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千葉県警、取り調べの一部録画 可視化巡り警察初の試行(asahi.com 2008年9月3日3時5分)

 今回の撮影は2日午前11時から約20分間、千葉県内の警察署で実施された。取調官が容疑者に自白調書を読み聞かせて、署名、押印させる様子を、容疑者本人から了解を得たうえでDVDに収録。取調官が「最後に言いたいことはあるか」と尋ね、容疑者が反省の言葉を述べる場面も映っているという。

 お茶を濁したと言われるだけのような気が、、、

 一方、警察庁幹部は「今回担当した取調官は『撮影時の容疑者は、普段の取り調べより硬くなっていたように感じた』と話しており、全過程を可視化すると取り調べへの影響は避けられない」と話す。

 結局、これが言いたかっただけじゃないのか、という声も聞こえてきそうですが。

 警察庁は来年4月以降、残りの全道府県での試行を目指し、録画機材の購入費など3億6700万円を09年度の概算要求に盛り込んでいる。

 すでに水は流れ始めており、水量は刻一刻と増加していると思われますので、中途半端な対応に終始していると、下手な抵抗は濁流に押し流されてしまうのではないかと思います。

 ただし、何事もプラス面ばかりではないですから、マイナス面に対する想像力を最大限に発揮して将来の制度設計を考えないといけないと思いいます。

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コメント(9)

私が一番目のコメントだと申し訳ないという気持ちがありますが、
私は裁判員に選ばれたら、取調官性善説で挑むと思います。
つまり可視化には反対というか、見たくない。

ひとつは、カメラが回っていた場合に緊張するのは被疑者だけではなく、
取調官も同じだと思いますので、双方に「演技」が混じる
ような気がするからです。
また、録画というのはやはり意図的な編集による印象操作のみ
ならず、話声のトーンも微調整による印象操作も可能です。
意図的な場合でなくても、例えば取締官が思いっきり大きな
くしゃみをする癖があった場合、印象的には威嚇に見えるかも
知れませんし、容疑者も思いっきり怖い顔だと印象的に「うそ
つきだ!」みたいな先入観を素人裁判員は持つような気がしま
す。

あくまでも私のような素人が裁判員に選ばれた場合について
であり、冤罪や自白強要の疑いなどは考慮していない意見で
あることを付記します。(取調官性善説)

一つお尋ねします。
警察・検察の言う取調べの録画は、裁判員裁判に向けて分りやすい証拠とするための一部録画にすぎず、取調べの可視化をいう場合の全部録画からはほど遠いもの、と認識してるのですが、この認識は誤りでしょうか?

モトケン先生のエントリーコメントの結び

>ただし、何事もプラス面ばかりではないですから、マイナス面に対する想像力を最大限に発揮して将来の制度設計を考えないといけないと思います。>

この半歩先の未来を見てとって教えてくださる菩薩のお心遣いをこのうえなくありがたく思います。
モトケン先生に私淑を決めた時から常に唯一無二の我が師の恩を忘れることはございません。

取調の可視化という点から見て一部録画が全部録画からは「ほど遠い」かは、
遠いか近いかという判断の差だと思います。

一部録画は全部録画に比べ、捜査側の匙加減がきくという点はありますが、
運用のあり方次第では可視化に大きく資すると思いますし、
また、全部録画もパーフェクトの対策というわけではありません。

物的証拠の重視などの他の手段とあわせて総合的にみて、取調の可視化の目的である違法捜査抑制に資するのなら
可視化については別に一部録画でいーじゃん、という考えもありえます。

一部録画が全部録画からは「ほど遠い」という判断は
捜査機関に信頼を置かない価値観を前提にすれば正しいと言えるかと思います。

>No.4 白片吟K氏 さん

レスありがとうございます。

全部録画のデメリット(例えば、供述者の身の危険)も見逃せませんから、全部録画もパーフェクトの対策というわけではないというなら、一部録画で満足する可視化提唱者もいるかもしれませんね。
しかし、根本思想が異なるので(違法捜査抑止、取調べの適正VS分りやすい証拠の作成)、妥協点は見出しにくいように感じます。
ですから、両者は別物と考えて、それぞれの妥当性を見ていく必要があると感じました。

勾留期限の間、証拠隠滅の可能性が残るほどの捜査しかできてないものなのでしょうか?

逮捕・勾留の要件の証拠隠滅・逃亡の恐れ、住居不定ということが解除されたのなら、さっさと勾留期限を区切れば、一部であろうが、全部撮影であろうが、強制的な自白というものの危険性が減るのではなかろうか?

日本の勾留要件、勾留期限というのは”推定無罪”の原則を全く無視した人権侵害だと思える

証拠調べが終われば、自動的に勾留が切れるようにしないといけないのではないのか?
保釈に対しても、条件が厳しすぎる気がする

>根本思想が異なるので(違法捜査抑止、取調べの適正VS分りやすい証拠の作成)、妥協点は見出しにくいように感じます。

ワタシ的には、取調可視化と、わかりやすい証拠の作成は、矛盾する目的ではないので、
わかりやすい証拠作成目的の一部録画であっても、取調可視化の効果はあるし、取調の可視化という目的も意識した運用というものも可能だと思います。
だから全く別物とまでは認識していません。
ただし、今現在の段階では、
分りやすい証拠の作成を目的とするという場合、
「取調の可視化じゃないかんね」という防御的な含みを持っているふいんきではあると思います。

取調可視化を強調する人の中には、
全部録画じゃなけりゃ、録画していない間に絶対殴るぜみたいな言い方をする方もおられますが、
全部録画と言っても所詮取調室の中だけです。
取調室の外で実質的な「取調」を済ましておくことだってできるし、
要するに、身柄拘束している側は、その気になれば何だってできます。
全部録画もパーフェクトの対策というわけではないと書いたのは、そういうことを念頭に置いていました。

結局、ワタシとしては、一部か全部かということに拘泥するよりも、
運用のあり方や、他の違法捜査抑止の手段なども見ながら総合的に決めていくのが実際的かと思います。

>>No.7 白片吟K氏 さん

冷静なご意見だと思います。
小泉政権以前の昔は、政策が発表されるたびに新聞の社説などで同様の冷静な批判を目にすることが多々ありましたが、小泉改革以後は絶えて久しい気がします。

ありがとうございます。

小泉改革前は、新しい政策の効果の予測が難しくなかったですが、
改革がでかすぎて、あれ以後は見通しが不透明なので、客観的な判断がなかなかできないと言うことはあるようです。
ワタシ自身、改革って言っても行政改革だから、司法はかんけーねーやとか思ってたら、
こんなことなってるし^-^;

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