エントリ

市職員、運転の合間にカップ焼酎 危険運転致傷罪で起訴(asahi.com 2008年05月14日08時15分 ウェブ魚拓)

 福岡県警によると、田本容疑者はアルコール性肝炎治療のため車で病院に向かう途中、自宅近くの酒店でカップ焼酎4本(計800ミリリットル)を購入。約8キロ運転する間に病院やショッピングセンターなどの駐車場で1本ずつ飲んだとみている。飲酒検知では呼気1リットルあたり0.9ミリグラムのアルコール分が検出されたという。

 各方面からいろんな意見がありそうですね。

 私的には、幸い被害は軽かったようですが、量刑としては殺人未遂に準じて考えていいのではないかと思います。

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コメント(12)

>量刑としては殺人未遂に準じて考えていいのではないかと思います。

私も量刑判断としてはそうしたい気持ちがありますが、本件の場合に重度のアルコール依存症の事実を、刑法39条の適用運用の面でどのように評価すべきなのでしょうか?

「公判で弁護人は刑法39条適用を主張してきたが、それに対する検察官の抗弁を、法律に疎い裁判員にも理解し易いよう配慮して、口頭で簡潔に述べよ」
何だかローでの課題にうってつけの事案ですね。


ところで、こうしたアルコール依存症での酒気帯び運転常習者は相当数いると聞きます。いずれ運転免許の取得や更新時に、別スレで話題になったパイロットのように、アルコール依存症でない旨の医師の診断書が義務付けられたりして…。

そんなことになったら医師に皆さんは怒るだろうな。
「また我々に責任を押しつけるのか、いい加減にしろ!」

 大きなお題ですね(汗。

 古典的には「自由意志と決定論」との間の論争として延々と繰り広げられて来ており、ラッセルはこういう風に述べています。

 そして、現在は、意志の自由を前提とした「責任と刑罰」(応報刑論)から、意志の自由を前提としない「危険性と制裁」(目的刑論)へシフトしつつあるように思われますが、その後の新しい知見や発見も踏まえて、最近では目的刑論に関して下記のような議論もなされています。

「制裁と倫理学 ―サンクションの可能性と限界、あるいは、功利主義の可能性とその限界―」(江口聡著)
http://melisande.cs.kyoto-wu.ac.jp/~eguchi/papers/kanrin-genkou-2006.pdf

※個人的には、後者(目的刑罰論)の方に関心がありますが、まだ色々と工事中であり、その「可能性と限界」を議論する必要があると私も思いますし、効果のある更生プログラムが整っているかどうかも疑問です。ゆえに、目的刑罰論のみに則って論理整合性のある量刑判断が出来る状態にあるとは思えませんので、現時点では、【相対的】応報刑+目的刑罰という折衷型にならざるを得ないのではないかとも思います。

* * *

 責任能力を判断する場合には、「行為の違法性の大きさや、行為の結果の重大さ」と、「行為者の責任能力」は基本的には別の問題として判断されるべきだろうと思います。

 よく考えると上記は当然の事だと思われます。ただ、この2つを分離するのが難しい事もあろうかとは思います。
 分離するのが難しいという理由は、感情の問題だと思いますが、そのような感情を持つに至る背景には、処罰感情があるという事だけではなく、「自由意志」と「決定論」の論争はそう簡単に決着がつくようなものではなく、上述(※)の根本的な問題が少なからず影響して「割り切れない思い」が残るからではないかと思います。

* * *

 以下余談ですが、当該エントリ記事を読んで、尼崎の列車脱線事故の翌日、某特急電車で乗っていた際に、脱線事故に遭った事を思い出しました。原因は飲酒運転をしたトラック運転手が、当該車両の進入を禁じているポイント(踏切)を渡ろうとして線路上で立ち往生した所に、私の乗った列車が突っ込んだのです。

 幸いなことに、(後から聞いたのですが)、たまたま近隣のご老人がトラックが踏切内で立ち往生しているのを見ていらっしゃって「こりゃいかん」と踏切の非常停止ボタンを押して下さったそうです。そのお陰で、特急列車の運転手はブレーキをかけスピードを落としていましたので、一車両目のみの脱線で済みました。しばらくしてから、レスキューの方達がやって来られたり、上空にはヘリも飛んでいましたが、乗客には「首のむちうち」を訴えた人がお一人いらっしゃった位でした。なお、運転手は押しつぶされた運転席で放心状態になっているのは(列車内から)見ましたが。

 私も一車両目に乗っていましたが、隣の席のおじさんは、「かなり横に傾いて倒れるかと思った。倒れなくてよかった。」と仰っていました。
 もし車両が倒れていたら、とか、もしも非常停止ボタンを押して下さる方がいなかったら…と思うと、恐ろしく思います。

 法の素人としての意見ですが、飲酒の上で運転するのは、事故につながる可能性のある危険な行為だと思いますので、再犯する事がないような措置を法的に行うべきだと思います。
 ただ、適正な手続きの上でそのような法的措置が行えるかどうかも大事な点だと理解していますので、適切な理論付けが出来るようになる事を望んでいます。

No.2に下記訂正がございます。

×目的刑罰論 → ○目的刑論
×目的刑罰 → ○目的刑

馴れない言葉を使って間違いました…orz
お見苦しい所をお見せしてしまい、失礼しましたm(_ _)m

アルコール性肝炎治療・・・・・

これぞ医療費の無駄遣い典型例。

アルコール性肝炎治療ですか・・・

ウォッカを5リットルくらい点滴しちゃってください!お酒好きには堪らない処置かと。

冗談はさておき、傍から見て飲酒運転中みたいな表示が出る車は作れないもんでしょうかね。又は動かなくなる車にする事を義務化すること。

今は禁止しても止める人がいなくなる訳じゃないからな〜。せめて自己防衛できる情報でもあれば良いんだけど。

>量刑としては殺人未遂に準じて考えていいのではないかと思います。

同感です。
結果過重犯である危険運転致死傷罪の構造からするとかなり無茶な議論なのでしょうけれども。

何でこんなのがハンドル握ること許されるかなあ。この手合いは免許剥奪してもどうせ無免許で運転するだろうし、経済的に車なんか所有できないような懲罰を与えるとか、身体機能的に自動車の運転が出来ないように『処置』するのがイイと思いまーす!

>飲酒運転中みたいな表示が出る車

技術的には完成で、傍目対応程度なら何時でも実施可能。
標準化に尽いては、政府とユーザーの取り組み次第です。

未確認ですが、アメリカでは保険料が変わると言う噂も有ります。

http://car.daiup.com/toyota/archives/2007/01/post_102.html

>約8キロ運転する間に病院やショッピングセンターなどの駐車場で1本ずつ飲んだとみている。

これは多分離脱(禁断症状)が出ている時の飲み方ですね。離脱のときの飲み方は吾妻ひでお氏の「失踪日記」を読むとわかりやすいでしょう。

この状態では意思の力で酒を飲まないことは無理だろうし、常識的な判断力はほとんどなくなっているでしょうね。

その辺を裁判官がどう判断するのかはわかりませんが、58歳でこの状態だと、治療にしても相当絶望的です。

刑務所にいても娑婆にいてもこの人にとっては世界は地獄でしょう。

>No.8 次郎さん
なるほど、そこまで行くと最早、アルコールが入っていたかどうか、遵法意識がどうとかの話ではなくなって来ますね。
しかし現職は市の職員・・・勤怠状況はどうだったんでしょ。ここまで深刻な依存状態に陥ってしまっていたのでは、日常生活にも支障があったでしょうに・・・

>しかし現職は市の職員・・・勤怠状況はどうだったんでしょ。ここまで深刻な依存状態に陥ってしまっていたのでは、日常生活にも支障があったでしょうに・・・

あったでしょうね。つーかアルコール性肝炎っていうのは、相当長い間飲まないとならないんじゃないでしょうか。
従ってこの人の飲酒暦もここ数年なんてもんじゃなく、それこそ10年単位で培われたものでしょう。
市の職員として仕事していても、急に勤務態度がおかしくなったわけでなく、何十年もかけて少しずつおかしくなるわけで、周囲も徐々にならされた結果、たとえ酒臭い息で仕事をしていても、案外「あの人はしょうがない」と受け容れてた可能性はありますね。

けが人はいましたが、死者は出なかったのが幸いですね。これをきっかけに、この人が飲まない生き方を見つけられるといいのですが....

是非裁判官には依存症が「本人の意思だけではどうにもならない病気」であるという観点から、どのような判決が本人と社会のためになるのかを考慮して欲しいなぁと思います。

No.7 MultiSyncさん

リンク有難うございます。もう実用化は目前ですね。

メーカーもその分値段を取るのではなく、知らない間に付いてた!みたいな感覚で取り組んでもらいたいです。っていうか、酒税はそういう所に使っても良いんじゃないでしょうかね。

月に何十人もの飲酒事故による死者が出れば義務化はスグなんだろうけど・・・飲酒運転者が亡くなるのは自業自得で仕方ないけど、義務化までに巻き添えくらう被害者が少ない事を願いたいですね。

ああそうだ、この飲み方は離脱の時の飲み方っぽいと書きましたが、もう一つ可能性のありそうなのは治療のため断酒していたが、忍耐が切れてしまい飲み始めた時の飲み方とも考えられますね(その方がありそうですね)。

いずれにしてもアル症という病気は恐ろしいです。

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