2008年2月アーカイブ

中国公安省、日本で農薬混入示唆 「袋の外からも浸透」(asahi.com 2008年02月28日13時03分)

 同省幹部は有機リン系農薬成分メタミドホスは包装の外側から染み込むという実験結果を公表。中国内で冷凍ギョーザにメタミドホスが混入した可能性は「極めて低い」と述べ、明言は避けたが、日本国内で混入したとの見方を強く示唆した。

 まあ、中国で混入したのではないのなら、論理的には日本かまたは中国から日本に輸送される途中で混入したということになるのですが、中国側も結構苦しい言い方をしているように感じられますので、記事の「日本で農薬混入示唆」という見出しは無用の煽りだと思います。

 中国側としてもそう言わざるを得ない事情が見え隠れしているようですが、中国側にどんな事情があるにせよ、少なくとも日本の消費者の中国不信の軽減にはくその役にも立たない会見であることは間違いないと思います。

殺虫剤混入「中国での可能性極めて小さい」…公安省会見(2008年2月28日11時48分 読売新聞)

 比較すればまだ冷静ですかね。
中国側の批判、警察庁長官が強い不快感 ギョーザ事件(asahi.com 2008年02月28日21時05分)

 中国製の冷凍ギョーザ中毒事件で、中国公安省が「(有機リン系農薬成分の)メタミドホスが袋の外から中にしみこんだ可能性がある」と指摘するとともに、日本側が捜査に非協力的と批判したことに対し、警察庁の吉村博人長官は28日、「看過できない部分がある。捜査に役立つだろうものはすべて提供している」と強い不快感を示した。

 吉村長官は「捜査に役立つだろうものはすべて提供している」 と言ってるんですけど、

「まったく理解できない」=客観的なデータ提示を−中国公安省発表で警察庁幹部(時事ドットコム 2008/02/28-13:25)

 中国側が、日本の警察当局が被害現場の視察や物証確認に応じなかったのは遺憾とした点についても、「視察は捜査と解釈でき、主権侵害になるため認められない。物証は捜査状況の説明を受けた上で、必要性があれば外交ルートで提供すると伝えている」

 というような記事もありまして、日本側もほんとに共同捜査をする意思があるのか疑わしいところもあります。
 原理主義的な対応で揚げ足を取られている感が否めません。

 双方とも頭を冷やさないと泥仕合になりそうです。

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ロス事件 「群がって取材控えて」 地裁が日本報道陣に(asahi.com 2008年02月28日15時10分)

 いろんな観点で日本との違いが見えて興味深いです。

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誤認逮捕の男性勝訴 捜査の違法性認める 宇都宮地裁(asahi.com 2008年02月28日13時43分)

 具体的な証拠関係が分からないので突っ込んだコメントはできませんが

 真犯人が判明し無罪が確定した

とあることから、真っ白無罪の事案と認められることに加え

 裏付け捜査を怠り、物証を軽視、無視した

という指摘を受けていることからだけでも、かなり問題のある捜査だったことが窺われます。

 これに対し、国・県側は「知能程度は低いが是非善悪の判断はできた。記憶力や読み書きの能力が著しく低いからといって直ちに責任能力がないとは言えない」と反論。

 これは何の反論にもなっていないと思います。
 責任能力の有無が本質的な問題ではないんじゃないですか。
 責任能力の有無が問題にならない程度の知的障害であっても、任意性や信用性に対するは特段の配慮は当然必要です。

 この手のニュースに接するといつも思うのですが、

 検事は何をしていたのかな?

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筋弛緩剤事件の守大助被告、無期懲役確定へ

 以前に関連記事を書いていますので、結果報告の意味で記事を紹介しておきます。

 関連エントリ

 地裁判決要旨

追記
 一審の審理に関する朝日の報道

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松嶋初音ブログでしょこたん擁護 2ちゃんねらーに宣戦布告?(J-CAST )

記事が紹介しているブログエントリ

 事務所のほうがびびってコメント欄を閉鎖したようですが(ここ憶測)、ご本人はかなりタフみたい(^^)

 初音さんは、「ニコニコ映画祭」での発言などでバッシングを受けたことがあり、その苦い経験もあってか、ネット上の誹謗・中傷に激しく反発している。(J-CAST )

 根性あるね。

 モトケンとしては心情的に松嶋初音君を応援します。


 しかし、このJ-CASTの見出しは品がないね。
 煽ってどうする。

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携帯電話を小中学生に「持たせない」方針(佐賀新聞 ウェブ魚拓 奥村徹弁護士の見解経由)

 この問題はいろいろご意見があるでしょうね。

 

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こういうマスコミがいるから覚せい剤事件の再犯が減らないんだろうなと思っております。

近々“出所”する田代まさしに周囲は厳しくすべきだ(ゲンダイネット)

 なお、このエントリは覚せい剤使用者限定です。
 覚せい剤使用事犯は(営利目的譲渡などの密売事犯は別)、本来的には薬物依存症ですので、他の一般的な犯罪とはニュアンスの違うところがけっこうあります。

 この記事の問題性が集約して表れているところが、出版プロデューサーの高須基仁氏の

「3年以上服役したといっても、田代が薬物依存を断ち切れたという保証はありません。それは薬物で何度も逮捕されている三田佳子の二男、出入所を繰り返した清水健太郎を見ても明らかです。まずは専門医がいる病院で治療に専念することをおすすめします」

というコメントです。

 高須氏は、「保証はありません」と婉曲的な言い方をしていますが、端的に言えば、田代氏が再犯に及ぶと決めつけているとしか読めません。
 そして、このゲンダイネットの記事全体がそのような認識を前提にしていると思われます。

 そんなこと分からないじゃないですか。

 このような前科者に対するレッテル貼りが、犯罪者の更生を最も妨げていると私は考えています。

 罪を償って出てきた以上、本人が反省したというのであればそれを信用してあげることが大事だと思います。

 もし、田代氏が、将来、そのような周囲の信頼を裏切って再犯に及ぶことがあれば、そのときにこそ強い非難を加えればいいのであって、償いを終えて出てきたばかりの人間に対して、出版に携わる人間が社会への受け入れを拒否するような姿勢をあからさまにすることに、私は強い危機感を覚えます。

 先輩芸人も厳しくしないとダメだ

 私も甘やかすべきではないと思いますが、記事全体の文脈からすると、

  何を正義漢ぶってやがるんだ。
  こういうときこそ親身になって支えてくれる先輩が必要なんだよ。

 と言い返したくなります。

 田代氏においても、この記事みたいな偏見に負けずに、逆にバネにして更生してもらいたいと思います。

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大トラ男女大暴れ 新幹線で車掌に暴力
「切符拝見」…直後に乗客が車内暴力! 長野新幹線遅らせる(いずれも産経ニュース)

 どちらの事件も車掌さんが怪我をしたかどうかはっきりしませんが、怪我の有無にかかわらず許せないですね。

 どちらのニュースも加害者の氏名は報じられていません。
 犯罪報道のあり方にかかわる問題ですのでほんとは慎重に考えるべきところですが、
 こういう事件では警察も毅然とした態度で臨むべき、つまり逮捕を積極的に考えていい事案だと思います。
 逮捕となればマスコミは実名報道をするようですが、この手の事件はそれくらいのお灸を据えてもいいと思います。
 大勢の乗客も大迷惑です。

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鉄パイプ強盗:鉄筋工を強殺未遂容疑で逮捕 大阪(毎日新聞 2008年2月24日 0時42分)

 ひどい事件だったので犯人が早く捕まればいいと思っていましたが、逮捕されたようです。
 しかし、このニュースにはちょこっと疑問がありjますので、例によって半分揚げ足取りコメントです。

 出頭した安藤容疑者は「前日にパチンコで小遣いを全部すってしまい、金がほしかった」と認めているという。

 と報じられていますが、この事件の容疑は「強盗殺人未遂」なんですね。
 つまり、警察の見立てとしては「殺すつもりがあった」ということなんですけど、この容疑者はそこまで認めているのでしょうか?

 また、「出頭した安藤容疑者は」とありますが、これはどういう経緯で出頭したのでしょう?

 第1報のようですから、取材がまだまだ不十分なようですが、この程度は直ちに突っ込んで欲しいものです、というのはないものねだりでしょうか。

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ニラ肉まんの殺虫剤、中国検査当局「日系企業に落ち度」(2008年2月22日19時42分 読売新聞)

 同総局は「2社は日本側が単独出資した企業。日本側の基準に従って管理・生産が行われ、日本側の職員が駐在し、監督と管理を行っている」として、「日本側」の責任を強調した。

 また、同総局は日本政府がこれまで、肉まんやギョーザなどの残留農薬検査を要求しなかったと指摘。今後、日本と意見交換し、検査に取り組む考えを明らかにした。

 一応、報道どおりということを前提にしますが

 中国側は、今回発生した事件の責任を回避しようとしているのかも知れませんが、このような発言が日本国内にどのような反応を呼ぶか分かっているのだろうか?

 安くて安全な中国製食品が安定して中国から日本に供給されることは中国にとっても日本にとっても利益ですが、食品に関する限り、安さと安全を天秤にかければ安全が優先するのであり、安全かどうかの判断において最も重要な判断者は日本の消費者であることと、日本の消費者はバカではないことを中国の当局者を十分理解しているのだろうか?

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三浦和義元社長を逮捕 ロス警察、81年に妻殺害容疑(asahi.com 2008年02月23日21時28分 ウェブ魚拓

 いや、びっくりです。

 とりあえず、落合弁護士のブログをどうぞ。

 ちょっと目の離せないニュースです。
 詳細な追跡報道を望みます。

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右脳の天才 サヴァン症候群の謎(日経サイエンス ウェブ魚拓

 この記事が指摘している希有と思われる事実は、すべての人に対して最大限に拡張して一般化されるべきものと思います。

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2人強殺事件で異例の反対意見 最高裁「更生可能性見いだせない」(産経ニュース)

 1、2審判決によると、岡田被告らは平成15年、福島県いわき市内の事務所で、同じ暴力団組員2人を射殺し、現金約30万円の入ったバッグを奪った上、遺体を山中に埋めた。

 もう少し詳しい事情の説明(計画性の有無・程度など)が欲しいところですが、けん銃を使った被害者二人の強盗殺人共犯事件というだけで、当然死刑が視野に入る事件だと思います。

 第1小法廷の多数意見は、暴力団員同士の犯行だったことや、岡田被告らが若いことなどを有利な事情と判断し、2審判決を是認した。

 これに対して、検察官出身の甲斐中辰夫裁判官だけでなく弁護士出身の才口千晴裁判官も反対意見を述べているところが興味深いです。

 甲斐中辰夫裁判官(検察官出身)は、「被害者が暴力団員であるということは酌量すべき事情と評価できない」などと指摘。その上で、「多数意見が岡田被告の酌量すべき事情と述べているところは、量刑考慮の重要要素でなく、同調できない」とした。

 才口千晴裁判官(弁護士出身)も「同情すべき事情を見いだすことはできない」と判断。

 「被害者が暴力団員であるということは酌量すべき事情と評価できない」という甲斐中裁判官の意見に強く同意します。
 暴力団が加害者側に立った場合の「暴力団だから悪質」というステレオタイプの裏返しとしての短絡的情状判断(被害者側に立った場合の「殺されてもたいしたことはない」)としか思えません。

 別の見方としては、多数意見は暴力団の世界は治外法権だと考えているのではないか、という見方もありえますが、裁判官が仮にそんなことを考えたとしたら、日本の治安はオワタです。

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弁護士懲戒請求が7倍に 8割超は光市母子殺害事件の被告弁護団(産経ニュース ウェブ魚拓

 少なくとも、テレビ発言と大量懲戒請求との因果関係は認められそうですね。

 参考ブログエントリ
 橋下の弊害・懲戒事件が前年比7倍!(Matimulog)

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「週刊ダイヤモンド」記事に真実性なし、音楽著作権協会が勝訴(2008年2月13日21時25分 読売新聞)

 惰眠さんのリクエストによるエントリです。

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 これは私のエントリではありません。
 psq法曹さんによる説明ですが、コメント欄に埋もれさせてしまうにはもったいないので、こちらに引用して紹介させていただきます。

 その1

 その2

 その3

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「らき☆すた」声優ブログ無期限休止 コメントの指摘にショック受けた?

 詳しい事情は記事と問題のブログを読んでいただくとして

 またか、という感じです。

 最近、タレントさんの失言らしきものがいくつか物議をかもしてますが、しちゃったほうもマスコミも過剰反応に過ぎるんではないかな、と思っております。

 政治家を見習えとは言いませんが(あれは鉄面皮すぎ)、もう少しいい加減さと寛容さがあってもいいように思います。


 しかし、「お知らせ」エントリのコメント欄の問題のカキコ(下から10番目くらいの矯正云々のやつ)はどう読んでもネタでしょう。
 そうすると元々のエントリのコメントの評価もそれなりということになります。
 

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「純愛で性欲ではない」元巡査長 留置場わいせつで実刑(産経ニュース)

 判決によると、中村被告は浦安署の看守係だった昨年2月と3月、留置場の差し入れ口から手を入れ女性の胸を触り、廊下でキスをしたりした。
 女性は昨年3月、執行猶予付きの有罪判決を受けた。中村被告は昨年7月、この女性を盛岡市内の実家で両親に紹介するなどしている。

 かなり真剣なお付き合いのようですが、

 弁護側は「純愛から出た行為で、性欲からではない」と主張していた。

 これはやっぱり、いくらなんでも、荒唐無稽とは言いませんが、詭弁でしょう。

 性欲からだっていいじゃないですか、ほんとに好きで結婚するっていうのならば

 いや、よくはないです、どんな理由があったとしても看守係が留置中の女性の胸を触るのは許されません。

 純愛であったのであれば、留置場から出るまで我慢すべきでした。
 それができないのであれば、それは獣欲です。

 でも、「好きで好きで我慢できませんでした。釈放されたら結婚します。」とでも言って真情を吐露すれば執行猶予がついたかも。

 それとも結婚する気はなかったのかな?
 もう一つ記事からははっきりしませんが、この被告人と弁護人は「純愛」を理由に無罪を主張していたのでしょうか?

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関テレの民放連再加盟、関西民放18社が容認せず(2008年2月18日22時30分 読売新聞)

 8月の北京五輪の中継は民放連に復帰しないと放送できないが、関西テレビが放送が決まったかのような広報資料を配布していたことが、各社の反発を招いた。
 問題となったのは、2月4日発行の広報資料で、文中に「フジ・関西テレビの北京オリンピック中継は」などと、関西テレビの放送を前提とした記述があった。関西テレビによると、全国ネットの番組資料はキー局のフジテレビジョンが文面を作り、系列局が「フジ」を「フジ・関西テレビ」などと機械的に書き換え、発表することになっており、「社内的なミス」としている。

 単純ミスといえばそうなのかも知れませんが、そのようなミスをするところが除名という処分を深刻に受け止めていないことの表れだと見なされたのだろうと勝手に思っています。

 北京五輪を中継できないことがどの程度の重みを持つのかよくわかりませんが、思いっ切りけじめをつけたほうが業界のためだと思います。

 話は別ですが、処分の重みを全然考えてないというか、人間的にだめだめぶりをさらけ出しちゃったのがこの男ですね。

事故開き直りの亀田大 金平会長も扱いに苦悩
亀田大はまるで朝青龍 反省なし、打つ手なし
他にもたくさん

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 昨日の「今回は検察の味方です。」では、町村先生のコメントに反発して検察擁護のエントリを書きましたが、追記で述べていますように、検察には何の問題もないんだ、信頼感は揺るぎないぞ、などと能天気なことを言うつもりは毛頭ありません。
 ただし、志布志事件のような事件が起こったからと言って「検察は」というような一括りの言い方はするべきではない、と考えています。
 もちろん完璧な組織などありませんから、検察にも問題は多々あります。

 一番大事なことは、組織の基本的な価値観、行動原理であり、またその価値観や行動原理が組織の構成員にきちんと浸透しているかどうかだと思います。

 ところで、日本の刑事訴訟法は基本的に検事をかなり信頼した構造になっており、裁判官も検事を信用していました。
 典型的には検察官面前調書(検察官が作成した供述調書、検面調書と言います)の取り扱いに表れます。
 伝聞例外とか証拠能力とかの専門用語は横に置いておきますが、要するに、ある人の検面調書の内容と法廷における証言の内容が食い違った場合、検面調書のほうが信用されることがとても多かったのです。
 つまり、検事の取り調べに対する信頼感がというものが強くあったわけです。

 しかし、(私の感覚では)もう十数年以上前から、裁判所の検事調べに対する信頼感が崩れ始めてきたように思います。
 今回の志布志事件などはその傾向に強く拍車をかけた事件になったのではないかと想像しています。
 つまり、検事だって取調室で何をやってるかわからない、という疑念が裁判所に生じてきていることが想像されるわけです。
 検事の取り調べとその結果としての検面調書の信頼性が揺らぐということは検察にとってこれ以上はない深刻な問題です。
 最高検もそのような認識というか危機感のもとに、一部とはいえ取調べの録画に踏み切ったものと考えています。
 つまり、最高検としては、現場の検事や上司に対して、「まともな取り調べをしろ、そしてまともな取り調べを録画してまともな取り調べをしていることを立証しろ。」と言ったものと理解しています。

 しかし、この一部録画という点が強く批判されているようです。
 単に不十分であるというだけでなく、有害であるという批判があります。
 可視化という観点では、不十分なことは当然です。しかし、可視化に関しては弊害もあることから(「取調べの可視化の問題点」)、全面録画が理想であるとは言い切れないところがあります。
 これは、主として供述者にとって不利益な部分を公開しない、という配慮からです。

 しかし、一部録画に対する批判は、そういう観点ではなく、取調官にとって不利益または都合の悪い部分を隠蔽する可能性を指摘しています。
 つまり、取り調べの過程において、被疑者に対して騙したり脅したりして虚偽自白をさせてから、おもむろにビデオを回して、自発的に真実を自供したような演出を施して一部録画する可能性を指摘しているわけです。
 しかし、このようなことははっきり言って証拠の捏造です。

 私が推測しているように、最高検が検事調べの信頼を回復するために可視化に踏み切ったのであれば、このような捏造は絶対に行ってはいけません。
 もし、一部録画における作為、演出、やらせ(つまりいくつかのテレビ番組でやっているようなこと)をやったりすれば、検事の取り調べに対する信頼はそれこそ回復不能なまでに完全に地に落ちることになります。

 取り調べのエッセンスのような適切なダイジェスト版になるか、木だけ見せて森を隠すような姑息な捏造ビデオになるかは、検察の基本的な姿勢によると思います。

 要するに、検事全体がもう一度検察とは何か、ということを問い直さないと、町村先生や落合弁護士の危惧が検察全体の問題として現実化していく恐れを私も感じています。
 

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JAL機、英語の指示聞き違え滑走か 新千歳空港(asahi.com 2008年02月17日23時00分)

 事故調査関係者やJALによると、管制官が502便に出した指示は、「expect immediately takeoff」(直ちに離陸するよう備えよ)という英語だった。国交省監修のマニュアルにはない表現だが、混雑時などに国際的に使われているという。この表現では、冒頭の「expect」(予期する)を聞き落とした場合、「immediately takeoff」(直ちに離陸せよ)と受け取れる。調査関係者は、操縦士がこの後段部分に影響され、離陸を許可されたと誤認した可能性があるとみている。

 とてもありそうな可能性だと思います。

 日本語としても「直ちに離陸するよう備えよ」というのはどういうことなんだろうと思ってました。

 問題のJAL機が離陸待ちの状態にあるのはわかりきったことだったはずですから、単に「待機せよ」と言うだけでは足りずに、「直ちに離陸するよう備えよ」という必要性が何故あったのか理解に苦しむ思いでした。

 慣用的な表現のようですが、かなり危なっかしい表現であるにもかかわらず、慣用されているのは何故なんでしょう?

 わからないことが多いニュースです。

 いずれにしても、一部を聞き落とすと正反対の指示に聞こえるような言い方はなんとかしたほうがいいと思います。

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検察庁は公益の代表者の地位を捨てるのか?(Matimulog)

取り調べ過程の可視化も、実体的真実に適った裁判を実現するためにやっているのであって、都合のいい場面だけを録画することで有罪立証に役立つから賛成というのでは、その目的にはそぐわない。 真実はどうでもよくてとにかく有罪立証さえできれば、冤罪の可能性があっても知ったことではないと言うことになるではないか。

 これはかなり揚げ足取りなご意見ですね。
 たしかに取り調べ状況の一部録画というのは不十分かも知れませんが、何もないよりはましです。
 
 そもそも「都合のいい場面だけを録画することで有罪立証に役立つ」という視点で見るならば、供述調書というのはその最たるものです。
 被疑者の供述の中で分量的にはそのうちのごく一部の検察官にとって都合のいい部分だけを抜き出して文章化し、しかもその正確性や再現性が何ら保証されていないものです。
 検察官の姿勢を批判するのであれば、可視化以前の段階において材料に事欠きません。

 しかし、仮に一部であったとしても取り調べを可視化するということは、供述調書とは比べものにならない情報を弁護人や裁判官に提供します。
 問題は、その情報を弁護人や裁判官がどう判断するかだと思います。
 現に、検察官が提出したDVDによって自白の任意性を否定した裁判例もあります。(「検察の取り調べ録画によって自白の任意性を否定」)

 町村先生は、一部録画だったらしないほうがましだ、とお考えなのでしょう。
 
 どうも、

真実はどうでもよくてとにかく有罪立証さえできれば、冤罪の可能性があっても知ったことではないと言うことになるではないか。

 この記述からしますと、検察官の意識を問題にされているようですが、これは検察官としての根本的な姿勢にかかわる問題であって、取り調べ状況を録画するとかしないとかという次元の問題ではありません。
 検察官が起訴し、有罪判決を求めて立証するということの前提として、全ての証拠を評価した上で、被疑者が犯罪を犯したことは間違いない、という相当厳格な心証形成があるのです。
 そして、有罪の心証が確信を伴って形成できない場合は不起訴ですし、確信があって始めて起訴しています。

 町村先生のエントリによれば、検事が確信なくして起訴し、しゃにむに有罪判決を得るために取り調べ状況の録画を利用しようとしているとお考えのようですが、その根拠はあるのでしょうか?

法務大臣によれば、鹿児島選挙違反事件のような事例でも冤罪とは呼ばないのが検察クオリティらしいし、

 という点については別エントリで述べました。

 なお、このエントリで述べた検察の姿勢は、私が知る範囲での基本的な考え方であり、もちろん例外の存在を認めないわけではありません。
 例えば、町村先生もあげている志布志事件などは、不当捜査だと思いますが、最高検や多くの検事が

あの事件でもさんざん責め立てた場面は闇に葬って最後に自白した場面だけを録画しておけば、有罪になったかもと、ほぞをかんでいるのかもしれない。

 と町村先生が本気で考えているとしたら、それは違うと申し上げます。

追記
 落合弁護士がMatimulogの同じエントリについてコメントされています。

 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080217#1203177756

 モトケンさんの感覚は古いよ。
 今はそんなこと言ってられる状況じゃないよ。

 と言われているようなコメントです(^^;
 いや、笑い事じゃないんですが。

 たしかに、若い検事の中に

今や、日本の検察庁は、刑事事件を一種のゲーム視し、起訴できれば、有罪になれば「勝ち」であり、勝つためにはあらゆる手段を講じ、負けにつながることはしない、という、国民にとっては何とも厄介な存在になりつつある、あるいは、既になってしまっているのではないか、という強い懸念を持たざるを得ません。

 という懸念が妥当するような検事がいると、私も認識しています。

 しかし、最近、某部制庁の刑事部長と話をする機会があったのですが、その刑事部長は私と危機感を共有しておりました。
 つまり、検察の本流はまだまだ捨てたものではないと思っています。

 しかし、危機的状況が悪化しつつあるということも間違いなさそうです。

 だんだん、私のエントリが腰砕けになっていくようで私自身が残念なところがあります。

追記
 続編はこちら 「今回は検察に苦言と警告

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鳩山法相:「検察が言っていること」…「冤罪」発言で(毎日新聞 2008年2月16日 22時10分 (最終更新時間 2月16日 23時15分) ウェブ魚拓

 一方で「天に向かって恥じることはない。今回の冤罪の問題は、(定義について)法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」と説明した。

 鳩山氏は「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言い、裁判による無罪は冤罪とは言わないというのが法務省、検察の基本的考え方だ」と指摘。「検察の方は謝るべきでないと思っただろうが、私は自らの気持ちでおわびした」と語った。

 なんですかこれは?

 「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言う」などという限定的な冤罪定義は私が検事をしていたときに一度も聞いたことがありません。
 「冤罪」という言葉についての公式見解も聞いたことがありません。

 鳩山法相はいったい法務・検察の誰からこのような「基本的な考え方」を聞いたのでしょう。
 たぶん、法務省の幹部(これはほとんど検事)に確かめたのかも知れませんが
 
 たしかに裁判による無罪を直ちに冤罪とは言いません、という説明はあった可能性があります。
 しかし、冤罪を「真犯人が後から現れた場合」に限定することも「無罪は冤罪ではない」と言い切ってしまうことも、検事を含む法律家の一般の言語感覚ではないと思いますので、鳩山法相から尋ねられた検事が、「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言い、裁判による無罪は冤罪とは言わないというのが法務省、検察の基本的考え方だ」というような答をするとは思えませんし、まして「法務省や検察が常日ごろ言っている」というのは私の経験に一致しません。

 私の感覚では、「志布志事件は冤罪ではないのか?」でも述べましたが、典型的には「本来は無罪であるにもかかわらず誤判によって有罪判決を受けてしまった場合」を言うと思いますが、「冤罪に問われる」という言葉があるように、結局は無罪になったとしても、警察・検察による明らかに誤った判断やでっち上げまたはでっち上げに準じるような強引な捜査(虚偽自白の強要はその典型)、杜撰な捜査(当然やるべき裏付け捜査をしないなど)によって逮捕・勾留・起訴されて被告人の地位に立たされた場合は、それが明らかになればいわば真っ白無罪になるわけで、そのような場合も冤罪と言って何ら妨げないと言えます。

 鳩山法相は、「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言う」と言っていますが、そもそも存在しない事件がでっち上げられた場合には真犯人などいるはずもありません。
 
 さて、志布志事件は冤罪かそうでないのか、もう一度鳩山法相に問い正したいと思います。

 というわけで、鳩山法相が「法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」と言うのは法務・検察へ責任転嫁以外の何ものでもないと思っているのですが、鳩山法相にごまをすった法務省幹部がいる可能性もまた否定できません。
 「冤罪」の意味について、「法務大臣が言われるような意味で使われることもありますね。」程度のことは言った可能性があります。
 もしそうなら、いい加減にバカな法相に付き合うのはやめなさいと言いたいところです。

続報追記
 鳩山法相発言「冤罪ではない」に批判相次ぐ 衆院法務委(asahi.com 2008年02月26日19時15分)

 また、与党の神崎武法委員(公明)も「志布志事件を含めて『冤罪』とするのが一般的。不適切な発言で誤解されないよう、発言には慎重を期してもらいたい」などと注文した。

 神崎氏は言うまでもありませんが、元検事です。
 「一般的」という言葉には、「法務・検察においても」という意味が含まれていると思います。

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 小会議室を拡張しました。
 新たに5個の小会議室を作りました。
 ヘッダメニューの「小会議室」から入れます。

 コメント欄の議論がエントリの趣旨からずれていくことがしばしばあります。

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