エントリ

 ヲチスレの内科の医者さんのことですが(^^;

彼を法廷で罵った検察は、彼に一言の謝罪も無いばかりか、起訴は間違っていないと言い張っています。
このような警察検察の暴走が終わらない限り、

 要するに、検察が謝罪しない限り、大野病院事件は繰り返されるという「確信」がおありのようです。
 判決後のいくつかの動きは全く無視です(^^;
 別に説得する気はありません。
 しかし、こんな気持ちで医者(本物の医師ならばですが)をやってるのは大変だろうな、と思います。
 自分は内科だからリスクは少ないと思ってるのでしょうか?
 そうだとすると、外科医のリスクだけを煽って前向きな医師の皆さんの不安を強めようとしているだけということになりますね。

 内科の医者さん以外の医師の皆さんがこのブログの過去ログを読めば、少しは不安は減ると思いますが。

 しかし、自分の専門分野のことは自分の意見の正当性を主張するが、他の専門分野のことについてはその分野の専門家の意見に全く耳を貸さない姿勢というのはなんだかな、と思います。
 本物のお医者さんであればですが。

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コメント(455)

>医師の皆さんがこのブログの過去ログを読めば

このブログの過去ログを読めば、検察などの内部にそれなりの反省
と見なせる動きがある、と判るということでしょうか?

私は、もっとおおっぴらに
 「反省してます」
というアナウンスが無ければ安心できない、というのが当然と思います。

 要するに相手が頭を下げない限り認めない、という趣旨ではないでしょうか。医療過誤の原告患者や遺族とデジャブです。

「逮捕」という国家権力を発動させたのは、警察と裁判所。
「起訴」という国家権力を発動させたのは、検察。

でも、その発動を後押ししたのは、医師の意見。

内科の医者さんは、何度書かれてもその事実に向き合おうとされていないように見受けられます。

 これですね。
 
>県立大野病院医療事故調査会の報告書 事故要因は癒着胎盤の無理な剥離、対応する医師の不足、輸血対応の遅れ
>なお、事故調は委員長1人、委員2人で構成。第三者の立場から、診療部長、産婦人科部長、医療センター講師などの専門家が参加した。2005年1月13日、1月31日、2月23日の3回にわたって委員会を開催。関係者への聞き取り調査などを交え、結論を出している。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/424948.html

報告書 県立大野病院医療事故について
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/files/houkokusho.pdf
>第1 県立大野病院医療事故調査委員会
>1 目的
>平成16年12月17日に帝王切開術を受けた妊婦が、同日19時1分に手術室にて死亡するといった医療事故が発生した。この事例を検証し、今後の前置胎盤・癒着胎盤症例の帝王切開手術における事故防止対策を検討することを目的として設置した。
>2 構成員
>委員長:○○○○(○○○○病院診療部長)
>委員:○○○○(財団法人○○○○病院附属○○○○○病院産婦人科部長)
>委員:○○○○(○○○○○○○○○○○病院○○○○○○○医療センター講師)
>第4 調査結果
>3 総合判断
>今回の事例は、前1回帝王切開、後壁付着の前置胎盤であった妊婦が帝王切開手術を受け出血多量、出血性ショック、循環血液量減少その結果心筋の虚血性変化をおこし死亡に至ったと思われる。
>出血は子宮摘出に進むべきところを、癒着胎盤を剥離し止血に進んだためである。胎盤剥離操作は十分な血液の到着を待ってから行うべきであった。循環血液量の減少は輸液(輸血も含め)の少なさがある。他科の医師の応援を要請し輸液ルートを確保して輸液量を増やす必要があった。

 大野病院事件について、検察から今後コメントが出される可能性はありません。

>というアナウンスが無ければ安心できない、というのが当然と思います。

 文字通りの安心という意味では、業務上過失致死規定の廃止か医師限定の刑事免責の立法化が必要でしょうけど、近い将来にそれが実現する見込みもありません。

 そうなりますと、(いつになるかわかりませんが)それらが実現するまで心配し続けていただくほかないでしょう。

 ゼロでなければ100だ、という前提では制度論は語れません。

 事故調査委員会の鑑定意見を変更訂正するまでは司法側は安心できない!という暴論は見たことがありません。医師や医療界は、自浄能力を発揮していただきたい、という意見なら散見されます。この差異は大き過ぎると思います。

医療側が真っ先にすべきなのは、逮捕等の根拠となる鑑定書を書いた某教授を専門的な観点で追い詰めることだろうと思います

医師というギルド社会が第二の大野事件の被害者を呼び込まないよう、御用学者、御用鑑定医を駆逐しなければなりません

事故調なんていう暴力装置は反対ですが、鑑定意見・鑑定者の透明化は必ず実施しないといけないと思います


>医師というギルド社会が第二の大野事件の被害者を呼び込まないよう、御用学者、御用鑑定医を駆逐しなければなりません

少数の人間に鑑定させるから偏りが生じるのです.やはり複数の人間の合議による鑑定を標準化できるように医療側も強力して働きかけるべきかと思います.

 問題なのは大野病院の事故調も3人の医師(診療部長と産婦人科部長と医療センター講師)の合議による鑑定だったことです。ここは医療側の専門家だけが「事故調の過誤」を調査できる技量をもっていらっしゃるので、その原因が解明されたらと希望します。m(_ _)m

>医師というギルド社会が第二の大野事件の被害者を呼び込まないよう、御用学者、御用鑑定医を駆逐しなければなりません

「御用学者」「御用鑑定医」の定義は分かりませんが、医学的に誤った知見を捏造する鑑定医だとすれば、その度に裁判で引っ繰り返される危険性があるので、検察側がむしろ駆逐するのではないかと思うのですが。

検察にすれば、起訴件数だけ稼いでも、その分負けてちゃ意味ないでしょう。素人目には、検察は起訴件数よりも、勝率の方に重きを置いているように思います。

医学的に複数の学説があって、そのうち医療側に都合の悪い学説を採用する鑑定医を駆逐するのであれば、それこそ自浄能力のない、恐怖政治の謗りを受けるでしょう。

私には、優れた見識と鑑定能力を持った優秀な鑑定医を「御用鑑定医」として検察側に付けてあげる方が、よほど医師には有利になるのではないかと思うのですが。

ハスカップさん,
言葉足らずですいみません.ずいぶん以前にもここで書いたと思いますが,私の書いた「複数」とは10人とかそれ以上の数を考えていました.医療ではいろいろな考え方があり,どれが正しいとは一概に言えませんからかなり多くの医師の意見を寄せ集めなければ適当なところに収束されないと思います.

なお,大野事件の場合には「県の方から過失があったように鑑定をするよう圧力があった」のですから,純粋な鑑定とは言えなかったと思っています.そしてこれが刑事事件へ発展してしまう端緒となってしまったのですね.

医療側では学会発表や院内のカンファにおけるような検討は必要な気がします。
その時の状況で可能なレベルであったかどうかは分けて考えたいです。
違う方法でなら良い結果になった可能性も考えられるならばそれについても検討する。
ただしそういうことと、それを行えなかったこととは分けて考える。
また違う方法なら良い結果になったかもというのも、確証はないわけなのでただの可能性のひとつとしてしか考えるだけですし。

そういうことが鑑定として用いられたらそれは違う気がしますし、保険金がおりるように無理にミス有りと鑑定するのも、責任が生じないように他に良い方法があったのではとの意見を封じるのもどっちも弊害有り。

私としてはそういうギリギリの判断が必要だったケースは刑事事件にしないといいうのが一番いいです。
別に刑事免責とか言うんじゃなくて、昔のそういうのは刑事告訴してなかった時代みたいにするだけ。
民事がアメリカみたいな状態に向かいつつあっても刑事は同調する必要は無い気がするし。
....と書いててやっぱり検察審査会法を改正する法律が心配かな〜?

それとどうも被害者であるとか被害者の身内であるとかいう人の感情が刑事事件にもおよぶのが個人的にはしっくりこないんです。
逆に考えたときに悲しむ身内のいない人間の被害は軽く考えていいのかってことになりそうなので。


 コメントありがとうございます。
 法廷で複数合議鑑定とは、死刑になったM被告人の精神鑑定が頭にあり、3人なら複数と早読みしてしまいました。こちらこそ失礼しました。m(_ _)m
 県の圧力程度で医師3名がそろって医師の良心を曲げるというのも、もちろん問題だと思いますが、難しいところだと思います。無論、一番悪いのは圧力をかけた県職員だと思いますが。

大野事件も医療側の画策による自業自得であり、過労死も
たらいまわしもコンビニ受診もすべてにおいて、自業自得の要素がある。
身から出た錆、ということで自省してもらいたい。

医師というのは、本当に懲りない連中だと感じられる。

 大野や割り箸の起訴が間違っていたことや、そのことが医療崩壊に悪影響を与えたことは別に否定しません。そして、起訴判断についてまず第一に責任を負うべきであるのは検察であることも間違いはありません。
 このことはすでにこのブログで何度も言及されており、別にこれを否定する人はほぼ皆無ということは過去ログを勝手読みしない限りわかるはずです。わかるはずです。わかるはずです。
 しかし一方で事故調の調査結果と某大学教授の鑑定が検察・警察の判断に重要な影響を与えたことも間違いなく、二義的な責任は医療側にあることもまた事実です。但しあくまで二義的です。
 なお、県職員の圧力によって事故調の報告書が作成されたかどうかは、確定した事実ではないと思うので(あくまで佐藤章氏がそう主張しているだけですから。事実ならば加藤医師に対する名誉毀損罪、保険会社に対する詐欺未遂罪、虚偽公文書作成罪等で告発してもよいと思うのですがそうしてないし)作成経緯について断定的に言ってしまうべきではないような気がしています。

 んで、その結果が2006年9月の検察長官会同のなかでの但木検事総長(当時)の訓示

医療過誤・飛行機事故などはこれまで被害者の利益を考えて刑事責任の追及を行ってきたが、国民や社会全体の利益の観点に立って、原因究明や事故防止のためにどういう枠組みがいいのか検討すべき時期にきている
であり、大野事件判決後の吉村警察庁長官の発言
医療行為への捜査については判決を踏まえ、慎重かつ適切に対応していく必要がある
であり、保岡法務大臣(当時)の発言
医療事故の真相究明については、第三者機関が専門的な判断を下すようにし、刑事訴追は謙抑的に対応するべきだ。
ということになるわけで・・・

 これだけでは安心できない、という意見は分からないでもないですが、信頼回復というものは日々の地道な努力によってしかなしえないわけで、「それは大野事件以降の捜査・起訴判断の動向をちゃんと見てください」という答えにしかなりえないわけです。
 ここ10年ほどの医療と刑事司法に関しては、かつてあまりに聖域化していたことの反動であるとして、振り子にたとえられることも多いですが、現在はすでにこの振り子は中間地点を再び行き過ぎ、謙抑化方向に位置している、と私は思っています。
 これは逆に言えば自浄能力を医療側の団体が働かせることに失敗すれば、ふたたび振り子が刑事処罰の方向へと向かうことになるであろう、ということをも意味しますが、一方で、流れが医療側にきている今が、医療側にとってのチャンスでもあろうかと思います。
 労力を過去の清算に浪費するか、より建設的な方向性に向かわせるかは個々の自由ですけどね

 航空機事故は、一度に数名から数百名の命が失われます。その責任追及という後ろ向きの仕事にリソースを使うより、事故原因を客観的に解明し、技術的な誤りや機器の欠陥それにヒューマンエラーを誘発するシステム要因の訂正改良に限られたリソースを振り向けた方が、確実により多くの未来の人の命を救うことになります。
 これを人の命の数のボーティング(多数決)と批判する向きもありますが、人命尊重のボーディングブリッジ(搭乗橋)と解して進めることも一考ではないかと思います。

>なお、県職員の圧力によって事故調の報告書が作成されたかどうかは、確定した事実ではないと思うので
 
 慎重に検討考慮すればそのとおりですが、同じ公務員として襟を正す意味で同業には厳しい目で見ています。それに、「書類のつじつまを合わせてWin-Winでさっさと処理しよう」という手抜処理or雑処理は、経験則でいえば、大都市とは言えない地域の地方公務員ほど、ありがちですから。

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46 :略:2008/12/28(日) 23:18:16

・・・(略)さらに深刻な問題は,鑑定医の言うとおりにすれば妊婦が助かったという具体的な証拠のないままに起訴したことであって,この点は誰がどうあがいても消し去りようのない検察のミスだと思われます。・・・(以下略)
--------------------------------------------------------
う~む、鑑定医の言うとおりにすれば妊婦が助かったという内容の「鑑定書」が、具体的な証拠そのものじゃなかろうか。検察は鑑定書以外にどうらやって「妊婦が助かったという具体的な証拠」を手に入れることが出来るのだろうか。

どうやら検察には、鑑定医の鑑定結果を医学的に完璧に評価する能力が求められるらしい。

とすれば↓こういう結論は自明だ。
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47 :略:2008/12/28(日) 23:41:58
検察には鑑定医の医学的欠陥を見抜く目が期待されている。
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>経験則でいえば、大都市とは言えない地域の地方公務員ほど、ありがちですから。

 県職員の圧力説は説得力があるのが困りものでして(笑)。
 ヲチスレでも「告訴しろ」みたいな過激な意見があるので、そういうのに念のため釘を刺したほうがいいかな、という程度の趣旨の米です(ぺこり)

>とすれば↓こういう結論は自明だ。
>--------------------------------------------------------
>47 :略:2008/12/28(日) 23:41:58
>検察には鑑定医の医学的欠陥を見抜く目が期待されている。
 
 弁護士先生には医籍をお持ちの方も多数いらっしゃいますし、裁判官にも1人だけいます。しかし、聞いた話では検事さんにはいないので、医師のチョンボ鑑定を検事が見受けなんて、ヲチスレのご意見は、医師が弁護士のチョンボ弁論の法的誤りを見抜くようなもので、不可能を強要するものとしか言えないと思います。

>県職員の圧力説は説得力があるのが困りものでして(笑)。
>念のため釘を刺したほうがいいかな、という程度の趣旨の米です(ぺこり)
 
 当時の行政内部文書も、とっくに保存期間が経過したころなので、真っ先にシュレッダーされたでしょうし(藁……笑えない

検察には鑑定医の医学的欠陥を見抜く目が期待されている。

 これを医師の発言であると見るとしたら(額面どおりに受け止めるとした場合は)、自己矛盾でしょうね。

 となると、上記の発言を論理的に誘導するような発言も自己矛盾になると思います。


 別の観点から見るとしても、結果責任を問うな、と言っている側が結果責任を問うているように見える。

 もっとも、現時点では、検察内部においてすでに総括済みの問題だと思いますが。
 対外的な発言がない限り信用できない、という人にとっては意味のない話ですが。
 しかし、信用できるかできないかは、疑いの眼差しを向ける以上は行動に基づいて判断するしかないわけで、発言の有無は本質的な問題ではないと思います。

>モトケン先生

 ヲチスレにも類似の意見が出てました(一部仮名化w)。

>58 XXXXX:2008/12/29(月) 02:02:47
>刑事免責を主張する医師の先生方は、その刑事法的な根拠を説明できるか?
>せめて、弁護士でない一介の下級公務員に過ぎない◎◎◎。◎程度くらいは。
>それができたら、検事に医師の嘘を見ぬけという主張を聞いてもいいがw

>自分ができない程度のことを他人に押し付ける無神経はどうにかならないか?

あれ?鑑定書のどこかに,「こうすれば助かった」なんて書いてあったっけ?

 自分にとって不都合または不利益な結果が生じた場合には、まず自分の側に何か原因がなかったかと考えることが、同様の不利益結果を回避するために最も効果的なアプローチだと思います。

 なぜなら、自分の側の問題点は自分の意思で改善できる場合が多いからです。
 他人の問題点は、まず他人にその問題点を理解させることから始めなければなりませんし、他人の問題点だけを改善できたとしても、自分の側の問題が改善されていなければ、同様の結果が生じる可能性を除去できない場合があります。
 特に自分の側の問題が主因の場合は、他人を非難しても問題解決になりません。

 記録を見てないので正確には分かりませんが、少なくとも鑑定医の検面調書(弁護人不同意のため不提出)と鑑定証言にあったと思います。マスコミ報道によればですが。

 医療過誤に限らず一般の事件でも、民事刑事を問わず、鑑定書の記載内容を平易に説明したり意味内容を補足して、専門知識を欠いた裁判官にも分かりやすくするため、鑑定者の供述録取書(員面や検面や弁面)や供述書(陳述書や上申書)が証拠請求されるのが普通です。
 刀剣類や絵画の真贋鑑定書、交通事故鑑定書、筆跡や声紋の異同鑑定書、死体の解剖鑑定書、責任能力鑑定書、放火原因鑑定書、トンネル崩落鑑定書、構造計算偽装鑑定書、親子関係存否のDNA鑑定書……などで、よく目にしました。
 たとえば、「ホルマントの異同識別」「建物倒壊係数から見た安全率」「カイ二乗計数」……なんて言葉が当然のごとく使われても、素人にはチンプンカンプンだから、説明を求めるしかないからでしょう。国賠程度でも、音声学、交通工学、精神医学、燃焼工学、建築学、土木工学、生命科学などの専門知識や専門用語がてんこ盛りに出てくるのが、現代の訴訟鑑定だからです。

 「一市民」さんの、「身から出た錆」論には説得力があります。

  そもそも、自分の土俵で戦える(それゆえに、過去においては圧倒的に患者が不利とされていた)医療事故裁判で、どうしてここまで医療側が追い詰められているように感じているのか、猛省が必要です。一部の不心得者を野放しにしたり、聖職者気取りで労働条件を放棄してタダ働きかつ疲労の極に自らを追い込んだり、結果、不機嫌・傲慢な対応をして苦情を殺到させたり、「医者を敵視する世論」が醸成されるままに傍観してきたのは、医者の怠慢ではないでしょうか。

  医者は、自らの良心に依って立つプロフェッショナルとしての立ち位置からぶれることなく、どんな圧力にも屈することなく、患者の権利を守り、インフォームド・コンセントをていねいに誠実に(悪いことが起こりうる可能性も包み隠さず)行い、疾病の本質・医療の限界を常日頃から患者に語りかけ、患者が人権を行使する自立した「近代的我」として自覚的に行動するように(アレルギー歴服薬歴など自分の医療情報を自分で理解・管理する、セカンド・オピニオンを取る、など)惜しみなく支援すべきです。そのような誠実な日々の実践を克明に記録しておき、不幸にも事故が起こったとき「期待していた結果が得られなかった」と後から異議を唱える家族に(その心情に共感は示しつつも)、患者本人が医療側と良好な信頼関係にありインフォームドコンセントを与えていた事実をご理解いただけるような「アリバイ」の準備をきちんとしておくべきです。もちろん、患者の安全をおびやかす人員配置や労働条件と闘うのもプロフェッショナルとして当然のことです。医療はたいへんなハイリスク産業なのですから、このようなリスクマネジメントをしていなければ、「身から出た錆」と言われてもしかたありません。

  制度的にも医療の危機的状況は続いており、大野事件で「検察不信」という自慰に耽っている場合ではありません。(下品な比喩をお許しください)
  鑑定医問題は、「公正な司法判断」のために医療側が貢献可能な強力な切り札であるというのが、大野事件から真っ先にくみ取るべき教訓であるのに、まだ、何ら具体的協力体制を提案できていません。「鑑定医を依頼しようにも医療側が極めて非協力的」という司法側の言い分は至極もっとも、と国民は感じていることでしょう。医学界は、何らかの鑑定医支援(ひも付きと非難されないような、プロフェッショナルな)を打ち出すべきです。
  何よりも、医療不信に対して、医療界が自浄作用を持つことを、まだ示せていないのです。「医療事故調」では、自浄作用をもっともっと前面に打ち出し、それと引き替えの形で、ある程度の免責もアリかな、と、次第に世論を味方につけていくような戦略がいいように思うのですが、いきなり免責免責では、あまりに拙劣な交渉術・・・と危惧しております。(いずれは、医療という業の性質にふさわしいと国民が納得する範囲での免責は導入されるのが公正であり、それが拡大される形で、「過失は罪ではない」という司法文化が日本で根付くことを願っていますが、拙速は禁物です)
 

 情けないことに、紫先生のところの裁判で個人の資質をフルぼっこにされても、メディアマスコミの御用達の顔面の外皮のとても肥厚された鑑定医の方がおりまして、この方は学会の管理にはとてもおけないような状態です。[学会の認定専門医ではないそうですから]
 この(南のほうの)方を再度検察が採用されないことを[ブラックリストにするとか)望む限りです。

県職員の圧力について:

正論からすれば、医学・医療の分野では、県職員がどのように言おうとも、圧力を掛けようとも、屈してはならず、戦わねばならない。戦えば、勝てますよ。例え、知事が出てきても、内部告発すれば面白くなります。

でも戦うのは、疲れるし、妥協をする方がよほど簡単。それからすると一人で戦うのではなく、仲間を増やして戦うことでしょうか。

>でも戦うのは、疲れるし、妥協をする方がよほど簡単。それからすると一人で戦うのではなく、仲間を増やして戦うことでしょうか。

 左遷はまだいい方で、職を失い家族を路頭に迷わす覚悟でないと・・・・・_| ̄|〇

検察官って制度的にはみなさん独立官庁ってことになってますよね。情報の共有とかどうしてるのかな。
「ちょっとミナミ蓋先生(仮名)ってアレだからナニしない方がいいよ」とか。

 「県職員の圧力」については、圧力に負けた医者が悪いよね。まあこんな結果になるとは思ってなかったんだろうけど。圧力に対抗できたのは医者だけだもん。院長が腹括れば、どんな「圧力」も効かないはずだよ。
 事務に戦えって言ったってそりゃ酷だよね。
 
> 医者は、自らの良心に依って立つプロフェッショナルとしての立ち位置からぶれることなく、どんな圧力にも屈することなく、患者の権利を守り、インフォームド・コンセントをていねいに誠実に(悪いことが起こりうる可能性も包み隠さず)行い、疾病の本質・医療の限界を常日頃から患者に語りかけ、患者が人権を行使する自立した「近代的我」として自覚的に行動するように(アレルギー歴服薬歴など自分の医療情報を自分で理解・管理する、セカンド・オピニオンを取る、など)惜しみなく支援すべきです。

まことに正論なんですけどねえ。
「人権を行使する自立した「近代的我」」ってのが実は幻想だったりするんですよねえ。
といか、これ釣り?

圧力に負けたというほど大げさなものでもなく,そっちのほうがお見舞い金渡せるしいいよねくらいの気持ちだったんじゃないでしょうか?
あんな大事になるとはあの時点では想像もつかなかったでしょうし。
ある程度、慣習というか保険金貰ってお金渡したほうが面倒が少ないっていうのが公立病院の姿勢だったのでは?

ただ、あの時に戦うべきだったというのが後だしジャンケンでもこれからはがんばるべきだとは思いますが。

72 :名無しさん:2008/12/29(月) 11:54:51

 ・・・(前段は省略)・・・

>警察・検察も、裁判所も、弁護士も、医師も、それぞれ反省し将来に向けてどう現状を改善すればいいのか考えないといけませんね。
特に裁判所にお願いしたいのは、「読んで署名したけど、よく理解してなかったのでその同意は無効」って飛び道具使うのは、ちょっと控えてくれないでしょうか、ってことですね。
それだけでも医者のストレスはずいぶん減るんじゃないでしょうかね。

う~む「飛び道具」ですか・・・
民法を勉強するとき最初に憶えなきゃいけない、意思表示の心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫での無効は禁断の裏技だから、医療行為の説明と合意には持ち出さないでくれということなんですかねぇ。

ここをダメ出しされては合意とは何なのか、根底から定義し直さなければならなくなる。
署名捺印さえ貰えばOK、責任追求は一切シャットアウト、という理解なんだろうねぇ・・・。

あちらでは「自浄作用」ということが話題になっている。

自浄作用とは、このエントリ№25でのモトケンさんの下記コメントで言い尽くされていると思う。

自分にとって不都合または不利益な結果が生じた場合には、まず自分の側に何か原因がなかったかと考えることが、同様の不利益結果を回避するために最も効果的なアプローチだと思います。
なぜなら、自分の側の問題点は自分の意思で改善できる場合が多いからです。

自浄作用とは「まず自分の側に何か原因がなかったかと考えること」であって、「まず自分の側に何か原因があったと判定すること」とは大分違うと思う。

自分達で「まず考える姿勢」の明示、それが外に向かっての自浄作用のアピールであろう。自分の側に何か原因がなかったか「考えている」けど外に向かって何も言わないし、閉ざした内部だけでの「考えている」プロセスというのは、世間は自浄作用とは認めてくれないだろうなぁ。

むこうでもコメントしてきましたが、

署名捺印さえ貰えばOK、責任追求は一切シャットアウト、という理解

とまでは、つまり「とにかく読んでなかろうが認知症だろうがサインさえさせれば勝ち」というような趣旨とは思いません。
「読んだはずなのに」ということが言いたいのだと思います。短いレスなので善解が入りますが。

No.72氏が念頭に置いているのは、「当時は納得してサインしたはずなのになぜ後からひっくり返るんだよ?理不尽だろ!?」といえるようなケースなんだろうと思います。

で、実際に、証拠関係踏まえた上で、病院寄りの視点で見れば、「これで慰謝料認めるなんてどう考えてもおかしい」というケースがあることは否定しません。

が、裁判官の「患者=弱者保護」のバイアスによる影響があるとしても、裁判官は「その患者の理解力に照らして説明が不十分ならば有効なインフォームドコンセントではない」という、一般論レベルでは医療従事者だって同意せざるを得ないはずのルールを適用しただけにすぎない。
つまり病院が敗訴した最大の理由は、立証・説得が不十分だったということなわけで。

それを、「裁判所が 『サインがあるのに無効にするなどという飛び道具』 を使った」と批判するのは、明らかに問題の所在を取り違えているな、と感じました。

同感です。
そも、署名捺印した人が文面の内容を十分に理解していたとしても同意を取り付けたとする文書の内容が公序良俗に(著しく)反すると認定された場合には、文書の効力自体が否定されますし。(cf.自動車レースにおける「死の誓約書」@太田哲也事故)

なんというのか・・・随分と脇の甘い状態のままで、他に責を求めることばっかりしているなぁとの印象が、長いこと拭えぬままでいます。

モトケンさんのお書きになった

自分にとって不都合または不利益な結果が生じた場合には、まず自分の側に何か原因がなかったかと考えることが

というのは、危機対応の初歩の初歩ではないかと思うんですよね。喧嘩を売るにせよ買うにせよ、或いは吹っかけられたにせよ、相手が自分の側の何をどう突いてくるのか見極めたり、客観的(≒第三者視点)に考えてツッ込まれる余地がないように準備しておくとか、先回りして手を打っておくとかは、ごく常識的な防衛策でしょう。

・・・・そういう工夫や努力をしないでおいて、郵便ポストが赤いのも法曹とマスコミが悪いのよ的なことを言うなよなー、と思ってしまいます。

今更、医師の習性を責めてもしようがありません。
サルでも反省しますが、医師はしません。そういう育ちだということです。
医学部教育の大改革が求められます。

視野の狭い医師の末路はチームバチスタで証明されました。
隠さず、認めましょう。患者のためなどと、大義名分はもういりません。
そのいういい訳やきれいごとが、チームバチスタを崩壊に導きました。

これ以上医師の気づきを待つ時間はありません。

2009年は受け入れ拒否から強制受け入れへ、医師偏在は強制配置へ、選択の自由は医師奴隷化へ、
政府、マスコミ、国民のコンセンサスはほぼそういう方向にまとまってきているのではないでしょうか。
28万人の奴隷化で1億2700万人の安全安心を構築する、しかもなるべくお金をかけないで。
素晴らしい医療が実現できそうな2009年です。
医師の皆さんには特攻隊赤紙が年賀状の代わりに届くかもしれませんが、なぜこんな事態に陥ってしまったのか、
じっくり考える年末年始であって欲しいと思います。

この文章がバカな一市民の寝言であり、けっして医師の皆さんの初夢にならないことを願います。
2008年は皆さんにお世話になり、医療を学ばせていただきました。
ありがとうございました。

 ひとことだけ苦情です。

>視野の狭い医師の末路はチームバチスタで証明されました。
>そのいういい訳やきれいごとが、チームバチスタを崩壊に導きました。

 TVドラマと現実を混同するのは止めた方がいいと思います。

結構,当たり前に思えても現場では落としどころの難しい問題なんだろうなと思います。
インフォームドコンセントで知る権利、選択する権利がある、けれど権利には義務も伴うわけで。
標準的治療を提示されてどうなさいますかと聞かれて困惑する人も多いわけで。
頻度の高い合併症をたくさん聞かされて、治療を受けるのが嫌になって逃げる人、医者が責任逃れに脅してると怒りだす人もいたり。
悪性の病気の場合でも今は個人情報なので、まず本人に告知してご家族にもお知らせしていいですかと聞くのが正しいんでしょうが、人によってはご家族に先に説明したほうがいいような気がしますし。
なんというかすごく日本的な「言わず語らず」のなあなあ感が許されない時代の難しさというか。
アメリカで暮らしてる人の入院前にいろんなことどば〜〜っと説明されて分厚い書類を渡されて、治療方針に文句言わない、病院を訴えないって書類にサインしないと入院させて貰えないって話しを聞くと脇を締めるのもアメリカすごいなあって思っちゃいます。
防衛はするようになってきてると思います。
ただ防衛だけじゃなくて萎縮もしている現状......
問題は一般の人の意識なんじゃないでしょうか?

確かにヲチスレのヲチスレだねえ。
オモシロイねえ。

>喧嘩を売るにせよ買うにせよ、或いは吹っかけられたにせよ、相手が自分の側の何をどう突いてくるのか見極めたり、客観的(≒第三者視点)に考えてツッ込まれる余地がないように準備しておくとか、先回りして手を打っておくとかは、ごく常識的な防衛策でしょう。

まあ確かに喧嘩の売りあいが日常の法曹にしてみれば常識的なんだろうけど、基本的に医者はそういうものの考え方に慣れてなかった(過去形)んですよね。
「俺は人のためになることをしているんだから、感謝されこそすれ、非難されことはない」というスタンスがデフォルトで2000年やってきた稼業ですから。
でもって、現在でもほとんどの場合はこのスタンスでやっていて問題にならない。
ただ「ほとんど」以外の例外が致命的なことが多い、ということが知れ渡るようになり、「例外」が増えてきているように思えるので医者がびびりまくっているんですね。

「医療行為は医師患者間の契約関係ですよ」って言われてもぴんと来ない医者は今でも多数派ですよ。
「契約」なんて不浄な言葉使うな! 医療は人類愛の撥露だ!! ってのが古き良き無知な医者の深層心理(だった)。

fuka_fuka さまのアッチの書き込みも含めて、基本的に同意です。私の先のコメは少々断定的な面が強すぎたとの思いは自分でもあります。

>患者の理解力に照らして説明が不十分ならば有効

この「患者の理解力」という部分がミソですね。いくら時間を費やして医学的に正しい用語遣いで完璧に説明しても、相手が理解できなければ効果が無い。

「相手が正しく理解した」という結果を証明できるかどうか、これが裁判での結果を左右する。「正しい説明を行った」という行為の有無を証明することではない。近いように見えて大きく違うのだが・・・。

 明らかに、理解力がない患者が、身寄りがない時に、誰が、意志決定に関与することが適切なのか、ホームレスの救急とかと出くわすといつも悩む。
 決断にかける時間の猶予がないときなんかには、緊急避難として医療行為をするけれど、いつも、後でなんかあったら嫌だなと不安を感じながら、ストレスいっぱい。

 緊急避難というよりは、先ず緊急事務管理(民法698条)でしょう。

(緊急事務管理)
第六百九十八条  管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

ご教授ありがとうございます。
ついでに、もうひとつご指導いただきたいのですが、
未成年の兄弟間での骨髄移植で、ドナーとなる健康な児のインフォームドコンセントを取る際には、親以外の誰が説明を聞き、意志決定の助けをするのが適当なのでしょうか?
私は、親がこの場合の適切な代理人とはならないのではないかと思っています。

 すいません。m(_ _)m
 ドナーの代諾権者までいくと不勉強で分かりません。m(_ _)m
 担当が刑事行政国賠なものなので。(^^ゞポリポリ
 モトケン先生をはじめとする弁護士の先生にボールをパスしたいと思います。m(_ _)m

私は法曹じゃないですし、第一「脇を固める」のは日常でも当たり前のことじゃありません?

働きの悪い同僚や後輩をなじるのに、なじろうとしている当人にも働きの悪い局面があったりしたら逆ねじ食らうだけじゃないですか。組織内での政治とか足の引っ張り合いとかでも常套のことだと思いますよ。
アイツの論文はオカシイって指摘する人が、別のところでトンデモ論文を書いてたら説得力ないじゃないですか。

「喧嘩上等の弁護士稼業に限ったローカルな話」だとかいう具合に矮小化するのは適切じゃないと思います。
というか、そうやって脇固めをすることを怠ってきたからこその現状だと、我が身省みることをしないとダメなんじゃないですかね。

「相手が正しく理解した」という結果を証明できるかどうか、これが裁判での結果を左右する。

判例(多くの)が要求しているのは、「相手の医学の知識や理解力の程度を前提として、その程度の患者であれば自分の受ける医療行為の内容や危険性を理解が十分可能な説明」であって、「患者が実際に理解したこと」までは要求していませんので、その書き方だと若干誤解を受けるかもしれません。

例えるならば、到達主義に似ています。
届くような通知(説明)を発信し、相手の勢力圏内に「到達」すれば、発信者(医師)としてできることはやったのでOK。
で、実際に相手が通知を読んだ(理解した)かどうかは、あとは相手側の責任。

 民事の挙証責任の分配は、学部初学者でも一番躓くところですから、このスレでご指導お願いします。m(_ _)m

そうか鑑定書ではなくて,まず報告書ありきでしたね。間違えましたすみません。
その報告書には「こうすれば助かった」は全く書いていないようなので,これのどこをどうやって確信を持って起訴に持って行くことになったのでしょうかね。検察官に医学的な知識を望むことはさらさらないですが,業過致死で起訴というからには,それをしていればほぼ確実に助かったという証拠・症例集めをする収集能力を期待するくらいは,そんなに高望みではないんじゃないかと思います。

この件自体はもう検察も十分反省しているだろうし,反省しすぎて羹に懲りて膾を吹くような現状は却って痛々しいくらいなので,もういいじゃないですかな気がしますし,No.15のろくろくびさんのコメントにほぼ全面賛成であってそれ以上はないんですが,それでも「はじめに鑑定医の誤り有りき」的な意見が未だに出てくるようでは,いやそれは違うだろう,と一言言いたくなりますね。

>No.26 ハスカップ さん から 峰村健司 さん への返信 | 2008年12月29日 02:25
>No.27 ハスカップ さん | 2008年12月29日 02:45

 人のコメントをちゃんと読んでくださいね。

あー,これは失礼。便宜上ハスカップさん宛てにつけましたが,内容本筋自体はハスカップさん宛というわけではありません。

 それなら了解です。

 刑事訴訟で検察を非難する人がいますが、それを民事訴訟に当てはめると原告または原告代理人を非難すべきことになるはずですが、そういう声があまり聞こえないのは私の耳が悪いせいだろうか?

>民事訴訟に当てはめると原告または原告代理人を非難すべきこ
>とになるはずですが、そういう声があまり聞こえないのは

「亡くなった患者の遺族が怒りで凝り固まってしまうのは、
 人として当たり前。
 そして民事訴訟が起こるのは、弁護士が『商売になる』と
 判断して引き受けるためであり、これも当たり前。
 ただし、マスコミが遺族に肩入れするのは、思いっきり
 非難する。」

というのが、医療関係者の答えであると観測します。

>彼を法廷で罵った検察は、彼に一言の謝罪も無いばかりか、起訴は間違っていないと言い張っています。

 私は検察の「起訴自体は間違っていない」という主張は正しいと考えます。大体、現行の法律では起訴は仕方がなかったのではないでしょうか?法律違反をした訳ではではないですし(私は別に警察、検察の肩を持つわけではないですが)。わたしはこのブログで検察の状況、司法の状況を勉強させて頂きまして、まあお互いに大変な状況であるということは理解できました。詰る所はシステム上の問題であり、現場レベルでは如何ともし難かったということでしょう。今後、医療事故調査委員会等のシステムに期待するところです・・・(うまく機能するかは分かりませんが)。最近の医療裁判を見るとなんとなく裁判官も検察も空気読んでる気がします。はやくいいシステムができることを期待します。
 ただ今回の一件で警察、検察を許せないのは、公衆の面前で(マスコミの前で)、産科医をまるで殺人事件の犯人のように逮捕、拘留したことです。別に法律上は違法ではないのかもしれませんが、このことに関しては何らかの弁明がなければ感情的に収まりません。いくらなんでもあのようなやり方はないのではないか、責任者出て来いという気持ちです。少なくとも冨岡警察署の福島県警本部長賞は撤回して頂きたいと思っています(これ位はできるだろうと思いますが)。
 あとこれだけは言いたい。「マスコミ」いいかげんにしろっ!医者、司法関係者、警察みんな現在の最悪の状況を現場サイドの努力で何とか打開しようと頑張っているのに、何故、奴らは頑張らないのか?それどころか何故足を引っ張るのか?仕事をする気があるのか?医は仁術というならば、ジャーナリストのジャーナリズム精神はどうなの?大衆迎合主義か?視聴率至上主義か?高い給料をもらっているのだったら少しは社会に貢献しろと私はいいたい。
 実は、医者のモチベーションを下げているのは(医者に限らないと思いますが)検察、警察ではなく、無責任な報道による社会的制裁と、言っても耳を貸さない人達だと私は思います。

>「亡くなった患者の遺族が怒りで凝り固まってしまうのは、
>人として当たり前。

 怒りで凝り固まってしまっているのであれば、トンデモ提訴も容認する、と医師は考えているのでしょうか?

 トンデモ提訴の国賠被害者として申し上げれば、無理筋の提訴は、国費と公務員の労力の無駄遣いです。それが被害者意識の妄想に凝り固まっていたとしてもです。本人訴訟(無理筋ならたいてい弁護士が受任を拒否します。)の国賠乱発を見るとその感を強くします。

>ただ今回の一件で警察、検察を許せないのは、公衆の面前で(マスコミの前で)、産科医をまるで殺人事件の犯人のように逮捕、拘留したことです。

 田舎の県警の人権感覚レベルが知れますね。警視庁や特捜部なら、任意同行して密かに庁舎内で逮捕して、押送のときもマイクロバスや官用乗用車に目隠しして人権に配慮します。
 ただ、殺人事件でなくても普通の交通事故の業過でも、否認すれば逮捕・勾留はされますので、殺人事件に比肩しない方が説得力があると思います。

マスコミの害悪、イランの大学生拉致事件の解決に日本政府が2億円外交機密費から出して解決したことを報道する。
 日本人の誘拐が商売になることを世界のテロリストに教えてしまったこと。
 知ってもいわないのが、マスコミのモラル、あえて新聞に乗っけてどうする。(今朝の朝の新聞早出し)
 名誉あるとく落ちツウもんは彼らにはないのだろうか。
 
(またマスコミ有害論を言ってしまいました。スレ違い申し訳ありません。科学報道さんに刺激されたモンデ。)

遺族が冷静さを失っていることについては非難のしようもなく、それが訴訟という形になるのは不当な場合は非常に残念ですがそれでも非難する人は少ないんじゃないかと思います。
個人的には原告側弁護士さんについてはあんまりの場合にはちょっとな〜と思うかな?
たぶんほとんどの弁護士さんが、これは違うだろうと思われる件については依頼に来た人を説得して止めていると想像しますので、言いがかりに近いようなのを引き受けてる場合にはこれは一緒になって冷静さを欠いたのか、依頼ならちょっとアレなのも受ける人なのかと疑います。
泣き寝入りをするなと煽るたぐいの団体ははっきり言って好きじゃないです。
自分と同じ泥沼に引きずり込みたいのかなと。
マスコミの大半はきっぱりひど過ぎ。
医療側が強者で患者側が弱者で、だから剣より強いペンで弱者の味方をするぞ〜!!的なパターンを作ってはまり込んでるような。
正しいことは何かを考えず、ともかくお涙ちょうだいにすれば受けると思ってるようないいかげんさとそれを訂正しない態度はひどいと思ってます。(一部まっとうな人、ごめんなさい。

>私は法曹じゃないですし、第一「脇を固める」のは日常でも当たり前のことじゃありません?

>働きの悪い同僚や後輩をなじるのに、なじろうとしている当人にも働きの悪い局面があったりしたら逆ねじ食らうだけじゃないですか。組織内での政治とか足の引っ張り合いとかでも常套のことだと思いますよ。
アイツの論文はオカシイって指摘する人が、別のところでトンデモ論文を書いてたら説得力ないじゃないですか。

 いや、戦うときに脇を固めることの必要性はいくらお間抜けな医者でも理解しているんですよ(と書いてちょっと自信なくなってきた)。
同僚や後輩を叩くとき(ってあんまりないですけど、叩かなければならないとき)や、足の引っ張り合いをするとき(これは日常茶飯事)には、脇を固めなきゃいかんなあ、と考えるでしょう(もっとも「お前がそれを言うか!」ということも日常茶飯事)。
 でもここでの「相手」は患者でしょ?
 その相手に「脇を固める」という発想は、医者にとっては異質だった(過去形ね)んです。
 だから今は異常に脇を固めすぎになっちゃったんだね。
 長文ご容赦下さい。ここから先はチラ裏の余談です。
 医者不足っていうけど、足りなくなったのは「脇の緩い医者」でしょ。専門とちょっと違うけど、患者が困ってるなら診ましょうか、って医者。
 ちょっと前までは「内科・小児科」なんて開業医はザラにあったでしょ。こどものちょっとした病気は、そういう内科医が全部診てたでしょ。そこが一種のトリアージ機能を果たして小児科のパンクを防いでた。
 今だって技術的には診られる内科医は(まあ40代後半だろうけど)いるけど、みーんな脇を固めて、小児科の標榜降ろしちゃった。
 これまでの医者の感覚だと、患者=病人=弱者=助けてあげなければいけない人、という理解だったんです。だから何とかしなくっちゃって。
 よくパターナリズムはいかん、と言うけれど、パターナリスティックな心性ってのは医者の属性だったんです。惻隠の心、っていうか。子どもが井戸の縁に立ってて危なかったら取りあえず降ろす、と。そういう人じゃない人は非人でしょ。医者になってもらいたくないよね。いや、いますよたまに、そういう医者。乳がんの検診で「触診したらババアが恥ずかしがりやがってお前の汚ねえおっぱいなんか触りたくなんかねえっての。で、ツモール(腫瘍)があったからバイオプシーやろうって言ったのに来やしない。今頃手遅れだな。ざまあだ」って笑うような最低な医者。僕の叔父ですけどね。今なら説明義務違反に問われるかもしれないですよね。
 でもこういうときに医者をつき動かしていたのは、法的義務云々じゃなくて「ほっといたら患者が可哀相じゃないか」という倫理だったんです。「お前それでも医者かよ」という。
 でも今は「井戸の縁に立っていることによる危険性と、そこに立っていることによってこどもが得られる利益、さらにそこから降ろすときに発生するであろうリスク(逆に落としちゃう、とかね)を、こどもに判るように説明して、同意が得られたらこども降ろす」ように要求される、と。そんなんできるかっつーの。
 もちろん誰が見ても判るような「井戸」なら問題ないんだけれど、世の中には「医者にしか見えない井戸」があって、ちょっと前なら何も言わずに手を出していたのが、今は「どうしようかね。ヘタに手を出して井戸に落ちたらヤダし、運がよければ落ちないだろうし、落ちたって自己責任だから見てようか」って感じになってきたんですね。
 それでもほんの数年前までは、そんなこと言うと「お前それでも医者か」って仲間内から言われたんですが、今は「それでもしょうがないよね」に変わってきてしまった(法律より何より、今までの普通の医者は仲間内からの非難、特に師匠筋からの叱責が一番こたえるんです。余談の余談の余談ですが、新臨床制度の最大の影響は「師匠筋の断絶」だと思ってます。「こんな振る舞いをしたら、○○先生に何と言われるか」という規範が生じる機会が失われた、ということ)。
 で、みんな異常に脇を固くするか、そういう機会に遭遇しないような場所(井戸が見えない所)に移動しつつある、と。
 ちょっと脇道の、しかもみなさんよくご存じのこと書いてごめんなさいね。

>怒りで凝り固まってしまっているのであれば、トンデモ提訴も容認する、と医師は考えているのでしょうか?

容認っていうのは、民事訴訟で原告が勝つってことですよね?
まあ東京地裁の医療担当の某判事に当たらなかったら大丈夫かなあ、とは思うんですけど、正直あんまり自信がありません。
あんなに怒ってるんだから、まあちょっとはお金出して上げなさいよ、という判決は割と目立ちませんか?
要は「そうは言っても遺族が気の毒でしょ」って判決。
少なくとも1件はかなり当事者に近いところで体験しています。

容認っていうのは、民事訴訟で原告が勝つってことですよね?

通常の日本語であれば、辞書的には 容認 = 認容 なのですが、法律用語では「認容」のみ特別な意味が与えられています。
つまり、
法曹が「容認」という場合は、一般的意味での「容認」(=認めて受け入れること)ですが、
認容」という場合は、
・民事訴訟で原告の請求(の全部または一部)が認められること
・刑法学での犯人の主観(認識)の内実 (故意と過失の限界を議論する場合にのみ出てくる。訴訟実務ではあまり使われない)
のどちらかです。

法律村内部のジャーゴンにすぎないのですが、せっかくなのでROMのみなさんも含めて知っておいていただけるとよいかと。
議論の本筋と無関係なところで長文失礼しました。

連投ご容赦。まあぼやきなんですけどね。

「説明で相手が理解したか」ではなく、「相手が理解出来るレベルの説明であったか」が問われる、ということですよね。それはわかるんですけど、「本当に理解できる説明」をする、というのは、とても難しいことなですよね。というか、無理無理。
正しい説明をするためには、当然EBMにのっとらなきゃいけないんですが、EBMを理解するには、確率論の基礎的な知識が必須なんだけど、そのハードル高い。IQ=100(平均的知能)でもキビシイよね。
 「公平なルーレットで5回連続赤が出ました。次に赤白どちらに賭ける方が確率から言って有利でしょう」って聞いたら、かなりの人が「白」って答えるでしょ。
 ごくありふれた説明、ある検査をして、その結果をどう評価するかってことだけでも大変。検査をして病気かどうかを判断するときには、その検査の感度、特異度が大切なんだけど、たいていの人は「何それ食べられるの」ですよね。「そんな難しいこと言われてもわかんないです」って。
 ちょっとした機会に弁護士さんに感度・特異度・尤度比を説明したことがあったけど、さっぱり判らなかったよね。
 だからたいていは(というかほとんど全て)難しいところははしょって、「まあこの結果なら大丈夫だから俺を信じろ」って言ってみたり、「99%大丈夫です」って言ってみたり。
 でも「99%大丈夫」ってことは、その医者が500人診れば大丈夫じゃない人が1人出てくる確率は99%ってことなんですよね。その意味わかりますか?

 民事や国賠の判決では「請求認容」という言葉が使われてますね。一般用語例の「容認」とは「それもやむをえないかな~」という意味で使うのが多いかと思います。あと、被告の訴訟行為として「認諾」というのがあり、これは「原告の請求を認めて争わない」という意味で使います。
 医学用語ももちろん難しいですが、法律用語も難しくて、法学部1年生のとき「法律学小事典」を買ってイミフの法律用語を引いても、その意味が分からず、正確に理解できたのが3年生になってからというσ(^_^)のテイタラクだったことを覚えています。
 おそらく自然科学の自然法則とちがって、社会科学で人間の頭脳が産出した概念の当為法則なんで、ますます定義や趣旨が分かりにくいものかと達観した方がいいようなときもあります。m(_ _)m

未成年の兄弟間での骨髄移植で、ドナーとなる健康な児のインフォームドコンセントを取る際には、親以外の誰が説明を聞き、意志決定の助けをするのが適当なのでしょうか?
私は、親がこの場合の適切な代理人とはならないのではないかと思っています。

非常に的確な法的問題意識だと思います。
ドナー側の兄弟にしてみたら、「父さんも母さんも、あいつ(レシピエント)を助けるためなら僕/私は死んでもかまわないと思ってるんだ」 と思っても不思議ではない状況ですから、兄弟間で利益が相反する関係にあります。
(※:法的には、実際には揉め事になってなくても、関係性だけをもって利益相反(とか利害対立)という表現をします。為念)

実は民法上にそういう場合を念頭においた制度が置かれています。

(利益相反行為)
第八百二十六条  親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2  親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

建前はこうなっています。
どっちかの子には親、もう片方の子には「特別代理人」がついて、それぞれが子の利益を正当に代理した状況で、インフォームドコンセントをとるというのが法的には理想的。

でも、いくら「親権を行う者は ・・・ 請求しなければならない」と定められていても、罰則があるわけでもなく、取引相手(つまりこの場合は病院側)としても、「特別代理人を選任してこない限りICができないから移植手術はできませんよ」 ということもできない。
実際、急を要する場合も多いでしょうし、法律の素人であることが多い親権者が、子が大変な状況下で、単発的な手続のために家裁に行ってくるなんて、まず非現実的でしょうし。

こういった兄弟間の臓器・組織提供の場合に、どういうプロセスを踏めば病院側のリスクを最小化できるかは、ちょっと考えてみないといけないかもしれません。

(結果が悪かった場合に実際に紛争化するかどうかは、親や他の親族がどこまでモンスター化するかにもよりますが。ただ、モンスター化を防止するのは、書類の内容やムンテラのプロセスとかではなくて、文書化不能な顧客対応の適切性だとは思っていますが、別論)

「説明で相手が理解したか」ではなく、「相手が理解出来るレベルの説明であったか」が問われる、ということですよね。それはわかるんですけど、「本当に理解できる説明」をする、というのは、とても難しいことなですよね。というか、無理無理。

裁判所も、「本当に理解できる説明」までは求めませんので大丈夫です。「相手の理解力に照らして」説明せざるを得ないわけですから、。
といっても、ケースバイケースですから、「だから安心して」と申し上げることはできないわけですが。
いのげちゃんねるヲチスレでも貼りましたが(というか過去にここでも何度か紹介してますが)、読む時間がとれるようでしたら、これは必読と思います。
判例にみる医師の説明義務
医師の多くから「敵の総本山」的にみなされている藤山判事の編著だからこそ、リスク判断の教材としては有益度は大きいと思います。

でも「99%大丈夫」ってことは、その医者が500人診れば大丈夫じゃない人が1人出てくる確率は99%ってことなんですよね。その意味わかりますか?

私の愛読ブログ(残念ながら更新停止されてしまいましたが)を貼りまーす
http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20070823
(次の記事「続編」も)

こういう確率論は、法曹もさることながら、マスコミにも知ってほしいと強く強く思います。
ごくごく稀に起こった不幸な事例を、「こんなひどい結果が起こったのだから誰かが悪いはずだ!」という視点でしか伝えられない報道にはほとほとうんざりですから。

極論かもしれませんが、一部の医師の投稿に垣間見える、「医療を行う、人の命を救うことは、他の世の中の何よりも優先される」という思想が、多くの人を引かせる原因になっている様に思います。

医療であれ、司法であれ、社会のルールや経済状況、また物理的な困難さからは逃れることは出来ず、その中で試行錯誤しながらより良いものを目指すほかないのに。

このような意見をもっている方は、建前と本音が理解できない(または理解したくない)人なのであろうと思います。

昔「人名は地球より重い」といった大臣の言葉を正論(美談)と思うか、非現実的と捉えるかの差でしょうか。

我々が研修医の頃は、医療を行うのにコストの心配をすると叱られたものですが、そのような理想と現実を認識させない指導が一部の勘違いする医療者を育んでいる土壌になっていると考えています。

正しく現実を認識することが改善への第一歩であるという皆様の意見に賛同いたします。

業過致死で起訴というからには,それをしていればほぼ確実に助かったという証拠・症例集めをする収集能力を期待するくらいは,そんなに高望みではないんじゃないかと思います。

今後は、「高望みではない」と言えると思います。実際捜査機関側は有罪立証のためにはそれをせざるを得ないと思い知らされたでしょう。

でも、それは大野病院事件福島地裁判決が出た後だからこそ言える後知恵バイアスではないのですか?
判決前に、「本件でこうすればほぼ確実に助かっていたという証拠・症例の提示が欠けているから本件は無罪」 と宣言していた論者はどれだけいますか?

No.15に同意されていると言明されている以上、「警察・検察にも医師にも問題はあった」という点で争いはないはずなので、あとは「どちらに重きを置いている表現に読めるか」だけの問題でしかないとは思いますが、

「はじめに鑑定医の誤り有りき」的な意見

のどこが間違っているのか理解不能です。

どうもありがとうございました。長年の疑問が少しだけ解決しましたが、結構難しい質問であったのだということもわかりました。

 横レス失礼します。m(_ _)m
 民事(国賠)ですと、最先端医療は症例がほとんどなく、「こうすれば助かった可能性が高い。そうすべきだった。」と医者が証言で断定したら、ほとんど県立病院や私立病院は敗訴します。
 実際それで助かった症例が文献上もないからです。日本で初めての手技とか治療方法なんかですと特に。イスラエルで助かった手術例があると証言されたら終わりでした。
 もちろん、民事と刑事は違いますので、あくまで参考情報ということで。大事なのは、極めて優秀な医師の先生方でも、民事判決と刑事判決を混同されている方が多く、「この(民事)判決で勝っているから無罪だろ(有罪だろ)}という方が、少なくないので。為念。

あんなに怒ってるんだから、まあちょっとはお金出して上げなさいよ、という判決は割と目立ちませんか?
要は「そうは言っても遺族が気の毒でしょ」って判決。

ほんとうに「判決」ですか?「和解」ではないですか?

「まあちょっとはお金出して上げなさいよ」と理由中で言明している「判決」は皆無であると断言できますが、「という判決」とはどういう趣旨でしょうか?
アルゴン金さんにとって「そう読める(そうとしか読めない)」という意味ですか?それとも誰かほかの方の見解ですか?

ご教示ありがとうございます。
さっそくアマゾンの古本屋で…
売っとらんやないけええ!
くっそー、絶対新刊では買いたくないんだがー。

またまた長文で失礼します。年末厨ってことでご勘弁下さい。

>医療であれ、司法であれ、社会のルールや経済状況、また物理的な困難さからは逃れることは出来ず、その中で試行錯誤しながらより良いものを目指すほかないのに。

 もちろん一般論はそうです。
 でも極論をもって極論に返すならば、医者は時に法を曲げてでも患者を助けなければいけない、という気概が必要なんじゃないかな、と思っています。
 幸いなことに現代の日本では医師の倫理と法の命じることがconflictionを起こすことはまずありませんが、もしそれが起きたときに医師の倫理に従うのが医者である、あって欲しいと思うのは、はあ、やっぱり勘違いですかね。
 しかし法なんてのは極論すればたかだか100年やそこらの規範なのに対し、医の倫理は医術が生まれてから綿々と受け継がれてきたもので、歴史や国や民族を超越するものでしょ。うわあやっぱ勘違いかな。
 でもソ連で政治犯を「精神病」扱いしたのも、ナチスドイツのT4計画も、「海と毒薬」もほんの数十年前の出来事ですよね。どちらも当時の国法が命じたことで、医者は唯々諾々として(場合によっては積極的に)それに従ったんですよね。
 
>我々が研修医の頃は、医療を行うのにコストの心配をすると叱られたものですが、そのような理想と現実を認識させない指導が一部の勘違いする医療者を育んでいる土壌になっていると考えています。

 もちろんコストを考える医療は必要なんですけどさ、たとえばネーベンが患者にアルブミン入れたい、と。でオーベンもアルブミン入れる必要性はかなり高いと判断している、と。でもここんところの流れで、いくら症状詳記を書いてもおそらく査定を喰らうだろう、と。そういった場合オーベンはゴーサインを出すべきかどうか。
 自分がアルブミンを入れる、ではなくてネーベンの「入れたい」という希望を「認容」するか否かってのがミソですよね。オーベンの判断が、ネーベンの今後の判断に大きな影響を与える可能性がある。
 僕は、自分だったら入れない例でも、オーベンだったらゴーサインを出して欲しい、出すべきだ、と思います。やっぱ勘違いですかね。

>ほんとうに「判決」ですか?「和解」ではないですか?

 書き方が杜撰でしたね。
 正確にいうと、和解のテーブルでそのようにすすめられ、それを蹴ったところ和解条件とほぼ同様の判決となった、もちろん判決文には「被害者救済」なんて文言は全くありませんでした、というのが僕のいちばんよく知っている事例です。
 弁護士の報告書によれば、和解の場では裁判官が「医学的にはそうであっても、被害者(「被害者」と書いてあったんですね、これが)救済という要素を考えた場合には云々」という論理で和解をさせようとしていました。「あとは医師会と保険会社でよく話あって下さい」とも。で、そんな判例を作られても困るという判断で和解に応じなかったところ、同じような判決が出た、と。そいういうことです。
 この場合確かに判決理由に「救済」なんて書いてないですけど、裁判官の真意は明らかと言っていいんじゃないですかね。
 


おなじく年末厨(^^;

この場合確かに判決理由に「救済」なんて書いてないですけど、裁判官の真意は明らかと言っていいんじゃないですかね。

いえ、そうとも限りません。
「被告(=カネを払う)側を納得させ、和解を成立させるための説明」が裁判官の本心とは限らないわけです。

また、仮に、裁判官の本音に

あんなに怒ってるんだから、まあちょっとはお金出して上げなさいよ

とか

「そうは言っても遺族が気の毒でしょ」

という部分があったとしても、そういう心証だけで「(一部)認容判決」 は絶対に書くことはありません。
法的に理屈が立つからこそ、判決で「被告は○円払え」と宣言できるわけです。

そして、「理屈が立つ」というのは、こじつけでは無理です。プロの目にさらされる(少なくとも控訴されれば、自分よりずっとキャリアが上の裁判官に読まれることになる)以上、適当なことを書けば自分の首を絞めることになることは裁判官自身よく分かっています。

 なるほど。
 和解の場では「Aという理由でBということにしなさいよ」と言って、それが蹴られた後の判決で「Bってことにします」ということになっても、その語られざる理由は実はAである、と内心を忖度するのは間違いってこともあるわけですね。
 法曹ならざる身にはなかなか思いもよらないことで、大変興味深く思いました。
 でも普通の人はそうは思わないよねえ。

>法的に理屈が立つからこそ、判決で「被告は○円払え」と宣言できるわけです。

 もちろん理屈は立っておりました。でも医学的見地からも、これまでの判例からも「そりゃないだろ」っていう理屈ではありました。

>適当なことを書けば自分の首を絞めることになることは裁判官自身よく分かっています。
 
 首を絞めることって、実際どうなるんですか。
 裁判官も、かなり独立性の高い職種って認識しかないんですが、上役に怒られるとか、地方に飛ばされるとか、偉くなれないとかあるんですかね。

 タイトル通りエンドレスになってきましたが…

 

 まことにご指摘の通りで、つい感情的になり、失言してしましました。
 ただ一つ疑問に思うのは、警察が逮捕、勾留(字も間違っておりました)する際、何故に報道陣が現場にたくさん居合わせているのでしょうか。警察は逮捕、勾留の日時を報道陣に報告しなければいけない義務でもあるのでしょうか?あるいは情報が外部にもれているのでしょうか?容疑者が無実、無罪になる可能性もあるのに・・・・。無実、無罪になってもマスコミはほとんどフォローしませんし、今後、現状を改める気配がないですしね・・・・。マスコミがちゃんとフォローしてくれるならばこれもありと思いますが、現状ではねぇ。レス違いとは思いますが何とかなりませんかね?

アルゴン金

>医師の倫理と法の命じることがconflictionを起こすこと

>コストを考える医療は必要

であることを意識することが重要であるだけと思います。

それらを考えることは医師にとって、不要なもの、単に足かせになるもの、という考えではなく、それらの問題と医療はどう折り合って行くべきかを考える習慣が、現在まであまりになかったのではないかと考えています。

例に挙げられたアルブミンを投与すること等は、エビデンスがあれば全然問題ないと思います。むしろエビデンスがあるのに投与できないシステムが問題であり、それを改善するためにはどうすべきか、というような話に持っていくことが建設的な意見になると思います。

今までわれわれ医療者は、あまりに医療を実践すること意外に無関心で、その環境を整備することに労力を注いでこなかったのではないでしょうか?

 私の経験ですと、逮捕は警察(手柄を立てたい捜査員?)がリークしているとしか思えません。検察庁が逮捕(検逮と言います)するときは、逮捕して拘置所に押送後に初めて検察庁の記者会見でわかり、写真なしがほとんどだからです。
 勾留請求の場合だと、警察逮捕後48~72時間以内と刑訴法で厳格に規定されいているため、警察が逮捕したと発表すれば自動的にマスコミが計算して検察庁や裁判所に押しかけます。
 
 マスコミはニュースバリューがあるかどうかで報道するため、ご指摘のように、無罪や不起訴を大々的に報道しないことも多いかと思います。最近は逆も増えましたが。
 一番ひっかかるのは、逮捕時に犯人を極悪非道扱いして厳しい追及を求めたマスコミが、一転無罪となると逮捕自体を問題視する報道に変わり、ダブルスタンダードだと個人的雑感を持ったこともあります(個人的感想;為念)。
 マスコミは、表現の自由と報道の自由を金科玉条にしているのだから、自由と民主主義のため、メディアスクラムを含めその暴走を良識で押さえる公的責任があると思うのは、私だけではないと思いたいです。m(_ _)m

 事故のレスです。m(_ _)m

 No.79 は、No.77 ミラーマンさん宛てのレスでした。失礼しました。m(_ _)m

 加藤医師の逮捕現場は(警察への任意同行後の)取調室内なのでマスコミがこれを撮影していることはありえません。
ソース:
http://news.ohmynews.co.jp/news/20070410/4890
 たぶん「映像」は移送中のものとかなんじゃないですかね?(「映像」見てないのでよく分かりませんが。ユーチューブとかに転がってないのかな?)

>加藤医師の逮捕現場は(警察への任意同行後の)取調室内なのでマスコミがこれを撮影していることはありえません。

 私も確認しました。単に任意同行なのを逮捕と誤報しただけみたいですね。カメラのアングルカットされた部分が手錠捕縄付きとMLにあったので誤解していたようでした。ご本人が明確に否定しているので間違いないでしょう。ロウデータの厳密な確認を怠った自分が自分で恥ずかしいです。m(_ _)m
(ソース)
http://news.ohmynews.co.jp/news/20070410/4890
>2006年2月の逮捕当時は、「見せしめのように、外来診療中に突然、逮捕された」などのうわさがメーリングリストなどで流れたが、この点は否定。
>(中略)
>当日は、朝から2時間ほどの捜索のあと警察へ同行するよう言われ、車に乗って取調室に入ったところで、逮捕状が読み上げられた。

来年もあの調子なのかな(嘆息)

>モトケン先生

 それがエンドレステープ独善誇示の居士たるゆえんでしょう。弁護士にもいるじゃないですか。似たネット精神構造の人が。説得できない人は放置プレイも一考かと。あとはその専門業界の常識と自浄作用に期待しましょう。

とある会で樋渡検事総長と話をする機会がありましたが、検察の立場としては医療関係はまだまだ被害者が泣き寝入りしているため検察が頑張らないといけないという見解のようでした。
また、福島事件に関しても逮捕して訴えるだけでは当然その被疑者に罪が確定したわけではなく、裁判の結果無罪になったのだから全く問題ない。そういうシステムだとも言われました。
完全に体制の人なので、そういう理論をしゃべらなければならないのはわかりますが、あまりな内容だったので抗議しましたが、法律が変わらない限りは同様な運用が続くような印象を受けました。

 「とある会」というのがどういう性格の会合であったのかよくわかりませんのでコメントしにくい面がありますが、事実であれば(申し訳ありませんが確認不能なので)、検事総長の発言はかなり不適切な発言だと思います。

 特に

また、福島事件に関しても逮捕して訴えるだけでは当然その被疑者に罪が確定したわけではなく、裁判の結果無罪になったのだから全く問題ない。そういうシステムだ

の部分ですが、これはニュアンスの問題も絡んできますので、正確な引用でないならばミスリードのおそれも感じます。

 既に私を含めて複数の法曹関係者から指摘されていますが、少なくとも「逮捕」についてはかなり問題がある事案であることは検事を含む法曹関係者の多数意見だろうと思います。

検察の立場としては医療関係はまだまだ被害者が泣き寝入りしているため検察が頑張らないといけないという見解のようでした。

の部分も同様に引用の正確性が問題になります。

 検察が、被害者視点に立つ必要があることは否定しがたいところがありますが、「検察が頑張らないといけない」ということと、起訴基準をどこに置くかという問題は別問題です。
 現在の起訴基準は大野病院事件の判決(起訴ではない)にあると思われますが(※)、「検察が頑張る」ということは、大野病院事件判決の基準をクリアするために頑張るということを意味します。

 (※)検察が大野病院事件判決の有罪基準(≒起訴基準)に承服できないのであれば控訴したはずです。

 検察は、常に、「適正であるべきバランス感覚」を追究しようとしています。
 つまり、常に左右に振れているのですが、その振幅の中に

医療関係はまだまだ被害者が泣き寝入りしている

という認識があるのも否定しがたいところです。

 これはつまり、検察(具体的には樋渡検事総長)の医療不信を意味します。

 私が、以前に「医師の誠実さ」ということを問題にしたのはそういう問題があるからです。
 つまり、医療の外部から見た意味での「誠実さ」です。
 言いかえれば、「非医療者からの医療(または医師)に対する信頼」です。
 医師自身のプライドとしての「誠実さ」とは別の問題です。

 ところで、つややかさん
 検事総長の発言を引用するあなたのコメントがどういう影響を及ぼすか、十分理解された上でコメントされてますか?
 けっこう大きいものがあるかも知れませんよ。
 影響の大きさに照らしますと、はなはだ説明不足だと思います。

 会合の性格と、あなたの立場(個人情報までは含まない)を明らかにした上で、検事総長の発言の真意について誤解が生じないようにしていただく必要があります。
 特にこのブログにおいては。

 検事総長の真意如何によっては、このブログの閉鎖も考えなければいけない問題を孕んでいます。

 モトケン先生,常連の皆様,謹賀新年です。
 今年も私のような半ROMへも、エントリや投稿を通した勉学の機会付与(ご指導)をお願いします。
 
 あくまで一般論ですが、公人(公的立場の人)の公的活動に関する発言は、私的立場の発言でも、影響力が大きいので、日時場所又はソースを明記しないといけないと思います。それは曲解やねつ造でないということの証明にもなります。「私がこの眼で見てこの耳で聞いたから間違いない」と言われても同じだと思います(伝聞法則と裏付ソースの有無)。
 自称「F大付属O病院勤務の外科医」氏が「産婦人科の同僚医師が診察中に入ってきた刑事にいきなり手錠をかけられて腰縄付きで連行されている!」という実況中継紛い悲鳴に似たML連投のような捏造事件は記憶に新しいかと思います。
 そういう疑いを拭い去るためにも、公人の発言は、漢字誤読のようなユーモラスな失笑ものを含めてw、ソース(マスコミ記事URLでも可とされています)を添付すべきだと思います。

われわれが、患者さんに手術の説明を1時間以上かけて行うとき、大事な協調してお話したはずの部分はまったく覚えていないで、われわれがあまり気にしていないことを異常にこだわって聞いていて、お話した内容とはかけ離れて受け取っていたことはしょっちゅうです。(そのため紙に重要なポイントを中心に書いて渡すように心がけています)。

 このような状況も法曹関係者と医療者において起こりうるように思います。

 個人名を出しておきながら、それ以外がぼかされていれば不正確な情報でしかありませんし、これ以上論を重ねる必要はないと思います。

 私自身も、個人の情報をあきあらかにしないで、事例紹介をしたことが間々あり、今後注意するようにいたします。

 私が個人情報を明らかにしたくないのは、やはり臨床医はより生命のやり取りが多いポジションにいればいるほど、すねに傷があります。私もぱっくりと赤く見える大きな傷をもっています、患者さんとの話はついていますが、自分としては血が流れ続けています。私自身の心の中では人生を変えている傷です。しかしこのような傷は、私だけが持っているものではないことも確かですし、ほかの人が隠しているであろう傷を実際には知ってしまっています。
 今後も手術室にはいるたびに脈拍があがるでしょう。この場を離れる日までは(もうすこしになりそうですが)

当日のやり取りの内容を私の記憶なりに再構成して書き込みました。しかし、相手方がどういうつもりでその発言をしたか、また私がその発言を他の場で書き込むことに同意したか、さらに私の主観が入っていないかと問われると、内輪の会でありましたし、脚色は避けたつもりではありますが、私のバイアスが入っていないとの断言は残念ながらできません。
軽率であったと反省いたします。以後、気をつけます。

でも、それは大野病院事件福島地裁判決が出た後だからこそ言える後知恵バイアスではないのですか?

 確かに,判決文がどのような理論構成で無罪を書いてくるかまでを予想した人はいないでしょう。法的ないし法律家の実務的には,言われるとおり「後知恵バイアス」なのかも知れません。
 しかしながら,逮捕直後から多くの医療者ががなりたてているように,この件は「誰もが同じことをする」「検察の言っているような処置は普通やらない」「検察の言っているような処置をしても助かる確証はない」のであって,今回の被告人が取ったそのような常識的な行動について,思い込みによる起訴をするのは勘弁してくれ,という希望は,法治国家に籍を置く国民の希望として,「それは後知恵だ」と指弾されるような希望でしょうか?(注:この事件の起訴前に,検察が多数の医療機関に意見を求めていたことが,各所の話から推定されます)

 なるほど,法律家の実務的にはそのようなこともありうる,という話はわからなくもないのですが,だから今回の起訴は無問題で容認するしかないというのであれば,「警察・検察はどんな手段・論理を使っていつどんな逮捕・起訴をしでかすかわからない暴力組織だから,常日頃から疑心暗鬼で目を光らせているべきだ」という意見にも理由があると認めざるを得ないのではないかと思います。平たく言えば,医療事故という限定された枠内の事件についてはさておいて,あらゆる事件について,「警察・検察は何をするかわからない」というエンドレステープが鳴り響くことに理由を与えることになるのではないでしょうか。

なお,私が述べた「「はじめに鑑定医の誤り有りき」的な意見」

という文言の「はじめ」というのは,「第一義的」「最大の責任」という意味です。「はじめ」を,単に時系列を意味する言葉として「はじめに鑑定医の謝り有りき」という意味ならば,そういう見方もあるかと思います。しかし「第一義的」「最大の責任」という意味ではあくまでも検察警察の誤りだと思います。

検事総長は法務大臣の指揮監督下にありすよね。
したがって一般論として、検事総長は法務大臣の法務行政姿勢に従わなければならないのではないですか。
法務大臣は、正当な選挙で選ばれた国会議員から指名された内閣総理大臣が任命しています。
従って検事総長たりとも民主主義国家である日本では、民意に沿わなければならない。
個々の案件に関する各検察官への指揮命令監督権は検事総長にあるとしても、検察の一般的姿勢はやはり国民意思と乖離してはならないと思います。
個別事案でなければ、一般的姿勢に関しても法務大臣は各検察官を指揮監督できるのではないですか。
まして検事総長の私的価値観が入るべきではないのではないかと思いますが。
私が言いたいのは検事総長の発言よりも法務大臣の発言の方が民主主義国家では優位な位置にあるということです。
私としては法務大臣の発言に重きをおくべきだと思います。
門外漢ですが、この認識間違っていますか?

 門外漢ですが、大野病院事件では、外部の医師3名による事故調査委員会の事故報告と後に検察側証人医師となる鑑定医師教授の医療鑑定に基づいて、逮捕状勾留状が出て、起訴判断に至ったのではないですか?
 後に鑑定医師教授の医療鑑定がオオボケだったと法廷で明らかになって無罪となったと報道を総合すれば読めますが。この医師教授によるオオボケ鑑定が何故出て弁護側医療鑑定はそれを事前に阻止・反論できなかったのか?
 この点を医療側で事故調査した方が後の世のためになると思います。検察有利なオオボケ医療鑑定を阻止すれば、証拠がなくなる以上、検察も医師を今後起訴できなくなる(証拠裁判主義)と思うからです。
 ちょうど、アホなシステム設計をその段階で叩いて潰しておけば、ツカエネーシステムが国や地方自治体で実装運用になることはないのと同じです。

>この医師教授によるオオボケ鑑定が何故出て弁護側医療鑑定はそれを事前に阻止・反論できなかったのか?

これはどうなんでしょうね。
確かに医療側としてはこのような鑑定医がいることは不幸だと思います。
医療側の自浄能力でなんとかできればいいかなとは思います。
しかし、医療裁判における鑑定医の位置付けが問題になるような気がします。
一人の証人としての位置付けであれば、阻止することは困難かと。
なぜなら、それができるのであればどんな刑事裁判であれ、事前に相手方の証人が証言台に上がるのを阻止するということと同じではないでしょうか。
鑑定医が特別な証言者としての立場が保障されているのであればまた話は別ですが。
鑑定意見をより正確に解釈し、それを起訴の根拠とするかどうか。
これはひとえに検察の能力だと思いますよ。

 門外漢として失礼します。
 検察が信頼できない(とすれば)なら,弁護鑑定を医療側で充実させて警察の送致記録にぶつけて、起訴そのものを防ぐ方が,送検された医師の訴訟負担が軽くなると思うんですよね。
 検察に変われ変われと大合唱するより,証拠裁判主義を逆手にとって弁護活動を充実させた方が即効性があると思います。
 要は相手の出方を法廷まで待つより,事前準備早期把握発生前防御で芽のうちに潰すというセキュリティマネージメントの発想ですけど。

>弁護鑑定を医療側で充実させて警察の送致記録にぶつけて、起訴そのものを防ぐ方が,送検された医師の訴訟負担が軽くなると思うんですよね。

それができればいいですね。
ここはよくわかりませんが、ただ書類送検から起訴までに時間的に間に合うかどうか。

私の解釈では、刑事裁判では証人同士の闘いではないと思います。
証人はあくまで証人です。
偽証でない限り法的には守られる立場かと思いますが。
原告証人を責めても仕方のないことです。
あくまで刑事裁判は証拠と証言をもとに、検事と被告人弁護士の法廷闘争だと考えますが、いかがでしょうか。
正確な証人を立てられるかどうかは原告、被告双方の能力次第ではないでしょうか。

 コメント追加で恐縮ですが,検察審査会のことも頭にありました。聞いた話では,今年から,検察が不起訴にしても,検察審査会が代わって起訴できるような法令改正があったやに聞いています。
 仮に,検察が正しく医療鑑定を鑑別する能力を身に着けて不起訴にしても,検察審査会ではそうではないので,被害者や遺族の被害感情に引きずられる可能性があると思います。そのとき、弁護側が提出した「本件では医療過失は認められない」という臨床経験と実力や権威がある医師連名の弁護側鑑定書があれば、検察審査会の起訴を阻止できるでしょう。
 すいません。最悪のシナリオに備えるという癖が身についているもんですから。

 すいません,かぶってしまいました。
 
>ここはよくわかりませんが、ただ書類送検から起訴までに時間的に間に合うかどうか。
 
 IT刑事裁判を見る限り,初動の強制捜査や在宅調べが始まった送検のはるか前の段階で,刑事弁護は始まっていて「本件は犯罪に該当しない」という専門家の意見書や鑑定書を警察に提出している例が散見されます。
 医療業過となれば,初動着手から送検まで半年や1年近くかかっているようですから,十分可能と想像します(医療は素人ですから想像しかできません)。なお,ITの技術鑑定書約150ページの大著wを警察に提出し,警察の求めに応じて鑑定技術者が喜んで事情聴取に応じ,鑑定書の内容を詳しく説明して警察の理解を得たということもありました。

年またぎのコメントになってしまいましたが

もちろん理屈は立っておりました。でも医学的見地からも、これまでの判例からも「そりゃないだろ」っていう理屈ではありました。

「そりゃないだろ」の趣旨がよくわかりませんが、本当に法的観点で「そりゃない」レベルだったのであれば、控訴審で覆っているはずです。
「そりゃないだろ」というのは、弁護士の言でしょうか?

首を絞めることって、実際どうなるんですか。

裁判官の人事権は、最高裁事務総局が握っています。
おかしな判決(控訴審で「地裁判決はぜんぜんダメ」という烙印を押されてひっくり返るような)を書けば、その評判は早晩事務総局にも裁判官の内輪にも広まります。

上役に怒られるとか

は、よほどの素行上の問題でもない限りはないと思いますが(「怒られる」のニュアンスにもよりますが)、

地方に飛ばされるとか、偉くなれないとか

は、当然、ありうる話です。
非常に優秀、あるいは非常に問題あり、との評判が立った医師が、医局人事の中でそれぞれどのように遇されているかをイメージしていただければ、遠からずじゃないかと思います。

今回の被告人が取ったそのような常識的な行動について,思い込みによる起訴をするのは勘弁してくれ,という希望

を「それは後知恵だ」と指弾するつもりはありません。
No.50では、明らかに「当時の検察が『こうすれば結果回避可能』という症例を拾ってこなかったこと」を批判されていたので、「そういうふうに断定的に批判できるのは今だからこそ、でしょ」と指摘したまでです。
「思い込み」というのもまた後知恵の表現です。
そういう、無用に射程の広い表現でもって批判することについて問題視しているだけであり、その趣旨(いわんとすること)に反対しているわけではないことはこれまでのコメントでも汲んでいただけるものと思っています。

だから今回の起訴は無問題で容認するしかないというのであれば

と言っている人は誰かいますか?
一般論はもう十分ではないでしょうか。緻密な摺り合わせでないと意味がないと思います。

あらゆる事件について,「警察・検察は何をするかわからない」というエンドレステープが鳴り響くことに理由を与えることになるのではないでしょうか。

「無問題で容認」とは誰も言っていない以上成り立たない話になりますが、もしそれでも、そのようなエンドレステープを流し続ける人がいるとすれば、私は 「むかし杞という国があってだな」 と申し上げるしかないことになります。

私が述べた「「はじめに鑑定医の誤り有りき」的な意見」 という文言の「はじめ」というのは,「第一義的」「最大の責任」という意味です。

私は「時系列においてはじめ」の意味と読みましたが、そういう趣旨であれば了解です。
ただ、どちらも改善が必要という認識で食い違いが生じていない状況で、殊更に「こっちのほうが悪い」「いや、あっちが」という議論は生産的でないと思います。
というか、国家権力を直接行使する検察が「主犯」であるというのはある意味当然の話なのに、「後押しした医師の側にも非が・・・」という主張に対して「いや、いちばん悪いのは検察だ!」と何度も繰り返すのは無意義ではないかと。

 警察のリソース(物的人的質的予算的組織力)には限界があるので,民家の戸締り施錠をし,現金輸送をガードマンが護衛し,パソコンにはセキュリティソフトをインストします。つまり自衛です。
 検察のリソースにも限界があるのは同様で,まさか医師免許をとって司法試験に合格しろとか,検事を医学部に合格させて医師免許取れとかは言わないでしょう。医療側の自衛鑑定の方が,ローコストで本業たる医師には正確かつ容易なはずだから,検察がオオボケ(orトンデモ)医療鑑定の真贋判別能力持てという「変われ論」よりは,長期的なコストパーフォーマンスも,質的にも,人的にも,より良いように見えると思うのですが。
 検察審査会の市井の民も,医療問題なら,検事の証言より医療鑑定内の多数決の方を信用すると思いますけどね(少なくとも私はそうです)。

薬害エイズ訴訟の一審判決文を見ると、以下のような記述があります

刑事責任を問われるのは、通常の血友病専門医が本件当時の被告人の立場に置かれれば、およそそのような判断はしないはずであるのに、利益に比して危険の大きい医療行為を選択してしまったような場合であると考えられる。他方、利益考量が微妙であっていずれの選択も誤りとはいえないというケースが存在することも、否定できない。
http://www.t3.rim.or.jp/~aids/abe5.html


福島地検が、この判決文を踏まえていれば、起訴は起こらなかったのではないでしょうか。通常の産科医が、被告人の立場に置かれればどのような判断をするか、これはある程度調査できる事なので、起訴はさけられたと思います。


もっとも、これも判決が出たからこそ言える、後知恵なのですが。

報告書に関しては

出血は子宮摘出に進むべきところを、癒着胎盤を剥離し止血に進んだためであ る。胎盤剥離操作は十分な血液の到着を待ってから行うべきであった。 循環血液量の減少は輸液(輸血も含め)の少なさがある。他科の医師の応援を 要請し輸液ルートを確保して輸液量を増やす必要があった。
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/files/houkokusho.pdf


十分な輸液と輸血を用意し、他の医師の到着を待ってから癒着胎盤を剥離すれば、母体は救命できたように受け取ってしまいます。

産科医として通常の事を行った事が、この報告書からは読み取れないのが最大の問題だと思います。

https://www.cabrain.net/news/regist.do;jsessionid=AEC6533276F895D2DAA09EA585CDAEC8

>「大野病院事件の判決は、法律家の間では重視されない。一審判決でしかない。
>地裁の判断でしかない。法律の世界はそこが非常に厳しくて、原則として最高裁
>(の判決)でなければ判例とは言わない」―。医療事故の調査機関の創設に向け
>て7か月ぶりに再開された厚生労働省の検討会で、前田雅 ...

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こういう話があるわけですが、専門家でいらっしゃるモトケンさんは、
こういう情報は当然おりこみ済みで、その上で、警察・検察は変わった
とおっしゃっているんでしょうね。

もちろん、前田氏がいまの時点で「警察・検察の人」ではないことは私も
承知しております。

 横レス失礼します。m(_"_)m
 一人の刑法学者の発言より、法務大臣、警察庁長官、検事総長指示の一致した発言の方が重みがあるように感じます。確かに裁判所用語でも法文でも、地裁判決は判例ではなく判決例と俗称されて言ますが、前田教授が刑事法学者らしからぬ明白な間違いをしているのは、高裁判決も法文で「判例」である点です。刑事訴訟法に明確に定められております。m(_ _)m

横入り失礼します。

この前田教授の安全調検討会での発言については、右サイドメニューの医療関係エントリ倉庫目次から辿って、過去ログをお読みになればわかると思いますが、既に「医師はどうすれば安心するのか?(その2)」エントリで、相当議論されています。

具体的には、同エントリの№27投稿(下記URL)~№47のあたりです。
http://www.yabelab.net/blog/medical/2008/10/09-135550.php#c183215

 横レス訂正です。
 前田教授の発言とされるものがキャリアブレインの誤報なら、早急に訂正されることを希望します。前田教授が訂正を求めないのが未だに疑問なのですが。そして、一番大事な点ですが、同じそそっかしさを繰り返した私のコメントミスに皆様及び前田教授に陳謝します。m(_ _)m

>No.104 ハスカップ さん

一人の刑法学者の発言より、法務大臣、警察庁長官、検事総長指示の一致した発言の方が重みがあるように感じます。

というか、法律学なんか齧ってりゃイヤでも覚えることなんですが、学者がどんな学説を唱えようとも司法の実務は実務上の論理に従って日々実施されるわけですから、実務担当者の言に重きがあるのは必然であろうと思います。

> 科学報道ウオッチャー さん
「科学」を標榜なさりたいのであれば、最低限、その分野領域にかかる基礎的な知識・事実認識を自分のものとしてからご発言なさることを強く推奨します。
「判例」の語義解釈についてはハスカップさん、法務業の末席さんがご指摘になっていますが、そういう基礎的な用語理解の前提を欠いた方が「科学的」云々を名乗り現役の実務法曹を嘲弄しようなどとは笑止千万です。
自分のものとして理解できていないテクニカル・タームを、上っ面だけ子引き・孫引きして専門家を揶揄するがごとき科白を書き込む態度は傍目に見て、極めて控えめに表現しても、不愉快きわまります。

>こういう情報は当然おりこみ済みで、その上で、警察・検察は変わった
>とおっしゃっているんでしょうね。

 当然おりこみ済みで、これまでその前提で意見を述べていますが、これまで以上の説明が必要でしょうか?

 「おりこみ済み」というより、それを明確に意識して意見を書いてきたつもりですよ。

 私は、福島地裁の判決が「判例」かどうかを問題にしているのではなく、福島地裁の判決後に、警察・検察実務がどう動くかを、警察庁長官や法務大臣の発言など(発言だけに限らない)に基づいて予測したのです。

 一般論としては、地裁判決の権威は最高裁判例と比較すればはるかに低いですが、大野病院事件では警察庁長官や法務大臣が地裁判決を是認することを前提とする発言をしているのです。
 一般論では語れない特別な事情があります。

 しかし、地裁判決の権威が低いことは事実ですので、私の意見に同意するかどうかは、個々の医師のお考えしだいです。

 同意していただければ、逮捕・起訴されるという不安感は少しは減るかもしれないと思って、法律実務家の立場から説明してきましたが、逆に言うと、同意されない医師は自分が逮捕起訴される心配を、判決前と同程度にすることになるだろうと思っているわけです。

まあ、落ち着きましょo(^-^)o
ロハスへのリンクがつながらなくなってるみたいなので、議事録のリンク貼っときます。厚労省のほうがいいでしょうし、あらためて書いとくことも必要でしょうから
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/txt/s1009-1.txt
樋口委員の意見

刑事については先ほど来問題になっていますが、重大な過失に限るとか、それは故意に近いようなものだということで、きわめて限定的に利用するということをできるだけ説明をしていますし、刑事事件の担当者であるところの警察庁と検察庁、法務省の方もそういう方針に則っていいよと言っておられるけれども、それが具体的な大綱案でも、文言の形になるとまだまだ曖昧ということはどうしても言われる。文言が完全に明確になることはないと思いますが、努力はしておく必要があって、例えば厚生労働省の見解というか返答の中に、次のような注を入れ込むことが考えられます。それが本当に良いことなのかどうかはわからないですが、この文言だけでは実際にどうなのかが不安だということですから、1つのアイデアとして申し上げます。
 それは直近の福島地裁判決を具体例として示すということです。この事件自体が不幸な事例だったと思いますが、いま座長からもありましたが、この8月に福島県の大野病院事件の判決が出て、その判決で裁判官が1つのルールというか規範というか、ここで言うところの「著しく標準的な医療から逸脱した場合」の例をあげて、実際にはこの事件はそうではないと判断し、しかも検察も控訴せず無罪が確定しました。
 もちろん、法律家から言うと2つ問題点があります。確定はしているけれども1つの地裁の判決なので、それにどれだけの重きが置かれるかという点が第1。最高裁が言ってくれる話と地裁が言ってくれる話は違うと法律家は思っています。しかし、具体的な事件でこれは刑事事件に値しないという判断をして、そのための基準を示したという意味では誰にとっても、法律家だけではなくて医療者にとっても、あるいは患者にとっても国民にとってもわかりやすいものです。

以上を受けての前田委員長の意見
刑事の人間として引っかかるのは、大野病院は地裁判決ですので、あの判断が間違えている気は全くないですが、あそこでの言回しとかその他は法律家の世界では、あまり重視できないです。最高裁判例も刑事、有罪、無罪とたくさんあるわけで、その辺を踏まえて重大な過失は何かというのは、いろいろな類型によっても違います。ただ、それをわかりやすく示していくことは重要だとは思います。そこのところは1つの判例だけで厚労省の中に書き込んでしまうと、まずくなる可能性はある気がします。

さらに前田委員長
先ほども申し上げましたが、大野病院事件の言回しというのはあまり独り歩きというか、法律家の間では重視されない。それは、一審判決の地裁の判断でしかない。法律の世界ではそこは非常に厳しくて、最高裁のもの以外は原則として判例とは言わないわけです。ですから、そこは最高裁まで争って決まったものではないというか、一地方裁判所の判断だということはある。ただ、これだけ多くの世論とかいろいろなものである程度評価されているものが、影響力を持たないわけはない。

以上を見れば、前田教授のおっしゃっていることは非常にまともなものだと思います。法律家があの判決のどこに注目するかというと、規範部分、つまり、大野事件に限らず、他の事件にも影響を与えるような判断部分です。具体的には
臨床に携わっている医師に医療措置上の行為義務を負わせ、その義務に反したものには刑罰を科す基準となり得る医学的準則は、当該科目の臨床に携わる医師が、当該場面に直面した場合に、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の、一般性あるいは通有性を具備したものでなければならない。

これを厚労省が採用してしまうのは非常にまずいです。この地裁の判断基準は福島大野事件では妥当であるとはいえ、例えば新規の治療方法を採用したような場合にはかえって有害となる可能性があるためです。あまりこの基準を一般化し、一人歩きさせてしまうことは必ずしも良いことばかりではありません。前田教授が「重大な過失は何かというのは、いろいろな類型によっても違います」とおっしゃっているのもそのような趣旨だと思います。

>前田教授の発言とされるものがキャリアブレインの誤報なら、
>早急に訂正されることを希望します。

No.109 で示されたURLで議事録が読めます。
キャリアブレインの記事にひとつ問題があるとすれば、「それは判例ではない」
というフレーズは前田氏の発言の途中経過であって、それをあたかも発言の
結論部分であるかのように紹介している点でしょうか。

そこを問題視する余地はありますが、ほぼCBの記事どおりの文言・趣旨の
ことを言っているように見えます。

>逆に言うと、同意されない医師は自分が逮捕起訴される心配を、
>判決前と同程度にすることになるだろうと思っているわけです。

そうお考えになったうえで
 >しかし、こんな気持ちで医者(本物の医師ならばですが)
 >をやってるのは大変だろうな、と思います。
 >自分は内科だからリスクは少ないと思ってるのでしょうか?
 >そうだとすると、外科医のリスクだけを煽って前向きな医師
 >の皆さんの不安を強めようとしているだけということになり
 >ますね。
という発言になるわけですか。

そのような発言を聞いて私は、もっぱら医療サービスを受ける側の者として、
医療関係者の「次には自分が逮捕されるかも知れない」という不安に深く同意
するしかありません。

 クリームスキミングは「印象操作」と同義ですので良心的な報道マンなら「正確な主旨(趣旨)を踏まえた引用」を希望するという趣旨です。
 米国独立宣言(又は日本国憲法の前文)の一部を切り取って呈示すれば、暴力革命を鼓舞唱導している文章と誤解するのと同じです。

 今問題になっているのは、医師の刑事訴訟リスクに関する不安感です。違いますか?
 そしてその不安感の程度は、今後、警察・検察が医療事故に対してどのようなスタンスを取るか、という点について、医師がどのような予測を持つかが決定的に重要だと思われます。

 私は、「今後、警察検察が医療事故に対してどのようなスタンスを取るか」という点について、これまで法律実務家として意見を述べてきました。

 あなたが、「医療関係者の『次には自分が逮捕されるかも知れない』という不安に深く同意する」かどうかは、その説明を引用した上で判断すべきものと思います。

 つまり、あなたの引用は適切でも論理的でもないと思います。

 もっとも、「医師の刑事訴訟リスクに関する不安感」についての議論においては、「もっぱら医療サービスを受ける側の者」であるあなたがどう思おうと、それはさして重要な問題ではありません。

 

遅いお返事ですが…

最高裁平成14年7月10日判決(事件番号平成3年(あ)第491号,判例時報1430号145-146頁掲載)が,「刑法上、要求される措置(結果回避義務)は、行為者に対して、軽業的な措置を要求するものではない」「刑法上、要求される措置とは、安全かつ確実に結果を回避できる措置でなければならない」という原則に則っている,ということを某所で知り,図書館で当該雑誌を確認していたため,遅くなりました。上記の原則は判例時報当該記事の冒頭の囲み記事に書かれていたものであって,この判決自体には当該事件に即した判断だけがかかれていたため,上記のような広い射程を持った判例であるとまでは私には読み取れませんでした。

「後押しした医師の側にも非が・・・」という主張に対して「いや、いちばん悪いのは検察だ!」と何度も繰り返すのは無意義ではないかと。
それには全く同意します。No.50などの私の書き込みは,No.25にてモトケンさんが「特に自分の側の問題が主因の場合は、」と書かれたことに反応したものです。「医師の側にも」と「主因」との間には,相当な認識の違いを感じましたので。

ところで,調査委員会が様々な?圧力に屈して医学的に妥当でない報告書を出したことは多いに反省するべきことだし,実際には今後そのような不本意な圧力に屈するような報告はでないものと考えていますが,一方,検察側鑑定医についてはどこまで糾弾すべきなんでしょうね? 当該鑑定医に非があり,「ふざけた鑑定をしやがって!」と憤る方々の気持ちは理解はできますが,だからと言ってどこまで個人責任を追及すればいいのかね…と憂慮しています。

言論の自由がありますから、あまり、「トンデモ鑑定医狩り」はしないほうが、プロフェッショナリズム上はよろしいかと。

  非常に遺憾ながら、金のために証言する医者をなくすことはできませんし(米国では、1回ぽっきりの、微妙にどっちか寄りの証言をしてくれればン百万出すから、という誘惑に負ける、「ある程度の」権威者は掃いて捨てるほどいます。弁護士がその手の医者を引っ張り出すのは実に巧み、というか、そこにすべての成否がかかっているので)。
そこまでいかなくても、「自己の良心に基づいて」証言することを妨げることはできません。「自分なら助けられた」と信じている医師は、そう証言する自由がありますから。

現実的には、そういう鑑定医に反論できる証人を立てるしかないと思われます。

バートランド・ラッセルの言葉だったと思いますが、

「問題なのは、愚者は自信たっぷりに間違ったことを言い、賢者は、謙虚に口をつぐんでいることだ」

(名言です。赤面します。)

また、ロシアの諺だそうですが、

「愚者は教えたがり、賢者は学びたがる」

・・・いかに賢者を引っ張り出すことが困難かということですが、医療側としては、謙虚な賢者に証言席に立っていただくように説得するしかないようです。

もちろん、医療側からみてもひどいと思われる事例は、口をつぐまず摘発に積極的に協力するなど、自浄作用を発揮する制度を作るべきです。「鑑定医」に対する信頼を積み重ねる必要があることには心から同意いたします。

訂正です

誤: 最高裁平成14年7月10日判決
正: 最高裁平成4年7月10日判決

お詫びして訂正します。

>そこまでいかなくても、「自己の良心に基づいて」証言することを妨げることはできません。「自分なら助けられた」と信じている医師は、そう証言する自由がありますから。
現実的には、そういう鑑定医に反論できる証人を立てるしかないと思われます。

私は反論出来なくてもいいんじゃないかと思うんですが。
この状態でも助けられる医者が日本に数人いたのに助けられなかったのは犯罪か?みたいなレベルであれば、それはもう刑事事件にすべきではないと思うんです。
大野事件には判断ミスは無かったと思っていますが、もしああいう場面で選んだ方法がベストじゃなくても刑事事件として裁く話しでは無いと思っています。

>言論の自由がありますから、あまり、「トンデモ鑑定医狩り」はしないほうが、プロフェッショナリズム上はよろしいかと。

言論の自由とは、「何からの自由か?」という問題があります
普通は権力、国からの自由です。
私人対私人で何でも自由に発言して良いというマスゴミの誤解はありますが、あくまでも私人間ではありえない”自由”です。

むしろ「トンデモ鑑定医狩り」は、プロフェッショナリズム上の要請となります。
”トンデモ”であった場合は、プロフェッションの権威を損なうものだから、プロフェッションから駆逐しないといけません

”トンデモ”が信念であるなら、きちんと引導を渡してあげて責任を取ってもらうことが、きちんとした言論に基づく民主国家の正しい在り方だろうと思います。

>現実的には、そういう鑑定医に反論できる証人を立てるしかないと思われます。

これが現実としても、です。

仮想的な医療をでっち上げて不作為を追求するような検察に肩入れするようなトンデモを許していては、正当業務行為なんていうのは絵にかいた餅に帰してしまいます。

問題は、東大病院ルンバール事件でも見られるように鑑定意見の摘み食いをして、判決がでるところです。
民事裁判においては顕著です。
鑑定医が悪くなくても、トンデモ事実認定に掛れば、正当な論理展開で有責とされることでしょう。

鑑定医にも裁判での鑑定と、学会での論争との区別を付けてもらい、責任の重さを自覚して覚悟を決めてもらわないといけません

鑑定意見の摘み食いをして
別に医事に限った話じゃないですよ、それ。 名張毒ぶどう酒事件や袴田事件ののようなものをはじめ、交通死亡事故裁判なんかでも「マジかいや」と思わず口走ってしまうような論理構成をしてる判決文は、まま見かけます。

ただ、一概にそれを「司法がトンデモに流された」的に見るのは、ちょっと違うだろうと思います。

一番は、その「トンデモ」に対する反対立証が不十分・不適切で論理的に否定しきれていないことなんじゃないでしょうか?
たとえばの話、「ドラえもんが何とかしてくれる」「復活の儀式だった」という言い分に対して、それを上回る合理性・論理性で反対立証ができなかったとするならば、そういったファンタジーが有効手になるのと同様かと。

つまるところ「検察に肩入れするトンデモ」を否定するには、その都度、適切な反対証言を行うなりの被告人側への協力を、専門家たる『業界関係者』『同業仲間』が行う必要がある、と言うことです。

更にいえば、ナントカの一つ覚え(もしくはナントカの遠吠え)のように「マスゴミ、マスゴミ」と空念仏を唱えてる暇を惜しんで、その「マスゴミ」が重用する「トンデモな専門家」がいかにどうしようもないことばかり言ってるのか、「トンデモではない見解」だとどうであるのかを正しくかつ分かりやすく・・・よく言われる15秒に切り取られたワンフレーズで“必ずしも正確ではなくても適切に”説明してやるのが早道だと思います。

敢えて喧嘩を売るような書き方をしますが「泣き言」は聞き飽きました。聞き飽きた泣き言を何度も何度も何度も何度もエンドレスに聞かされるのにはうんざりです。

No.117 「沼地」さんへ

   「自分なら助けられる」と主張する専門家に反論せずに、「助けられる医者は日本で数人」ということを、どうやって一般の方々にわかってもらえるのでしょうか。

   「近代的自我」「個人主義」「民主主義」の出発点は、ひとりひとりは独立した人格であり、個々人が主張しなければ理解してもらえない、地道な議論の積み重ねによってしか合意には到達できない、ということです。他人の言論の自由を保証しつつ、自分も誠実に冷静に自らの見解を展開する必要があると思います。
  
  医療不信の原因のひとつに、「医者によって言うことが違う」ということをあげる患者さんは多いようです。

  医者からみれば、専門の違い、経済的動機や思惑の違い、患者医者関係の教育を受けた時代の違い、など、その理由はだいたい推測できますが、それについて医者が口をつぐんでいては、医者以外の方々には理解していただけないでしょう。

  患者さんや、いわんやマスメディアが、「『そんなことができるのはあなたを含め日本で数人だろ』という、鑑定医に対する医者の気持ちを読んでくれる」ことは、期待できません。このブログでも、医療訴訟においては、医者の勝手な思い込みが元凶のひとつであることは、再三、指摘いただいているところです。医者でない方々に、医療の限界(最先端医療と標準医療は異なること、標準的医療で助けられない病態は非常に多いこと)を丁寧にお話をしていくことは、とても大事だと思います。

  反論をお待ちいたしております。

No.118 「Med_Law」さんへ

  信念に基づいた証言を、結果の重大性をもって封じ込めるのは、あまり得策ではないと思います。違う意味での「後だしジャンケン」だとお思いになりませんか?
  たとえば、大野病院事件で、某大学教授が鑑定医として証言しましたが、彼は、その時点でそれが正しいと信じた内容を申し述べただけであす。証言内容の裏付けとして、彼自身が同じ場面で患者を救ってみよ、と要求されたわけでもありません。彼が産婦人科学会から何らかのおとがめを受けるべきというなら、検察がその主張の根拠とした「教科書」(Year Noteでしたっけ?) の著者も受けるべき、ということになりませんか?すべての可能性を網羅した教科書や証言は不可能ですから、要するに使う側の問題ではないでしょうか。 医学はきわめて不確実なので、100%正しいこともないかわり、100%間違いであるということも困難でしょう。
  鑑定医の意見を裁判官に正しく判断してもらうには、反対意見や弁護側証人など、弁護側の法廷戦術が重要なのであって、「真実」は法廷では究明されない、それが「司法の限界」だということは、もう、ここで議論し尽くされたことだと思います。
  明らかな誤りや偽証でない限り、いかに学会でも、鑑定内容に踏み込んで鑑定医を排斥することは、自らの首を絞めることになるかもしれないと危惧いたします。人間は弱いものですので、圧力に屈する(政治や時代や世論に流されたりする)かもしれませんし。「権威」である学会その他のアカデミズムが常に正しいとも限りません(それどころか、とても危険な気が・・・)。やはり、「鑑定の自由」を保証しつつ、反論によって第三者(場合によっては後世)に判定してもらうというのが、まどろっかしいようでも民主的プロセスだと思います。時間をかけても、Due Process は守るべきです。
  

皆さん、どれだけお偉いお医者さんか存じませんが、もういい加減、「マスゴミ」「マスゴミ」言うのはやめてもらえませんかね。大手新聞やテレビだけがマスコミ業じゃありませんよ。

見ていて、いい加減不愉快です。

 私も、「マスゴミ」というのはレッテル貼りの一種だと思います。
 是々非々というこのブログの基本的なスタンスからすれば、やはり個々の報道または個々の報道機関を特定または限定して批判すべきものと思います。
 そして、すべてが常に変化し得るということを忘れてはいけないと思います。
 表面的は変化(つまり場当たり的対応)か本質的な変化かは見極める必要があると思いますが。

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