エントリ

注射器使い回しC型肝炎、名古屋市が280万払い和解(2006年9月8日11時1分 読売新聞)

 医師がC型肝炎患者の静脈をうまく確認できず、注射を見合わせた。その後、看護師が注射針を交換しただけの注射器を次の患者用に回していた。

 別の医師がこの注射器で別の男性患者に注射した際、注射器の造影剤に血液とみられる浮遊物が混じっているのに気づき、注射を中断した。

 これは看護師の重過失だと思うのですが。。。

男性はその後、急性C型肝炎に感染したが、約1か月間入院するなど投薬治療を受け、現在は完治している。

 完治する病気でよかったです。

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コメント(21)

別の医師の注意力に感服

C型肝炎の伝染(だったかな)などで、使いまわしはしなくなったと思ってたのに。まだやってるところがあるんですね。

身内に慢性C型肝炎の患者がいます。
年齢からしたら予防接種か入院時の注射が怪しいのですが、特に補償は受けられていません。

こういうケースだと、看護師に行政処分が下ったりするのでしょうか。
もし第三者機関があれば、システムエラーということでお咎めなしなのでしょうか。

なんにせよ、患者が完治して何よりです。

このケースは、過失傷害罪に問われる可能性があるのではないでしょうか?
問われるとすれば、どのようなことを立証しなければならないのでしょうか?

前の患者が、C型肝炎であることを知っており、実際に針を刺していたことも知っていた場合、ただの業過ではすまないような気がします。

中日新聞によりますと、看護師には口頭で注意があたえられたそうです。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060908/eve_____sya_____007.shtml
(リンク貼ったはよいけれど、いつきれるかわかりません)
完治したようですし、和解したと言うことなので、
これ以上処分がどうこうといった話にはならないと思いますが。

>みみみ様
 さすがにこういうのはシステムエラーとは言いません。なお、当院ならば口頭注意で済ませることもなく、最低でも町からの戒告(公式の処分で2番目に軽い処分。後の昇給に関わります)、または減俸になります。名古屋市は当町に比べ甘いようです。

あ、でもディスポの注射器を使ってなかったのかな?(ちょっと考えにくいですが)
それならシステムエラーです。ディス歩じゃない注射器を使っていたり、ディスポの注射器を使い回す習慣がその病院にあるとすればそれは立派なシステムエラーですが、常識的に考えられません。

理屈の上では、医師の専門家としての注意義務の考え方如何によっては、医師の注射行為をもって、業務上過失死傷罪の過失行為と捉えることも可能ですね。
男性の急性C型肝炎感染という結果から遡れる直近の原因行為は、医師による注射行為ですから。

♯私がそういう立場に立つという意味ではないですよ。念のため。
患者さんによっては、そういう考え方をする方もいるんでしょうなぁ程度のことです。

静注用の造影剤はディスポの注射器に50mlか100ml入っているキットのものが
市販されているはずです。
血液が混入していたということは注射針を静脈内に留置して逆流を確認するところまでは成功したのでしょうか。
いくら造影剤が高価だからといってそんなものを再利用するなんて
ふつうでは考えられないことです。

>この医師がこの注射器で別の男性患者に注射した際、注射器の造影剤に血液とみ
>られる浮遊物が混じっているのに気づき、注射を中断した。
自動注入器でなくてラッキーだったという感じですね。

理論上は医師・看護師に業務上過失傷害罪が成立しても、責任を問われるのは看護師だけではないでしょうか。
医療の現場の実態を知らないので何とも言えませんが、医療関係者内での信頼の原則(まさか看護師がそんなことしないだろうと信頼してよいかどうか)の考え方により、医師の過失成立は微妙でしょう(成立しない可能性大という意味)。
何はともあれ和解が成立するなら告訴もしないでしょうから、問題にならないと思います(問題にされても不起訴?)。

静脈確保は安い生理的食塩水でやるのが原則。いきなり高価な造影剤シリンジに針を付けて静脈確保すれば大きな無駄が生じる可能性があります。この辺りの配慮の無さが原因かと。

C型肝炎の腹部の造影検査では、自動注入器を用いて秒3ml前後を急速静注して検査をおこないます。100mlの注射器に造影剤が入ったキット(自動注入器にセットできるもの)を用います。この時穿刺に用いるキットは長さ1m以上のチューブがついた翼状針(針をテープで固定するためと、穿刺を容易にするための羽の様なものがついている針)を用います。静脈確保の確認は血液の逆流の有無で確認しますが、一般に汚染を避けるために、チューブ内までの血液の逆流にとどめます。穿刺に失敗したときには、針を変えて再度おこなったりします。詳細は不明ですが、血液の逆流がチューブ内に限局したと思いこみ、前記100mlの注射器に造影剤が入ったキットを使い回した可能性が高いと推察します。針の位置がずれて血管外に造影剤がもれる事を避けるために、生食で確保する事はおこなわないの一般的です。
なお、血液の逆流がチューブ内に限局していても、この時に使用した造影剤入りの注射器を他の患者に使うことはもってのほかです。

この事件でも経過の詳細がの再発予防上必要だが
報道からは分からない

>Front endさん
造影剤を全量有効に使用するためには、肘静脈から鎖骨下静脈までにプールされる造影剤を生食で後から押し出す必要があります。この方が精度の高い検査になります。したがって生食フラッシュ機能付きのデュアルショットインジェクター
http://www.nemoto-do.co.jp/top.html
の使用の方が一般的であると思います。これを使用していないなら、申し訳ありませんが「随分と遅れている」と思います。当然静脈確保は生食で行いますし、三方活栓の切り替えだけですから
>針の位置がずれて血管外に造影剤がもれる
ことはありません。

> この事件でも経過の詳細がの再発予防上必要だが
> 報道からは分からない

おっしゃるように、報道ではさっぱり状況がわからず、再発防止に役立ちません。報道や法廷とは関係ないところで、原因検索をする場所が必要ですね。中立な「第3者機関」もよいですが、ひたすら原因究明と再発防止をめざす「関係者エキスパート機関」も必要でしょう。

9月、10月は学会のシーズンですが、先日行われた地方会の抄録集をみると、「失敗談」「これには参った報告」がほとんど無くなっているのに気付きました。数年前までは、それなりにあって非常に参考になったものです。これらの経験談が表に出なくなったのも、一種の報道被害または訴訟被害と言えるかもしれませんね。学会こそ、「関係者エキスパート機関」そのものだったのですが、機能不全です。

名著「失敗学のすすめ」曰く

「失敗を罰する文化は失敗を助長する」

>名著「失敗学のすすめ」曰く
「失敗を罰する文化は失敗を助長する」

逆説的にいいますと、以前の工業界(かつ著者の畑村先生が前勤めた某大手メーカー)にも失敗隠蔽の風潮があったということです。

No.16 ヤブ医者様
 Front endは1日に80件前後のCT検査(通常勤務時間帯)をおこない、25件前後の造影検査がある施設で画像診断部門の統括をしています。統括者として造影剤の選定や注射針、CT室での看護師の指導等もFront endの職掌になります。
造影剤の廃棄(静脈確保がうまくできなくて造影剤を捨てる)は年間5〜6件です。注射針や生食の注射器等は保険診療では請求できない材料費です。管理者としては経済的には無駄になる5〜6本の造影剤の費用と持ち出しとなる注射針や生食の注射器等の費用とを比較してどちらが経済的に合理性が高いかを考えます。更に、造影手順の合理化も当然考慮します。経済的には造影剤の廃棄によってもたらされる損失の方が、ヤブ医者氏の言うところのデュアルショットインジェクターに生食をセットして造影検査を全てする(「生食で静脈路を確保するの原則」との発言より)事によって生ずる医療施設の持ち出しの費用よりより少ないのです。
Front endの勤務する施設ではCT室に専任の看護師が配置されており、看護師によって造影剤投与がおこなわれています。安全管理の面からは、生食と造影剤が閉鎖回路(三方活栓で血液が造影剤に混入することを防止していている機構)となっていようが静脈確保に失敗したときには全てを取り替えて新規の患者の造影検査をする手順となっています。
造影剤の注入後の生食でのフラッシュですが、診断能に影響がなければ、経済的な合理性から生食でのフラッシュ省きます。一方、診断のために必要と判断すれば、経済性への考慮は僅少になります。

以上の様なバックボーンを持つ身としては、静脈確保を生食でおこなう事が原則と言い切られると「まてまて」と思ってしまいます。デュアルショットインジェクターを使っていないと「随分と遅れている」訳ではありません。デュアルショットインジェクターは様々な医療施設に導入されていますが、生食をセットせず、通常はシングルショットインジェクターとして使用している施設も多い事をご了解下さい。

さて、この様なヤブ医者氏に細かな反論を記載したのは、「生食で静脈路を確保するの原則」ではないことを説明するためです。Front endの同僚(同じ科)は生食で造影ルートを原則として確保するものはいません。このプログの読者である非医療従事者の皆様におかれましては、所与の条件によって造影検査の様な比較的単純な検査でも手順や考え方が異なる事があることをご理解頂ければ幸いです。

>Front endさん
コメントから察するに放射線科のDrでいらっしゃる様ですね。失礼しました。正直申し上げますと、CT室も外からからしかご覧になっていないDrだと誤解していました。ちょっと言い訳させて頂くと、
>C型肝炎の腹部の造影検査では・・
の範囲の話なので生食フラッシュは必須という前提で書いておりました。
>静脈確保に失敗したときには全てを取り替えて新規の患者の造影検査をする手順となっています。
No20に書かれたことは全く仰せの通りだと思います。一方、No14に書かれた
>一般に汚染を避けるために、チューブ内までの血液の逆流にとどめます。
には少し恐ろしいものを感じました。
>針の位置がずれて
これも、翼状針のチューブを途中で皮膚に固定するのが一般的と思いますので、
>長さ1m以上のチューブ
につけたシリンジを交換しても針先が動くはずはありませんよね?こうしたコメントから、申し訳ありませんが誤解しました。
「デュアルショット」も、私の施設でも消化器癌の再発チェックなどではシングルで使用しており、生食の使用はありません。但しパワーインジェクター使用の際はサーフローしか使用しません。したがって完全に静脈確保するまでは接続しないので、造影不能例の血液汚染はほとんど生じません。
>経済的な合理性
この判断も実は難しいと思います。100mLのシリンジ製剤をシングルで使用するのと、80mLシリンジを生食で後押しするのでは造影効果はほぼ同程度と思います。後者の方がトータルで安いので、医療経済全体や患者さんの支払い額の観点からは合理的という見方も出来ます。また保険の償還が包括の場合には、後者の方が経営上も合理的となります。

P R

ブログタイムズ

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