エントリ

札幌強殺:出頭の男2人逮捕 万引き追跡の釣具店員死亡(毎日新聞 2008年8月3日 14時57分(最終更新 8月3日 15時03分))

 まず、亡くなられた店員さんとそのご家族の無念さなどは想像に余りあるところで、私としても憤りを禁じ得ません。

 しかし、この二人の犯人たちに対して、同情と言うわけではありませんが、最初からこんな大事件を起こすつもりはなかっただろうに、という思いはあります。
 逮捕罪名は「強盗殺人」ということですが、本件は最初から被害者を殺害して物品を奪ったという典型的な強盗殺人ではないようです。

 万引犯という窃盗犯人が、逃げる際に捕まえようとした人に強度の暴行を加えた場合には「事後強盗」として強盗と同様に扱われる場合です。
 そして、その暴行によって被害者を死亡させた場合に、強盗殺人(殺人の故意がなければ強盗致死)と同様に扱われます。
 殺意の有無にかかわらず、その法定刑は「死刑又は無期懲役」です。
 刑法上、最も重い罪の一つです。

 この二人は、きっと万引しているときには、そんなことになるとは夢にも思わなかったでしょう。
 しかし、

 万引→見つかる→逃げる→追いかけられる→追いつかれる→必死で逃げようとする→手段を選ばない、つまり可能な最大級の手段を用いる、例、刃物を持っていればそれで刺す、車に乗っていれば引きずる、はねる、轢く、何もなければ力一杯殴る→相手が死ぬ

という連鎖は万引行為に常に伴っている危険だと言っても過言ではありません。

 つまり、万引から無期懲役は一直線とも言えるのです。

 本件の二人の最終的な処分は、まだまだはっきりしませんが、最も軽い処分を想定したとしても万引の代償はあまりにも大きいと言わざるを得ません。

 同じような被害者が一人でも少なくなるようにとの願いを込めて書きました。

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コメント(12)

>同じような被害者が一人でも少なくなるよう

このような加害者もですね。釣り竿と引き換えに、少なくとも三人(==自分たちと被害者)の人生をずたずたにしてしまいました。これを機に「<たかが万引き>じゃないんだ」と気付く人が一人でも増えれば…

 20年以上も前、当時住んでいた名古屋市で、まんが雑誌2冊の万引き(当時計450円)した20歳の犯人が、万引きを見つけて追ってきた店員をバックで車でぶつけて引いて死亡させた、事後強盗致死がありました。被害者はバイト学生21歳で就職も決まり卒業直前だったので遺族の人目をはばからぬ慟哭映像が名古屋のテレビを悲しみで飾ってました。
 犯人は前科前歴ない大学生でしたが、それでも無期懲役だった記憶です。犯罪史は繰り返される。出来心の450円で奪われた命…(つД`)グスン

>(万引)→見つかる→逃げる→追いかけられる→追いつかれる→必死で逃げようとする→手段を選ばない、つまり可能な最大級の手段を用いる、例、刃物を持っていればそれで刺す、車に乗っていれば引きずる、はねる、轢く、何もなければ力一杯殴る→相手が死ぬ
という連鎖は万引行為に常に伴っている危険だと言っても過言ではありません。
つまり、万引から無期懲役は一直線とも言えるのです。

 連鎖によってより重い罪を犯してしまうという点では、開始が「万引」に限らないと思いますが。

 「たかが万引き」ととらえていても、いざ見つかると「必死で逃げようとする」ということは、「犯罪である」「見つかったら、捕まったらマズイことになる」という意識はある…、「成功率」を甘くみているのかも。

 ご指摘の「→」という何段階のどこでも犯人が思いとどまっていれば、事後強盗致傷(殺人)にまで至っていないわけで、事後強盗致傷(殺人)は、大学時代にならった「反対動機の形成可能性」が何度もある珍しい犯罪類型かもしれません。

>ご指摘の「→」という何段階のどこでも犯人が思いとどまっていれば、事後強盗致傷(殺人)にまで至っていないわけで、

 もちろんそうなんでしょうし、「逃げる」ことを肯定するつもりでは全くないのですけども。

 例えば、轢き逃げなんかは、「はねた被害者」がいるので、「放っておいてはいけない」という「思いとどまる」方に作用する力がまだ大きいかと思うのですが。

 記事にあるように「冷静になれば」出頭してきているわけで、記事のような「万引き」のケースは、「逃げる(必死で逃げる)」(主観的には、手段やその結果の影響について思いをめぐらせている余裕がなくなっている状態)ことに対して、「思いとどまる」方に作用する力がどうなんだろうと。
 
 このエントリの本文のように、今回のようなケースでは、元の「万引」からは、非常に処分が重くなる(No.1,No.2のコメントにありますように、被害者のみならず「加害者の人生」も滅茶苦茶になる)ことがあまり認知されていないかもしれません。

余談になりますが、民間警備会社では、新人に対して最初に徹底的に教えることは「警備現場で犯人と出会ったら、絶対に捕まえようと考えてはいけない。すぐにその場から逃げて、警察に通報すること」だそうです(これは、コンビニエンスストアでも従業員に徹底しています)。
と言うのは、日本では民間警備会社の警備員が持てる武器が特殊警棒程度なので、犯人から反撃を受けた場合、防御するすべがないいことと、警備員の人命を第一に考えた対応だそうです。

万引きの犯人程度ならば大丈夫だろうと思っていても、「窮鼠猫を噛む」ではありませんが、追い詰められると何をするかわかりません。ましてや、専門の訓練を受けてない人が単独で、犯人を追跡するのは危険だと思います。

一時期映画化で話題になりましたが、
東野圭吾の「手紙」と似たシチュエーションですね。

他にもどこか大きな駅でおにぎりを万引きして咎められた店員を刺殺といった事件があったように思います。

 確か東京の大きなJR駅構内コンビニだったと思います。合掌。

大阪ではこんな事件もありました。

万引犯 コンビニ店員刺殺事件

ところで皆様。以前にも少し話題になりましたが、「万引」って「罪の意識を軽くするマジックワード」になっていません?
この手の言い換えはそろそろやめた方がいいと私は思います。

>「万引」って「罪の意識を軽くするマジックワード」になっていません?

「いたずら」もそうですし、最近では「やんちゃ」なんてのも使われ方がとても気になります。

「暴行」とか「乱暴」もね。

(「やんちゃ」と言えばダルビッシュか)

「ちょい悪」中年ライダーが昔やってた「やんちゃ」を思い出して「旧車會」に入るとかですねw

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