輸血ミス ずさんな「3重ミス」が原因(産経ニュース)
ミスとしては明白なミスだと思います。
これは起訴されるな、と思って読んでましたら、
一方、守口署は22日に男性の遺体を司法解剖し死因は出血性ショックと判明。誤って輸血した量が少なかったため血液が凝固するなどの反応はみられず、輸血ミスと死亡に因果関係はないと判断した。
ミスと死亡との因果関係が認められないということになりますと、業務上過失致死として起訴されることはなさそうです。
大野病院事件判決の前後を問わず、起訴されない事案だと思います。
「結果が悪ければ犯罪者として起訴される。」と今でも思っている医師がいると思いますので紹介しました。
しかし、こんな病院には行きたくない、と思わせてくれるニュースではあります。
逆説的にいえば、人の生死にかかわる重大事故(インシデント)は、常にオソマツなうっかりミスの連続です。なぜなら、多重防護を全部突破しないと重大事故は発生しないからです。
そこには、人間心理の落とし穴「習慣化による慣れ」が人間工学上も潜んでいます。眼で見て相互指差確認までしているのに、慣れからくるベテランがお粗末なウッカリミスを連発したときに重大事故(インシデント)は発生します。
航空事故解析では、「ミスの連鎖」と呼ぶ向きもあります。こういうときは、倫理的非難(マスコミが好きなもの)を止めて冷静かつ科学的に原因及び対策を究明したいと思います。ミスをするなと注意を呼び掛けてミスが減るならとっくに人類はミスを絶滅しています。
むしろ、当初のミスをしても、すぐに気付いて修正できる「フェイルセーフ」という方策を増やした方がいいかもしれません。
ギアダウンレバーと間違えて、フライトスポイラー(一種のブレーキ)レバーやフラップレバーを操作して墜落した事故例が多発しました(JALモスクワ墜落事故)。機長と副操縦士が指差確認のダブルチェックをしていてもです。そこで、レバーを間違えて握ったら、すぐ分かるように、レバーの先端にはギアダウンレバーならタイヤ、フライトスポイラーなら羽ウイングのミニチュアが取り付けられるようになりました。
そして、コンピュータ制御の始まりと共に、フライトスポイラーは一定の高度以下では作動しないとか、フラップレバーは速度適合性がないとけたたましい警報音を鳴らすとかが重なり、多重防護に多重防護を重ねるようになりました。
こんなのをヒントにして輸血血液型ミスのフェイルセーフが考案できたらと夢想します。m(_ _)m
人間はミスをする動物でミスを絶滅できません。それは人間工学上も単純な心理学上も。だから「フェイルセーフ」はいかがでしょう。m(_ _)m
慌ててパニックになる人を見ていると、急がなくても良いところで必要以上に急いでしまって、手順や操作、思考を組み立てられません。
ありていに言えば、普通に救急対応して助からないものは、やはり助からないのです
必要な手順を踏まずに急いでも誰も褒めてくれない時代になったのですし、現実にミスが起こるのですから、普通に対応すれば良いのです。
助かるかどうかは、神のみぞ知るところであり、人知を尽くせば違法性阻却+責任阻却間違いなしです。つまり民事・刑事とも無責。
今日のことわざ +α
Make haste slowly.
Better Late than ERROR!
チェック漏れという印象です。事情は分かりませんが、多重チェックでは誰かがきちんとやってるだろうと、結局誰もやらないという現象の発生することが知られています。
典型的な例になりましたね。悔しいです。
改善点で誰でも思いつくであろう事が、輸血パックの接続部の形状でしょう。
現在、どの血液型でも同じラインで輸血可能です。
これを接続部の形状を基本的な血液型に応じて8種類程度にして、誤接続を回避できるようにする工夫が可能です。…Oマイナスをどうするのかは別問題です。
ただし、これは一度輸血が正しく開始されれば有効ですが、最初の段階でラインが間違っていれば全く役に立ちません。
また、手間・暇・金の管理コストが非常に大きくなります。いずれも、とても度外視できる環境にはありません。
これは、これからマスコミが被害者家族に接触し、弁護士を紹介して訴訟に追い込む努力をはじめることでしょう。
民事訴訟を有利に運ぶため、事故調査委員会には被害者側弁護士の参加を要求するでしょう。刑事告訴もするでしょうし、検察審査会に働きかけて、公訴に持ち込むことも可能になります。
この事件はまだ始まったばかりです。
ミスと言えばミスなんですが、実はうちの病院でも異型輸血の話はしばしば出ます。実際には、輸血の一歩手前で「おかしい!」と気付いて輸注されることはありません。
輸血の準備(輸血部、血液型判定)→血液の搬送→受け取り(病棟)→ベッドサイドへの持ち込み→最終確認(2名でおこなう)→輸血開始後の異常反応の確認
など、多くの人と職種をまたいで輸血は行われますから、ほとんどの場合は途中で「変じゃないの?」とわかります。今回、私は「最終的に異型輸血が実施されたのはどうしてか?」に興味があります。
輸血バッグの袋のラベルは、O型=青、B型=白、A型=黄色、AB型=ピンク と色分けされていますが、実際に人体の中を流れている血液も、同じように血液型ごとに色分けされていると、かなり異型輸血の事故も減るでしょうね(笑)。みんな「血液=赤」なんで、区別がつかないんですよ。
刑事責任は問われないと思いますが、民事ではどうですかね。そして、民事で有利な条件を得るために、とりあえず刑事責任を問うアクションを開始する、と。
警察が因果関係なしと判断しちゃったら(そしてそれが公になっちゃったら)、刑事責任追及はオワタです。
もし、私が関係する医師で、そしてもし告訴されたら、告訴人を民事で訴えるかも知れませんよ。
それ以前に、告訴が受理されないと思いますけど。
モトケンさん
私のつたない内容にコメントをくださって、どうもありがとうございます。
そうですね。今回は警察から「因果関係なし」と発表されてますので、これ以上の話にはならなそうですね。今回は、「因果関係なしと警察が発表した」ところまでキチンと報道されてますけど、しばしば「○○署は、業務上過失致死の疑いもあると見て、関係者から事情を聞いている」などと報道されることが多くて、なんだか「推定有罪」的な新聞記事になってしまいがちです。
> しかし、こんな病院には行きたくない、と思わせてくれるニュースではあります。
いや、逆にこの病院では徹底した原因究明と対策が講じられているはずですし、職員の意識も高いでしょうから、いまのところもっとも安全だと思いますよ。この安全性をこれからも維持し続けられれば、本物です。
本当に行きたくないのは、不適合輸血が表に出ない病院、ですかね。
ミスはミスとして現実問題として、3時間で5200mlの輸血ができる様な病院に、「かかりたくない」という贅沢な感想は、まあじゃあ諦めると言うことにほかなりませんね。
まあ31歳の「転落」事故・・・・だいたいどんな「贅沢な医療」だったのかは予想が付きますが。
民事でも、訴訟は困難で、したら、名誉毀損の逆訴訟を受ける可能性があると私は思います。(本音を言えば、医療機関もどしどし名誉毀損の訴訟をして良いだろうと思います。)司法解剖で、死因は約5200ミリリットルの輸血に対して、A型の血液が約132ミリリットル混ざってしまったことではないとされたのですから。
何故司法解剖となったのだろうか?医療機関から警察への届出であったのか、遺族の申し立てであったのか、医療機関・遺族の双方が話し合って警察に届出を行い、司法解剖を望んだのか。
解剖により死因を明らかにすることができ信頼関係を構築できる好例なのかと思いました。
医療崩壊を防ぐこと、モンスターPatientが他の一般患者や社会へ迷惑を掛けていることを考えると、医療機関が逆訴訟を提起することは、医療と社会の発展のためには、必要ではないかと感じます。何故なら、第三者は訴訟を提起できないからです。訴訟をしたら、マスコミも「人が犬を噛んだ。」と大々的に報道してくれたりして。
そうか、本当に本当にかかりたくないのは「必要な輸血もできない病院」か。
この1年だけでも短時間のうちに1000ml以上の輸血をするような現場を何度か見ています。
そういう現場ははっきり言って「戦場」なんですよ。ある程度以上の出血があると、血圧の維持、つまり生命の維持は「出血するペースにあわせていかに輸血を体内に押し込むか」という状態になってきます。
私のいまの勤務先は医師などの人員が比較的恵まれているほうですから、緊急事態でも「○○君 (医師) は輸血のチェックをして」「△△君は輸血をどんどん押し込んで」といった役割分担ができていました。
でも、スタッフの数が足らない現場ではどうしようもないわけで。
チェックを厳密に行ってチェックに時間がかかった分だけ輸血のペースが落ちて患者さんを死なせるほうがいいのか、ある程度拙速でもいいからどんどん輸血を行う体制を作るのがいいのか。
医療ミスとか訴訟のことを考えれば、患者さんの生命のことは考えずに厳密にチェックを行ったほうがいいのでしょうかね。
>チェックに時間がかかった分だけ輸血のペースが落ちて患者さんを死なせる
ちょと考えすぎじゃないでしょうか?
輸血が間に合わなければ、仕方無しというのが世間の理解だろうと思います。
アルブミンでも使えるものは全部使って耐えることも選択肢です。
エラーが許せない社会では、医療する側もリスクを取ることができません。
プロセス責任とはそういうものだろうと思います。
>でも、スタッフの数が足らない現場ではどうしようもないわけで。
そうなのです。どうしようもないのです。
人智を尽くし、努力を尽くして間に合わないのは仕方ないのです
ミスがあるからと民事訴訟を起こす患者・家族と、ミスを恐れて治療するのはケシカランと批判する同僚の、病根は同じです。不寛容です。
どうして、仕方無いと納得できないのでしょうか?
どうして、苦しい選択をする仲間を批判するのでしょうか?
そちらの方が、理解に苦しみます。
”できる限り患者の役に立ちたい”という気持ちは同じだと思います
このブログでは医療側の声が大きいので無理からぬ面もあるとは思うのですが、この手のトピックが取り上げられた時、医療側の皆さんのコメントに「忙しいんだから仕方ないだろ」「過酷な勤務では無理もない」という響きが感じられることが少なからずあります。
もし遺族への説明にこういうニュアンスが少しでも含まれていたら、因果関係の有無に関係なく、聞いた遺族は絶対に納得せず態度を硬化させるだろうな、と思います。このミスがなくても助からなかったとしても、です。
「ずさんな報道」「遺族の感情」を糾弾するのとは別に、「ずさんなミス」が実際に発生したのであれば、その事実は事実として客観的かつ厳しい目で評価することが必要なのではないでしょうか。医療ミスに関して国民に免責を求めるならば、司法の手を借りずとも律すべきところは律します、という姿勢を強く打ち出していく必要があるかと思います。
結果として今回の場合は死に直結しなかったとはいえ、直結することもありうる種類のミスなのではないのですか? 輸血が間に合わなかったというならまだしも、間に合ったけど違う血液を輸血したので死んだ、というケースであっても、私たちは「医療崩壊の中で当然ありうるミス。そういうリスクも覚悟すべき」と受け入れねばならないのでしょうか。
私は、交通外傷などの大量出血患者が運び込まれる病院に勤務していますが、輸血に関して言うと、以前ほど頑張らなくなりました。
前は、手持ちの輸血がなくなれば血液センターに連絡して持ってきてもらうほかにも、近所の病院に電話をしてそこにある血液をとりあえず持ってきて(時に取りに行ったり)していましたが、今は、「血液センターに依頼してダメだったら、それまで」とすぐにあきらめています。
こうしてみると、輸血の貸し借りに関する事務仕事も減って、また、むりな輸血をすることもありませんから、業務に余裕ができるので輸血事故も減り、「輸血量が多すぎます」などと支払い基金から支払いを査定されることも減り、(患者が早期に死亡退院しますので)医療スタッフの肉体疲労も減り、勤務時間が短くなることから時間外手当の支払いも減り、また、治療ベッドも早期に空きますので、次の患者の受け入れも早くから可能になる。。。など、あら不思議! すべてがうまい方向にまわります。
多少の皮肉はありますが、「深追いしない」は現実的な選択肢です。
そうそう、大切なことを書き忘れていました。
患者のご家族とのコミュニケーションの時間を長く取れるようになり、病状の説明が丁寧にできるようになった結果、ご家族から治療に関して感謝の言葉をいただくことが増えました(増えたような気がします)。
> 民事でも、訴訟は困難で、
本当にそうだとすると、最高裁で負けた(そういえば衆議院の選挙が近いんでしたっけ)亀田テオフィリンと対比すると面白いですね。
亀田:自殺・他殺の疑いがあったため警察に届けた(医療ミスの可能性は考えていなかった)→事件性がないからと司法解剖を拒絶される→病理解剖したのに所見無視され敗訴
この病院:自殺疑いのほか、申し開きのできない明白があったため警察に届けた→司法解剖→ミスと死亡の因果関係はないとされ民事も安心
ということになるとすると、多少でもトラブルの種になりそうな死亡例は、「ミスした可能性が否定できない」とかいい加減なことを警察に言ってでも無理矢理司法解剖させるべき、といった結論になりそう。これをモラルハザードと呼んで良いのかどうかは分かりませんが。
そうでしょうね。そして、最終的には警察もそのように説明したことだろうと思います。
ご遺族は、とてものことに許せないという感情の嵐の中に置かれていることでしょう。
ここに乗じて取材に当たっているマスコミ関係者が家族をけしかけ、弁護士を紹介し、訴訟に押し込んでいくことは実に簡単であろうと思います。
ですから、自分はモトケン先生のように楽観することはできません。
マスコミと被害者側弁護士の今後の動きに注目しています。
楽観もなにも司法解剖の結果がひっくり返らない限り(その可能性は相当低いです)、刑事起訴はあり得ないですよ。
マスコミがなんと言おうと。
民事提訴は知りませんが。
みみみさま:
> 医療側の皆さんのコメントに「忙しいんだから仕方ない
> だろ」「過酷な勤務では無理もない」という響きが感じ
> られることが少なからずあります。
念のため書いておくと「仕方がない」で済ませる気は少なく
とも私にはありません。
大量輸血をするような現場では、極度の緊張状態にあってミ
スをおかしやすい状態になっています。で、今回の報道をみ
てもそうですが、「現場の医師が確認を怠った」「輸血を管
理する検査技師が取り違えた」というレベルで話が終わって
しまっています。
事故を防ぐというシステム面からの検討でいえば、極度の緊
張状態にある人にチェックを任せるという体制そのものが間
違っているのですね。
大量輸血で「二人以上のダブルチェック」をしていると、そ
のチェック自体に人手をとられてしまいます。医師や看護師
はただでさえ高コストな職種ですし、勤務医不足や看護師不
足は非常に深刻です。
解決方法は簡単で、手術室や緊急治療室のような場所に医師
や看護師を補助する人員を配置すればいいわけです。患者さ
んの名前の照合や血液型の照合などはせいぜい1時間程度の
訓練を受ければ誰でもできます。
ダブルチェック以外でも、たとえば新しい輸液を倉庫から運
んでくるとか、いくらでも雑用はあります。緊急事態にこう
した補助をしてくれる方がいらっしゃればすごく助かるので
すけどね。でも、人員的に恵まれているうちの職場でも、夜
中に緊急手術を行うときには医師と看護師しかいません。
最終的な責任を医師が行うのはもちろんなので念のため。
「みみみ」さんへ
ご意見ありがとうございます。
とても勉強になりました。
英雄的自己犠牲的行動パターンを誇示しても、患者さんからみると、「それは言い訳にならない」と受け取られるのですね。そうではないかな、医者の「戦場」「非常事態」「犠牲的精神」という気負いはひとりよがりで空回りしているのではないかな、とは感じていたのですが、やっぱり、常識から見たらおかしいのですね。
つまり、プロフェッショナルである以上、自分の健康管理も、職場の安全管理も、責任があるわけです。自分の限界を知り、無理をしない(疲労はミスのもとだから。疲れていると患者家族への物言いもとげとげしくなり無用な怒りを買ったりするから)。日頃からインフォームド・コンセントの中で医療の限界や内包する危険性を患者さんによくお話して共通認識としておく。医療が介入してかえって事態を悪くする可能性を肝に銘じる。どんなに急いでいてもマニュアルを省略せず、ダブルチェックを励行し、できれば患者さん本人に確認してから処置をする。
ヒポクラテスも言っているではありませんか。First, Do No Harm.
合理的に冷静に対処すること。助けようと猪突猛進して無理に無理を重ねることがかえって侵襲的害悪になってしまったら元も子もないこと。二次災害を防ぐこと。そのような姿勢が真の誠実さ、ということでしょうか。
ちょっと寂しい、と感じる古風なサムライ精神の医者も多いでしょうが、医者の常識は社会の非常識、の一例だと思います。人手がないのであればストでも何でもして要求しなければならないのでしょう。看護婦(当時の呼称)のニッパチ闘争は、結果的にとても正しかったのです。医者もやるべきなのでしょうね、遵法闘争を。
追伸; 「亀田病院テオフィリン中毒事件」での被告の陳述書のトーンは、まさに「みみみ」さんのご指摘のとおりのトーンで終始しており、それが敗因であった可能性がありますね。
あなたのようなリアクションが返ってくることは覚悟していました。
みみみさんが誤解されるのは、本意ではありません
「お国のため」と大義名分は美しいながら、何の兵站も準備せず、中国、東南アジアへ進出し、根性だけで国を守るよう指示された旧日本軍クラスの意識が抜けないのです。
医療を支える現場も、指揮する厚労省も病院幹部もです
そんなことしている間に、全てを失ってしまう可能性があるにも関わらずです
べすとさんの御意見は、医師の意識改革の一歩に過ぎません
「個の安全」を重視するなかで、「群(軍?)の効率化」は後退せざるをえません。
それが民意であるというなら、医師も添うのが正しい民主主義国家での生き方なのだろうと思います
素直な感想です
相手が言っていないことを変に決め付けるのはやめましょう。
訴訟の段階で「自己の正当性に終始」するのはむしろ自然です。
問題は、直後の対応・説明がどうだったのかだと思います。
遺族が「訴訟を起こす!」と決意するかどうかの基準と、裁判官が「病院敗訴、カネ払え」という結論を出すかどうかの基準は違う、ということです。
「みみみ」さんに「覚悟」させてしまうような、異常な医者の文化を反省しているのです、しみじみと。
まだそのことをわかっていただけず、いろいろな反応があるようですが、私は、皮肉やシニシズムが大嫌いな直球主義人間です。(ちょっとそう響くときがあるとしたら、疲れているときかな。言い訳になりませんが、だから、疲労は医者の大敵、なんです。自分の健康管理にはとても気を使っています。患者さんに優しくなれないときは、たいてい、自分の中に何か心身の鬱屈があるときだ、と、今までの経験でわかっているもので。)
医師が思いこんでいる「自らの正当性とその根拠」が世間と大きく乖離しているなら、医師は、自らを客観化して、点検しなおす必要があります。そのように、真摯に考えております。
「みみみ」さんのようなご意見こそが医者の耳に届かなければならないのです。心から感謝しているのですよ、密かに感じていたことを、医者以外の方から言っていただいて。年休を取るのさえ皮肉られるような、信じられない職場文化なのですから。変わらなければならないのは我々であり、「みみみ」さんが身構える必要は、さらさらありません。今後も、直言をお願い申し上げます。
ミスそのものは許されるものではありません。
しかしながら、(いいわけに聞こえてしまうと思いますが)過酷な現場でミスするなという方が無理な話なのも事実なのです。この蘭にかかれている医療関係者の言葉は決して「だから許してよ」ということではなく、「現場は困っているんだから良い解決策を探ろうよ」というメッセージなのです。
でも、医療関係者以外が前者のように誤解するのは仕方のないことなのかもしれません。ただ、ミスはミスとして一方的に責任を押しつけられると現場はうまくいかなくなるのも事実です。現にいま患者たちにそのしわ寄せが来ています(救急受け入れ不可能問題など)。
大事なのは「本質を探ること」、そして「どう解決するか探る」ということと、「現場の状況を考慮して罰を定める」(責任がはっきりしている場合に限り私は2週間程度の謹慎と減給が良いのかな?と思います)のが良いのではないでしょうか?あと、こうしたミスをされた医療関係者はよほどのことがない限り再発防止に取り組みますから、免許を取り上げる、刑事罰を科するというのは適当ではないと私は考えます。
まあ、でも日本は「言い訳するな!」、「ミスするのはたるんでいる証拠」という文化なのでちょっとやりにくいところもあります。
>2週間程度の謹慎と減給が良いのかな?と思います
2週間程度の謹慎はうれしいだけで職場の残りの人への罰になるだけかも。
「言い訳するな!」って文化は困りますね。
事故の原因を分析出来なくなっちゃいます。
それが思い込みによる勝手な誤読だっつってるだけなんすけどね。
思いの丈を述べるだけでしたら、返信の形にしないほうがいいと思いますよ。
みみみさんのおっしゃりたいことはなんとなく分かります。おいらの誤読かもしれんけどw
別に現場の医師にどうこうしろ、というわけじゃないんですよ。
現在の流れは、「システムエラーのケースは団体責任、ヒューマンエラーのケースは個人責任」という流れになってきているわけで。システムエラーかヒューマンエラーかは明確な境界線はないものの、どちらの要素がより強いものであったかによって、対策を考えていこう、と。人数足りないんだから仕方ない、で終わってはいけない、と。個人に責任がなくても団体に問題があったのなら対策を練ろう、と。そういう流れのはず。そこで「個人に責任はありませんから~!残念!」(古っ)といっても意味なかろ。
医療安全調の大綱案第32(6)が「病院等におけるシステムエラーに対する改善計画等」を定めていることについて、負の面があることは否定しませんが、どうも過小評価されているようで個人的には不満。
という方向を志向しているのに・・・そこは評価すべきだと思うのだけれど。医療事故の原因としてシステムエラーの要素が強い場合は病院に対する改善命令を出し(輸血袋のラベルの色変えるとか接続できないようにするとか)、システムはある程度しっかりしていたのに個人の不注意が原因の場合で重過失の場合は通知する
たしかに国に責任の一部がある(医師不足とか)場合の規定がかけているんだけどさwそういうのは今に始まった話じゃないし
問題は、「ヒューマンエラー」ということにすれば当事者を
処分するだけで済みますが、「システムエラー」であれば改
善に多大なコストがかかるってことです。
前のコメントで書きましたが、大量輸血をするような医療現
場はまさしく戦場のような状態であり、ミスをする可能性が
非常に高くなっています。
で、そういう場面でもミスを防ぐ方法というのは既に考案さ
れています。最近になって新しく設備を作った病院では実施
されているわけです。
具体的に例を挙げれば、
・従来は手術室では全体で1つだけだった血液を保存する冷
蔵庫を、各手術室で1つにする。
・冷蔵庫は手術室の中からも外からもアクセスできる構造に
する。
・血液を運搬する担当者は、運んできた血液を冷蔵庫に入れ
る際にコンピュータを使ってバーコード認証する。
・手術室内でも医師がPDA端末を持っていて、輸血を開始す
る時点でバーコード認証する。
といったものです。各手術室、つまり患者さん毎に別の保存
場所を使っているので取り違える可能性は非常に低くなりま
すし、運搬担当者と輸血担当者(医師または看護師)それぞ
れがバーコード認証する手間も(声で読み上げて互いにチェッ
クするよりは)楽です。
こうしたシステムが考案されているのになぜ実行している病
院が少ないのかといえば、コストの問題です。各手術室毎に
冷蔵庫を置くようなシステムを導入するには(特に古い病院
では)手術室を全面的に改築する必要がでてきます。私が見
聞きした範囲では、手術室がある病棟を新築した際に導入し
たものばかりでした。
チェックシステムとしては非常に便利であるバーコードと
PDAを使った認証システムでさえ、導入できていない病院が
大多数を占めるわけです。私の現在の勤務先でもごく一部
でしか使っていません。
結局のところ、(どの分野でも同じですが)安全というのは
どこまでコストをかけるかに依存してきます。私が例に挙げ
た輸血のミスを防ぐシステムにしても、ある程度コストを無
視した医療が可能な大学病院レベルの施設だからできること
であって、一般の病院では導入は難しい気がします。
あくまで一般論として書きます。
安全はコストに依存してきますというのは、医療について
いえば受益者である一般の皆さんがどれだけお金を払うか、
ということです。健康保険の保険料にせよ、健保組合への
補助金や(救急を担当することが多い)公的病院への補助
という形で支出する税金にせよ、何らかの形で支払わなけ
ればなりません。
安全はコストと結果との関係が非常にわかりにくい分野で
もあります。医療分野から離れてしまいますが、ネットワー
クで安全を買うために「ウィルスソフト」という存在があ
ります。多くの人がウィルスソフトに毎年お金をかけてい
ると思いますが、その代金でどれだけの安全を買えたのか
はわかりません。企業でいえば事故がおきた時に予想され
る追加支出とウィルスソフトによる事故確率の減少から
「安全」が計算できるはずですが、そんな計算はまともに
できないのです。医療分野でも事情は同じです。
3つの道があります。あくまで一般論での話です。
1つは、医療に対する支出を増やして安全を買うことです。
安全はなかなか目には見えません。長期的にみて事故率が
減るという数字が出ることもありますが、そうでないこと
も多いです。
2つめは、支出は増やさずに現場に対して安全の強化を求
めることです。別の言い方をすれば、医療の現場に対して
精神論で立ち向かえというものです。ある程度まではうま
くいくこともありますが、度がすぎれば現場が崩壊してし
まいます。
最後は、支出は増やさず、ミスが起こることを容認する道
です。極端なことを言えば、安全にコストをかけるよりは
その分のお金をプールしておいてミスにあった人への補償
に使ったほうが支出がかからないことも考えられます。
どの道を選ぶかは、日本の政治を決める一人一人の国民の
選択なのです。そして、その結果も一人一人の国民の責任
です。
私はよく「厚生労働省の責任」という言い方をします。こ
のブログの別の場所でもそういう書き方をしています。で
も、これも結局は「一人一人の国民の責任」なのですよね。
多くの人が「医療費が高い」「給料から天引きされる健康
保険の費用が高い」と繰り返し、企業も「健保関係の支出
が収益を圧迫している」と繰り返しているからこそ、日本
の政治は医療費をどんどん削ってきたわけです。
安全を望むのは誰にでもできますが、「誰かがお金をもっ
と出す」ことをしなければ、安全は買えません。「大企業
が負担すればいい」などというのは身勝手な意見でしかあ
りません。医療の受益者である一般の人々が身勝手な意見
を言うのであれば、大企業だって「従業員でもない人への
コストは負担したくない」というのが当然なのです。
どの道を選ぶのかは、ひとりひとりの選択にかかっていま
す。
【コストが掛るから安全性を犠牲にする】を大義名分に掲げちゃダメだよって、注意を受けたばかりなのに・・・・
”コストは掛けたくないがクオリティーは下げたくない”という顧客に対しては、アクセス制限するしか方法はないのです
これ以下の安全度では手術できません。
これ以下の人数では、救急外来対応できません。
これ以下の診療報酬では、診療科を維持できません。
医療を提供する側も大きな声を出していかないと、アクセス・コスト・クオリティーの3拍子揃わせるのが病院の責任と勘違いする市民が続発することでしょう。
過失がないところでも恨みや落胆が発生するとすれば、過剰な期待と現実とのギャップが問題なのですから、現実的な対処が望まれます
> 【コストが掛るから安全性を犠牲にする】を大義名分に
> 掲げちゃダメだよって、注意を受けたばかりなのに・・・・
私は安全性を犠牲にするつもりは全くないですけどね。コストをかけることを理解してもらう、つまりは安全のためにひとりひとりがお金を払ってもらう状況を作るためには、「コストをかけなければ安全性が犠牲になる」という当然のことを強調しなければならないってだけで。
他に「お金を払ってもらう」道があるのなら、どうぞ教えてください。
「私は」の部分「政治家を含め多くの人」が主語と思います。原因を、他人やある組織に結びつけると自分は無傷で済みますから。年金問題も社保庁にすり替えられたし。
「国が悪い」という言い方があります。Stateなんて人格がないのに、良いも悪いもないではないか。それとも、政府の意味なら、日本は民主主義ではなかったのかなと思います。
「血液を保存する冷蔵庫を、各手術室で1つにする。」で思いました。全ての病院の手術室をそのように改造すればよいのだ。不況対策にうってつけである。費用については、各手術室で冷蔵庫1つの医療機関における手術は、輸血あるなしに関係なく保険点数を加算すればよい。民間病院にも広まり、絶好の不況対策ではないかと思いました。
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Blogroll hyperlinks aint that nice :P but i am not the admin… :P … Just Telling :P :D