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医療事故究明に立ち入り権限…厚労省が「調査委」設置案(2008年4月2日14時32分 読売新聞)

 医療機関への立ち入りやカルテ提出を命令する権限を持つ。現在は、異状死があれば医療機関は警察に届け出るが、医師法を改正し、医療機関からの届け出は委員会へと一本化。悪質なケースに限り委員会から警察に通報する。遺族からの届け出も委員会が受け付ける。同省は近く案を公表、関連法案の今国会提出を目指す。
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コメント(18)

 「悪質なケースに限り」と書いてあるけれど、何を持って悪質と見なすかという問題は明らかになっていません。解釈によっていかようにも拡大できる文言は信用なりませんね。

 しかも遺族が告訴すれば警察が捜査するのを妨げるものではないし、集めた資料を「令状がない限り」提出しない(=「令状があれば」集めた資料を警察が利用できる)となると、第二次試案とどこが違うの?って感じ。

まあ福島の検察や警察の証拠や証言の収集ぶりを見る限り、彼らに捜査起訴させることで医療事故の原因分析と責任評価が出来るとはまったく思えませんね。
なにせ起訴を新聞発表した時福島の検察と警察は「我々は患者の目線で起訴している」と堂々と公言していましたから。
彼らは起訴という責任追及において彼らが従うべき法律に客観的に照らしてではなく、なぜか患者と自己を同一視して責任追及しているわけです。「{被害者}が麻酔をかけられて何も知らぬまま死に至らしめられた{事実}は人情として到底許せるものではない」というふうに。これは起訴発表頃の検事の新聞への発言だったように記憶していますが。

いったい検察官というものは事故調査にあたって通常用いられるハインリッヒの法則などの常識的な方法をまさか知らないのでしょうか?推理力の基本ともいえる思考方法でしょうに。

あの福島地検のやり方が彼ら検察一体としての捜査意識を現しているというのであるなら(公判の全経過中検察官が4人も交替しても皆起訴時と同じ内容の論告を行いましたからにはそうなのでしょうが)、医療事故に限らずすべての事故において、検察や警察の捜査が入ってくることで原因分析のための証拠をきちんと集めることができるとは到底考えられません。
逆に事故原因調査という大命題にとって百害あって一利なしの結果になるという予想はいとも容易くたてられますが。

警察に届け出る範囲について
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080403/crm0804032016037-n1.htm

 最終案では警察へ通知されるケースについて、「故意や標準的な医療行為と著しく逸脱する重大な過失」「何度も事故を繰り返す医師や、カルテ改竄(かいざん)など悪質な事例」に限定すると明記。また、遺族による捜査機関への告訴・告発の権利は妨げないものの、捜査機関は医療事故調の判断を尊重した捜査を行うように運用をはかっていくことも盛り込まれた。

http://doctorsforum.at.webry.info/200803/article_10.html
 捜査機関へ通知すべき「重大な過失」かどうかの判断は、刑事司法の専門家ではなく、医療の専門家に任される。(なぜなら、「重大な過失」とは、「死亡」という結果の重大性に着目したものではなく、標準的な医療から著しく逸脱した医療であると、委員会が認めるものをいい、この判断はあくまで医療の専門家を中心とした委員会による医学的な判断であるためである。)
 
また、 委員会の判断に基づき警察に通知が行なわれない事例に関しては、調査結果が調査報告書として遺族に渡って、遺族が警察へ行き刑事罰を主張しても、捜査機関は、調査委員会の医学的な判断を尊重して、原則として捜査を開始しないことが明文化されています。
 
また、届けるべき事例かどうかは、医療安全調査委員会(仮称)や患者遺族が行なうのではなく、あくまで「医療機関において」判断すると明記されています。したがって、院長が届出範囲に該当しないと判断している事例に関しては、届出義務違反とされることはありません。

実際の運用・人選に不安もありますが個人的にはずいぶん頑張ったんじゃなかろうか、と思いますが。
こちらのメモ書き状の文章もよくまとめられていると思います
http://doctorsforum.at.webry.info/200802/article_46.html

>>No.3 ろくろくびさん
ご紹介ありがとうございます。「医療安全調査委員会(仮称)」設置案につきまして‘ずいぶん頑張った‘に同感です。

じつは私のNo.2については「医療安全調査委員会(仮称)」設置案にかこつけて裁判員制度の事実認定のほうに関連づけて述べたもの(論点ずらしのトピズレ内容)であることを白状いたします(陳謝)。

福島事件における届出義務違反が、いかにむちゃくちゃな言いがかりであるか、この設置案を見ればよくわかりますな。
大体過失であるかどうかが裁判で論争になっているのに、明らかな過失などといえるはずがないではないか。

>個人的にはずいぶん頑張ったんじゃなかろうか

医師以外にもまだまだご不満をお持ちの方も多いようです。

昨夜のNHKニュースウォッチ9では男性キャスターが怖い顔をして、
「調査委員会には医師も入っていますが、仲間内の調査で真相が究明できるのでしょうか」
なんてことを言ってました。医者抜きでやれということでしょうか?

■厚労省から4/3公表された、第三次試案と、パブコメ募集

第三次試案

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm103...

パブコメ募集要項

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm103...

福島県立大野病院事件の論告求刑を見ると、検察は、我々医師が、通常の医療行為と思っていることでも、結果が悪ければ、重大な過失として断罪する可能性があるということを学びました。

医師が一番恐れていることは、民事、刑事いずれの場合でも、適切な peer review なしに、裁かれることだと思っています。

今回の3次試案では、遺族が告訴した場合の、刑事捜査の制限が明記されていません。

警察による資料の押収により、事故調の調査が不十分となる恐れもあるため、事故調の判断が「刑事手続相当」意見を得るまで捜査に着手してはなら ない、という一文が必要です。(医師法だけでなく刑事訴訟法の改正が必要)

>田舎の消化器外科医さま
ご紹介ありがとうございます。

>警察による資料の押収により、事故調の調査が不十分となる恐れもあるため、事故調の判断が「刑事手続相当」意見を得るまで捜査に着手してはなら ない、という一文が必要です。(医師法だけでなく刑事訴訟法の改正が必要)

色々考えたのですが捜査機関は事故調の判断を「尊重」する、とするのが限界だと思います(以下はあくまで私見)
理由1 本音はどうか知りませんが事故調の調査の目的は原因究明と再発防止に役立てていくことであり刑事責任追及ではありません。つまり「再発防止目的」と「捜査目的」が統合された調査を行うわけではなく、「再発防止目的」と「捜査目的」の調査が並行して進められることになります。この両者の調査は別個の手続であるため片方を停止することはおそらく難しい。

証拠保全が図られないまま、紛争が拡大した後に初めて刑事司法の場に原因究明が委ねられるというようなことになれば、証拠の散逸により原因究明が困難となる。このような問題が生じないようにするためには、医療事故が発生した直後の段階において、証拠保全が実現されるような仕組みにしなければならない。
診療関連死は、殺人等の犯罪と違い、現場や指紋というような証拠保全よりも、臨床的な評価の方が重要であり、警察が調査組織に求めているような犯人捜しという観点からの証拠保全は、医療事故の際の証拠保全とは異なる。
「これまでの議論の整理」12頁より
理由2 事故調がそもそも機能するかどうか不明。場合によっては届出が想定を超えて殺到し処理能力を超えてしまい、調査が大幅に遅れ、混乱が生じることもありうる。また、報告書の内容が医療者、患者双方にとってゴミみたいな内容になる可能性もある。警察としてはこのような事態になっても指をくわえて眺めているしかない事態は避けたいのではないでしょうか。

以下思いつきに基づく暴論
いっそのこと刑事責任追求も事故調の目的にしてしまえばいいのではないか。刑事手続についてはまず一次的捜査権限を事故調に与え、二次的に警察に与える(送検ならぬ送警)方が逆にすっきりする。事故調も建前は刑事責任追求は目的としないというがそれが本音とは思えない。警察が入ると「犯人扱い」されるように感じるかもしれないが事故調ならそういう感じもあまりしないだろうし。どっちにしろ調査報告書は民事責任追及に活用されるんだから

> いっそのこと刑事責任追求も事故調の目的にしてしまえばいいのではないか(No.9 ろくろくび様)

事故調が「刑事手続き相当」と意見を述べた案件についてのみ、警察が捜査に着手することとすればよいと考えます。また、起訴要件ともする。

警察は告訴等により事件を認知したら、一旦事故調に回付して、事故調の意見が出るまで待つ。
事故調は「刑事手続き相当」と判断したら、報告書を添えて警察に通知する。
事故調を、警察の協力医みたいなものとして、使うという意味です。
刑事訴訟法を改正するか、特別法を制定して、法律上の制度とすることが必要です。

---
ろくろくび様はこの方向が難しいようにおっしゃいますが、私は、実現可能であると考えています。
警察も検察も忙しいから、無意味な捜査や起訴はしたくないのです。
協力医探しも大変だし、事故調がそれをしてくれるというなら、歓迎ではないですか。
事故調制度に伴って行政処分が強化されることとなっているので、刑事責任を厳しく追及する必要はないという大義名分が立ちます。

患者としては、事故調がちゃんと真相究明してくれて、医療者に責任が有る場合は民事的にきちんと賠償してくれれば、満足する。民事解決のテコとして刑事告訴を使うことは、抑えられるでしょう。
あくまで医師の厳重処罰を求めるという人も、世の中に居ることは居ますが、刑法の謙抑性の理論からそういう考えが正当であるとは思いません。

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厚労省は及び腰で、法務省や警察庁に対して、刑事捜査・起訴の法的制限をしようということは、まだ持ちかけてもいないようです。
今までの説明の中では、むしろその点を曖昧にして、医師を騙してきたのではないですか。

しかし、今回明らかになったからには、医師のみなさんはパブリックコメントにどんどん意見を言うべきだし、国会議員などにも運動すべきであると考えます。

>No.10 YUNYUN(弁護士)さん

>私は、実現可能であると考えています。

 全然問題ないんじゃないですか。
 私もその方向への法改正がいいと思います。
 少なくとも検察は大助かりでしょう。

あっうっ・・・。NO8までのコメントを拝見してて何度読んでも筋がよく理解できませんでしたが、NO9・NO10でようやく整理できました。
患者側としても、医療関係の訴えに対してわかりやすい仕組みを整えていただく為にもNO9・NO10の方向で窓口を明瞭にした方がわかりやすいと思いました。
窓口がわかり易くなったからといって、モンスターなんとかのようにならないように、我々側も自己責任の中で享受すべきところはしっかり享受し、医師の方々からみていいがかりだと思われないような行動をしっかりしていかないと、自分で自分の首を絞めて行く様なことになってしまうと思います。

>No.10 YUNYUN(弁護士)さま、No.11 モトケンさま
 私も将来的にはその方向への法改正がいいと思っています。しかし現時点での改正は困難であろうと思います。
 理由はやや繰り返しになりますが、
>事故調が「刑事手続き相当」と意見を述べた案件についてのみ、警察が捜査に着手することとすればよいと考えます。また、起訴要件ともする。
 この主張は「警察は告訴等により事件を認知したら、一旦事故調に回付して、事故調の意見が出るまで待つ。」ことを警察の法的義務とする主張だと思うのですが、このように刑事手続に事故調を法的に組み込むためには、事故調の目的を「刑事責任を追及することを目的としない」としたままでは難しいと思います(官僚的な理屈ですが)。
 しかし、事故調の目的に「刑事責任追及」を加えると無用な誤解を生じさせるだけのように思います。そこで、「捜査機関は事故調の判断を「尊重」する」ことにして事実上、「事故調の意見が出るまで待つ」ように運用していくのが現時点ではよいのではないか、と思うのです。
 理由の二つ目については上記の通り。

m3の医療維新での河上和雄氏へのインタビューから抜粋。第3次試案に対する、検察、警察のスタンスを率直に語っています。

4月4日の、国会答弁で、医政局長と警察庁・米田刑事局長が言葉を濁していた部分が、明瞭になっています。
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/04/post-1341-11.html

引退後とはいえ、このインタビューのほうが、検察の現場の感覚に近いのでしょうか?

http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080408_2.html 弁護士(医療と法律研究協会副協会長)・河上和雄氏に聞く 警察はあくまで医療事故を独自に調査 “事故調”第三次試案に異議、厚労省の権限強化にすぎず ーーーーーーーーーーーー

こうした仕組みを作るためには、刑事訴訟法の改正が必要ですが、第三次試案では触れることができなかったのでしょう。刑事訴訟法上では、警察や検察が捜査権を持つと定めています。第三次試案では、調査委員会の通知がないと捜査ができないような書き方をしていますが、これは法律を無視するものであり、到底受け入れられないでしょう。
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 本当に信頼できる権威のある組織を早急に作ることができれば、いずれは厚労省が考えたように、警察・検察がその調査結果を尊重する時期が来るかもしれません。さもなければ、全然相手にしないことになります。
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医師や医療者が何らかの問題を起こすと、捜査機関はそれを放置していいのかということになります。結局、捜査機関は独自に動くわけです。

 さらに第三次試案では、遺族が告訴した場合にも、「警察は、調査委員会の専門的な判断を尊重し、調査結果や委員会からの通知の有無を十分に踏まえて対応することが考えられる」としていますが、「考えられる」だけであって、「考えられない」場合もあるわけです。
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医師や医療関係者から刑事罰から解放して、医学の発展のために医療事故の原因究明などを行う。そういう考え方を進めていくと、医師や医療関係者が何をしようと、犯罪にはならないことになります。しかし、それでは世論の支持は受けられません。特に医療過誤で家族を亡くした遺族にとっては納得できないわけで、あり得ないことです。

 厚労省が医学的な観点から調査などを行い、医療事故を客観的に評価して、医療の透明性を確保する、それは結構なことです。しかし、刑事責任や民事責任を追及するのは別の話で、厚労省の仕事ではありません。
ーーーーーーーーーーー

厚労省が医師の立場に立つことは必要でしょう。それはいいのですが、医師の立場に立ち、刑事罰や民事罰から医師をできるだけ遠ざける、調査委員会が一手に引き受けるという形で厚労省の権限を強化する方向性を出したのが第三次試案だと思っています。それも法律を無視して、厚労省の力が及ばない警察・検察に対して、調査委員会の言うことを聞かなければならいないとしています。
/blockquote>

 私は第三次試案はすばらしい案だと思うんですけどねぇ。
 岡本議員の言うように審査の渋滞等実際の運用がどのようになるかが分からない以上、警察が動けないようにするのは現時点ではどう考えても無理です。ある程度事故調が軌道に乗ってからそうした方向への改正を目指すしかないのではないでしょうか。現段階でいきなり全部解決のウルトラCは無理です。最終目標へ到達するためのワンステップと位置づけて考えたほうがよいように思います。

 国税の世界では「租税徴収を目的とする手続」の通常の税務調査手続と、「租税犯の責任追及のための手続」である国税犯則手続があるそうです(どちらも税務署が行う)。個人的にはこれをモデルにしたうえで事故調に告訴・告発権限を独占させるのがベストだと思っています。現在の第三次試案は通常の税務調査手続しか事故調にない状態でいわば片手落ちの状態であろうと思います(事故調が警察に「告発」するのではなく「通知」することになっているのもいわば苦肉の策でしょう)。そしてこの片手落ちの状態にしたのは他ならぬ医療側の意見のように思います。
 河上氏が言うように故意・重過失についてまで医療者を免責することは不可能です(守大助による筋弛緩剤事件を見ても然り。検察の介入を完全に排除するのは無理)。医療に警察・検察がある程度入って行くことは避けられない以上、事故調に刑事責任追及手続にも積極的にかかわらせるべきだと思います。具体的には先述の告訴・告発権限の独占、事故調の調査結果・押収資料の検察への引渡し等。事故調を刑事責任追及手続と切り離そうとすることは、結局これまでどおり素人である検察・警察の調査結果のみをもとに刑事手続を進めよ、というに等しいのではないでしょうか。

 河上氏のコメントはポジショントークのように見えます。検察庁非公式スポークスマンとして法務省・厚生労働省間の縄張り争いの一環として厚労省を牽制しているようにも見えます。いずれにしても無神経な発言のような…

問題は公安委員会関係の方々と調整しているのか否かでしょう。

それにしても
> 昨夜のNHKニュースウォッチ9では男性キャスターが怖い顔をして、
> 「調査委員会には医師も入っていますが、仲間内の調査で真相が
> 究明できるのでしょうか」
> なんてことを言ってました。医者抜きでやれということでしょうか?
あきれます・・・。非専門家で判断ができると想っているのでしょうか?思い上がりも甚だしいです。
死亡すれば全て過誤だという理論であればいざ知らず、実際は過誤だけでなく、合併症であったりするのはさんざんこのブログで述べられているし、「医療ミスとは言葉通りにとると医療過誤のことだが、マスコミは合併症など過誤以外の医療事故も医療ミスと間違って伝えている」と言う医師の声は全く届かなかったか(声を聞こうと努力しなかった)、無視していたと言うことでしょう。いずれにしても多くの医師がこのマスコミのミスを指摘し、声を上げていたにもかかわらずです。
黙殺とはこのことでしょうか?

人のミスは厳しく追及し、自分のミスは放置する・・・どんな職業であれ、プロたるもの反省すべきでしょう。
マスコミの方々、大いに反省してください。

NHKの論法でいくと、警察官の不法行為を警察が捜査するなんてことはありえべからざることになりますね。

>>No.17 うらぶれ内科さん
に爆笑同意です(大爆)。
私はそういうお笑いタレント並みの論評つき報道を行うNHKに受信料まできちんと払っている「見るあほう」ですが(連爆)

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