エントリ

 新潟市民病院(今井昭雄院長)で今月、熱中症などで入院中の同市の女性患者(70)が、栄養剤を注入するチューブを気管から肺に挿管され、死亡していたことが23日、わかった。同病院は医療ミスを認め、新潟東署に報告。同署は業務上過失致死の疑いで捜査を始めた。

 同病院によると、14日午後2時すぎ、30歳代の女性看護師が、鼻から胃に栄養剤を注入するチューブを交換する際に、誤って気管から肺に挿管した。その後、栄養剤約270ミリリットルを注入された患者は、午後10時すぎに呼吸状態が悪化。レントゲン検査などで、右肺に挿管されていることに気がついた。女性は重症肺炎などを引き起こし、21日に死亡した。

 看護師は、チューブが正しく挿管されたかどうかを確かめるため、聴診など所定の手順を踏んでいたが、ミスに気がつかなかった。患者は重い意識障害で、誤って気管に挿入されてもせき込むなどの異常が見られなかったという。

 今井院長は23日に記者会見を開き、「重い意識障害の患者に対するチェックが不十分だった」と謝罪した。来週、院内に調査会を設け、再発防止策などを検討する


栄養チューブを肺に挿入、70歳女性患者死ぬ…新潟
(2006年9月23日19時50分 読売新聞)

 同病院ではチューブを挿入した看護師が<1>55センチ以上入ったか<2>胃の音が聞こえるか<3>胃液が出てくるか――をチェックする。しかし、今回の事例では胃に挿入した場合と似た結果が得られ、誤挿入に気付かなかったという。今井院長は「3点のチェックだけでは不十分だった」として、手順を見直す方針を示した。

 朝日のほうが刑事責任追及に積極的なんでしょうかね。。。

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コメント(41)

経鼻栄養チューブの肺挿入、人工呼吸装置チューブの食道挿管。どちらもよくあります。どちらも聴診で確認するという手順になってまして、経験不足のスタッフは聞き取り間違いが多いし、最初はちゃんと挿入されていても、体位変更によって入る場所が違ってしまったりする。
 後者は呼吸状態が悪化してアラームが出るのですぐに対応できますが、前者は肺炎になるまで気がつかない。
 栄養チューブの先にpHセンサをつけておいて、pHが上がったら胃から外れたということでアラーム鳴らせばいいでしょう。

何らかの理由によって経口的に食事を摂れない時に、口や鼻穴から胃(または空腸あたりまで)に管を通して、液体状の食事(栄養剤)を投与するのは、しばしば行われます。私の守備範囲でも、意識状態が悪くて嚥下できなかったり、人工呼吸のために摂食できないほとんど全ての例に対して、このような方法で栄養をあげています。

本来であれば胃の中にあるべき管の先端が肺の中に迷入して、そこから栄養剤が流し込まれたとなれば、ひどい肺炎を起こしますから(誤えん性肺炎)、直接命に関わる状態になります。意識のある人の場合には、管の先が気管内に入った時点でひどく咳き込みますし、液体が注入されればさらにむせます。この記事では、患者の意識状態が悪かったようですから、管の先が誤った位置にあり、また液体が投与された時点でも気付かなかったのでしょうね。

管が胃ではなく肺のほうに入っていることは、かなり高頻度です。うちではX線透視下で留置したり、留置後に胸部X線写真を撮るようにしていますが、ここまで慎重にやっている施設は少ないでしょうね。これは自慢話ではなく、過去に複数回の痛い思いをしているからです。

私は保険査定は気にしていませんが(院長スミマセン)、胃管留置後の位置確認のための胸部X線撮影は、適応外として保険で査定されているかもしれません。また、X線撮影自体にリスクがありますから(将来の悪性腫瘍の原因となる)、悩ましいところです。

現場では経鼻栄養チューブが必要な状態で
栄養を続けることにどの程度意義があるか非常に問題を感じます
一時的な嚥下障害ならともかくも
9割以上は自発的な意思を示すことができない状態です
やりがいの無いこと甚だしい行為です
実は他国でもこういう状態の患者の扱いについては
非常に議論が不明瞭になっています
結局現場へ丸投げの現状が続くのでしょう。

ちなみに気管にチューブが入る状態ということは咳嗽反射が無いと
いうことでこれは相当な意識障害がすでにあることを示唆しており
はっきりいってかなり予後不良な状態です。

> <2>胃の音が聞こえるか<3>胃液が出てくるか

で、管の先が胃の中にあるかを判定するのは、難しいですね。9割以上はこの方法で大丈夫なのですが、肺にたまった痰の中に管の先端が位置してしまうと、例に管から空気を入れた時に「コポポポ」などという水泡音が聞こえ、あたかも胃液の中に先端があるような気になります。また、管に陰圧をかけて中身を吸い出しても、あたかも胃の内容物のような黄色や乳白色の液体(実は、痰)がひけてきたしますからね。

危ないものです。

今は私も老人病院に従事しているのでこの話は身につまされます。

経鼻胃管チューブは看護師さんに入れてもらうことがほとんどですが、先端が確実に胃の中に入っているかが最大の問題点です。上の書き込みにもかいてありましたが、普通は管を入れた後で先端から空気を送り込んで、聴診器をみぞおちに当て、空気の音が聞こえてくるか否かで判断します。

でもこれって危ないですよね。その空気の音が胃から聞こえてくるか、肺から聞こえてくるかなんて本当のところは誰にも分からない。

一番確実なのは透視下で造影剤(ガストログラフィン)を流し込んで確実に胃に流れ出るかを確認する必要があります。ただ、これももし肺に先端があるときにガストログラフィンを流し込んだら危ない。入れてみるまでわからないこともありますし。(透視下だったら先端の場所や出し入れすればある程度は推測できるけど、でもこれも「ある程度」であって100%ではない。)

2nd bestとしては、ポータブルでレントゲン写真をとって先端の場所を確認すると言う方法もあります。ただこれも非常に厄介で、管を入れたらレントゲン室からレントゲン写真の機械を持ってきてもらい、写真を撮ったらレントゲン室に戻って写真を現像し、それを入れた人間が確認し、もしも場所がおかしかったら再度管の出し入れを行い写真を撮り.......  なんて非常に煩雑になってしまい、ただでさえ煩雑な今の病棟業務では現実的ではありません。

また、当院では週1回交換しています(管が汚れてくるので)。これくらいの頻度だったらレントゲン撮影はまあいいですが、中には管を自己抜去してしまう人もいます。それも一日に何度も。そのたびに写真を撮ったり患者さんを透視室に運んだりなんて現実には出来ません。

続き:

最近では、医療費節減効果・安全性の観点から、点滴(末梢、中心静脈栄養問わず)を避けて経腸栄養をするように、厚生労働省自らが先頭に立って推奨しています。現に本年4月から、いわゆるNST(栄養サポートチーム)という行為に対してほんのわずかなお金を出すようになりました。
(ただ、これも数年経つとお金を出さなくなるんですよね。単なる導入させるための餌でしかない)

そういうこともあって経鼻胃管を使用した経腸栄養を行う機会が増えてきましたが、個人的にはこういう問題も起こるだろうなあ、と常日頃思っていました。そして現実に起こったわけです。

音頭を取った厚生労働省もちゃんと責任を取りなさい、と言いたいです。


それで、こういうことを遺族に話をしても頭に血が上っているので冷静に聞き入れることが出来ない。同じことを色々言い方を変えて説明しても理解できない。だけれども、そうなると、「納得できる説明がなかった」とか言うんですよね。
↑ 経験則からの判断です

皆様のコメントを読ませていただくと報道されていない本質の部分がよく解るような気がします。

暇人28号さんのNo.6の「・・・厚生労働省自らが先頭に立って推奨・・・」と言うのも、厚生労働省には、それなりの理由があるのでしょうが、現実を無視しているようにも感じます。

個々の病状や患者の状態の違いで、最終的には医師の判断及び患者(あるいはその家族)の理解が重要なのだろうと思いました。

No.7  Posted by: 売れない経営コンサルタント さん

>厚生労働省には、それなりの理由があるのでしょうが、現実を無視しているようにも感じます。

これに関しては、私も導入に関してはいいと思いますし、実際に治療効果が現れているので問題ないと思います。
むしろ、経管経腸栄養というのはそういう避けがたいリスクのある治療であること。また、そのリスクが起きた際に何でも業務上過失致死にすればいいというわけではない、ということが言いたいのです。

何か問題が起きたらすべて医療従事者が悪いので、その当事者はやめさせて賠償させて、最後には刑務所に入れろ、と言う世論は勘弁してほしい、と言うことです。

 中心静脈栄養をすれば、やっぱり気胸をおこしたり、内出血で死亡させたりすることがあるし。
 医行為はみんなリスキーなんですよ。

No.6  Posted by: 暇人28号先生の説明に
全面的に同意。こうしたクレーマー的
連中がのさばっているのに、それを無視
して「素人にもわかりやすい説明などと」
念仏を唱える自称法律家の言い分がいか
に現実から乖離したものか。アホらしい
ですわ。

少し前にストーカー殺人で警察に相談したのに適切な対応をとってくれなかった!問題だ!という報道がありました。24時間365日で死ぬまで警察官が付いていれば確かに「防ぐことは可能であった」かも知れません。しかし当然手薄になった他の方面で別な事件も起こるでしょう。
たとえ効果があるとしても実現性に乏しい対策というのはあまり意味がありませんし、医療事故と言われるものの多くに関してもこの種の問題が当てはまるのではないかと思います。昨今冗談交じりにしばしば言われることですが「殺人医師出て行け!」式の市民運動で医者が消え、医療事故は無くなった。しかしそこにはもはや医療自体も存在しなくなったでは医療事故撲滅に何の意味があったかということになりかねません。

健診などでは特にそうですが、人間の体が一人一人同じでない以上全ての面で見逃しも失敗も無く追求することは不可能であり、医療とは本質的に100%はありえないという前提を受け入れた上で利用すべき社会的資源だと思います。社会的にそのリスクを受け入れる一助となるのであれば公的保障制度等の拡充を図っていく方向がよいのかも知れません。

何をやるにしても、最近は「説明と承諾」を文書で行うようになって、非常に疲れます。こういう報道があると、今後は胃管留置も書面による説明と署名捺印を求められそうで、いまから頭が痛いです。

いま、うちの病院に外傷・出血を伴う、意識の悪い患者が救急搬入されたとすると、最初の1時間の間に求められる承諾書(原則として、患者かそれに代わる方の署名が必要)なのは、

1)血液製剤承諾書
2)輸血承諾書
3)感染症検査承諾書
4)造影剤を使用したX線検査承諾書
5)鎮静・抑制承諾書
6)中心静脈カテーテル留置承諾書
7)胸腔ドレーン留置承諾書
8)病状説明をおこなう対象者調査票
9)その他

ですね。まともに説明すると、それぞれ10分以上かかるものですから、救急治療と同時には説明は出来ません。

実際には「なかに説明書きが入っていますから、ちょっと読んでみてください。後から説明しますから、まずは、ここにおなまえと捺印を...。印鑑はお持ちでなかったら、サインで良いです。患者ご本人は、意識がないので(あなたにサインを)おねがしていいですか? 患者とのご関係と、住所・連絡先もここにお願いします」などといって、上記10枚近い用紙に、片っ端からサインしてもらっています。

もう、面倒でしょうがないので、まとめて束ねて表紙を付けて、表紙にサインをすればなかの全ての承諾書にサインしたと見なしたらどうかと提案しています。これらの承諾書は患者のためと言うよりも、医療従事者が身の安全を保つためで、これに時間をとられるあまり、治療がおろそかになっている気もしますが、仕方ないですね。

今度は「胃管挿入・留置承諾書」が導入されないことを、祈るばかりです。

空気注入音、胃液の逆流の確認だけでは確実ではありません。肺への誤挿入は起こります。記事では「医療ミスを認めた」と書かれてありますが、誤挿入自体は医療ミスかどうか。
咳反射などが全く起こらない状態は重度の意識障害が疑われますし、意識障害がなくても下位脳神経障害(球麻痺など)が重度な場合でもみられます。この確認方法で経験が十分ある医師が処置を行なったとしても起こりうることです。処置した看護師がきちんと確認していたのならば「事故」であって「ミス」ではないと思います。

経管栄養について。もちろん高カロリー輸液という選択肢もありますが、それによる感染、事故もあります。一般的に、二週間以上摂食・嚥下障害が続く患者には、短期的に経鼻胃管による栄養を行ないます。当科(リハビリテーション科)ではそれによって栄養を確保しつつ、嚥下訓練などを継続します。必要な栄養手段です。当院では昨年から全科、経鼻胃管交換のたびに管先端確認のためにレントゲン写真で最終確認をすることが医療安全委員会で決められました。その後は一件も誤挿入は起こっていません。

私は経口摂取困難がさらに長期化する場合、禁忌でない限り胃瘻造設に切り替えていきます。完成すれば誤挿入はありませんし、胃瘻ボタン交換も半年に一回程度です。

> 昨今冗談交じりにしばしば言われることですが「殺人医師出て行け!」式の
> 市民運動で医者が消え、医療事故は無くなった。しかしそこにはもはや医療
> 自体も存在しなくなったでは医療事故撲滅に何の意味があったかということ
> になりかねません。

私も良く同僚とこの話をします。

福島事件でも、1人しかいない産婦人科医が逮捕された結果、診療科が消滅してしまい、以後この病院では産科医療事故の発生は皆無になったわけです。これを、「福島県警が医療事故の撲滅に貢献した」と考えるでしょうか。県警内部で、この逮捕に対して表彰状が出たらしいですから、彼らは「貢献した。素晴らしい!」と思っているようですが。

法律的にいろいろ議論があることは、このブログで私もだいぶ理解してきましたが、医療過誤の当事者に対する現行の「懲罰処刑主義」は何とかして欲しいですね。

エントリーの趣旨とはどんどん離れてしまい、すみません。

> 当院では昨年から全科、経鼻胃管交換のたびに管先端確認のためにレントゲン写真で
> 最終確認をすることが医療安全委員会で決められました。その後は一件も誤挿入は起
> こっていません。

うちもこうしています。ただ、従来は行わなかったX線撮影を実施するコスト(実費+人件費など)が発生してしまいます。通常の「商い」であれば、このコストは適切なところに転嫁したいところです。思いつくのは医療サービスの消費者たる患者への転嫁ですが、無理ですね。公定価格ですから。

> 経口摂取困難がさらに長期化する場合、禁忌でない限り胃瘻造設に切り替えていきます。
> 完成すれば誤挿入はありません

うちも積極的に胃瘻を作りますが、しかし、これにも「腹腔内栄養」などの合併症が起こり得ます。静脈栄養、胃管からの経管栄養、胃瘻からの栄養など、いろんな方法がありますが、それぞれ合併症はゼロではありません。

確かに「何もしなければ、合併症はゼロ」なのですがね。触らぬ神に祟りなしというところか。

リスクは山ほどあって メリットがなんぼのもんなのか非常に
疑問の残るケースは非常に多い
この報道(船橋で胃ろうの合併症が訴訟になってましたな)の
影響は見えざるところでけっこう大きなものがあるでしょう

>某救急医さん
おっしゃるとおりですね。しかし「何もしないことが出来ない(しないことが困難な)」職業っていうのはどうしたらいいんでしょうか。結局、そこのところの矛盾に日々迷うわけです。

>いのげさん
胃瘻のリスクには発生すれば危険度が高いものがあります。ただ、瘻が完成するまで慎重に経過を見ればその後の合併症発生率は著しく低下します。厳密には、月に一回経鼻胃管を入れ替えるリスクとの比較をしないといけないと思っています。ただし胃瘻の場合、交換時の患者の苦痛は軽減できると思っています。

現時点では、交換回数、交換処置をする職種・経験のばらつきなどを考えると、適切に管理できる施設ではPEG(経内視鏡的胃瘻造設術)は早期から選択されていい方法と思います。

船橋の事例の経過
脳外科入院患者の胃ろう建設を消化器科に依頼
→消火器科が施行するも術後管理は脳外科病棟に丸投げ
→脳外科でチューブ交換して誤挿入→腹膜炎→訴訟

現実には消化器科が「完成するまで慎重に観察」
する(ベッドあや人員の)余裕が無い現場が全国に無数に存在する
消化器科が悪いと言っているのではなく、現実の問題が存在するのです。

というか、所定の手続きを踏んでいるので、普通は不起訴になると思うのですが、民事の場合どうなんでしょうか?これを医療過誤の範疇に含めるかどうかも疑問に残ります。私は過誤以外の事故と思うのですが、今回の場合病院が過誤と認めてしまっているし・・・。民事になったとしても多額の賠償となると怖くてマーゲンチューブ入れられません。
大体、手順を見直すといってもどうするのでしょうか?X線写真は某救急医様のおっしゃるように放射線被曝や保険の問題から無理でしょう。
それとも内視鏡下でやらないとダメになるとか・・・。

確かに、胃管を入れた後に必ずX線写真を撮るのは、面倒です。

必ず撮るのは、何かあった場合に、「留置後X線写真で確認しておきましたよ」という物的証拠(?)を残しておく意味合いが強いですね。内視鏡的に誘導した時のように、明らかに胃内に留置された場合でも、X線写真を撮ります。こんな場合には撮った写真は誰も見ませんけど(苦笑)。

患者のためと言うよりは、自分の身を守るためのことなので、一種の保険料と考えて割り切っています。X線被爆被害のことを考えると、患者には害になっている部分もありそうですが。

法律家の皆様
経鼻胃管の誤挿入を刑事で裁くのは止めさせて下さい、お願いです。
助けて下さい。
民事で償いをさせていただきますから。
このままでは本当に「そして誰もいなくなった」状態になってしまいます。
そもそも在宅で、経鼻胃管の自己抜去されても、レントゲンで確認できませんし。
胃瘻造設だって、術前の抗凝固療法中止で、心房細動患者の場合、脳塞栓再発のリスクもある訳ですから、全例に出来る訳でありません。
看護師や研修医がこんな調子で、送検されるなんて。助けてやって下さい。

内科では一般に胃管を入れているような状態の患者であれば寝た切り老人等が多くを占める事情もあり、こと被爆についてはさほど問題とならないだろうと思われます(むろん、外科系麻酔科系はこの限りにあらず)。
現場での手間や人手の件は置くとしても問題はやはりレセプトで切られる、あるいは切られないまでも今度は本当に必要なレントゲンが撮れなくなる恐れがあるということでしょうか(内科医は概ねレセプトを気にしながら診療に当たっているものです)。特に認知症老人で自己抜去が多いという患者に毎回レントゲンを撮った場合、病状的には安定期であることもあり経験論としてまず確実に切られると思います。
本件病院のように明確な基準を設けている施設はむしろ少数派で、現実的には患者の状態と家族の意向を図りながらケースバイケースでどの程度まで手間をかけるかを決めているところが多いのではないでしょうか。

ところで司法の場で「○○することが望ましい」式の判断が示されることは多々あるわけですが、レセプトの注釈にでも判例を一緒につけておけば多少は配慮される状況にあるのでしょうか?>経験者の方

>>No.22の老人の医者さん
>レセプトの注釈にでも判例を一緒につけておけば多少は配慮される状況にあるのでしょうか?>経験者の方

申し訳ないですがケースバイケースとしか答えようがありません。
審査する人間によっても基準が大いにブレますし。

ただ一般論として、検査回数は目に付きやすいところですので、全身状態が安定していると思われる老人が月5回ぐらい腹部レントゲンを撮っていて、それに対するコメントもなければ、おそらく私も査定するでしょうね。

スレ違いを承知の上で、もう一つ一般論として↓がよくまとまっています。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4870582988
あくまでも千葉県での例かもしれませんが、私も参考にしています。

私のところでも、先月からX線で確認することをはじめました。コストの問題はよくわかりません。どうなっているのかな。査定されているかも知れませんが、某救急医先生のおっしゃるように自分たちの安心料(保険料?)ですから。

新潟のケースも、X線さえとっておけば数千万円も支払う必要がなかったんじゃないかな。X線を撮ったからと言って、全てのご挿入をふせげるものではないとおもいますが(食道の形態異常があり、肺内と紛らわしい走行を示す胃管を見たことがあります)、数千万円が数百万程度にはディスカウントされたと思います。

ここら辺は、それぞれ納得のいく落とし所を見つける担当弁護士さんの力量次第です。元々のご病気の重症度がわからないので、このケースの数千万円と言う金額が高いのか安いのか、よくわかりません。

> 現実的には患者の状態と家族の意向を図りながらケースバイケースでどの程度
> まで手間をかけるかを決めているところが多いのではないでしょうか。

おそらく、主治医と患者の間の双方の納得点で妥協すると言うことなのでしょうが、こうすると、思いがけないことが生じた場合、主治医の個人的な責任を問われ(=「あなたが決めたんでしょ?」って感じ)ないでしょうか。

私のとこでは、「うちの病院ではこうすることにしています」と全病院的にポリシーを決めています。確かに査定の問題も残りますが、主治医の精神的な負担は楽になります。「○○することに決まっていますから」と患者への説明もはっきり言えます。

>医療人1号さん
>新潟のケースも、X線さえとっておけば数千万円も支払う必要がなかったんじゃないかな
中略
>数千万円が数百万程度にはディスカウントされたと思います。
支払いは保険から出るでしょうから数千万でも数百万でも病院としてのコストはさほどかわらないでしょう
それはよりはX線を撮るための検査費用や人件費、人的資源の問題の方が遙かに大きく結局、そのコストは病院の少ない利益を削るだけでしょう

毎回写真を撮るのは混合診療が可能であれば問題ないと思うのですけどね。でも、放射線被曝の問題が解決しません。

いっそ混合診療を解禁して、
「経鼻胃管を入れた後、確認のためにレントゲン写真や造影検査が望ましいです。しかし、保険からはお金が支払われませんので御本人の負担が必要です。その値段はレントゲンなら1500円、さらに造影までするなら8000円必要ですが、しますか?」
と聞ければいいですよね。

追加:
「つらいけど、胃カメラだとさらに確実です。10000円です。」
なんてなるんでしょうか。

これってアメリカ式医療制度ですね。

話のスジとは全く関係なく、経鼻胃管先端の確認は「エアを注入したときの振動を手で感じる」のが簡単で信頼性高そうな希ガス、と言ってみるテスト。

> 暇人28号様
加えて放射線も浴びますが、それでもいいですか?と聞かなければならなくなるかも。

No.12  Posted by: 某救急医さん
>今度は「胃管挿入・留置承諾書」が導入されないことを、祈るばかりです。

No.27  Posted by: yamaさん
>でも、放射線被曝の問題が解決しません。

X線のコストは病院の持ち出しですが、保険診療上は已む無しです。しかし、同意書になったら説明上、yamaさんのご指摘の問題を話さざるを得ず。
「被爆するからヤダ」となったら、万一誤挿入が起こり・・・・、そうなったら結局もとのレベル。確認は充分だったのか!?
同意書など役立つものではないというご意見も昔からありましたし。無間地獄を連想してしまいました。
100%安全保障はないことが、どうやったら患者サイドにわかってもらえるのでしょうか。

結局、何かあったらすべて医療従事者の責任となるわけです。

緊急事態で説明する余裕なし
→ 説明なしに診療したと訴訟が起こされる。

そうかと思って説明した
→  そんな時間があれば治療に専念するべきだった。結果として治療に10分遅れたので死亡したと逮捕される。


待機的な手術をするときでも......
事前に30分ほどかけて説明したとして、極まれな合併症が起こったら
→ その合併症は説明していないと訴訟をおこされる。

可能な限り説明したら患者さんから、
「そんな話を聞いたら怖くて出来ないじゃない」と叱責される。
結果として治療をせず退院し、その後病状悪化で死亡
→ 治療をしないことによる危険性を十分説明しなかったら治療を受けなかった、と訴訟をおこされる。

大体こんなところでしょうか。現実にこういう状況があるのです。

暇人28号さま
>追加:
 「つらいけど、胃カメラだとさらに確実です。10000円です。」
 
上部消化管内視鏡でも出血とか穿孔とか局麻アレルギーとか死亡とか。意思疎通の不十分な老人だと結構危ないです。
上部の承諾書とか造影CT同意書とかない病院でも一応「稀ですが致死的な合併症もあり得ます」くらいは言うように心がけていますが、いざ外来では忙しかったり言いにくい相手(全てお任せします的老人)だったりで、はしょってしまう事が多いです。言ってもカルテにはまず書かないので、承諾書の束ができる大病院の方が煩雑でも安心は安心でした。
中心静脈カテーテル挿入の承諾書は一般化しているんでしょうか?胃管チューブ挿入の承諾書も大いに実現しそうな気がします。
恐れているのは内服の抗生剤の説明・同意書ができること。薬疹が起きるのは医療ミスであると思う患者さんは結構いるように思います。一人に30分かけられるならそれもいいですが。

胃瘻つくっても「造設の時の説明は聞いて同意したが、チューブ交換の時に合併症が起きるなんて聞いてない!」というクレームはあり得えますし。
そして以前いた病院では胃瘻チューブの交換時期も、しばしばメーカー推奨の使用期限を越えていました。費用の問題、便宜上の問題(在宅で寝たきりで病院に連れてくるのが大仕事)、交換時の合併症の問題、挿入困難な患者(空腸留置チューブ)等で。このあたりも、もし何かトラブルがあれば格好の攻撃材料になるんだろうな(被告は金と手間を惜しんで劣化した古いチューブを使用していた…因果関係はないが云々)と思うと憂鬱です。

訂正です。
胃管チューブ…
チューブはナシでお願いします…

個人の意見なので、あまり意味がないかも知れませんが、
このような状況に陥ったとき、私は訴訟は起こさないと思います。

報道から考える限り、新潟市民病院の対応は問題ないし、
むしろ素晴らしいレベルだと思った訳です。

1.遺族への説明
2.記者会見
3.問題提起、対策の示唆

このような対応をどの病院でもやっているのであれば、
確かに不当な訴訟が多いとは思います

>>No.36のしまさん
民事ではそうかもしれませんね。

ただ、この事例では刑事事件になる可能性が出てきているのです。

全然関係ない話ですが、皆さんはマーゲンチューブという言い方はするでしょうか?私のところはしますが、和製英語でもなし、和製ドイツ語でもなし、一体何語なんでしょうね?

一番良いのは何もせず経過観察、その代わりいつか栄養失調で死にます、と説明することでしょうか?

 経鼻胃管で医療者側が全くいじっていないのにもかかわらず、かつ、数日普通に経管栄養出来ていたにもかかわらず、いつの間にか肺に入っていたという事故を聞いたことがあります。都市伝説ですかね?

>yama先生
 マーゲン・ゾンデとガストリック・チューブが混じっちゃったんでしょうね(苦笑)。
当院では胃管かマーゲン・ゾンデです。

>No.38  Posted by: yama さん

軽めの亀レス。
私は、N−GチューブかE−Fチューブといっています。医療関係者以外には「経鼻胃管といいまして、鼻から胃まで入れている栄養チューブ」といっています。

思い出した話です。看護師が、不穏の患者のN−Gチューブが深夜帯に抜けていたことを家族に説明したときに、「自己抜去」といって大変なご立腹を買っていたことがありました。「その現場を見ていたのか!うちの父は大事なチューブを自分で抜くようなことはしない」と。確かに現場を見られるほど人手はないのですが・・・・

重度の障害のある子どもが経管栄養を日常的にしていて、在宅で暮らしています。家では、家族がチューブの先端確認を胃の内容物を引いて行っています。学校では、看護師が配置されていますが、厚生労働省から示されている医療的ケアの通知には「チューブの先端確認は看護師が実施することが適当である」とされています。「必要」ではなく「適当」bとされていて、曖昧さを残しています。看護師がすぐに子どもの所に来れる場合は看護師にしてもらった方が良いが、教員もやむを得ない場合は出来るという風に判断して良いのだろうかと悩みます。とても危険な行為だということは承知なのですが。聴診器で音を聞いて判断するのは難しいと感じていますが、胃の内容物を引くことは出来ると思います。子どもの主治医の先生には胃の内容物を引いて5〜10ミリリットル引ければ間違いなく入っていると判断して良いといわれましたが、学校の看護師は胃の内容物を引くことは胃を傷つける行為だからやってはいけないといいます。医療の資格のない教員や保護者にとっては医療者に挟まれどうして良いか分かりません。

P R

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