青森地検は、グリーンピースの2人を建造物侵入・窃盗の罪で起訴したようです。
グリーンピースの星川淳事務局長のコメントが報道されています。
「2人は不正を明らかにする必要があると信じ、横領の証拠品を確保した。入手方法を取り上げれば、問題があったという判断になるのだろう。その点は真摯(しんし)に受け止めたい」
「調査方法に問題があったという判断は真摯(しんし)に受け止めるが、捜査当局は調査捕鯨の全容解明に尽くしてほしい」
朝日と産経は言及なしみたいです。
二人だけで計画した事件とは思えないない〜、というのが正直な感想ですが、捜査はこれで収束でしょうか?
で、この二人は法廷で争うのでしょうか?
争う気持の方が強いと思います。
GPJの場合、運営資金の約半分が海外の本部からの支援金だから、このままでは引けないでしょう。
6月22日の時点で、青森県警への上申書の中に英国人男性の関与を匂わせておりますから。
また、鯨肉開封時のホテルの会話に、英語で一部話をしていたので、海外向けのシナリオができていた。したかった。
ということですか。
『鯨肉持ち出し英国人関与か 青森まで同行と上申書』47news 2008/06/22 02:05【共同通信】
↓
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008062101000787.html
海外向けプレスにもあれほどPRした以上、引くに引けないと思います。
個人的には、「窃盗罪(不法領得)の大正時代の判例が生きている」との主張であったから、最高裁まで争って最新の判例ができないと、模倣犯が増えると思います。
誰が被告弁護人を務めるのでしょうかね。海渡雄一弁護士?それとも日隅一雄弁護士かな?
それはともかくGPJの側としては、西濃運輸に対しては既に謝罪もしているので、不法侵入については認めるでしょう。ただ窃盗罪については不法領得の意図を切り口に争い、グリーンピース側の証人を多数申請して、日本の調査捕鯨が如何にデタラメな運営をされているのか証言させる。
いわば実行者の行為が犯罪とされる判決は覚悟しつつ、反捕鯨の宣伝の場として公開の法廷を最大限利用する、いわば肉を切らせて骨を断つ作戦。こんな法廷戦術がまず思い浮かびます。
主張の風呂敷を刑法以外に広げようとするGPJの手足をどのように縛るのか、公判立合検事の力量と裁判官の訴訟指揮の腕前が見物でしょう。
被告人側は,確実に,きわめてずさんな論点を提示しようとするはずですが,検察官としては,論告でさらりとふれて終わるっていう流れになるでしょう。
正面から取り合っていられない,っていう態度を示すことになるでしょうし,そうすべきでしょう。
不法領得の意思に関する判例になるのは間違いないと思いますが,無罪になる可能性は皆無です。
いずれにせよ,法務業の末席さんがおっしゃるとおり,訴訟指揮が問われる事件だろうと思います。
過去に多くあった公安事件の訴訟指揮を左陪席や右陪席で見てきた人が裁判長になることを願います。
調査捕鯨の適否は,司法の問題ではないし,今回の手段は,下の下です。
グリーンピース内部にそういう意見があり,その意見が表に出るのが当然だろうと思うのですが。
私としては、「もし今回のGPの行動が正当化されるなら、テロや強盗も正当化される」と思っており、裁判所に「自分たちの信念が正しいなら違法な手段・行動でも許される、という考え方はおかしい」という判断をはっきり示して頂きたいと考えております。そうでないと「人を見たら泥棒と思え」という世の中になってしまいます。
(鯨だけは保護しなければならない、という考え方の是非はまた別の問題です)
荷物の中身が「拳銃や爆弾や麻薬(のように他人に危害を加えるもの)」ならまだしも(*)、(現時点では)違法性も緊急性もない調査捕鯨の肉を、捜査機関でもないNPOが令状もなく押収できるなんて理屈は通らないと思いますし、そうでないと、自宅の郵便受けを一日中見張っていなきゃ、なんて余計な心配をしてしまいます。(^^;
(*)であっても原則的には、その事実を知った者が司法当局に通報し、警察などが「法の手続き」をした上で捜査を行うべきだと思います。
土曜ワイド劇場「NPO環境保護団体の事件簿〜調査捕鯨に潜む闇を暴け!〜」みたいな感じですね。もっともあの手のドラマでは素人がやり過ぎちゃっても、結果として事件解決に繋がると親しい刑事さんがフォローして不問に帰される場合が多いんですけど。現実はそれほど甘くないということでしょうか。
弁護団は、苦戦しているみたいですね。
『鯨肉窃盗:グリーンピースの2被告が保釈請求 地裁は可否決めず/青森』(毎日新聞 2008年7月15日 地方版)
参照: http://mainichi.jp/area/aomori/news/20080715ddlk02040104000c.html