エントリ

北里大病院の薬の誤投与死、元研修医を書類送検(2006年9月22日12時52分 読売新聞)

 神奈川県相模原市の北里大学病院で2004年4月、がんで入院中の女性患者(当時76歳)が、不整脈を抑える薬を誤って大量投与されて死亡した医療事故で、相模原署は22日、当時研修医だった男性医師(27)を業務上過失致死の疑いで横浜地検に書類送検した。

 調べによると、男性医師は04年4月6日、宮城県角田市の女性患者に対し、不整脈を予防する点滴用「リドカイン」を、静脈注射用と間違えて注射し、担当医に指示された量の20倍にあたる約1000ミリ・グラムを投与した疑い。

 患者は薬の大量投与による中毒で間もなく死亡した。

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医局脱出へのカウントダウン - 元研修医を書類送検 (2006年9月23日 23:07)

 久しぶりに医療関係のニュースを拾ってみる。   YOMIURI ONLINE9月22日   http://www.yomiuri.co.jp/n... 続きを読む

コメント(71)

ミス自体は言い訳が利かないものです。点滴用と静脈注射用を取り違えるのは問題外。しかし、システム自体に問題がなかったかどうかはこの記事では判りません。たとえば点滴用と静脈注射用が隣り合っていたとか、間違いやすいデザインだったとかはなかったのでしょうか。
栄養剤と消毒薬を間違えて注入し、患者が死んだ事故があったと思うのですが、それでは外見の良く似た容器でしかも似たような場所においてあったという、きわめてミスを誘発しやすい状況があったといいます。この記事を見ていると、そういうシステム上の問題がなかったかどうか、とても気になります。人は間違うもの。間違いを起こしにくいシステムの構築に刑事罰は全く役に立ちません。

要するに、点滴用と静脈注射用は元々間違えやすかったと言うことでしょうか。
http://www.anesth.or.jp/news/s040609.html

研修医個人の問題でなく、システムの問題と考えるべきケースのようですね。

>山口(産婦人科)さん

>間違いを起こしにくいシステムの構築に刑事罰は全く役に立ちません。

 これは、刑事罰を加えてもシステムは改善されない、または刑事罰とシステムの改善は因果関係がない、または刑事罰を加えなくてもシステムは改善される、のいずれかまたはそれ以外の意味なのでしょうか?

さらに色々調べてみると、よく分からなくなってしまいました
システムの問題とも言い切れないみたいですね

http://www.yonyaku.com/tms-hsp/news/member/

また、↓のような情報もありました。

>リドカインの投薬ミスによる医療事故は全国的にも相次いだため、同病院は
>昨年7月、一般病棟の常備薬からリドカインを外していた。緊急用としては
>配置を続けていたが、今回の事故を受けて病棟内からすべて撤去したという

10%キシロカインは今でも生産されているのでしょうか?
キシロカインの誤投与は従来より頻発していたのですが,2004年にこの事故を含めて連続して起こったため,「10%キシロカインは病棟等にはおかず,薬剤部で管理する」というような対策の必要性が叫ばれるようになり,10%製剤の生産中止も取りざたされました。ただ,疼痛緩和などへの利用の要望があって,しばらくは限定的に供給されていたと記憶しています。
どっちにしてもこの誤投与は,ラベルを変えようが,静注禁止と大書されようが起こり続けたわけで,誤投与された際のフォールトトレラントが全く期待できないのですから,高濃度製剤は物理的にワンショットでは投与できないようにするか,それとも供給を停止するかしか対策はないのではと思います。

個人に対する厳罰主義の無効性については既に他のスレッドでも何度も引用されておりますのでご参照いただければと思いますが、今回の件を見て思いますのが以前に塩化カルシウムの指示に対して看護師が塩化カリウムを誤投与した事件があったと思います。
あの場合指示を出した(過誤のない)医者側が処罰されたように記憶しておりましたが、今回の例では指示を受けた研修医側が処罰されたという違いが興味を引くところです。こうした事例をみますと司法的には研修医も一個の労働者という扱いを受けていると考えていいということなのでしょうか?

>老人の医者さん
あの件は、医師、准看護師双方に実刑判決が出ています

>塩化カルシウムの指示に対して看護師が
>塩化カリウムを誤投与した事件

あの事件で医師は,看護師が注射するのに立ち会わなかったなどという注意義務違反を問われたと記憶しております。研修医といえど医師免許を有する者ですから,医師としての注意義務があるということでしょう。刑事処分の場合,責めを負うべき者が誰かということについて,たしかに医療現場の感覚からはちょっとずれていると感じることがありますが,それはまあ政治家の汚職とか暴力団の抗争事件でもあることではないでしょうか(笑)。

といいますのも、私が連想しておりましたのはかの関西医大、あるいは鳥大といった研修医過労死事件の件なのです。いずれも大学側は自主的に研修を行なっている研修医は労働者には当たらないといった主張をしていたように記憶しております。
看護師誤注射事件の場合、医療は医師の指示の元に行なうことから看護師単独では自己完結性がない、ゆえに看護師のみならず医師の責任も問われたのだという理解をしておりました。
実際指示簿で指示を出したのは研修医でありましょうから、口頭で指示を出した担当医ではなく実際にそれを行なった研修医のみで追求が終わったとすれば研修医も独立した医者=労働者扱いされているということになるのかと。司法的にはそういう解釈が一般的なのかと思ったわけです。

>フリータさん
注射したのはコンクライト-Caのようですが、注射する際
医師は立ち会わないものなのでしょうか

>モトケンさん、しまさん、そして医療事故・過誤に関心のある法曹・一般の方

 是非是非、李啓充氏の「市場原理が医療を亡ぼす」をお読みください。医学知識が無くても、抵抗無く読める本です。

 特に
 江蓮^緡轍畍
 (p169 訴訟は被害者を救済しているか
  p170 衝撃を与えた研究報告(事故・過誤の有無と裁判の結果は相関しない)
  p182 刑事罰に再発防止効果なし
  p185 次の犠牲者を出さないために。同じ事故を繰り返す日本の無策、再発数を激減させたJCAHOの警告

 たった数ページですが非常にわかりやすく、今までの議論も理解しやすいのではないかと思います。

 是非是非読んでいただければ幸いです。本の定価は2000円です。

高濃度リドカイン液は間違える危険性がある薬品。やはり、こういう薬はあらかじめ希釈されてバックにつめられたものを点滴するのが良いと思います。
(もう発売されているんでしたっけ? 最近そういう現場に居ないもので分かりません)

ただ、重症心不全患者など輸液量を厳格に管理する必要のある症例では、高濃度の原液を直接インフュージョンポンプで入れなければならないこともあり、生産をすべて中止するのは難しいと思います。

どなたかが書かれていましたけど、高濃度リドカイン液の場合、普段は薬局で管理し、使用が必要なときは、薬局からの払い出しの際に「静注禁止」と使用者に伝えるべきです。ほとんどの医療機関では2004年当時ではすでにそのようにしていたはず。
それに、この人は研修医でしょ?なんでそんな人にこれだけ問題になっている高濃度リドカイン液の使用を指示したのか。

色々な面で北里病院のシステムの不備が生んだ悲劇ですね。

高濃度リドカイン液は間違える危険性がある薬品。やはり、こういう薬はあらかじめ希釈されてバックにつめられたものを点滴するのが良いと思います。
(もう発売されているんでしたっけ? 最近そういう現場に居ないもので分かりません)

ただ、重症心不全患者など輸液量を厳格に管理する必要のある症例では、高濃度の原液を直接インフュージョンポンプで入れなければならないこともあり、生産をすべて中止するのは難しいと思います。

どなたかが書かれていましたけど、高濃度リドカイン液の場合、普段は薬局で管理し、使用が必要なときは、薬局からの払い出しの際に「静注禁止」と使用者に伝えるべきです。ほとんどの医療機関では2004年当時ではすでにそのようにしていたはず。
それに、この人は研修医でしょ?なんでそんな人にこれだけ問題になっているリドカイン液の使用を指示したのか。なんで上級医師はその場にいなかったのか。

色々な面で北里病院のシステムの不備が生んだ悲劇ですね。

高濃度リドカイン液は間違える危険性がある薬品。やはり、こういう薬はあらかじめ希釈されてバックにつめられたものを点滴するのが良いと思います。
(もう発売されているんでしたっけ? 最近そういう現場に居ないもので分かりません)

ただ、重症心不全患者など輸液量を厳格に管理する必要のある症例では、高濃度の原液を直接インフュージョンポンプで入れなければならないこともあり、生産をすべて中止するのは難しいと思います。

どなたかが書かれていましたけど、高濃度リドカイン液の場合、普段は薬局で管理し、使用が必要なときは、薬局からの払い出しの際に「静注禁止」と使用者に伝えるべきです。ほとんどの医療機関では2004年当時ではすでにそのようにしていたはず。
それに、この人は研修医でしょ?なんでそんな人にこれだけ問題になっているリドカイン液の使用を指示したのか。使用前にダブルチェックをしなかったのか。なんで上級医師はその場にいなかったのか。

色々な面で北里病院のシステムの不備が生んだ悲劇ですね。

↑ すみません。推敲を繰り返したら3連投稿をしてしまいました。

>注射する際
>医師は立ち会わないものなのでしょうか

病院のシステム如何でしょうが,一般的には立ち会わないことが多いと思います(大学病院などではちょっと前までは看護師は静注をしませんでしたが)。そもそも医師が立ち会えるなら,医師が処置(投与)すればいいわけですので。

それで,医師の指示のもとで看護師が処置をするわけですが「塩化カルシウム静注」という医師の指示に対して「はい」という素直な返事は今でこそ駄目とされています。「塩化カルシウムですね」と復唱することがもとめられているわけです。でも,いちいち問い返すと「生意気だ」と言われた時代もあったことも是非ご理解ください(歳がばれそうですが(^^;)。

ところが,リドカインの投与ミス例では,医師が過って「10%リドカイン」と口頭で指示を出して,看護師が「10%ですね」と復誦したのに,医師が気付かず「そうだ」と答えて,結局過投与されたという例もあります。
この例などは,「お医者さんも相当疲れているな」と感じさせるのですが,刑事責任は免れないと思います。それとは別に結果の重大性を考慮に入れれば,やはり人間によるダブルチェックだけでは防ぎ切れないのだから,別の手立ても必要だと思うわけです。

>フリータさん
なるほど、医師が立ち会えないからこそ看護師に頼む訳ですか。
病院のシステムがきちんとしてないと、誤投与の可能性が常にある訳ですね。

誤投与と言っても、医師や看護師を信頼していないわけではなくて
今回のケースのように、

>担当医が治療剤「リドカイン」50ミリグラムの静脈注射を口頭で指示。
>しかし研修医は静脈注射用がないと思い込んだため、より高濃度の
>点滴用アンプルを使い1000ミリグラムを注射した。

と、指示する人と指示される人との間で考えが食い違うことは、
どこでも誰でもあり得る訳ですから。


>医師が過って「10%リドカイン」と口頭で指示を出して,看護師が「10%ですね」と
>復誦したのに

まさにそれが今回のケースのようですね

>注射する際
>医師は立ち会わないものなのでしょうか

立ち会いません、ではなく、他に並列業務があり立ち会えません。立ち会えたなら、医師が看護師に内容を再確認して自ら注射するでしょう。
緊急時常にその現場で動いている場合は状況は違いますが、通常は不可能です。

私は指示は出来るだけ書面で行ないますが(最近は電子カルテになり、病棟にいなくても電子上で指示し、ほぼreal timeで記録が残せます。ありがたいことです)、緊急では口頭指示も多いです。電話で何度も薬剤の名前と量をいいますが、そんなもの危ないの極致といわれればそれまでですよね。しかし、それが現実の臨床。救急を扱わない私の科でもそのような現状ですね。

ただ、このケース。確認時に「はい」は知識不足なのか、その他の状況なのかわかりませんが、確認に際して「諾」したのならば、責任はあるのでしょう。ただ責任の重さに関しては、研修医の扱いが2004年4月の研修制度で動いたことも関係あるのでしょうか。

http://www.yakuzai.med.saga-u.ac.jp/hoso-henko/hoso-henko-200212-main.html
佐賀大病院薬剤部HPより
10%点滴用キシロカインからオリベスK(1%キシロカイン液)
への変更通知(2%の製品もあります)

カリウム製剤については希釈液は発売されてない
輸液組成でカリウムのみ重視するわけにはいかないからでもあるわけですが
静注したら即死するのはキシロカインと同等かそれ以上

名称が類似している薬剤も問題
薬剤の種類はドンドン増えているのでネーミングがかぶらないように
するのは大変でもあるが,ウテメリン(子宮弛緩剤)とメテナリン(子宮収縮剤)
のように作用機序が正反対で混同しやすくかつ重大な影響をおよぼしかねない
ものもある.
旭川赤十字病院リスクマネジメント委員会編
名称類似薬剤への対応(PDFファイル)
http://city.hokkai.or.jp/~makky97/risk/meishouruijiyaku.pdf

大昔から有る問題だが医療関係者が組織的に取り組みはじめたのは
比較的最近のことである.他院のいいところはドンドン真似していただきたい.

結局いいたかったことは、立ち会えるくらい医師が充足できるような環境があればいいなぁ、それには結局安全保障にかける金の問題=医療制度の問題なのかぁ、という議論し尽くされてきていることでした。

追補です。すみません。

 結局医療事故・過誤が起こったとき、どういう教訓をえるかということだと思います。

 今までの日本のやり方は個人の責任に押し付けて、個人の不注意が問題だから、その個人が悪いと考えのため、事故対策が国家レベルで進まず、同じ事故を何度も繰り返していました。

 人間はミスするもの、ということを考えて何十ものセーフティネットを張ることが必要だと思います。

 この件でも、

\縮会社が紛らわしい製品をつくらない、アンプルなどの外側に赤字で静注禁と書く
▲瀬屮襯船Д奪、トリプルチェックをする。
 危険な薬剤は薬局に保管、薬剤師が静注禁です、という。
 今回、看護師が10%ですね、というとき、静注用の製剤と違って静注禁です。と一言そえればまた違ったかと思います。(つまり危険な薬剤の取り扱いに関して、薬局、看護師、医師に広く認知させ互いにチェックしあうようにする)。もっと言えば怪しければ指導医に電話して聞いてもよかったでしょう。(私は研修医の頃何度も聡明なベテラン看護師さんに救われました。)

 薬剤の取り違えは許されることではありません。しかしこの研修医が研修のどの時期に事故を起こしたのか知りませんが、医学部を出て国家試験に合格しただけでは、製剤の違いがわからなかったというのは許されることだとは思いませんが、充分ありえることだと思います。

 そこをどうカバーするか、一人がミスしても、重大事故につながらないためにはどうするか考える必要があると思います。

 この研修医を刑事有罪とすることは簡単ですが、それでは再発防止に何も役立ちません。

>元研修医さん
事故の起こる直前、2004年1月のリドカインの包装を見つけたのですが
ラベルで赤く「点滴専用」となっていますね。「静注禁」の方が適切でしょうか。
http://prof.suemeweb.com/news/2004/01/10.html

>担当医が治療剤「リドカイン」50ミリグラムの静脈注射を口頭で指示。
>しかし研修医は静脈注射用がないと思い込んだため、より高濃度の
>点滴用アンプルを使い1000ミリグラムを注射した。

これってどういう状況だったんでしょうかね。この文脈から判断すると、担当医(いわゆるオーベン)はその場には居なかったってことですよね。研修医(ネーベン)が実際にその場に居て電話で相談したのか、あるいは研修医の自宅にナースから電話がかかってきて自宅から担当医のところに電話をかけて相談したのか。

いずれにしても、オーベンからの指示を聞いた研修医がナースにその指示内容を伝えたと言うのは間違いないことでしょう。研修医もことの重大さを十分理解せずに、ナースに指示を出したと言うことでしょうね(なにせ10%リドカインを静注してもいい、なんて指示を出したのだから)。

恐らくこの研修医はスーパーローテートをしていたんですよね。私もそういう人間を大学で抱えていたことがありますが、基本的には信用していませんでしたよ。(自分自身の研修医時代を思い起こしてみれば分かります(^^))。
そんな人間にこんな危険性の高い注射の指示を又出しした上級医師が一番悪いと思いますが、私の考え方って変ですかね。

そもそも、上級医師がきちんと指示を出せなかった大学側のシステムも問題ですし、究極的には少ない医療従事者で仕事をさせる霞ヶ関のお役人方が一番悪いんですけど。

 赤く大きな文字で一面に「静注禁!」がいいのかなと。

 人間って「〜可、〜専用」より、「〜禁忌」のほうがドキっとするのでは。ビン見たら静注しようって気がなくなると思います。

単純なことだけど。

老人の医者さんが言われるように研修医の立場は微妙のようですね。
数年前、大学病院に勤務する友人に聞いた話では、研修医は研修を受けるのが目的であるので、大学とは雇用関係にはない=労働者ではないとのことでした。
ですから医療法に基づく医師数にはカウントしていません(正規職員だけで充足されているとの見解。)が、研修とはいえ、医療行為は行っているので、お手伝いをしてもらっているから、それに対して報酬(給与ではありません)は支払っているとのことでした。
ただ、職員だけで手が回るわけでもなく、実質的には、戦力となっており、建前と実態は乖離しているとのことでした。報酬ということは、委任関係になるのかと思いますが
損害賠償されると、本来的には研修医個人の責任ということでしょうが、実態は大学側の指揮命令下にあるので、実質的には、大学側の使用者責任も問われるような気がします。事務職であれば、経験の少なさから生じる過ちは、なんらかの方法で解決できることが多いのですが、医療職は、取り返しがつかない結果となるので、指導医の責任も重大ですね。

>そんな人間にこんな危険性の高い注射の指示を又出しした上級医師が一番悪いと思いますが、私の考え方って変ですかね。

上級医師(指導医)は「点滴用を静注しろ」なんて指示は出してないわけです
2%キシロカイン(静注用)の静注は日常的に行われている行為です
わたしもかつてはそうでしたが,この場合危険なのは指示ではなく
経験の浅い研修医です.そして経験を積む事によって危険性が減っていくのです
国の対応としては禁忌問題(選択枝の中に選択したら即アウトのものあり)
を国家試験に新設し,それに対応した「禁忌キッズ」なんて間抜けな名前の
参考書まで出ている.ほんのここ数年の話です.
それをクリアした最近の研修医ですら,現場の常識に慣れるには時間を要します.
現場を見ないままの観念論の有効性には限界があります.
ずいぶん増えてきたとはいえ医学部教育における事故対策はまだまだ不足している.

2001/08/08 第1回 医薬品・医療用具等対策部会議事録の中で,星委員(当時)が以下のように述べられています。

【以下,引用】
 入れ物の問題もあります。たとえば注射針を入れなければ吸い出せない外用薬、あるいはその他の薬があります。これは、注射器を使わなければできない、あるいは注射用のアンプルと同じものに入っていることが問題であって、そういうものには注射剤以外は入れないのだという議論がここではなされるべきである。
【以上,引用】

下記URLの真中より少し前,資料1-4「医薬品・医療用具等対策部会の今後の進め方(案)」の議論の辺りです。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/0108/txt/s0808-2.txt

北里の事故(事件ではなく事故だと思います)は,現行法では研修医の誤投与の責任を問われるのかもしれませんが,これは星委員の主張の通り,点滴用の薬品が【注射針を入れなければ吸い出せない】ことが根本的原因です。点滴用の薬品は,注射器や他の機器を介さないで直接点滴用バッグに注入できるようにするのが,(機器設計における)安全性設計です。このようなことを考える(原因を探り,対策を立てる)のは,法曹界のミッションではありません。役所やメーカを含めた医療界が主体となって解決すべき問題です。
上記議事録は,第1回から第11回(2006/02/08開催)までが掲載されていますが,それらを読むと,医薬品・医療用具等が原因となる事故について,その共通の問題点の所在が見えるように思います。

こういう事件を見ると昔の軍隊の話を思い出すのです。
明治維新の頃の初期の日本軍で士官のみならず下士官、兵に至るまで読み書きが出来ることに外国人が驚いたという話がありました。逆に後の時代になりますが日本軍が米軍のマニュアルを手にしたとき、文字の読めない(あるいは、英語を母国語にしない)兵でも理解できるよう丁寧な絵文字で説明してあるのを見て驚いたといいます。
日本人は平均的教育レベルが高いというのが一面では美徳ですが、知らず知らずのうちに一定のレベルを最低として無条件に前提づけるシステムになっていないか。水準に達しない個人が事故を起こすたびにその責任を問うよりも、誰が扱っても間違いが起こらないよう要求水準を下げていく努力が不足しているのではないか。
事故やニアミスが起こるたびにマニュアルはより分厚くなり、要求される最低線が跳ね上がっていきます。ベテランでも全ての面に穴なく習得するなど困難になる、まして新人に一足飛びに高いレベルを身につけさせるなど無理な話です。そろそろシステム側から人間の実情に歩み寄ることに努力を傾注していかないと、遠からず誰も「あるべき望ましい水準」をクリアできなくなる時期がやってくるのではないかという気がするのです。

>>No.27のTuHさん
>(原因を探り,対策を立てる)のは,法曹界のミッションではありません。
と他人事モード全開だから、このような事故がいつまでも続くのではないでしょうか。
交通事故を始め、全ての(業務上)過失致死傷罪も全く同じです。
専門家も関与して再発予防を具体的に指導する権限がない限り、また同じことが繰り返されます。
「過失」があっても「死傷」に至らないシステムがまずありき、と言う意識が法制定・運用側にいっこうに芽生えて来ないのはいたしかたないことなのでしょうか?
現状では国の法益をたいそう損ねているように見受けられます。

次に「過失」により被害を受けるのは自分かもしれないのに。

いのげさん

>上級医師(指導医)は「点滴用を静注しろ」なんて指示は出してないわけです
2%キシロカイン(静注用)の静注は日常的に行われている行為です

確かに「点滴用を静注しろ」とは言っていないですが、何にも知らない研修医はそういうことをする可能性があると言うことです。これがおきたのは4月でしたよね?研修したての時期ではないでしょうか一番危ない時期です。それとも1年たったんでしょうかただ、たとえ1年たっていたとしてもスーパーローテートならば循環器グループに入ってきて長くても数ヶ月しかたっていない。

私の所では、少なくとも抗不整脈薬の静注なんて行為は研修医単独ではさせませんでしたよ。危なくて。サンリズムの静注を一人でした研修医に対して、循環器グループのトップが「この薬は先生が単独で使っていい薬じゃない」と叱責していました。

>元田舎医さん
TuHさんの意見と同感で、私も「原因を探り、対策を立てる」のは医師のミッションだと
思います。つまり、実際に医療業務に携わっておられる医療従事者が行う事であり、
第三者が口を挟んではいけない領域だと思う訳です。もちろん、厚労省の仕事かも
知れませんが、これは厚労省の介入を許すと言うことにつながりますよね。
医師側が主導してこそ、外部からの干渉を防げると思うのですが。

医療従事者側が、「医療ミスに関する制度」を考えた後に、法曹家の出番がやって
来ると思います。その制度が現実の方に則しているか則していないか。制度を
変えなきゃならない面もあるだろうし、場合によっては法律を変えなきゃならない
ケースも出てくるでしょう。それに対して具体策を練るのが法曹家のミッションだと
思います。

一般人のミッションとしては、その制度に耳を傾け、支持することでしょうね。
法改正の必要がある場合、政策として必要な場合は国民の支持がどうしても
必要になるでしょうし。

決して他人事扱いしている訳ではないのですが、医療システムに関して改革が
必要だというのなら、医師側からアクションを起こすことが必要だと思います。

>>No.31のしまさん
当然、第一義的に改善の責任は医療側にあるでしょう。
私が言いたいのは、法制定・運用側に「も」少なからぬ割合の責任が存在するのでは、ということです。

>一般人のミッションとしては、その制度に耳を傾け、支持することでしょうね。
>法改正の必要がある場合、政策として必要な場合は国民の支持がどうしても
>必要になるでしょうし。

には同意です。

>暇人28号 先生
だからそのあとに研修医が危険と書いているわけで
わたくしは今でもリドカインやワソランは自分で静注してます

この研修医から学ぶべき点は強いて言うなら看護師の警告に反応するべきだったという点と,あのデカいアンプルを見てアレレと思っていただきたかったということですな.
自分の研修医時代も冷汗三斗でした(今もか)し,指導医時代は研修医のすることは全て自分の責任と思って指導していました.

 以前TBさせて頂きました。今回初めて投稿します。

 2004年といえばまだ旧臨床研修制度ですが,この研修医のおかれた労働環境は恐らく病棟業務と雑用に追われ,判断力が低下していた可能性が高いと思います。また指導医が側にいず研修医が指示を出す,または自ら施行したのは,そうせざるを得ないような状況があったのかもしれません。そういう状況を作らないことはリスク管理として大事だと思います。

 蛇足ですが,昨今の医療崩壊に伴う病院の医師不足を考慮すると,リスク管理が困難な状態を作り出しているのは現場の医療者だけに責任を問うのは酷な気がします。

私が研修医の頃はその専門医から抗不整脈役を使うときは必ず上級医と一緒にとの指示を受けました。
それから、昔はリドカインは点滴用と静注用との区別が初心者には難しいことも事実です。こうしたことを上から教わらない限り、点滴を指示されたら私も同じミスをしていたかもしれません。アンプルは通常点滴用と静注用に分かれていたりはしないことが多いです。だからリドカインは昔から事故が多かったのです。

つまり、システムの問題と言えます。
研修医が使用する場合は上級医と一緒に使用することを義務とする、間違いにくいようなアンプル、薬品名にするということが挙げられるでしょう。今は昔と違い、間違えにくくなっていると思います(十分かどうかは別として)し、少なくとも上級医が同席というシステムをとっている病院はかなりの数だと思います。

ただ、医師不足の田舎の病院は知りませんが・・・。

補足ですが、リドカイン以外の抗不整脈役も同様です。研修医が使うときは必ず上級医が同席していました。

No.33  Posted by: いのげ 様

>だからそのあとに研修医が危険と書いているわけで
わたくしは今でもリドカインやワソランは自分で静注してます

記載を見逃しました。申し訳ありません。
私の場合、ワソランに関しては、可能な限り生食50-100に溶かして10分ほどで点滴するようにしています。誰でも簡単に使用できる上、副作用の心配もありませんし、結構PSVTも止まるので。


>この研修医から学ぶべき点は強いて言うなら看護師の警告に反応するべきだったという点と,あのデカいアンプルを見てアレレと思っていただきたかったということですな.

そうですね。結構添付文章や普段の使い方とは違う薬の使用方法を取ることも多々あるので、看護師の立場からすると、医師からそう指示されてしまうと「そんな使い方もあるのかな?」ぐらいに思い、それ以上突っ込まずに使ってしまうこともあるでしょう。今回もそんな事例ですね。

まあ、この研修医も看護師さんの忠告を素直に聞いていたら問題なかったのに。

でも、もっと悪いのはその指示を研修医に出させた上級医、さらにはそういうシステムにしていた大学病院、国です。

ただ、正確な状況が分からないのでなんともいえないことが多々あるのですが。


皆さんご存知でしょうけど、リスクマネージメントの考え方からすると、ミスが起きた場合にその当事者を叩くだけではだめ。その原因を探り対策を立てないと。

この場合、恐らく大学病院としては、
1 静注用抗不整脈薬は原則として研修医に指示を出させない
2 点滴用リドカインアンプルは薬局保管で必要なときに払い出す。

なんてことになったのでしょうね。

前にもお話しましたけど、点滴用アンプルは状況によっては必要になる可能性もあるので全く廃止にしてしまうのは適切ではないと思っています。そんなこといったら10%塩化カリウム溶液なんかもなくさなければいけませんが、その薬剤がどれだけ役立っているかは周知の通りです。

あ〜,誤解があるようなので。
件の事故の責任が医師にあると言っているわけではありません。むしろ,注射液と点滴用薬品が同じアンプル容器に入っていることが根本的原因,つまりメーカ側の責任であると考えています。
法曹界は医療器具や医薬品およびその容器を作っているわけではないし,それに指示指導を与えられる立場では無いわけです。それらを作っているのはメーカだし,指示指導できるのはお役所,そして,使い勝手や危険性を一番良く知り,メーカに意見を言えるのは現場の医師や看護師でしょう。そういう意味で「役所やメーカを含めた医療界が主体となって解決すべき問題です。」と言ったのです。なお,その中に,特に事故の解析には安全性に関する技術者が必須と思いますが,それはメーカ所属でも良いし,官公庁所属・委託でも,あるいは第三者機関所属でも良いでしょう。まともに仕事をしてくれるならば。

***
「注射液と点滴用薬品が同じアンプル容器に入っていても,表面に何らかの識別を付与すれば良い」という考えがありますが,これはダメです。アンプル容器に入っているということは【注射針を入れなければ吸い出せない】ということであり,注射器に移してしまったら,もうそこには識別できるものはありません。現場は忙しいんですよね。それなら,「どっちだっけかな〜」と現場に考えさせてはいけません。注射液は注射器にしか入れられないように,点滴用薬品は点滴用バッグにしか入れられないように容器や機材を工夫し,操作者が考えなくとも良いようにするのがフールプルーフ設計です。

抗不整脈薬は、急速に静注するもの(ジギタリス、ワソランなど)と、ゆっくりするもの(アミサリンなど)があり、また患者の状態(心不全か否かなど)によってその方法や投与量なども変わるため、決して研修医にやらせることはありません。強いて言えば、将来循環器希望のかなりやる気のある研修医だけです。
今回は恐らく癌で入院中だったことから、外科病棟で比較的経験の少ない外科系の上級医(オーベン)から口頭で指示されて行ったような感じでしょうか?癌の終末期のさらに末期で心室性期外収縮頻発(想像ですが)という、全身状態もかなり悪かったので致命的になったのではと思います。(何もしない方が良かったんだよ〜!)
小生が十数年前都内病院で研修中(年がばれちゃう)にも救急外来で同様の事故がありました。幸い死亡には至りませんでしたが。最近ではKCl等間違いやすい薬は病棟に置かなくなりました。つまらない事故で(患者様には申し訳ありませんが)、訴訟になり、研修が中断される研修医に本当に同情いたします。
薬(医療)は両刃の剣です。迷った時には何もしないは鉄則です。何もしないことに対する弁明や釈明は後からいくらでも作れます。研修医なんだし。

No.38  Posted by: TuH さん

>注射液と点滴用薬品が同じアンプル容器に入っていても,表面に何らかの識別を付与すれば良い」という考えがありますが,これはダメです

理論上はおっしゃるとおりなのですが、これについては、先ほどから私が主張しておりますように、実務上難しい面があります。

たとえば、抗生剤なんかは生理食塩液のボトル(100)に直接アンプルが刺せるようになっているものもあり、さした後に良く振って粉末状の薬を生理食塩水に溶かして、その溶液をまた生理食塩液のボトルに戻して点滴することが出来ます。
(読みにくくて申し訳ありません。文章化すると分かりにくいのですが、見ると一発で分かります)

また、生理食塩液とセットになって販売されているものもありますし、あらかじめ溶けているものも販売されています。

しかし、重症心不全症例などでは数ccでも点滴する水の量を制限したい時もあります。そのような場合、例えば、20ccの生理食塩水に溶かして注射器で数分間かけてゆっくり静脈注射します。
つまり、状況によって使い方も違います。アンプルに入っていると色々な使用方法が可能で汎用性が高いですが、あらかじめ溶けているものに関しては使用方法が限定されてしまいます。

とすると、アンプルとあらかじめ溶けているものを用意する必要があります。そうすると間違いの元になったり、その間違いを起こさないようなシステム作りをする必要があります。また在庫するスペースが必要になります。

とどのつまり、最終的にはマンパワーとお金が必要になるというわけです。今のように極限まで人と金を制限して、医療従事者を奴隷のように働かせている状況(by アメリカの某団体)では現状を改善させるのは困難であると言わざるを得ません。

「そんなに改善させたのなら人と金を出せよ」と医療従事者みんなが思っているはずです。

>>No.38のTuHさんのコメントの前段
そういう文脈なら理解できます。
失礼しました。

指導医は知識は有っても体力は研修医に劣る
当直の回数が常識的な範囲内におさまるように
現場の人員数を増やす努力も厚生労働省は
速やかに行うべきだ

>>42 いのげさん

リスク管理の議論をすると結局勤務体制の話に行き着いてしまいます。
長時間勤務と医療事故の関連はもっと取り上げられるべきだと思います。

もちろんこのエントリで皆さんがコメントされている通り,
薬剤管理についてしかるべき対策がとられているのは前提として。

小○純○郎:バルス!


彼の政策のルーツはほんとうにわかりやすかった。
厚生大臣、郵政大臣になり、そこの官僚とその管轄する職業人と付合ってるうちに限りない憎悪と嫌悪を抱くようになった。
全国区で活動するようになり、クレクレ田舎人と付合ってるうちに限りない憎悪と嫌悪を抱くようになった。
ただそれだけ。

暇人28号さん

汎用性が高いということは,それだけ誤用が多いということです。薬剤管理に新たな経費が必要になるというのなら,運用者(勤務医,看護師等)から管理者(病院経営者等)に問題を移行させることができるということです。つまり,医師や看護師の負担が軽減し(不必要な「現場の判断」を削減するという意味),また『「そんなに改善させたのなら人と金を出せよ」』と思っているだけでなく,実際に管理者等に知らしめることになるのではないでしょうか。
それから,せっかく事例を挙げてくださいましたが,ゼロリスクが不可能であることはお互い承知しているものと思います。その事例と薬剤投与事故の発生頻度やリスクの大きさ,不具合発生後の復帰可能性,その他の項目比較はどのようになるでしょうか? いえ,今ここでそれを検討しようというのではありません。それこそ「役所やメーカを含めた医療界が主体となる」問題を解決する場での検討事項です。

なお,現状では医薬品・医療用具等対策部会議がその役を担っているようですが,例えば開催頻度等からは,充分とは思えません。常設,常勤の専門機関が必要と思います。しかし,医師会側の参加者がいるわけですから,(現場の意見を反映する)何らかの方法はあるはずです。

No.39  Posted by: uchitamaさん


>薬(医療)は両刃の剣です。迷った時には何もしないは鉄則です。何もしないことに対する弁明や釈明は後からいくらでも作れます。研修医なんだし。

そうなんですよね。ただし私らのように臨床をして何年も経つとそういう経験則が身にしみて分かるようになるんですけど、素人に毛の生えたような(あまりきれいな言い方ではないですが分かりやすいようにあえて書きます)研修医にはそんなことは分からないわけです。

昔はどこでも、荒波に放り込んで「自分で苦しみながら勝手に育ちなさい」、って教育方針だったのですが、今はひとつのミスも許されない。そうなると研修医や経験の浅い医師には任せられないし、責任者の判断にならざるを得ない状況が増えてくるわけです。
「責任者が判断しなかったから過誤が起きた」
なんて理不尽な判決が出るんでしょうね。


最近色々見ていて思うんですが、世論がこの医療崩壊の危機を全く理解していない。最大の戦犯であるマスコミがほとんど報道しないのが一番なのですが。それはセンセーショナルな自体は一面トップや社会面でその日に限り報道しますけど。でも新聞の真ん中に書いてある記事なんて普通の人は見ない。やはりテレビでゴールデンタイムにきちっと放送しないと世論に訴えかけることなんか出来ない。

これだけ煽ってきたのだからその責任はきちっと取るべき。でも取らないだろうなあ。

こういう状態なので、やはり一度医療崩壊を国民の実感する形でさせなければなにも変わることが出来ない。もう医療従事者の努力だけでは解決しないレベルに達しましたね。

>こういう状態なので、やはり一度医療崩壊を国民の実感する形でさせなければなにも変わることが出来ない。もう医療従事者の努力だけでは解決しないレベルに達しましたね。

明らかにこれはまずい、という状態が実感できるようになるまでどれくらいかかるでしょうか。
2007年問題ということで、定年に差し掛かっている団塊世代のお医者様がごそっといなくなったころ(2009年ごろ?)でしょうかね?
道産子、出産テロがいつの間にか当たり前に報道されるころか、それとも救急車出動が有料化されるころでしょうか。
私は崩壊しきる前に何とか国民の意識が医療にきちんと向いてほしいと思います。
このままいくと、いずれ虫垂炎の日帰り手術なんてことになったりするんでしょうか。

No.47  Posted by: WATERMAN

>明らかにこれはまずい、という状態が実感できるようになるまでどれくらいかかるでしょうか

水面下ではすでにその時期に差しかかっているのです。現場にいる人間が先日からこの掲示板で多々述べています。すでに引き返せないレベルです。

今の時点では、急病になった際に、早急に救急車でどこかの病院に搬送しなければいけないけど、搬送先が見つからず時間だけが経過してしまうという状況だけです。つまり、病気にならなければ分からない程度ですので、当事者しか分かりません。急病で入院すること自体周りでそんなに頻繁に起こりませんし。

しかし、地方の基幹病院でも内科全員退職しても後任が決まっていないとか発生していますよね(北海道では江別市ですけど)。そういう事も徐々に報道されてきています。

私の住む北海道の某地方都市の基幹病院でも9月いっぱいで消化器内科医が一人減員するので外来診療や入院患者を制限するといったことが内々に連絡されていますし、別の基幹病院では循環器内科医が数年内に完全撤退するとの噂も聞きます。
(そうなったら急性心筋梗塞の患者さんの緊急治療はどうするのでしょうか)

うちの病院でも、消化器内科の先生がいなくなり、胃ろうを院内で入れることが出来ないので、入れようとすると他院に相談して、その数ヵ月後に転院の上入れてもらうといった状況になっています。その間は中心静脈栄養や経鼻胃管でつなぎますが、ああいう治療は経過が長くなればなるほど合併症の危険性が高くなり死亡率が高まります。

状況は深刻です。

↑ WATERMAN さん

敬称を忘れました。失礼しました。

産科、小児科、救急の2次医療崩壊は、一般人にもわかるような結末が露見し始める最終局面にそろそろ突入。
今、崩壊中なのは内科。

内科は、1人医長が珍しくない眼科や皮膚科などのいわゆるマイナー科と違って一見スタッフ数は多く見える。
1人減ったぐらいでは「内科」の閉鎖にならないので、報道もされにくい。

ところが、内科の中は循環器、消化器、呼吸器、神経、腎臓など臓器別に細かく別れていて、2次医療レベル(=一般病院レベル)で求められる技術ですら、他の専門内科医にはできないことが多い。
例えば、大腸内視鏡で下血を止血できる循環器内科医は滅多にいないし、急性心筋梗塞患者に心臓カテーテルで治療できる消化器内科医も滅多にいない。
で、その臓器毎の専門内科医の人数は、実はその病院の眼科や皮膚科医の数とそれほど変わらない。

内科スタッフが1人辞めると、まずその専門内科にしわ寄せが来る。
たいていそれは当直外の「待機当番」と呼ばれる勤務の回数が増えることで実感される。
時間外の急患に対し、当直の医師が初期対応したあと、専門治療を行うために呼び出されるのが「待機当番」。
3人いれば月10回の待機。
それが1人欠けて2人になると月15回の待機。
少し大きめの病院の循環器内科や消化器内科では、実際、待機当番も全く呼ばれない日は少なく、しかも呼び出されればかなりの重労働が待っている。
最初の数ヶ月は踏ん張れるが、だんだん業務が回らなくなり、疲れがたまってくる。
音を上げた若手が大学(やはり人手不足)に戻してもらうか別の病院に移れるよう、伝家の宝刀「ダメなら脱局しますよ」をちらつかせながら医局長に交渉し始めるのが早いか、踏ん張れなくなった中堅がやむなく開業したり、体調を崩して休業に入ったりするのが早いか。
もう1人欠けて1人体制になったところで、循環器内科や消化器内科は大学もたいてい最後の1人を引き揚げる。
そうでなければその1人は辞めて病院を移るか、開業。

循環器内科か消化器内科のどちらか一方がいなくなったら後の話は急にテンポが速くなる。
1次医療レベルだと何とか相手の領分を診ることができたとしても、専門的処置が必要な急患などは手に負えないからすぐ紹介・転送になる。
そのうち判断ミスも出てくる。
疲れがたまってきたところで、貴重な戦力をそのような病院で無駄使いできないと、たいてい大学が残った一方を総引き揚げにかかる。

循環器内科と消化器内科のいなくなった2次医療機関の内科は、もう実質「内科」とは呼べない。
外科系各科も内科疾患を持つ患者の術前・術後管理を内科に頼めなくなり、安心して手術ができなくなる。
消化器外科や心臓血管外科などの場合、そもそもの手術適応の患者を見つけてくるのが内科の仕事の一つだったから、手術件数自体も激減する。
こうして外科系各科も一つ、また一つと総引き揚げされていく。

これが内科発の院内ドミノ現象。

なんか聞けば聞くほど絶望的になってしまいます。

ただ、僻地医療の問題などを読むと思うのですが、そもそも日本は、全国津々浦々に平等な公共サービスを、という方針でこれまでやってきたわけです。
ですがそれはどう考えても間違いだった。
日本がいずれ高齢化と少子化によって危うくなるというのは20年30年前から予想されていた訳ですが、それを知ってか知らずか、山奥の田舎まで道路を舗装し上下水道を張り巡らす政策が進められ、結果、少子高齢化によって不良債権化するのが目に見えている。
藻谷浩介氏は、下水道普及率を増やすにはどうしたらよいか、それは田舎まで下水道を張り巡らすことではなく、下水が整備されている地域に人を住ませれば良いのである。そうしなければ少子高齢化時代において公共サービスが破綻する。と言っていますが、医療に関しても、重病人は医療が完備されている地域に住めば良い、ということが言えますね。
事実、産科の集約はそのとおり進んでいますし、それ以外に術がない。
戦争で言えば、戦力は分散すべきでなく、投入は逐次ではなく一度にやるべきであるという理論です。
事実上、政治レベルでは回答が出されているわけですが、政治家センセイは「やっぱり僻地医療も重要だよね。無視できないよね」と、冷や汗たらしながらもリップサービスせざるを得ないのでしょうね。

> uchitama様

北里レベルなら循環器の医者呼べば良いのにね・・・、と思いました。
でも、循環器の常勤のいない病院ではどうするんでしょうね?

ちなみに当方、循環器で、ただのsinus tachycardiaで看護師や他科医に何度も当直中たたき起こされたなあ。でも、sinus tachyって大抵心臓以外に原因があるから、まずは感染症のチェックや全身管理なんかのケアを先にやれって!・・・というのは大人げないので毎回ちゃんと対応してました。大抵経過観察で・・・と言うけど。
全然関係ない話題ですみません・・・。

No.51  Posted by: WATERMAN  さん

>医療に関しても、重病人は医療が完備されている地域に住めば良い、ということが言えますね。

残念ながら、すでに過疎地域だけの問題だけではなくなっています。全国の県庁所在地であっても、もう問題となっています。
私が居た医局では、3県の各病院に派遣していましたが、今回の研修医制度改正と「大学は研究するところだ」との号令がかかり一斉に引き上げました。それまでは、各県の県庁所在地の基幹病院+第2、第3の都市の基幹病院に医師を派遣していましたが、それ以降、県庁所在地の基幹病院にしか送らなくなりました。しかも、何人か減員して。それが2-3年前のこと。今ではさらに私を先頭にして(^^;)脱局者が急増中。今はさらに厳しくなったと言っています。

数年前にとある県庁所在地の病院いましたけど、そのときはまさに目の回る忙しさ。日中が外来を70-80人こなして、午後から冠動脈造影などの検査を18-19時まで行い、その後本人家族に説明、検査後の回診をして20-21時に帰宅。帰宅後食事をして子供を風呂に入れて休もうと思ったら22時に救急外来より連絡。心筋梗塞の患者さんが来たから見てくれと。そこから診察や簡単な検査データを見て心筋梗塞が疑われるので、造影チーム(最低5-6人)を呼び出すように指示を出した後、冠動脈造影が必要と患者家族に説明。そして、チームがそろって検査開始可能になるのが23時ごろ。そこから冠動脈造影を開始して15分ほどで確定診断。速やかにバルーン拡張術(PTCA)を開始。順調に行けばさらに30分ほどで終わるが、心筋梗塞はそんなに甘くない。術中に色々な合併症を起こし治療は長引く。治療終了が0:30ごろ。それからICUに1:00ごろ入り、入院時の指示を出し、患者さんの状態を確認後家族に病状を説明。突然死の可能性もあると。それから雑務を行い帰宅するのが2:00ごろ。

そして翌朝6:30に起床し7:30に職場に向かい病棟診察。また8:30より外来業務。

こんな感じでした。下手したら夜中の1:00、2:00に起こされるのもしばしば。終わったら朝になっている。こんなのが1週間毎日続きますとさすがにきつかったです。

以前、まだ人間がいたときでこんな状況ですから、今の状況は想像したくないし、絶対やりたくない。

>yamaさま

そうですね。それに最近、抗不整脈薬(リドカインを含めて)の絶対適応って循環器医でもかなり難しくて、リドカインなどは急性心筋梗塞の急性期に少し使う程度だと個人的には思っています。他の場合は、心室性不整脈の特殊な場合(?)を除いては明らかな予後改善効果はないんじゃないかと思うのですが。すなわちリドカインでも、ブドウ糖液でも、安定剤でも同じじゃないかと。だからわざわざ危ない薬を使わなくても良かったのに。それに今回の場合は癌で入院中ですから、もし終末期だとすると経過観察でも予後2週間くらいだったりして、などと想像してしてしまいます。

>循環器の常勤のいない病院ではどうするんでしょうね?

非医療者、法曹家の方々にも、このブログを通じて、医療レベルというのが地域によりかなり違うと理解して欲しいですね。循環器医のいない病院で一般医を責めるのはかなり酷なことだと思います。

No.53  Posted by: 暇人28号様

とすると、逃散しないように法的な規制が行われるのでは?
たとえば僻地医療や救急医療に10年携わらないと開業許可が出ないとか、医局から医師が逃げないような規制が行われるかも知れません。
また、個人病院であっても「地域の医療体制を補強するため」と救急医療を強制される可能性もあるでしょう。

政治は常に公共の福祉という大義名分を振りかざせますし、地域住民からの苦情が増えれば対応せざるを得ないわけですから。

No.55  Posted by: WATERMAN さん

>たとえば僻地医療や救急医療に10年携わらないと開業許可が出ないとか、医局から医師が逃げないような規制が行われるかも知れません。

それに関しては、先日政府でも検討課題に入ったようですが、結局「職業選択の自由」を奪うことになるのでだめと言う結論になったようですよ。それに、そんな規制がかかったらみんな医者辞めたり、マイナーな科に行ってしまいます。別に内科外科救急医療だけが医者のすべてではないですからね。内科医が辞めて耳鼻科に成ることもしばしばです。

それから、医局崩壊を願ったのは旧厚生省そのものです。

最近、政府としても、こういう形での医療崩壊を望んでいるのではと思えてなりません。自分たちが壊すとマスコミを中心としてバッシングを受けますからね。どの道コスト的に見て、今の日本の医療制度は維持できないですから。

普段地域住民と向き合っているのは自治体です。
地域住民が「医者を連れてきてくれ」と訴えれば答えざるを得ないのが自治体ですから。
それこそ億の金を積んででも頭を下げに来るでしょう。
そうでもしなければ首長の首が飛ぶ時代が来るはずです。

それに基本的人権より公共の福祉が優先される場合もあるでしょう。
いよいよにっちもさっちも行かなくなったらそういう規制もあるでしょうし、日本の人口の半分以上は地方民なんですから、政治家の半分は地方を見て仕事をしなければならないのです。

>WATERMANさま

他の場所でコメントにも書きましたが、医師は中等度以上の学歴もあり、資格もある、中には英語のできる人もいて、転職にはあまり困らないから問題なのです。さらに女医さんなんかはさっさと良い旦那を見つけて辞めてしまいます。

でも小生がここで言いたいのは(他で誰かがコメントしていましtが)、以前は使命感やボランティア精神で働いていた医師のモチベーションがかなり下がったというのに尽きるのではないかと思います。その理由はいくつかありますが、マスコミの扇動による医療不信、給料、多忙、訴訟、もっと言えば、公立病院なら県の衛生局の事務などが偉そうにしているなどでしょうか。政治家や県の議員が動けば話はもっとややこしくなるような気もしますが。よく来てくれたなぁではなく、雇ってやってるんだという立場は変わらないような気がしますが。もう少し喜ばれる立場で働きたいものです。

No.57  Posted by: WATERMAN さん

>それに基本的人権より公共の福祉が優先される場合もあるでしょう。
いよいよにっちもさっちも行かなくなったらそういう規制もあるでしょうし、日本の人口の半分以上は地方民なんですから、政治家の半分は地方を見て仕事をしなければならないのです。

こういうことを医師たちは「奴隷的拘束」と捕らえるんです。
今まではこういうことを医局がしていたんです。しかし、その医局も力が衰え拘束力もなくなった。
ただ、今の時点で人員は少ないので、今から規制しても焼け石に水でしょう。開業した人間を基幹病院に戻すことも考えられますが、一度最前線から離れてしまったら無理でしょうね。体力的・精神的・技術的に出来ません。また、そんなやる気のない人間を職場に拘束すればさらなる医療事故を起こします。

ネットのおかげで「全国どこの医療従事者でもみんな同じように思っているんだ。みんなモチベーションが下がっているんだ。」という真実を各医療従事者が共有してしまった現在ではこの流れは加速していかざるを得ません。
昔は「そんなことは考えてもいけない。自分が滅私奉公しなければいけない」という強迫観念に駆られて仕事をしていたので表面上は何も起こらなかったのです。

尾鷲の年俸5000万円で話題になった産科医が辞めることになりましたね。
休みは年末年始の二日だけで24時間院内拘束、院外に出なくてもいいように買い出しは職員が行ってくれていたそうです(苦笑)。「せめて月一回は休みを」と言う要求が受け入れられず代わりに年俸半減を提示されたとか。

校長教頭も自主的に平の教員に希望降格する例がかなりあると聞きます。昨今地位や年収より自分らしい暮らしをという風潮が強いのは研修医を見ていても実感するところ、マスコミや市民が口にするような滅私奉公的医師像はいずれにしても崩壊せざるを得ないでしょう。
特別の才能や努力を必要とせずとも普通のプロフェッショナルが普通に仕事をこなせる、そんな医療環境を構築したいというのは大それた望みなのでしょうか?

> uchitama様
コメントありがとうございます。
ご存じかどうか、10年ほど前、CASTという有名なstudyがあり、心筋梗塞後の不整脈防止のために抗不整脈薬を使用し、心筋梗塞後の死亡率を低下させることを狙ったものでした。
しかし、結果は死亡率が下がるどころか上がってしまった。それ以来循環器医でもめったなことでは抗不整脈薬を使用しなくなりました。
よく、「死にそうだから何とかして!」という心室期外収縮や上室性期外収縮のおばちゃん患者様が外来にいらっしゃいますが、いつも苦労します。心エコー等で基礎疾患がなければ治療不要なのですが、「問題ないので薬もいりません。安心してお帰りください」といっても「薬くれたり直したりするのが医者でしょ!」と取り合わないことが多いです。結局意味もないのに一晩入院させ、精神的に落ち着いたところで帰宅して頂くか、抗不安薬を処方し、適当に帰します。
しかし、勿論絶対治療の必要な不整脈の患者さんも沢山いらっしゃいます。心房細動は絶対治療は必要です。といっても絶対必要なのは不整脈そのものでなく、脳梗塞予防の治療です。ただ、心不全が起きる場合は除細動(不整脈を治す)をすることがありますが、それだってstudy上は否定的な結果が出たりしており、不整脈そのものの治療の是非はいまだ決定しておりません(現在は定説ではrate controlと脳梗塞予防だけで十分と言われていますが、それすら決着が付いていません)。
その他、心室頻拍、上室性頻拍で心不全が起きているものは治療の対象になりますし、失神を起こすような不整脈はペースメーカーの適応になっています。
しかし、いずれも適応基準は極めて厳格で、緊急例を除き安易に治療をすることはほとんどありません。

それくらい不整脈というのは治療が難しいのです。

>yamaさま
小生の医局のmainが不整脈だったので、(小生はmolecular系でしたが)周囲にはScilian Gambitとか小難しいことをいう連中がいっぱいいましたが、理解不能でした(笑)。
小生は不整脈に関してはイロハだけです。不整脈の専門家ほど複雑に話す傾向があり、循環器における不整脈は一般化されにくい領域だと思います。
十数年前は心房細動と言えばジギタリス、ワソラン、心室性不整脈と言えばリドカイン、メキシチールというワンパターンで良かったのですが(汗)。今では治療が180度変わったという感じです。心房細動と言えば、ワーファリン、心室性不整脈と言えば無治療あるいはベータブロッカーでしょうか??医学の中でこれほど変わった領域も少ないのでは。
最近困っているのが、心房細動に対するワーファリンです。脳梗塞と出血の狭間で苦しんでいます。投与しないと脳梗塞、投与すると出血。患者さんの説明にも四苦八苦です。こんなやりとりも更に10年もすれば全く変わるのではと思ったりもします。

No.62  Posted by: uchitamaさん

小生もワーファリンでいやな思いを散々しました。そのため、最近は少しだけワーファリンを効かす、ということをやっています。ここ数年出血性合併症はありません。
INRでいうと高齢者で1.4ぐらい、若年者でも1台後半にしています。

医療崩壊の次は官僚崩壊でしょうか

官僚の方が主催しているサイトからあるエントリーを拾ってきました
なんとなく、医師の方々と共通点があるような
http://bewaad.com/20060528.html#p01

>>No.64のしまさん
これなんか秀逸ですな。

>804 名前:名無しさん@6周年[] 投稿日:2006/05/27(土) 03:54:07 ID:b6V14tjL0
>
>>>ところで、なんで官僚って許認可で苛めるの好きなの?
>
>最初は何でも認可していた。そして怒られた。
>次に何でも認可しなくした。そしたらまた怒られた。
>その次に1回置きに認可と不認可を繰り返した。そしたらえこひいきって起こられた。
>サイコロ振った。そしたらまたえこひいきって起こられた。
>貝になった。そしたら仕事してないって言われた。
>何をしても怒られた。
>その内、怒られるゲームだと理解した。
>そして体の調子が悪くなってリタイア
>
>終了

これなんかも。

>844 名前:名無しさん@6周年[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 10:31:02 ID:/UNa1iEA0
>
>一応、国の機関で働いてるけどさ。
>
>土地柄、台風で大雨降ったり洪水したりする所なんだけど、ダムの建設計画進めたら市民団体&環境団体の反対でストップ。その間に洪水起こって、住民から集団訴訟w
>
>・ダムで放流中、夜通し対応して大変なのに、下流住民からひっきりなしにサイレンがうるさいとかクレーム電話殺到w
>
>・災害時、ろくに飯も食えず、寝れずに働いて、やっと飯食いに行けたと思ったら、業務中に私的で官用車を利用してるとクレーム電話w。
>
>・徹夜で台風対応してると、灯りが着いてるのを発見した住民が、電気代等が税金の無駄遣いだとクレーム電話w
>
>もうこの国駄目だな。

> uchitama様、 暇人28号様

INR 1.4というのはエビデンス的には低すぎます。しかし、海外文献の通りに2−3くらいでコントロールすると脳出血を起こしたり、胃潰瘍出血を起こしたり、私も患者さんとの関係が上手く言っていなかったら訴えられていたかも・・・というケースが1件や2件ではありません。かといってINRを低めに設定すると今度は脳梗塞になる。こういう経験も数件あります。日本人のエビデンスも無い以上、海外文献を拠り所とするわけであり、これもいくつかの学説があり、さまざまです。
ということで、私は合併症がなければ1.5-2.0くらいでコントロールしています。絶対に2.5は超えないようにしています。が、これとて機械弁の入っている人には足りない数値だという指摘もありますね。本当に難しいです。
ちなみに特発性の心室性期外収縮は無治療か、患者さんがうるさい場合は抗不安薬と決めています。しかし、最近の薬局は親切すぎ、さすがに「あら、これ不整脈の薬じゃなくて精神病の薬よ」という人はいませんが、ご丁寧に薬の説明書に「これは不安をとるための薬です」と書いてある。で、患者さんにクレームをつけられるということも経験しております。

なんか、スレからだんだん内容がずれていっていますね・・・・。でも、不整脈とはこうも難しいものなんだ、専門家でも意見が分かれるんだ、ということを理解して頂ければと思います。

 血管外科領域でもPTINRはyama先生と同様、1.5〜2.0でのコントロールが主体です。(トロンボテストなら15〜30%)。TT30%以上では投与してもしなくても累積開存率が変わらないという報告が国内でも出ていたはずです。
 欧米では2〜3でコントロールですが、脳血管障害の発症頻度の問題で、相対的に日本の方が出血性疾患が多く、梗塞が少ないことから考えてもこの基準を日本に当てはめるのは無理があると思います。

> 僻地外科医様

コメントありがとうございました。

> 皆様

いずれにしても、教科書的にやっていても事故は起こるという好例であり、そのことだけでも一般の方々に広く分かって頂ければと思います。
いかに、裁判所が拠り所とする教科書・文献も役に立たないことが医学では数多く存在する、教科書通りやっていても事故や過誤は起きる、ということが分かって頂ければこの上ない幸いです。

 現在は県庁所在地の病院で働いています。 給料なんかは高給など欲してません。
 ただ最近の医療現場を取り巻く諸事情・社会風潮・危険や、年がら年中呼ばれかねない体質にはかなり疲労し・ウンザリしています。

 一応、PTINRは1.6〜2.6と2〜3の値で管理しています。 そしてTTOは10〜30%場合によっては〜50%台で管理しています。 しかし両者を同時に時々チェックするとPTINRの方がアバウトな印象があり、TTOの方が繊細な印象があり逆に良いんじゃないかと思ったりする事もあります、本当にPTINRでのコントロールが良いのかについては多少なりとも疑問に思い悩まされています。

 実際INR2〜3レベルでは脳出血や脳梗塞後の出血性脳梗塞を度々経験し、そのPtは致命的な後遺症を残しています。 こんな管理がPtのために本当にいいのか、疑問に思います。 また抗血小板剤との併用でのワーファリンコントロールのメリット・非メリットについても。

 かといってPTINRで良好なコントロールをしていても再脳梗塞を発症することも度々です。
 いろんな意味で不確実さを感じています。

 問題は学会が勝手に出すあまりに先行した「ガイドライン」と権威主義ではないかと思っています。 「ガイドライン」が出たらすぐにそれに従わないと訴えられかねないという風潮もおかしいと思います。 こんな「ガイドライン」は未だに不備で、すぐに変更になっていくような代物なのに・・・。
 また治療ガイドラインが一般に普及するまでのタイムラグも全く考えられていない。 いろんな意味で未だ不備な「ガイドライン」に、そのまま従う事の是非も論じられないまま、一方的に進んでいる実態を冷ややかに見ている状況です。

 実際の医療現場との開きがありすぎることが考えられていないのが問題だと思います。 そういう性質の人を中心に作られている「言いたい放題・ガイドライン」ではないでしょうか。
 医者の中にもあまり患者さんを見ずに、統計データで飯を食っている医者が居ます。 そんな方達がガイドラインの中で中心を占め、大口を叩いている最近の体質はおかしいと思っています。 

 現在は県庁所在地の病院で働いています。 給料なんかは高給など欲してません。
 ただ最近の医療現場を取り巻く諸事情・社会風潮・危険や、年がら年中呼ばれかねない体質にはかなり疲労し・ウンザリしています。

 一応、PTINRは1.6〜2.6と2〜3の値で管理しています。 そしてTTOは10〜30%場合によっては〜50%台で管理しています。 しかし両者を同時に時々チェックするとPTINRの方がアバウトな印象があり、TTOの方が繊細な印象があり逆に良いんじゃないかと思ったりする事もあります、本当にPTINRでのコントロールが良いのかについては多少なりとも疑問に思い悩まされています。

 実際INR2〜3レベルでは脳出血や脳梗塞後の出血性脳梗塞を度々経験し、そのPtは致命的な後遺症を残しています。 こんな管理がPtのために本当にいいのか、疑問に思います。 また抗血小板剤との併用でのワーファリンコントロールのメリット・非メリットについても。

 かといってPTINRで良好なコントロールをしていても再脳梗塞を発症することも度々です。
 いろんな意味で不確実さを感じています。

 問題は学会が勝手に出すあまりに先行した「ガイドライン」と権威主義ではないかと思っています。 「ガイドライン」が出たらすぐにそれに従わないと訴えられかねないという風潮もおかしいと思います。 こんな「ガイドライン」は未だに不備で、すぐに変更になっていくような代物なのに・・・。
 また治療ガイドラインが一般に普及するまでのタイムラグも全く考えられていない。 いろんな意味で未だ不備な「ガイドライン」に、そのまま従う事の是非も論じられないまま、一方的に進んでいる実態を冷ややかに見ている状況です。

 実際の医療現場との開きがありすぎることが考えられていないのが問題だと思います。 そういう性質の人を中心に作られている「言いたい放題・ガイドライン」ではないでしょうか。
 医者の中にもあまり患者さんを見ずに、統計データで飯を食っている医者が居ます。 そんな方達がガイドラインの中で中心を占め、大口を叩いている最近の体質はおかしいと思っています。 

P R

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