書類送検された医師の実名公表・報道は遺憾 長野県医師会が声明文(産経ニュース ウェブ魚拓)
犯罪報道における実名報道は以前から議論のあるところですが、容疑者として実名報道されると大きな社会的制裁効果を生じることは間違いないでしょう。
とすると、実名報道にあたっては大きな社会的制裁効果を与えてもいい程度に容疑が濃厚である必要があると思われます。
逮捕・勾留されたとしても(裁判所が令状を発する程度に容疑が濃い場合であっても)嫌疑不十分(証拠不十分)で不起訴になる場合が珍しくありません。
書類送検された本件の事件としての嫌疑の濃さは報道からは分かりませんが、例えば(あくまで例えば)、被害者・遺族が医師を告訴している事件では、警察は嫌疑の有無や濃さにかかわりなく(つまり嫌疑がほとんどない場合であっても)書類送検しなければなりません。
ちなみに、長野県警広報課は
「公益性と事案の軽重を総合的に判断して発表しており、引き続き総合的に判断し、適切な発表に努めたい」
と言っています。
しかし、広報課が事件の内容はともかく、嫌疑の濃さを的確に把握しているかどうかについては、一般論としては私はかなり懐疑的です。
捜査担当者の本音の認識とはかなりかけ離れた発表がなされる場合が珍しくないというのが私の経験則です。
つまり、スタンドプレー的発表が多いように思っています。
報道された側にとってはたまったものではありません。
但し、実名報道するかどうかの最終的な見識は、警察ではなく報道した報道機関が問われるべきものです。
書類送検、それも医療過誤業過の書類送検の意味を検討している、または検討する能力のある記者はどれほどいるのでしょうか?