁判決
 コメント欄におけるfuka_fukaさん、psq法曹さんなどの意見は、本文の私の拙い意見を十二分に補足していただいてます。
 ありがとうございます。

| コメント(61) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

トラックバック(1)

幼いきょうだい3人が死亡した福岡市の博多湾車両転落事故で、飲酒運転中に事故を起こして危険運転致死傷罪などに問われた元同市職員、今林大被告(23)について... 続きを読む

コメント(61)

いつも楽しく拝見させていただいております。

弁護人の活動について、ですが、被告人の利益を考えると当然の行動であるとしか私には思えないのです。
全ては弁護士活動に対する一般人の認知不足にあって、各弁護士協会の啓蒙活動が早急の課題でしょう。
被害者も不快感を示していますが、管理人氏が書かれておられるように弁護活動とは「何でも言うだけ言ってみよう」であり、けして被告人の本心と一致しない、ということを諭すような人が周囲にいればよいのですが・・・

いらっしゃいませ

>弁護人の活動について、ですが、被告人の利益を考えると当然の行動であるとしか私には思えないのです。

 そのとおりです。

 ですから、光市事件の弁護団も同じです。

 それが結果的に被告人のためになるかどうかは別問題ですが、これは「被告人を守るということ」と「被告人の自己責任」などで指摘したところです。

 本件について言えば、被害者側の落ち度を主張しなくても、懲役7年前後で出所する可能性があるのですから、まだ若い被告人が出所した後のことを考えると、控訴したほうがいいかどうか考える余地はあるように思います。

 自分も以前、追突をされたことがありました。ちょうど駐車場に入るのに減速していたところ、車が突如急激に急加速を始めたような感覚で、なにがなんだかまったく分からず、追突されたことすら、理解できない状態でした。
 自動車専用道路であれば、当然それなりのスピードも出ていたことでしょうし、あっという間のことだったのでしょう。
 どうして、相手が居眠りをしていたと断定できたのか、理解が困難です。
 それに長距離トラックの運転手をしていた経験からも、たまに夜間など、ときたまふらつくなど見るからに危なっかしい車はいるものです。そんな車にめがけて追突したとなれば、前方をきちんと注視していたのかも疑問です。
 もっとも危なっかしい車なので、いっきに抜き去ろうと加速したところ、自分の方に寄ってきて衝突したということなのでしょうか。判決で脇見と認定されているところを見ると、それもなさそうですが。
 「講釈師みてきたような嘘をつく」という言葉を聞いたことがありますが、質の悪い弁護は、弁護士全体の信頼性まで損ねそうな気がしました。
 

 たしか、この裁判は検事控訴がなされていたように思います。うる覚えなのですが、検事控訴が棄却された場合、未決通算が満額認められるようなことを読んだような気がします。
 被告人が7年半の懲役を不服として控訴した場合、審理が競合するので、審理が長引き一審が維持された場合でも、未決通算において、不利な扱いをされ、さらに裁判官の心証も害するような気がしました。

光母子あんど橋下さん関係で知り合いの一般の方が、ブログでこの控訴につき、
何の反省もないなんて信じられない!、という趣旨のことを書かれていまして、
その方には今までかなり刑事裁判について説明してきたつもりだったのに、
事例が変わると、まるっきり振り出しに戻るのか・・・
と、いささか力が抜けた状態になっています。

>No.2 モトケンさん

かなり面白い意見だなと個人的には思います。
裁判官は、弁護側の控訴のおかげで
事案認定が変わる可能性が大いにあると言うことでですね。

>衝突前の状況に基づいて具体的な根拠は指摘し得ないはずです。
>     衝突の直前まで被害車両に気づいていないからです。

報道された判決要旨(西日本新聞)より

>また事故直前には大上さんの車を発見し、ハンドルを右に切って衝突を回避しようとし、反対車線に飛び出した自分の車を元の車線に戻している。

つまり順番は,
脇見運転終了→大上さんの車を発見→右に回避→戻す→急ブレーキ→衝突
これであっていますでしょうか。

☆引っかかる点・・・戻す
なんで戻したんでしょうか。
可能性1
 対向車?
  じゃあその対向車は事故を目撃している訳ですよね。
  自分の車線に飛び出してきた訳ですから記憶に無いことはないですよね。 対向車の目撃者が,事故の状況を証言しているのでしょうか。証言しているなら被害者のクルマが動いていたかどうか,被告人のクルマがどのくらい速度を出していたか。この目撃者なら私のもやもやを全部解決してくれそう。

可能性2
 目撃者表れず(実は対向車はいなかった。)
  じゃあなぜ戻してぶつかる?
 No.3 廣野秀樹さん
 >もっとも危なっかしい車なので、いっきに抜き去ろうと加速したところ、自分の方に寄ってきて

 ふらふらと寄ってきてあわてて戻し急ブレーキ→衝突→被害者は居眠り運転していたと主張。
 なんとなく辻褄が合うような合わないような。

No.5 白片吟K氏さま

私もこちらのブログでかなり学ばせていただきまして、モトケン先生や皆様には大変感謝しております。
ですから、今回の被告人側の控訴によって、弁護人(士)に対しての弁護活動に対しては、なんら問題なく思っております。が、被告人自身に対しては初めて憤りを感じてしまいました。
正直言えば、「結果に対しての重大性をあなた反省してないの」といいたい。
検察側の控訴はある意味当然だなと思いましたが、まさか・・・という気持ちです。
ダメですかねこんな感情を抱くのは。

被告人側の控訴前までは、被告人自身に対しては、人として憎むとかという気持ちはあまり抱いてなかった(少しはあったけど)です。
なぜかといえば、単なる殺人事件ではなく、ともすれば、「あすの被告人は我が身かもしれない」という交通事故だからです。
確かに皆様のコメントを拝見すれば、被告人の犯歴を見れば、起こるべくして起きてしまった事故かもしれませんが、被害者遺族のご心中をただただ悲しみ、亡くなられた幼な子のご冥福をお祈りするばかりで、被告人に対してはぐっとこらえることができておりましたが、今は憤る気持ちになってしまいました。

 お世話になっております。
 今回の被告側控訴が本当に被告人本人の希望による控訴かどうか…ちょっと疑問に感じるところがないでもありません。

 まぁ、検察側が控訴したってことで、被告側弁護人も「最大限の弁護行為」をいうことで控訴をしたのかもしれませんが…。

 そもそも検察が控訴しなければ良かったと思うんですけどね。
 遺族だって地裁判決に一定の理解を示したようなコメント出してたわけですし。
 酩酊していたという確たる証拠はない以上、控訴しても仕方ないんじゃないかと。
 被告にも遺族にも無駄に負担をかけるうえに、税金の無駄使いとすら感じます。

No.8 Oさん
私はOさんとは逆に、全く運転をしないし、また、身近に小さな子供を持つ人もいないせいか、この事件に関してはかなりドライです。

そのせいもあるかもしれませんが、被告人側の控訴について、弁護士の弁護活動と、被告人自身とを分けては考えていません。
控訴をして、控訴審というバトルに入った以上、
被告人は弁護活動に沿ったことしか言わないだろうと思っています。
反省してるかどうかに関わりなく、量刑しか勝負するところがないなら量刑不当と言わざるをえないでしょう。
過去のことよりも、近い将来自分が受ける罰を少しでも軽くすることの方に執心したとしても
人間であるなら仕方がないと思います。

>癸押.皀肇吋鸚萓

本件について言えば、被害者側の落ち度を主張しなくても、懲役7年前後で出所する可能性があるのですから、まだ若い被告人が出所した後のことを考えると、控訴したほうがいいかどうか考える余地はあるように思います。

弁護側は、危険運転致死傷罪の規定には問題点が多く(私もそう思いますが)、多くの裁判官が同罪の適用に慎重な立場を取っていることを踏まえて、危険運転致死罪が適用されない限りは、地裁判決が法定の上限刑を科している以上、控訴審で下がることはあってもこれ以上上がることはない、という読みがあるのでしょうね。
前エントリーでは、本件事案への危険運転致死罪の適用は不適切であるとの意見が多かったのですが、個人的には地裁判決には裁判官の個人的見解と取れる部分も多く(こんなこというと惰眠さんや法務業の末席さんに怒られそうですが)、高裁では危険運転致死罪が適用される可能性も十分にあると思います。
その場合、事故原因(というより、3児の死亡原因である海中への転落)を被害者の責任であるとする主張は、被告にとって不利になりこそすれ有利に働くことはあり得ないのではないかと考えます。

>No.3 廣野秀樹さん
>自動車専用道
本件のことではないとは思いますが、念のため、事故現場の道路は、片側1車線、指定速度50キロメートル/毎時の一般地方道(要するに市道)です。
歩道は広いですが、道路そのものは普通の幅の一般道で、被害者の車両もそれに相応しい時速50キロメートル前後で走行していたようです。
なので、裁判官の「午後10時48分という夜間に、車を時速80―100キロに加速させたからといって、それが異常な運転であったとまでは言えない。」という認定には、全くもって首肯しかねるのです。

>No.7 hattyさん
>なんで戻したんでしょうか。
推測になりますが、事故当時の被告の車両の速度、飲酒による車両操作の粗雑化、現場道路の幅員から考えると
 高速走行中→前方を走行する車両を直前で認識→ハンドルを左に切るもアルコールの影響による操作能力の低下により予想以上に車線を逸脱し左側に衝突しそうになる→衝突回避のために右にハンドルを切る→衝突
という流れが自然ではないかと思います。

>No.10 名無しさんさん
被害者の理解と、検察側の控訴は直接関係していませんよ。
そもそも被害者側は判決に一定の理解は示していても、基本的には「危険運転致死罪の適用による厳罰」を求めていますから、検察側の控訴には反対しないでしょう。


>No.12 感熱紙(刑) さま
>(こんなこというと惰眠さんや法務業の末席さんに怒られそうですが)

異説を唱えたから怒るなんてトンデモ無い。
各々が違った考えを持ち寄って、一つの鍋に放り込んでゴッタ煮し、皆で味わうのがモトケン鍋パーティーの良さじゃないですか。お仕事がお忙しいのか、感熱紙さまのお姿がしばらく見えませんでしたので、寂しく感じておりました。

閑話休題。惰眠さまが紹介された春霞さまの解説によると、この危険運転致死傷罪は次の5つの犯罪に分かれるのだそうです。そして一つの条文(2項に分かれますが)で規定されていても、これらは別個の犯罪であって、構成要件などについては峻別して議論するべきなのだそうです。
・酩酊運転致死傷罪
・制御困難運転致死傷罪
・未熟運転致死傷罪
・妨害運転致死傷罪
・信号無視運転致死傷罪

とすると、この福岡事件は「酩酊運転致死傷罪」に該当すのかどうかが、危険運転致死傷罪が適用できるのかどうかの分かれ目となります。ところが検察は1審で「酩酊」状態であったとの立証が充分にできませんでした。

被告人が逃走して水を飲んだりした結果、呼気検査でのアルコール濃度が、事故直後に検査できた場合より低くなるのはやむを得ません。しかし、その呼気検査の風船吹きが息継ぎをした不適切な膨らませ方であり、正常なやり方に比べて低めの数値が出た可能性も指摘されてます。また、逮捕時にまだ相当酔っていたのかどうか、直線歩行検査での酩酊度の証拠が無く、逮捕直後の所作や呂律の乱れ方の証言も検察側は出せないなど、事故当時の酩酊度を判断させるには証拠が足りません。

あれだけの酒を飲んでいたら酒気帯びじゃなく、完璧に酔っぱらっての酩酊状態に違いない、という各個人の感覚に基づく推定論。その一方で法定に提出された証拠を一つ一つ吟味して、法の要件に基づいた裁判所の判断。この差は控訴審でも埋めきれないのかな、というのが私の感想です。このような危険運転致死傷罪の要件を定めたのは立法者であり、裁判所や裁判官の判決をあげつらってみても、それはお門違いの議論だと思います。

アラマ、また変換ミスです。

下から5行目
その一方で法定に提出→法定×、法廷○

あと前投稿に追加です。
検察は控訴審で「酩酊度」に関する新しい証拠を提出できるのでしょうか? 1審と同じ手持ち材料(証拠)では、危険運転致死傷罪適用に2審でひっくり返すことは、難しいような気がします。

別スレで「居眠り運転主張の根拠」をお尋ねしましたが、そういうことだったのですね。
「約40メートル」走るのに何秒ぐらいかかったのでしょうか?
追突されたときはかなりの衝撃だったと思うのですが、追突に備えて身構えていなかったら瞬時に対応するのは困難ではないでしょうか?
「遠山の金さん」なら「てめぇが酒を飲んでいながら、相手のせいにするたぁどういう了見だ!」と言いそうですね。また、メディアがヒートアップしそう・・・(^^;

主張が通るかどうかは別として(急に追突されたら40mくらい何もしないというのはありえそう。),今回の弁護士の主張(厳密に言うと主張すること自体)は何も間違っていないんですよねぇ。
ただ,何らかの科学的?な裏づけを弁護士も主張する必要があるでしょうね。
事故にあった場合の被害者の対応をまとめたものとか。
そんなものがあるのかはわかりませんが。

あとモトケン様
 

本件について言えば、被害者側の落ち度を主張しなくても、懲役7年前後で出所する可能性があるのですから、まだ若い被告人が出所した後のことを考えると、控訴したほうがいいかどうか考える余地はあるように思います。

この部分について,主張の根拠がよくわかりません。
煽りでもなんでもなく,素直な感想です。

>No.12 感熱紙(刑) さま
>(こんなこというと惰眠さんや法務業の末席さんに怒られそうですが)

いえいえ、全然です。
むしろ私としては、ああいう手合いは危険運転致死傷罪でバシバシ断罪していただきたい、できうれば二度と自動車交通の世界には戻れぬようにして欲しいとさえ思っているくらいですので。
ただ、いま現在の条文だとか、報道を通じて知りえた範囲の地検側立証などを見る限り「こりゃあ、同罪の適用はムリだろ」と判断した、と言うだけのことです。

証拠の補充がこれ以上困難であるとすると、検察側が高裁に賭けられるポイントは、既に採用されている証拠のの「評価」でしょう。
地裁では事故現場に到達するまでの運転状況等を引いて、単に大幅な速度超過をしていたという事実からは「異常な運転(=アルコールの影響によって正常な運転が困難な状態)」だったとすることはできないとしていますが、論の組み立てによっては逆の結論が導けるのかもしれません。

ただ、これは私知というか首都圏における私験例・・・なので当該被告人に当てはめるのは必ずしも適切ではないのですが、幅員5メーター弱(片側車線はその半分)で指定最高速度40の道路であっても、直線で見通しがよく側道からの流入や信号などが設置されていないようなところでは、道が空いてさえいれば80キロ以上で走行する車を見ることは決して希ではありません。
ですので、私としてはやはり地裁の判断は妥当なのだろうと思っています。

敢えて言えば、立証の方法を第一審と変更しなければならないでしょうが、この際「酩酊によってまともに運転できなくなってたんだ」と言う考え方を捨てて、被告人が自己の運転スキルの限界を上回る高速度で「暴走」したために先行車両を回避できず追突事故を招いた危険運転致死傷罪である、と方針転換したほうが(アルコールの影響で平常時よりも運転スキルのレベルが低下していた、と言う合わせ技が有効かどうかはありますが)まだ、同条の適用がしやすいような気がします。
まあ、この場合は通常の業過・・・じゃなくて自動車運転致死傷罪と棲み分けるために、また別のハードルがあるのでしょうけれども。

初めまして。地元に住む弁護士ですが。。。

事故現場付近はよく通り、先週もそこを走りましたが、かなり多くの車が80km/h程度で走っていたように思います。
なので、80km/h〜100km/hの走行が、常識的な意味で危ない運転であるかは別にして、法定刑のかなり重い危険運転致死罪の成立を導くようなものかというと、かなり疑問を抱いています。


>honさん

 ご報告ありがとうございます。

>常識的な意味で危ない運転

 この観点でちょっと考えてみました。

 「酒に酔って車を運転する」
 直ちに危険極まりないとは言えないかも知れません。

 「本件の道路を時速約100キロで走行する」
 特に異常な運転とは言えないでしょう。

 それでは
 「酒に酔って本件の道路を時速約100キロで走行する」
 ではどうでしょう?

 さらに
 「酒に酔って本件の道路を時速約100キロで脇見運転する」
 ではどうでしょう?

 私には相当危険な運転に思えます。
 少なくとも、安全に対する配慮は皆無です。

>モトケン先生

>「酒に酔って本件の道路を時速約100キロで脇見運転する」
>ではどうでしょう?
>私には相当危険な運転に思えます。

「酒に酔って」という酩酊運転致死傷(春霞さまの説)の要件と、「時速約100キロで脇見運転」という制御困難運転致死傷(同)の要件を合わせて、危険運転致死傷罪が成立するというお考えなのでしょうか。

「合わせ技で一本」という解釈はできないので、その制約の中で限度一杯の判決が懲役7年だ、というのが春霞説でありますが、モトケン先生はその解釈ではないように読みとれます。

本罪の成立要件に「合わせ技」解釈が可能なのかどうか、最終的には最高裁での判決を待つしかないのでしょうか…。

>法務業の末席さん
>惰眠さん
すいません、御二人のように確たる論拠を示し議論を進められている方に、私のような感覚で物を言う人間が異論を差し挟むのは非常に恐縮だったもので…

>法務業の末席さん
春霞さんが提示された危険運転致死傷罪の五類型
?酩酊運転致死傷罪
?制御困難運転致死傷罪
?未熟運転致死傷罪
?妨害運転致死傷罪
?信号無視運転致死傷罪
ですが、これを本件に適用するならば、「酩酊運転致死傷罪」単独ではなく、「酩酊運転致死傷罪」と「制御困難運転致死傷罪」の複合的な適用が求められると考えます。
つまり、被告人が事故当時「酩酊状態であった」あるいは「制御困難な高速を出していた」ことだけを立証するのではなく、「正常時ではそれほど危険ではないが、アルコールの影響により危険回避能力、判断能力等の運転に関する各種能力が低下した状態で、指定速度を大きく上回る高速度で運転することは、車両制御を著しく損なう極めて危険な行為である」ことを中心に立証するべきと考えます。
具体的には、惰眠さんが言及されているように
>被告人が自己の運転スキルの限界を上回る高速度で「暴走」したために先行車両を回避できず追突事故を招いた危険運転致死傷罪である
とするのが有効かと思います。
交通事故そのものが単一の要因ではなく、「車両の状態」「ドライバーの状態」「路面の状況」「現場の環境」「発生時間帯」といった複数の要因が相互に作用して発生していることから、危険運転致死傷罪についても、発生の要因を複数の状況に求めることも可能ではないかと。
飲酒により「酩酊状態」に至るには個人差が存在し、呼気中のアルコール濃度の測定では酩酊度の立証が困難であっても、アルコールの影響下では程度の差こそあれど、身体能力が低下することは科学的に証明されており、道路交通法の規定から、自動車の運転行為には一般の業務行為と比較して高度な注意義務が課せられていると解されることも一つの補強になるかとも愚考しております。

>>No.20 法務業の末席さん
>合わせて、危険運転致死傷罪が成立するというお考え

私はモトケン先生は危険運転「致死」罪に特化しておっしゃったと思います。
最高裁は名前とは違って審理能力が最高度じゃないようですから、最高裁で致死に特化してこの法理を明らかにすることはできないように思います。

私は致死に注目して、事故の原因に危険運転があったとしても、水死であるならば危険運転と水死の間に相当因果関係を認めるのは難しいのではないかという疑問を抱いております。

No.11 白片吟K氏さま

ご返答いただき、ありがとうございます。

平等の立場で、罪を平等に判断するには、白片吟K氏さまのようなお気持ちを持った方でなければならないとは思います。

酩酊状態であったかどうかの判断は、確かに科学的な裏付けがなされなければ突き詰めれば、法務業の末席さまや惰眠さまの申されるようなことになるとは思いますが、現実に事故を起こした瞬間では酒による影響で気持ちが大きくなり、70〜80劼覗行していたつもりが、実際は20〜30劼らいそれよりオーバーし、(高速道路から一般道へ降りた時にやたら遅く走っているように感じることがある)自身の運転に対する状況判断が、普通の意識状態のときの自己の運転スキルを超えてしまっている結果、今回のような惨事に繋がった。(まして10秒近くわき見をしていたなど私には普通とは思えない)というふうに私は考えられないか、と思っているので、
No.12 感熱紙(刑) さまの仰られている
>裁判官の「午後10時48分という夜間に、車を時速80―100キロに加速させたからといって、それが異常な運転であったとまでは言えない。」という認定には、全くもって首肯しかねるのです。

のご意見には、同感してしまうのですが・・・。

>No.21 感熱紙 さま

この福岡事件での被告人は、飲酒運転して事故を起こした上で逃げた極悪非道の犯罪人であって、厳罰に処すべきだと私も思っています。決して懲役7年6月の量刑が妥当だとは考えていません。ところが私自身もっと思い量刑を適用したくても、危険運転致傷罪という法律の出来が良くなく、適用できるのか否かハッキリしないのが苛立たしいのです。

ただ、こうした法律の出来不出来を問題にする前に、酒を飲んで車を運転しても、事故を起こさずに検問などで摘発された場合は、単に道交法違反で懲役3年以下(事故当時の法改正前)なのに、事故を起こして複数の死傷者が出ると危険運転致死傷罪で懲役20年以下、という罪刑の差が私にはどうしても素直に納得できません。どちらも酒を飲んで運転したという「行為」は同じです。何で罪刑にこれほどの違いがあるのでしょうか。

この事故でも、被告人に追突された被害車両が10トンダンプだったら?という仮定的な疑問があります。この仮定ならダンプにもダメージはあったでしょうが、質量と運動エネルギーの物理法則が働き、ぶつけられたダンプは橋から落ちず、被告の自爆事故で終わったでしょう。酒酔い運転がばれるのがこわくて被告人が逃げても、被害車輌に死傷者が出なければ道交法違反の範疇であって、決して危険運転致死傷罪の適用とはなりません。

このように飲酒運転という「行為」は同じでも、ぶつけた相手次第で罪刑に差が出る。ある意味で結果次第で厳罰に処す、という法理がどうしてもスッキリと納得できません。

飲酒運転は周囲の人々にとって大変危険です。私が思うに未必の故意での殺人罪に匹敵する非道の行為です。であるなら飲酒して運転しただけで厳罰に処すべきだ、というのが自分の基本的な考え方です。一斉検問で飲酒運転として摘発されたら、検出されたアルコールの程度が一定以上の場合は、反則点数だの免許取消だのという行政処分じゃなくて、一発実刑でも構わないのではないかと思っています。

No.24 法務業の末席さま

>飲酒運転は周囲の人々にとって大変危険です。私が思うに未必の故意での殺人罪に匹敵する非道の行為です。であるなら飲酒して運転しただけで厳罰に処すべきだ、というのが自分の基本的な考え方です。一斉検問で飲酒運転として摘発されたら、検出されたアルコールの程度が一定以上の場合は、反則点数だの免許取消だのという行政処分じゃなくて、一発実刑でも構わないのではないかと思っています。

同感です。
私は、仕事上でも車が必要ですが、このくらいにしないといけないと思います。

No.20 (長くなるので分割)
1 おそらく併せ技の主張ではないと思いますよ。
 酒酔いと運転事故には次のような段階がある。
a 酔い潰れて歩けないほどになった→運転不能→犯罪なし
b べろべろに酔ったが運転席に乗り自動車を動かしたら、すぐに電柱や壁にぶつかった→酒酔い運転(自損事故の場合)or危険運転致死傷(人を死傷させた場合)
c 相当酔って運転して酒の酔いの影響により蛇行運転したりして事故→bに同じ
d 酒に酔って30〜40/km/hで運転したが、その速度で運転する分には何とか運転できたが、脇見して事故→酒酔い運転and自動車運転過失致死傷
e 酒に酔って100km/hで運転したが(dと同じ酔いの程度)、その速度で脇見して事故→?
f 酒気帯び程度であり、脇見して事故→酒気帯び運転and自動車運転過失致傷

「酒の影響により正常な運転が困難」という条文について、「正常な運転が困難」というところに焦点があると考え、その意味はどういうものか、その証拠はどの程度必要か。

 特に、dとeを全く同じに扱ってよいか(扱う必要はないのではないか)ということだと思います。
 同じ酔いの程度でも高速度になるほど、酔いが運転方法・技術に与える影響は大きくなり(特に反応など鈍くなり、回避措置などに影響しやすい)、事故を誘発しやすいので、それが「正常な運転が困難」となりやすいと言えるのではないか(常識的に見て)、ということかと。
 あくまでも第1項1文目の構成要件での話だと思います。

2 これをNo.17の意見は「(アルコールの影響で平常時よりも運転スキルのレベルが低下していた、と言う合わせ技が有効かどうかはありますが)」と留保しつつも、制御困難運転致死傷で構成するのかと思います。
 「酒に酔った状態」をどちらに影響すると評価するかの違い(正常運転困難か生後運転困難か)になると理解します。

3 衆参の法務委員会の答弁内容はどうなるのだ?という疑問に対しては、それはあくまでも例示をしただけで、「酒の酔いの影響」と「正常運転が困難」との間に、相応の因果関係があればよい。
 また、より危険(悪質)なものを抽出した構成要件という意味であっても、酒に酔った+高速度→運転(特に回避などの反応に)影響を与える=危険性が高い行為と言える→構成要件に該当する、というようにみれば、別に矛盾はしないと考えるわけです。

で、問題は立証になる。
(つづく)

No.26のつづき
 証拠の話になると、中身を知らないので、行き詰まりますが・・・
No.20の中に
>その呼気検査の風船吹きが息継ぎをした不適切な膨らませ方であり、正常なやり方に比べて低めの数値が出た可能性も指摘されてます。>
という記載があります。

 呼気検査の詳細は知りませんが、息継ぎすると低めの数値が出るのでしょうか?(とすると、これを主張したのは検察?)
 それならば、0.25mg/lより高かったはずだ、しかも50分経過しているし、水を飲んだというのがあるので、この辺りをもっと詰めたらどうかと思いますが、既に第一審で出尽くしているなら、仰るとおりに難しく、あとは同じ証拠の評価が変わるしかない。

 (頭の中で考えると、高く出るから酒気帯びの証拠に使えず、低く出るなら証拠に使えそうだから、一気に吹くことを要求する検査方式は前者ではないかと憶測したいのですが。そうなるとますます立証困難ですが)
 どなたか御存知ならお教えください。

No.24
>飲酒運転として摘発されたら、・・・反則点数だの免許取消だのという行政処分じゃなくて、一発実刑でも構わない>

 まず酒気帯び運転以上は反則行為ではなく、赤キップの犯罪です。
刑の実情は、初犯は罰金→2回目も罰金(額が上がる)→3回目公判請求(→執行猶予)→4回目公判請求(実刑)、というところです。

 次に、確か以前公務員の酒気帯び運転のスレでは、一発懲戒免職は社会生活では酷に過ぎるという意見だったかと思いますが、一発実刑はよいが、免職にしてはいけないという趣旨でしょうか。
 それとも、一発実刑は個人の想いで、免職不当は士業としての意見。
 さて、どちらを優先しましょう?(ちょっと意地悪です・・・笑)

 結局、控訴審の判決は五分五分・・・というところでしょうかね、個人的には(意見を言っていないのも同じ・・・笑)。

>No.26 psq法曹さん

ところで、件の方は「べろべろに酔った」のでしょうか?
地裁判決を見ていると「べろべろに酔った」とは言えないと
立証しているようにしか見えないのですが。

危険運転致死傷罪の構成要件は
いったい何なんでしょうか?

>No.19 モトケンさん

心理としてはわからなくは無いですが
この事案に対してはきわめて不適切な判断だと思います。

何せ、構成要件の認定の時点ですさまじく揉めていますから。
構成要件の認定では、主観は極力排すべきものなのでは
ないでしょうか?

構成要件を満たすかどうかが全てだと
元法学部出身の三流学生は思います。

 居眠り運転とて、居眠り状態で通常の道路を時速30キロで走らせれば、いざというときにハンドルもブレーキも動かせず、その意味では30キロでも制御困難な高速度とも言えるでしょう。
 しかし、居眠り運転を制御困難速度として危険運転の成立を認めてよいとするならば、制御困難速度危険運転の構成要件が無制限に広がっていく恐れがあります。

 道路状況や車の状況はよいとしても、被告人の酒酔いや集中力・運転能力といった個人的な事情を制御困難速度に関する認定に用いるのは危険運転罪について構成要件を細かく定めて処罰範囲を限定したのをぶち壊しかねない解釈ではないでしょうか。
(もちろんその法のあり方自体を検討するのは別論ですが)

ところで、この本文自体がレトリックを
操っていて仕方ないような気がします。
(光市事件の部分など)

もしよかったら、反論ないしは説教を
いただけるとありがたいです。

しまさんが場外で展開しておられる心神耗弱・喪失による減刑論をここでの検討事項に加えて欲しい気がしまつ。

No.28
私のNo.26では、a・bがべろべろに酔っているが、c・d・eでは単に「酔った」ということが前提です。
べろべろに酔ったことを立証する必要はない(それなりには酔っていた)という意味ですから、その質問は、チョイトすれ違いです。

>No.12 感熱紙(刑)さん
>高速走行中→前方を走行する車両を直前で認識→ハンドルを左に切るもアルコールの影響による操作能力の低下により予想以上に車線を逸脱し左側に衝突しそうになる→衝突回避のために右にハンドルを切る→衝突

左右が逆では。
それでもなお上記説明では,報道された判決要旨(西日本新聞)に,私的には合いません。
>自分の車を元の車線に戻している。これらの事実は、被告が状況に応じた運転操作を行っていたことを示し、正常な運転が困難な状態にはなかったことを強く推認させる。

正常な運転をどこまで捉えるかでしょうけど,わざわざ強く推認させると述べているのですから,蛇行してドカーンは,その範囲に,はいらないと思います。

左右に車線変更したことは,操作能力の低下により予想以上に車線を逸脱しとかではなく,何らかの理由があり,それを持って,正常な運転が困難な状態にはなかったになるのではないでしょうか。

psq法曹 さま

解説頂いた刑法第208条の2の解説は、春霞さまとは別の解釈論として理解できます。私自身は春霞さまの解釈論に、内心では与したい思いがありますが…。

ただ、この部分にはいささか反論を。

 次に、確か以前公務員の酒気帯び運転のスレでは、一発懲戒免職は社会生活では酷に過ぎるという意見だったかと思いますが、一発実刑はよいが、免職にしてはいけないという趣旨でしょうか。

昨年のこの頃、一発懲戒免職を唱える方々やそれに賛同するマスコミの論調に、酒酔い運転について法に定めた刑罰では手ぬるいから、公法に代わって雇用契約という私法での懲罰を厳しくするべきだ、というニュアンスが感じられました。こうした公法がダメだから私法で懲罰強化という安易な論は、罪刑法定主義と私刑の禁止を否定につながる、と憂慮して私は反対論を述べてきました。

その立場から、まず酒酔い運転の処罰を定めた法律を改正し、初回摘発から罰金ではなく、最低刑を1年以上の懲役刑(執行猶予は付けることは別に構いませんが)に改正するべき、とコメント致しました。私自身はこのように(終始一貫して)主張しているつもりでおり、半年前と違うことを言っているとは思いません。

飲酒運転撲滅のために雇用契約での懲罰強化を議論する前に、まず公法での処罰を強化する法改正を議論するのが順序であるべきで、それが法治国家としての道理であると思います。こうした思いを法曹家に汲み取って頂けなかったのは、私の表現の拙さなのか、とても残念です。

 それとも、一発実刑は個人の想いで、免職不当は士業としての意見。  さて、どちらを優先しましょう?(ちょっと意地悪です・・・笑)
このように他人の意見を揶揄するような表現は、いささか不愉快に感じられます。(私がカタブツなので冗談が理解できなかったのでしょう)

No.16 ぷり(駆け出し弁護士)さん

 亀レスですが

>この部分について,主張の根拠がよくわかりません。

 奥歯に物を挟めていいましたが、はっきり書けば、

 こういう主張をするとマスコミのバッシングを誘発しそうですし、世間は被告人のことを、「反省する気のない自己中な奴」と思うのではなかろうか

という推測がその根拠です。
 
 光市事件の弁護方針についても似たようなことを書いてます。
 その意味でも両事件の弁護はよく似ていると思います。

No.29 どうだろうさん

 法学部出身ということですので指摘させていただきますが

>構成要件の認定

 これはとても不適切な言い方です。
 構成要件において問題になるのは「認定」ではなく「解釈」です。
 「認定」が問題になるのは「事実」です。
 そして、このエントリは「福岡3児死亡事故地裁判決」の続編でもありますから、「立法の巧拙または法改正の要否」の問題も含んでおり、「構成要件を満たすかどうかが全て」のエントリでもありません。

 危険運転致死傷罪の基本的な考え方は、敢えて一定レベル以上の危険な運転行為をした者が、その危険な運転行為によって人を死傷させた場合に通常の業務上過失致死傷事案より処罰を加重しようとするものだと理解しています。

 そこでまず私はNo.19で、本件の危険性のレベルを考えるために

>常識的な意味で危ない運転

かどうかを検討してみたわけです。

 その結論は、No.26 psq法曹さんが補足説明をされていますが、酒酔いの程度がそれ自体においては車をまっすぐ走らすことができない程度だったとしても、つまり反応速度等が低下する程度の酒酔いであったならば、その状態における高速度かつ脇見運転は相当危険な運転、このコメントに即して言えば「一定レベル以上の危険な運転」になるのではなかろうかという意見を述べたのです。

 危険性に関する常識的判断に次の問題は、危険運転致死傷罪の「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」という構成要件の解釈として、上記のような場合を含むと解してよいかという問題です。
 「正常な運転が困難な状態」という文言は、単にアルコールの身体能力(運転能力)減弱の程度を言うのか、運転時の道路状況、速度等を総合的に考慮して最低限度の安全性(緊急時の衝突回避能力を含む)を確保できているかどうかという観点から評価すべきなのか、という問題があると思われます。

 後者と解すれば、それを満たす事実認定のハードルは前者の解釈より低くなると考えられます。

 もし、地裁判決のように、危険運転致死傷罪が「飲酒・大きな速度超過・脇見運転」のようなレベルの高度の危険性のある運転行為を対象とできないのであれば、それは、危険運転致死傷罪新設の基本的な考え方に照らせば、立法が下手くそということになるのではなかろうか、というのが私の意見であるわけです。

No.31 どうだろうさん

>ところで、この本文自体がレトリックを操っていて仕方ないような気がします。

 反論以前に趣旨がよく理解できません。

>No.37 モトケン先生
No.31 どうだろうさんの言うレトリックとは、

光市事件とこの事件は似ていないのに、似ているかのように比較して書くことによって、
危険運転致死罪が妥当な結論であるように見せかけている

とゆー意味ではないでしょうか。

危険運転致死が妥当かどうかは別にして、
光市事件とこの事件が似ているという印象は私にはなく、
言われてみて、まあ、そういう要素もあるね、という程度でした。
事件の詳しい状況がわからないから緩めに判断するということを前提として、
この事件においては、戦わざるをえなくなった弁護側の判断として想定できる範囲内の博打だと思いますが、
光市はさすがに大博打の打ちすぎと思うからです。


>No.36
>こういう主張をするとマスコミのバッシングを誘発しそうですし、世間は被告人のことを、「反省する気のない自己中な奴」と思うのではなかろうか

それははっきり言って、「マスコミ」と「世間」が悪いと思います。
まあ、悪くても、事実上のマイナス要因として被告人に作用することは否定できないわけですが、
そうであるなら、
「まだ若い被告人が出所した後のことを考えると、控訴したほうがいいかどうか考える」べきなのは、むしろケンカを仕掛ける検察側であると思います。

No.35
法務業の末席さん、不愉快な思いをさせて、大変申し訳ありません。
これまでのやり取りの経緯から、軽く流してくれるのではないかと誤解しておりました。
自重いたします。m(_ _)m

psq法曹さま
私の方こそ、先週末はこのブログのアチコチで大人げないレスをし、申し訳ない。これからも宜しくお付き合い下さい。

昨年末より、例の年金騒動での無料相談に駆り出され、社保庁長官の代わりに罵倒され続け、少々ストレスが溜まってきているので、心にゆとりが無くなってきたようです。

特に先週末の相談会ではヒドかった。社会保険労務士は、お国から給料貰っている社会保険庁職員とは違うのじゃ、オレ達に文句言われても困る!

日本の年金をダメにしたのは、我々社会保険労務士の責任ではな〜い!
年金保険料を食い物にしたのは、我々社会保険労務士の責任ではな〜い!
自分の年金額が少ないのは、我々社会保険労務士の責任ではな〜い!
保険料滞納したら自分の責任だ、我々社会保険労務士の責任ではな〜い!
ワーキングプアで貧乏なのは、我々社会保険労務士の責任ではな〜い!

あ〜、少しスッキリした。
(スレ違いでゴメンナサイ)

No.40 法務業の末席さま

ご苦労様です。

ほっっ。
(おお安堵)
(No.39 psq法曹さんのコメントが身につまされまくりで内心どぎまぎしてました)

>No.37 モトケンさん

多分、もっと反論を用意すべきところはあると思いますが

>常識的な意味で危ない運転

これだけは、立法の動機から行って違うと思います。
危険運転致死傷罪は「準故意犯」であって「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者」を処罰するためのものです。

暴行の故意を持っている犯罪で人が死んでいる犯罪だと
「傷害致死」ですがそれでも
有期懲役刑が最高刑です。

有期懲役刑の最高刑は何年でしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%87%B2%E5%BD%B9

原点が過失犯である犯罪に対して
準故意犯を適用するのはとことん慎重で
あるべきと自分は考えますが。

ところで、懲罰のバランスを先生はどうお考えになりますか?

現実として彼が認められたのは「0.25」と言う数値であり
これは「アメリカ(United States)」では飲酒運転として
「処罰に値する」と認められない数値です。

あと、次元の違う話を同列にして語らないほうがいいと
個人的には思います。

個人的には、このリンクを見ていただけたらありがたく思います(英語サイトです)

http://en.wikipedia.org/wiki/Driving_under_the_influence

>>No.43 どうだろうさん
横からたいへん失礼致します。少し小さい私見を述べたくなりました。
順不同ですが(笑)

>彼が認められたのは「0.25」と言う数値であり
>これは「アメリカ(United States)」では飲酒運転として
>「処罰に値する」と認められない数値です。

まず国土や道路の広さの違い。アルコールや薬物に対する代謝能力の人種的違い。体格の違いによると思われる身体の衝撃耐性の違い。無礼講など飲酒による個人のマナーや行動の低下に対する社会的容認の有無が正反対。
などなど、アメリカ人が「0.25」で酔わない(薬物や拷問で個人が社会防衛に対する意識を保てなくなる個体生物的限界を越えていない状態)が日本人は酔うという現象の違いを納得できる理由はたくさんあるように、ここ2,30年以上は思ってきたものです(笑)。

すみませんがもう一点。
>暴行の故意を持っている犯罪で人が死んでいる犯罪だと「傷害致死」
>ですがそれでも有期懲役刑が最高刑です。

犯行は事故のように一瞬で結果に至るものではありません。犯罪行為には必ず自分の意志でやめるか続けるかの決断をする時間の余裕があり、そこで犯行を続けるという自由意志のもとに「犯行」という個人の行いが完成するのです。「犯行」においては一人が死んだなら傷害致死の可能性も検討しなければなりませんが、時間差をもって二人以上死亡していれば明白な殺意が認定されなければならないと私は思うのですが、以上1億2千万分の1の個人的な意見です(笑)。

No.45 ぼつでおkさま
>時間差をもって二人以上死亡していれば明白な殺意が認定されなければならないと私は思うのです

20年ぐらい前にNHKで放送したMade in USAのドラマ「Fatal Vision」の幕切れがまさにそうでしたね。実話に基くおっそろしいドラマでしたが、最初の殺人は「第2級殺人」で連続して行った最後の殺人は「第1級」にされてました。あまり詳しく書くと「ネタバレ」になっちゃうので詳しくは書けませんが、最後の殺人は「故意」だったという話には非常に納得しました。

>No.40 法務業の末席さん

ご苦労様です。(^_^;)

昨年末の忘年会の時、みんなで社会保険庁の職員に興味本位で色々質問していたら気分を害したらしく、途中で帰ってしまったのを思い出しました・・・
決して彼を責めていた訳ではなんですが・・・

スレ違いすいませんm(__)m

Oさま、ぼつでおk@小声でぼそっさま、DJニャンタロウさま、ほかの皆さま

お気遣いありがとうございます。
年金問題は、まだまだスッタカモンダカしそうですし、マクドナルドの管理職裁判もありましたし、社労士としては関与先からの問い合わせが増えそうです。

さてさて、エントリ本題の飲酒運転の処罰ですが。
飲んで運転=罰金
飲んで運転→事故って死傷者が出た=懲役刑
これでは「飲んでも事故らなきゃ大丈夫」と考えるヤツが出て来る。
飲んで運転=事故に関係な即厳罰(懲役刑)であるべきと思う。

オマケですが、公務員の場合は禁固以上の刑(執行猶予も含む)に処せられると、欠格事項(国公法38条、地公法16条)に該当して自動失職します。ですので、飲酒運転の処罰から罰金刑を無くし、一発で懲役刑以上にすれば、懲戒免職での制裁によらなくても公務員はクビを切られます。結果として、公法に基づく制裁だ、私的な制裁だ、という議論は雲散霧消します。

>No.48 法務業の末席さん

欠格事項

うん、さすがにお詳しい。
ところで
飲んで運転=罰金
飲んで運転→事故って死傷者が出た=懲役刑
これでは「飲んでも事故らなきゃ大丈夫」と考えるヤツが出て来る。
飲んで運転=事故に関係な即厳罰(懲役刑)であるべきと思う。

この場合も、轢き逃げ=懲役以上、と調整必要でしょう。
もう一つは、逃げたら「最も重い刑を隠蔽し免れた」と解釈する手も有りそうだけど、厳しすぎですかねえ?

>No.45 ぼつでおkさん

では、私も私見を

>まず国土や道路の広さの違い。
>アルコールや薬物に対する代謝能力の人種的違い。
>体格の違いによると思われる身体の衝撃耐性の違い。
>無礼講など飲酒による個人のマナーや行動の低下に対する
>社会的容認の有無が正反対。

別に、アメリカじゃなくてもシンガポールでも「0.25」は
罰則を持って望む飲酒運転として扱われていません。
ついでにアメリカではありませんが
カナダ・オーストラリアで言えば
「無礼講など飲酒による個人のマナーや行動の低下に対する社会的容認」の幅はかなり狭いです。
むしろ日本のほうが甘いのではないでしょうか?
(そうは言っても、最近の若い人たちは
 かなり酒のマナーに厳しいですが)

>「犯行」においては一人が死んだなら
>傷害致死の可能性も検討しなければなりませんが、
>時間差をもって二人以上死亡していれば
>明白な殺意が認定されなければならないと私は思うのです

事案によります。
たとえば、「二人以上のやくざが因縁をつけてきて殴り合いになった場合」が一例になるでしょうか?
殴り合いになって、二人ともぼこぼこにして
その場を立ち去ったら、結果二人とも死んでしまった。

私は、このような事案の場合は基本的には「傷害致死」を支持します。

>No.48 法務業の末席さん

>飲んで運転=事故に関係な即厳罰(懲役刑)であるべき

国際的な位置づけで見たときに
そのような考えを採用している国を私は寡聞にして知りません。

感情的には、わからなくも無いですが
犯罪への量刑と言うものは国際的な基準に沿った
動きにするということも非常に大切なことです。

でないと「未開国家」とみなされて、
国際上、不利益な扱いを受けるだけですので。

どこまで厳罰化すれば、
飲酒運転&飲酒事故を皆さんの納得できる件数に
減らすことができるのでしょうか?

飲酒運転=懲役刑でもゼロにならなかったら、

そのつぎは、
飲酒運転=死刑ですか??
飲酒するような馬鹿は、死ななきゃ直らない、みたいな。

いう事を聞かないものに対して罰をエスカレートするのは、
まるで、家畜をしつけているような感覚でしょうか?

>>No.50 どうだろうさん
>アメリカじゃなくてもシンガポールでも「0.25」は
>罰則を持って望む飲酒運転として扱われていません。

横入り失礼致しました。
「0.25」の一点を境に酒気帯びと飲酒が分かれて量刑が変わる非合理性非科学性を日本の法律が全く無視していることは非常に大きな問題点で、なにか文明への盲信や思考する事に怠惰な自堕落ささえ感じてしまいます。

ただ狭い国土の狭い道路を世界トップレベルの高い動力性能を持つ「走る凶器」が走り回る我が国の現代道路事情を考えますと、諸外国に比べて運転者のわずかの注意力の低下もより大きな事故につながりやすいと危惧されます。もとより人はエラーを起こしては瞬時に修整を行いながら動作する動物でありますから、他国で「0.5」であるものがより危険な我が国で「0.25」と決められるのもある意味仕方がないようには感じてしまいます。いわゆる「郷に入っては郷に従え」的感覚とでも申しましょうか・・・(笑)。

いずれにせよこれも全くの個人的な意見ですので、こんなやつもいるんだな程度にお聞き捨ていただければぼつでおk的には幸せでございます(笑)。

>No.52 ぼつでおk先生
ちょっと野暮な横槍ですが・・・
>「0.25」の一点を境に酒気帯びと飲酒が分かれて量刑が変わる
分かれてません。
「酒気帯び運転」の検挙基準は呼気1L中のアルコール濃度が「0.15mg」で違反点数6点、「0.25mg」以上の酒気帯びであれば違反点数13点となっていますです。
また、「飲酒運転」は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分かれていて、このうち「酒酔い運転」はアルコール濃度に関係なく、「酒酔い」の状態と判断されれば検挙されます(違反点数25点)。
細かくてすいません。

>>No.53 感熱紙さん
>ちょっと野暮な横槍
どころか、たいへんありがとうございます。
よく交通違反で掴まってたんですが(笑)飲酒関係では被検挙経験がないもので(訳は言わないw)。結局身体で覚えていない知識は無い頭からは出てきませんでつた(笑)。
ご指導いただいた知識をもとに勉強して顔を洗って出直します。(礼!)

>No.52 ぼつでおkさん

>世界トップレベルの高い動力性能を持つ「走る凶器」

本当にわが国の車は
「世界トップレベルの高い動力性能」を持っています。
2006年の7月にカナダのエドモントンの車屋で
「ヴィッツ」を見たときに
「16000CAD」で売っていた記憶がふつふつと蘇りました。

※2008/1/30 0:49 1CAD=107.102785JPN(取引値)

さすがにトヨタも儲かるわけです。

ごめんなさい

「※2008/1/30 0:49 1CAD=107.102785JPN(取引値)」

は以下のとおりが正しいです。

「※2008/1/30 0:49 1CAD=107.102785JPY(取引値)」

気になるのは、この地裁の判断が判例として
定着してしまうと、飲酒で事故起こしても
警察がくるまでに兎に角、水飲んで汗かけば
飲酒部分は無罪放免と言うことを裁判所がお墨付きを
与えてしまったと言う風に解釈できるのですが
いかがでしょうか?

法曹家の皆様ご教示のほどよろしくお願い致します。

>飲酒部分は無罪放免と言うことを

あの〜、危険運転致死罪が課されなかっただけで、判決は7年6ヶ月ですから。

更に今だったら轢き逃げが重くなったので12年くらいなのでは?
(正しい所は専門家にお願いします)

 事故車救護義務違反と自動車運転過失致傷の併合罪は懲役15年です。福岡の事故は法改正前の事件だったので懲役15年にできませんでしたが、今同じ事故が起これば最高懲役15年で判断されます。
 水を飲んで救護を怠れば救護義務違反で最高15年となるでしょう。
 また、救護を怠らずに水を飲んだとしても、法廷に出されない証拠を勝手に想像で作り出して認定するのは魔女裁判以下ですから、仕方がありません。

 また、この判決では飲酒量のほかにも事件前の運転状況を検討していましたから、状況次第によっては危険運転が認定されていた可能性もあったというべきです。飲酒検知をごまかすことが仮に出来たとしても大丈夫にはなりません。
 
 この上、裁判官の量刑における考慮、有罪判決が下されたときに仮釈放になる可能性、犯行をごまかしきれなかった場合のリスクなどを考えると、その手のことをやって得をする場合は実際にはほとんどないでしょう。

 判決を不当判決だと騒ぎ立てる人たち(特に、「逃げ得」という人たち)は数多くいますが、それに影響されて逃走する人が出てこないことを祈るばかりです。

>No.59 風の精霊さん

そういう意味では、こういう世間の耳目を集める事件に関してマスコミのやっていることは魔女裁判以下ですね。

そりゃまあ、取材を通じて得た情報を流しているんだって言えばその通りかも知れないけども、それが公判で証拠採用される水準なのか、反証に耐えられるだけの情報強度があるのかはまた別問題なのに、あたかも「こういう事実がある(のだから、斯く斯く然々の刑罰が下されて当然)」みたいに『世間の期待』を誘導しちゃうんですね、とかく。

それでもって、その勝手に膨らませていた『期待』が『裏切られる』と、「正義が行われていない」みたいな幼稚な感情論にすぐ走る。最近は、そういうマスコミの体質に迎合する法律家まで出てくる始末ですから、世も末です。

  福岡3児死亡事故 福岡高裁で控訴審第1回公判始まる

福岡市で平成18年8月、飲酒運転で多目的レジャー車(RV)に追突して海に転落させ幼児3人を水死させたとして危険運転致死傷罪などで起訴され、一審福岡地裁判決が業務上過失致死傷罪を適用して懲役7年6月とした元同市職員、今林大(ふとし)被告(24)の控訴審初公判が3日、福岡高裁(正木勝彦裁判長)で開かれた。  冒頭に検察側、弁護側がそれぞれ控訴趣意書を陳述、控訴審でもアルコールの影響による危険運転致死傷罪の成立をめぐり、双方が真っ向から対立する構図となりそうだ。

 福岡高検側は、あくまでも危険運転致死傷罪の適用に重点を置いた公判維持を行う。

 被告人・弁護人側は、第1審の懲役7年6月の量刑が重いとし、真っ向対立となる模様。

法律相談へ

ブログタイムズ