裁判員制度の導入が現実化した当時から思っていたことなのですが、
裁判員制度を導入しようとしている諸先生方は地方の実情というものを考慮に入れているのだろうか?
という疑問を感じていました。
地方にはいまだに、ドンみたいな人がいます。
地元の主要企業の経営者だったり、やくざの親分だったりしますが、表だけでなく裏にも隠然たる力を持っている(少なくともそう思われている)人がいます。
大都市でもいると思いますが、地方では住民がかなり身近な存在として意識しています。
そういう人またはその関係者が被告人になったり被害者になったりした事件を地元の住民で構成される裁判員で裁判したらどうなるのだろうか、というかなり強い危惧感を覚えていました。
そのような懸念を抱くのは私だけではないわけでして、Barl-Karth先生も以下のようなエントリを書いておられます。
裁判員に対する報復の懸念
私が、某地方都市で検事として赴任し2年くらいたったある日、道で若い男性に突然挨拶されて「その説はお世話になりました。」と頭を下げられました。
そのときは誰だっけと思いましたが、しばらくして思い出しました。
1年ほど前に何かの罪で私が取り調べて起訴した暴力団員の若い衆でした。
何が言いたいかといいますと、地方都市では裁判関係者が事件関係者と町中で遭遇する機会が決してまれではないということです。
私の場合は、言葉通りに「お世話になりました。」という感じでしたが、「あのときは世話になったな。月夜の夜道ばかりでないぞ。」とすごまれることも考えられるわけです。
Barl-Karth先生のブログで引用されている日本裁判官ネットワークオピニオンのページの伊東武是神戸家庭裁判所判事の
ということで,心配を解消していただければと思う。
というご意見は、能天気にすぎないかな、という感を禁じ得ないわけです。
もちろん、お立場からのご意見であろうと思いますが。
(報復声明などで,裁判員に対する報復が現実に心配される事件は,裁判員裁判をしないで,職業裁判官だけですることになっている。裁判員法3条)
という対策が取られるとしても、地元の空気というものには、官舎暮らしの裁判官より地元住民の裁判員のほうがはるかに敏感であることは否定できないだろうと思います。
裁判員裁判の数が年間3000件だとして、地方裁判所が50ヶ所。
機械的に割り振ると、一裁判所では年間に60回。
もちろん、東京地裁のように頻繁に裁判があるところと無いところがありますから、裁判員裁判が少ない地域では、当然「裁判員になった」ということ自体が結構目立つことになるでしょうね。
そうなると、どの裁判の裁判員を務めたのかも分かる。
当然、どういう判決になったかも分かる。
そうなると、直接的に被告や被害者と接点が無くても、地域社会では「あの裁判の裁判員をやって・・・・」という話にはイヤでもなるでしょう。
これは別に地域のドンがどうのこうのという話ではないです。
もちろん、評決にも影響するでしょうね。
こんな事まで考えると、裁判官だけの裁判と、裁判員裁判はいわば別物で、裁判員裁判でも裁判官だけの裁判と全く同じ状況にするというのは無理でしょう。
影響はあるけど、実生活上は問題ない、といったところに落ち着けるしかないですよ。
問題は、関係者からの報復といった危険がストレートではありますが、これも全く起きないようにすること自体は無理で、社会全体がそれをどう評価するのかは現実に事件にならないと定まらないと思います。
とは言え、事件になったときに国が「規定がないから何も出来ない」などと言った日には、裁判員制度どころか、国が崩壊するようなことになるでしょう。
裁判員が報復されることも考えて、対策を作る義務が国にはありますね。
素人丸出しの疑問というか要望なんですが、
希望者は、法廷では顔を隠すことが出来れば
と思うんですけど。
今の時代、裁判員が万一えん罪の判決に関与したとなると、法的にはともかく、被告やその家族の裁判員に対する報復感情は強いものがあるでしょう。
いろいろと心配です。
安全な場所にいる人がいい加減な気持ちで裁判するよりはいいんじゃないですかね。
緊張感がある方がより真剣になれて、的確な判断が出来そうな気がします。
裁判員としては報復が怖いというのはあるのかもしれませんが、厳罰化で対処するしかないかと
アメリカの陪審制度では地域の人種構成により裁判結果が違うことがあるそうですね。地域住民がその地域で暮らしていく上で自分と社会にとって適切な判断をするでしょう。しかしながら、万が一裁判員という一般市民に対して、報復を行うような事態が起これば、この制度の根幹を揺るがす大事件になりそうです。今のところは、そういった人々に厳罰で臨むという方針しかないでしょうかね。
はじめまして。
裁判員は言われたらやってみてもいいかなと考えていましたが、モトケンさんの経験からすると不安もあるのかなと思いました。
でも、よく読んだら別に脅されたわけではなさそうですし、脅されるかもしれないという想像の話ですよね。
モトケンさんは、何年検事をして、何人ぐらい取り調べたのか大体のところを知りたくなりましたし、その中でも裁判にかけずに許した人や、裁判にかけた人が何人ぐらいいたのでしょうか。
その人数がおおよそ判って、その上で、お話しにあるような取り調べた人から声をかけられあいさつされたことが何回(何人)くらいあったのでしょうか。
大体のところを知ることができれば、脅しを受ける可能性や確率が判って自分の判断の参考になるかと思いますので、教えていただければ幸いです。
>夢見さん
Barl-Karth先生のブログをお読みになりましたか?
裁判官と同様、検事も比較の対象になりません。
うーー
やっぱ 絶対 裁判員制度は嫌いだ.
どさくさで作った法律にろくなのはない かすばっかりだ.
地方都市だと個人情報の保護とか無視した行為が多いので、脅しや圧力が掛かったりするのはありそうですね。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008062702000055.html
>愛知県愛西市が進める火葬場新設計画をめぐって、市内の男性(66)が計画変更を求める電子メールを市のホームページに送信したところ、市がメールのコピーを建設予定地の賛成派の地権者に渡し、同地権者から男性に圧力とも受け取れる電話がかかっていたことが分かった。
>同市では今年2月にも、情報公開請求した女性の名前を市職員が市議会全員協議会の場で明らかにした問題が発覚している。