医師臨床研修:1年短縮へ 「短い」「甘い」現場反発(毎日2009年2月17日 12時30分 更新:2月17日 13時26分ウェブ魚拓)
やはりここは医療現場の意見を聞かせていただく必要がある、と思いましたので紹介します。
医者というのは専門分野の患者だけ診てればいい、というのであれば話は簡単かも知れませんが、、、
医師臨床研修:1年短縮へ 「短い」「甘い」現場反発(毎日2009年2月17日 12時30分 更新:2月17日 13時26分ウェブ魚拓)
やはりここは医療現場の意見を聞かせていただく必要がある、と思いましたので紹介します。
医者というのは専門分野の患者だけ診てればいい、というのであれば話は簡単かも知れませんが、、、
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今の研修医制度以前から、ローテーション研修をやっている病院で産婦人科をやってきました。産婦人科に来るつもりのない研修医を、延べ何人教えたことでしょう。自分自身もそういう研修を受けました。
その経験から言わせていただけば、1、2年の研修で覚えられることなどたかがしれていますし、手技などはしょっちゅうやっていないとすぐ忘れます。
しかし「この症状では内分泌も疑っておいた方がいいな」とか、「これは念のため外科にも相談しておこう」といった「自分の守備範囲外疾患を疑う」センスは、研修医のうちにたたき込む事がある程度可能と考えますし、「こんな時はこの科に相談」という感覚はどの科に進むにしろ必要と思います。(直接病人を診ない科へ行くならともかく)
そういうわけで産婦人科に進む気のない研修医にも、「最低これくらいは覚えていけ!」と毎年私の考える最低限を教え込んでいます。
ほかの点では桝添厚生労働相はよくやっていると思うのですが、これだけはいただけません。現場の病院も医学生も2年間は研修させたい・したいと言っているのに・・・。 朝令暮改もいいところ、「専門に偏って患者を全人的に診られない医者」解消をめざしての臨床研修必修化が空洞化してしまいました。大変残念です。1年に短縮されても、「医局に縛られない選択の自由」はそのままですから、1年分の実力不足のままで、楽な科に突入していくだけの結果に終わるのではないでしょうか。
「大学病院の逆襲」なのでしょうが、これで果たして大学病院の人気が回復するのか??大学病院、特に、地方大学病院は、なぜ自分たちの病院が研修先として人気がないのか、本当の原因を直視していない(ちゃんと自己診断できていない)ところが多いのではないでしょうか。自己分析して手を打っているところは着々と改善されてきており、せっかく、良い芽が育ってきているのに・・・。
OJTのインターン期間の短縮化なら司法修習制度が先輩です。その結果はどうなったか。聞いた話では、不動産の即時取得とか冒頭陳述に対する認否書とか起訴前弁護で保釈請求書とかを起案する弁護士志望が出てきました。弁護士でもない法学部卒の私ですら法文違反で不適法とすぐわかる恥ずかしい間違いを堂々と起案するわけです。
もちろん短縮化した分はロースクールで習得してくるというフィクションに乗った制度的欠陥という面も否定できません。そんなことやっていたら新司法試験に合格するだけの授業ができない!というロー教授の悲鳴も最もだという(以下略。
産科、小児科、外科、救急は本当のところを体験したら、とてもできない3Kです。今までは、先輩が運動部ののりで、だまくらかして人手を集めてきたんです。
今の医師への世間の見方や、いろいろなことを新人の医師が新臨床研修制度の発足とあいまって理解してしまったことが人手不足の元凶です。
今までは洗脳が解けたときには手遅れで逃げ出せないとかで維持されてきただけです。
今後は職場環境などの整備がすすまない限りこの問題は新臨床研修制度の手直しでは解決がつきません。
専門だけみていればいいとはいいませんが,
臨床現場に出て必要なことは専門性です.
この先生は何が専門かなと患者さんは思って
普通の外来,開業医を受診されます.
決して一般医何でも屋を求めてはいません.
今の臨床研修医制度で研修可能なことは自ずと限られる
範囲があるのであり,それは大学教育の充実で図られる
べきことでしょう.
厚労省がいろめを使う範囲のことではなかった
と思います.
新しい1年の研修制度では、麻酔は必修でなくなるので、当然、きちんと気管挿管を学ぶ機会はなくなり、救急での実習の際に、学ぶことになってしまいます。
それが、医療を受ける側、指導を受ける側にとっていいことなのかどうなのかと言えば、いいわけありません。
麻酔自体は、経験を指導者の下で積み上げることによってしか身につかないこともありますから、本気でやる人間のみにしか教えない方が楽なのですが。
初めまして。卒後20年になろうかという小児科医です。いつも勉強させてもらっています。
新研修医制度でまわってくる先生達、また、そういう制度下でトレーニングを受けてきた4年目、5年目の先生達を見ていてよく思うのは、”熱いうちにたたいてもらえなかった鉄は、もはや・・・”という残念な気持ちです。卒業したてで、体力も気力もモチベーションもあるうちにしかできないことがあると思います。そのような時期に、各科を回ってお客さんとしてしか扱われないというのは、回るほうも回ってこられるほうも不幸ですし、今後の日本の医療に対しても不幸であると思います。もちろん、全員がそうだなどというつもりはありません。たとえ小児科をするつもりがなくても、熱意と誠意を持って患者さんに接してくれた先生もいます。しかし、残念ながら例外的であり、例外はどこまでいっても例外でしかありません。
どの科もそうだと思いますが、1~2ヶ月回ってきたくらいで厚生労働省の言う、”夜間につなぎの専門外診療ができるような医師になる”のなら苦労はしません。むしろ、小児科に関しては、中途半端に接してしまったがために、小児(あるいは親)に対してますます腰が引けた医師を毎年大量に作っているだけなのではないかとさえ思ってしまいます。
今回の新研修制度の良かった点としては、医師も労働者なのだという意識を研修医にも身につけさせたことでしょうか。幸い身の回りでは、9時5時当たり前、というところまではまだ来ていませんが、土日は来ないといけないのですか、という声はよく耳にするようになりました。この世代が指導医の立場になるころに、後輩達からのこのような声に対して彼らがどうこたえるのかはわかりませんが、その頃にはもう医師の労働環境が改善されていて、このような懸念が杞憂となってしまっていたならば、この新研修医制度が医師にもたらした利点は大きかったのだと評価されるのかもしれません。長文失礼いたしました。
>医師も労働者なのだという意識を研修医にも身につけ
それだけでいいのです。
医師を奴隷扱いする事業所は潰せばいいのです。
全てが崩壊してから気がつくでしょう。
いくらきれい事を言ってもこれは医師不足対策であって、要は、臨床研修は何歩後退しても構わないから、まずは医師数を何とかするという価値判断です。
そう言えばいいのに、カッコつけるからいかんのです。
地域偏在や診療科の偏在を直接何とかできるものではありませんが、とにかく現場の若手医師の数を実質7000人以上増やせる…ただし1回だけ…というわけです。
学生定員が増え。養成数がその分を補えるようになる8年後であれば、漸くもう一度、2年制度に戻ることを考えることができるようになるはずです。
それまでの間、医師の質の低下(が実際に発生するとしても)は国民と医師自身に甘受してもらう必要があります。
ただし、研修医自身には選択肢が残されています。研修医の定員が大幅に削減されますが、その中でもこれまでのスーパーローテートのプログラムを提供している研修病院を選択することは可能です。
10年先の自分の姿をよく考え、取り返しのつかない2年間をどう過ごすのか、決めてもらうしかありません。
患者側の意見としては、それに同意します。各々の先生の専門を把握した上で、受診する傾向はあるように思います。
ただ、それは一般医何でも屋を求めていないわけではなく、現状の制度のもとでは、一般医のプロが存在しないと思っているからではないでしょうか。
一般医のプロが存在するのであれば、そこを受診したい患者は一定の割合で存在すると思うのです。自分の症状を見極め、専門医に紹介してくれる医師がいるとすれば、それに越したことはないと思うのですね。
この対策では、統計的な数字で、医師不足対策が適った様に見えるだけではないでしょうか。まぁそれだけでも政治的アピールになるのかもしれませんが。
この制度改変でどのようにお金の配分が変わるのか勉強不足で分かりませんが....もし改変自体や、それに伴ってお金をさらに使うようになるのであれば、その分をもっとメディカルクラークの充実など、現場負担を減らす方向へ使って欲しいものです。
>一般医のプロが存在するのであれば、そこを受診したい
>患者は一定の割合で存在すると思うのです。
しまさん レス有難うございます.
2年ないし今回の1年案で研修医さんたちがなにをまなんでく
れるのか.それは教育プログラムにもよるでしょうし,
学ぶ側の意気込みにもよるでしょう. 取り急ぎ..レスまで
> 現場にはあまり変化が無いように思いますが....
現在、スーパーローテートの経験が乏しい大学病院では、初期研修医はお客さん扱いで、全く戦力外です。
しかし、多くの臨床研修病院で、既に研修医は貴重な戦力です。戦力化のできる現場では、あまり変化は生じないでしょう。
大学病院と、戦力化のノウハウのない関連病院だけの問題ですので、数字の上ではともかく実際の戦力強化は見た目ほどではなくなります。
それでも、スーパーローテートの受け入れ能力の全くない施設が、1年でストレート研修化できることは少なからぬ影響があるでしょう。
5年もかけて戦力化できない施設に、戦力化を求めても無理でしょう。大学病院は臨床研修の枠組みから見放されたのです。
パンドラの箱開けたらえらいことになったので今さらだけど半分閉めてみますというような、何のおまじないですかみたいな気がします....
いえ、実利はあります。だれにとってなのかが問題です。
患者の立場からしますと、私も、スーパーマンのような医者を求めているのではありません。
そんなことは非現実的であることはよくわかっています。
しかし、自分または自分のところでは手に余るかどうかを的確に判断できて、しかるべき病院へ適切に紹介してもらえる程度のことは望みたいのです。
私の息子が小さいときに骨髄炎になりましたが、そのときにひと目で大きな病院への紹介状を書いてくれた近くの医院の医師には、紹介先で適切な治療をしてくださった医師と同じくらい感謝しています。
求められる医師像って、科によっても違うし、地域によっても違うと思うのですね。
例えば、小児科医はそれだけでかなり幅広い領域をカバーする必要がありますが、彼らが大人の病気について(特に、老人医療とか)精通している必要があるでしょうか?
我々産科医も、若年女性の病気には精通している必要がありますが、何が必要な知識なのかは産科医としてある程度の経験が無ければ分かりません。
すなわち、専門研修の後に出稽古のような形で他科で研修を行い、総合的な知識を身に着けていけば良いと思うのです。
同様に田舎と都会で求められる医師像は全く異なるでしょう。
それぞれ、需要に応じた医師を供給できるように、柔軟に医師養成の仕組みを決める必要があると思うのです。
勿論、最低限の知識は身につけておく必要があるでしょう。しかし、本来それは医師国家試験の時点で越えるべきハードルでは無いでしょうか?もし、実技的なハードルも必要なのなら、それは国家試験の時点で設けるべきだと思います。
違う言い方をすれば、そのレベルに達していない者が医師を名乗れる事に矛盾を感じます。
僕は、国が画一的に医師養成の仕組みを決定する事自体に反対であります。そういう意味では、研修期間の短縮には賛成の立場です。
ただ、医師不足と医師養成の仕組みは、本来は分けて論じるべき問題だと思います。今回の決定は、いかにして医師不足を短期的に解決させるか、という事に主眼が置かれていたように思えます。
>今回の決定は、いかにして医師不足を短期的に解決させるか、という事に主眼が置かれていたように思えます。
それもヒト・モノ・カネの数字のツジツマ合わせとしか。公務員の耳目には,
(∩ ゚д゚)アーアー キコエナーイ (∩д∩)ミエナーイ
という評価が(以下略,。
モトケンさん お久しぶりでございます。何やかやで、一年以上、訪問することがありませんでしたが、今年に入り懐かしくもあり、時々、読ませて頂くようになり、ご挨拶がてら今回の投稿となりました(汗)
この「医師臨床研修1年短縮」は、「医局」崩壊に危機感を募らす大学派の必死の巻き返しの結果ではないかと私には思えます。
「地域医療」云々はその口実にしか過ぎず、その真相は、「医局」の名の下、医者の人事を一手にして、これまで維持してきた大学医学部教授の「権威」の「崩壊」が眼前に迫って来たので、あの手この手を弄してここまで巻き返したと言うのが当たらずと言えども遠からず、でしょうか。
「都道府県別研修医在籍状況推移」 http://www-bm.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/zaiseki/index.html を見て、新臨床研修医制度が始まる前の平成15年を比べますと、北海道や東北地方など医師数の少なかった「地域」への研修医在籍数は増えていまして、激減しているのは大学「医局」在籍の研修医のようですね。
> しかし、自分または自分のところでは手に余るかどうかを的確に判断できて、しかるべき病院へ適切に紹介してもらえる程度のことは望みたいのです。
モトケンさんのご意見はもっともですから、研修医のあいだは、より多くの科の専門医との交流関係を築き、「しかるべき病院へ適切に紹介」出来るようになるためにも、幅広く「見て、聞いて、言って」を出来るような研修医制度にする方が、今後の医師にも患者さんにも良いように思えます。
ある程度のキャリアを有する医師なら、どの科の専門であっても、他科からのコンサルテーションに対して「あちゃー」と思った経験があると思います。
医師がそれぞれ他科の同僚に対して「これぐらいは知っておいてくれよな」「これくらいはできて欲しい」と考える水準があるわけで、いわゆるminimum requirementというのはそれらの寄せ集めであるはずです。
ハードルをどの時点にもってくるかは議論のあるところだと思いますが、現在の医師国家試験が、上記のminimum requirementを満たすハードルとして機能していると考える医師はまずいないでしょう。現状がそうなっている以上、卒後研修として
> 国が画一的に医師養成の仕組みを決定する事
はある程度までは必要なことだと私は考えています。
そして、(主として大学入局後の)ストレート研修の最大の問題点は、
> 専門研修の後に出稽古のような形で他科で研修を行い、総合的な知識を身に着ける
といった「柔軟な医師養成」がほとんど認められないところにあると思います。
モトケンさまの
>しかし、自分または自分のところでは手に余るかどうかを的確に判断できて、しかるべき病院へ適切に紹介してもらえる程度のことは望みたいのです。
については、産科医−1さまの意見に近いです。
多くの(数だけでなく科目も)症例を経験して、こういった能力が積み上がっていくものと思います。そういう意味で研修期間短縮は逆効果だと思っています。
落花生(血内)さま
自分の時にはストレート型ですが、ウチの医局は1年目は基本的なことをしこまれ(当直時に当科疾患の依頼もあることを想定)、
2年目は1年間、本人の好きな科(分院も含め)の自由な組み合わせをまわれました。
自分にとってどこを何か月まわるかがいいのか、先輩にいろいろ聞いて悩んで決めたものです。
> 専門研修の後に出稽古のような形で他科で研修を行い、総合的な知識を身に着ける
に近い形であったと思います。
現行制度にかわる前、現教授の大先輩が「うちのやり方のほうが優れてるのに…」とボヤいてたのを思い出しました。
>>現在の医師国家試験が、上記のminimum requirementを満たすハードルとして機能していると考える医師はまずいないでしょう。
ですから、医師国家試験はそのレベルであるべきだと申し上げているのです。少なくとも、国民はそう望んでいると思いますよ。医師である以上は、最低限の知識はあるべきだ、と。そのレベルに達していない者は、「医師」ではなく「医学生」であるべきだと思いませんか?ただ一つ付け加えるとすれば、もしかしたらあなたと私の「minimum requirement」のレベルは違うかもしれません。
>>そして、(主として大学入局後の)ストレート研修の最大の問題点は、
> 専門研修の後に出稽古のような形で他科で研修を行い、総合的な知識を身に着ける
といった「柔軟な医師養成」がほとんど認められないところにあると思います
本当にそう思いますか?そんな事はありませんよ。
shin-nai さんの医局もそのようですが、私のところも最初は専門研修でその道の基礎を叩き込み、その後必要に応じて(個々の希望を確認しながら)出稽古に行かせて貰っていましたよ。私は産婦人科なので、麻酔科とNICUは無条件で行かせて貰いましたが、内科や泌尿器科での研修を希望する先生も居て、柔軟に対応をして貰っていました。これって何処の医局でも当たり前のように遣ってる事だと思います。私の出身医局が特別だとは思えません。
これの目的は医師不足の解消なんでしょうが,それでしたら今更こんなことやっても意味がありません.最初は空白の2年間ができたためにあちこちで医師の引き上げなどが生じたわけですが、今はもう後期研修医が毎年生まれるようになっていますから、この空白の問題はありません.
スーパーローテータを地方へ分散させたとしても戦力になるどころか指導医の負担が増えるだけで逆効果でしょう.
地方へ医師を再分散させたいなら,後期研修医を分散させる方がまだ効果はあると思います.もっともこちらも強制はできませんから,きちんとインセンチブを与えられるような環境を構築する必要があると思いますね.
No.21 shin-nai様
No.22 最前線産科医様
そのような恵まれた研修体制をとっている施設はごくわずかだと勝手に思い込んでいましたが、事実誤認のようですので、お詫びして訂正します。
私自身は、旧制度のもとで、スーパーではないけれども2年間のローテーション研修を受けたあと、大学に入局した経歴の持ち主です。半年間はフレッシュマンに混じって大学で仕事をしましたので、そこでの研修医の扱われ方を目の当たりにして、ショックが大きかったためにそれを未だにひきずってしまっているのかもしれません。
専門に特化した後も、フェローシップのような形で他科での研修が希望すれば受けられる体制は、特別なことではないかもしれませんが、私はほとんど目にしたことがありません。少なくとも「どこの医局でも当たり前」なことではないように思います。もっと一般的になってほしいと常々思っています。
それから、minimum requirementを備えた者だけが「医師」の資格を得るべきだという主張ですが、大変もっともなことで、私は反対の立場ではありません。
ただ、私の考えるrequirementのレベルとしては、例えていえば「鉄欠乏性貧血の診断と治療ができる」くらいになります。治療ができるということは、患者さんに適切な説明を行える、というスキルも含まれます。あくまで例えですが、このレベルまですべてを卒前教育ですませろというのは、不可能とは言いませんが、かなり実現には時間を要することではないかと思うのです。当座の処置として、卒後研修を充実させるというのは方向として間違っていないのでは、と考える次第です。
私の要求水準は高すぎですかね?
自分自身がたどってきた道は、どうしてもポジティブな評価になってしまう、という側面は否定できませんが。
御丁寧なお答え、有難うございます。
確かにおっしゃる通り、大学病院の研修医の扱いは奴隷そのもので、私も研修医時代の10年前に同期と良く憤慨していたのを覚えています。ただし、どの業界でも技術職であれば、少なくとも1~2年は寝食を忘れて仕事に没頭する時期が必要だと思います。以前の大学研修医の場合は、身にならない仕事も多く押し付けられる(しかもその殆どは医師のすべき仕事ではない)のでお話になりませんが、日が沈んだらいつ帰ろうかと身支度をし始める研修医を数多く目にするようになり、これはこれで何か大切なものが欠けているのではないかなぁと思います。そして、医師の仕事の場合は時間外の先輩医師との雑談から非常に大切なスキルを学んだり、そういう時間帯の急患対応から得がたい経験を得たりするものだと思うのです。
まぁ、私が(若いつもりですけれど)古い人間なのでしょうね。
ところでminimum requirementについてですが、私個人の考えとしては、ムンテラ・コミュニケーションスキルまでもを含める事は酷な気がしています。これらは実際に患者さんと接して初めて磨かれるスキルです。現在のカリキュラムでは学生時代にもコミュニケーションスキルを磨く時間が以前より多く含まれておりますが、実際に医師として責任ある立場で患者さんと接する事が無ければ磨かれる事は出来ないスキルです。
ただ、鉄欠乏貧血の診断を確定させて、その原因となりうる疾患を適切に鑑別し(消化器科や婦人科などに)適切に紹介状を書き、同時に必要な鉄量を計算した上で適切な処方を行う事 は、国家試験のレベルで充分に出来るはず(と思います)ですし、出来なければならないレベルだと思います。
ただし、総合研修でなければ磨かれないスキルでもないと思います。
例えば、例えスーパーローテで循環器を回った血液内科の先生が、動脈管依存性の先天性心疾患をその循環動態の特徴と共にスラスラと全て上げる事が出来ますか?(もし出来る先生が殆どだというなら申し訳ございませんが)おそらく中堅以上の先生でそういう先生は少数派だと思います。しかしその知識は、産科医であれば胎内診断を行う上で必須な知識です。しかし一方で産科医が末血スメアを読める必要もありません。私が専門研修後に総合研修をと言っているのは、その方が総合研修の必要性がより明確に実感できますし、効率的に研修が進むと思うからです。そして、そのような研修は、現場で柔軟にプログラムを組み立てていってこそ実現可能な研修だと思うのです。
minimum requirement を満足させる研修、それをやっているあるいはそれに近い研修をやっている医療機関がマッチングで良い実績を上げているのではないでしょうか。学生や研修医の情報網はそれなりに広いですから。1年とかスーパーとかローテートの形式だけで良い研修が決まるとは思いません。
小生もかつて医局に籍を置いた人間ですが、大学医局の悲鳴を受けて短縮したところで医局の神通力は戻りません。