エントリ

 豊橋市民病院(小林淳剛院長)で02年6月、肺炎で入院した同市内の会社員、当時52歳の男性が呼吸困難に陥り、内科医(33)が気管挿管を行ったが、心停止状態となり、その後蘇生(そせい)したものの後遺障害等1級(植物人間状態)となったことから、病院に対し慰謝料など8443万円を求めていた裁判で、名古屋地裁豊橋支部は27日、原告の言い分をほぼ認める判決を下し、5142万円を支払うよう命じた。

 病院側の説明によると、男性患者は92年から気管支ぜんそく、慢性呼吸不全で通院していたが、02年6月に肺炎を起こして入院。その日の夜、呼吸困難に陥り呼吸器を装着、さらに悪化したため気管挿管を行ったが、その際、男性医師が患者の首が猪首であり、のどに腫(は)れがあったことなどから手間取った。

 原告側はぜんそくなどそれまでの病状から、挿管に手間取れば低酸素性脳症が起きる可能性は予測できたとし、医療過誤を主張。04年7月に提訴した。

 病院側は、気管挿管は緊急時の対応であり、事前予測は困難だと主張、担当医に問題はないとしていた。

 今回の判決は原告の主張をほぼ認める形になった。早川勝市長は「判決文を精査して今後の対応を検討したい」とのコメントを発表。記者会見した天野裕司事務局長は「2週間以内に控訴か受け入れかを決める」と話している。

 報道を見る限りの意見ですが、「挿管に手間取れば低酸素性脳症が起きる可能性は予測できた」からといって予測可能性のみに基づいて過失を認めたとすれば、それは論理の飛躍だと思います。

 「挿管に手間取ったこと」が過失と言えるかどうかが問題にされるべきだと思います。

 予測が過失の根拠になるとしたら、ほとんどの不良な結果について過失があることになってしまいかねません。

 ただし、この批判が当たっているかどうかは判決を見てみないとわかりません。

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コメント(38)

「挿管に手間取ったこと」は常識的に考えて過誤ではなく、事故かと。つまり、過失は無いと常識的には考えれると思いますが・・・。
例によって情報が不足しているので今のところこれ以上は言えません。文面通りに解釈すればとても過失とは言えないと思いますけどね、常識では。

確かにこれだけじゃ過失かどうか見えてこないですね。
情報が伝わるように報道して欲しいとは思います。

「男性医師が患者の首が猪首であり、のどに腫(は)れがあったことなどから手間取った。」とあります。これは明らかに挿管困難例であると考えます。
そもそも肺炎はピンからキリまであります。重症化するかどうかの予測は元々困難ですが、例え予測できたとしても全例挿管するなんて無茶です。健康な人の歯やのどを傷つけたらどうなりますか?挿管は適切に行うべきで、今回も文面通りに受け取れば、重症化してから挿管しているので全く過失のない措置と判断できます。健康な時から挿管する方がよほど常識はずれですよね。

ただ、とんでもない失態をしたとかウラがあるのかもしれません。それが全く見えません。
文面通りであれば、豊橋地裁の無知と偏見から判決したとしか言いようがありません。願わくば、事故を起こした医師がちゃんと通常通りの業務を行えるように病院と社会は努力すべきですね。これはお願いではなく、人間として当たり前の行為だと思います(ちょっと怒りモード)。つまり、地裁の裁判官は常識はずれということで人間の心も持ち合わせていないと判断できます。

ついでに、これで訴えられ、裁判が成立するのであれば、怖くて肺炎なんて診てられません。全国のお年寄りの死亡数は鰻登りになりますね。肺炎患者は総拒否ですか?それとも「死ぬかもしれないけど、責任は持ちません」と患者と患者の家族に約束させて受け入れるべきなのですか?それはもはや社会基盤・サービス業としての医療ではなく、単なる医療商売です。
もう一つ言うと、今までこのブログに載っていた裁判例のほとんどは私は大なり小なり過失自体はあるものがほとんどだと思います(その過失が無視するくらい小さなものなのか、あるいは過失を裁くべきかどうかが問題)。しかし、この例は文面通りだと全く過失はありません。つまり、落ち度が全くないのに患者の状態が悪くなったら病院が有罪、ということです。これが怒りが収まらなくてなんというのでしょうかね?ここまで医師を侮辱した判決はあまり見たことがありませんね。

そろそろLevel 3さんから挿管困難例についてレクチャーがあるころかと大いに期待していたりします。

判決文や鑑定書を見ていないので、あくまで報道に基づく感想ですが、医療側にとって相当理不尽な判決のように思います。

※左のamazonの広告に不二ラテックスの「めちゃうす」が入ってるのはナゼ?

元内科医さん。
横レス(Level3さんでなくてごめんなさい)。

>原告側はぜんそくなどそれまでの病状から、挿管に手間取れば低酸素性脳症が起きる可能性は予測できたとし、医療過誤を主張。

喘息などなくても、挿管に手間取れば低酸素脳症になる可能性はいつも考えてます。緊急で自分しかいなければ、「入れにくい人じゃありませんように」と祈って覗きます。若い頃、筋ジストロフィー症の子供(頚椎から腰椎までの重度の側彎あり)の気管内挿管にてこずったことを思い出しました。

ともかく、呼吸状態が悪く猪首の患者を前に、気管チューブと喉頭鏡を握りしめた医者がとても手間取りたくって手間取ってるとは思えませんな。

>その日の夜、呼吸困難に陥り呼吸器を装着、さらに悪化したため気管挿管を行ったが、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
記事では上記記載されていますが、NIPPVのことでしょうか。2002年に普及していたかはよくわからないのですが。
ところで、m3に配信された、毎日新聞の記事は、同じ事件を報道しているとは思えないほど、意味不明の内容です。気管内挿管が手術ということになっていますが、どういうことでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
会社員、肺炎手術で植物状態に 愛知・豊橋市に5140万円
06/09/28
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:316644

損賠訴訟:会社員、肺炎手術で植物状態に 愛知・豊橋市に5140万円----名古屋地裁

 ◇医療過誤、賠償命令相次ぐ

 愛知県豊橋市の市民病院で肺炎の出術を受けた同市内の男性会社員(当時51歳)が植物状態になったのは、医師が適切な処置を怠ったためとして、男性の家族らが市を相手取り約8400万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が27日、名古屋地裁豊橋支部であり、島田周平裁判長は訴えを認め、市に約5140万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は肺炎が悪化したため02年6月入院。担当した内科医師(33)がのどに管を通す手術を行ったが、管がうまく入らず呼吸困難となり心肺停止状態になった。その後、蘇生措置で一命は取りとめたが植物状態となった。島田裁判長は「管の挿入が困難であると判断されるときは、応援を依頼したり他の方法を検討すべきだった」と医師側の過失を認めた。

 判決に対し、同市は「適切な医療行為をしたと考えているが、判決文を精査して今後の対応を検討したい」と話している。【渡辺隆文】

>>No.8の田舎の消化器外科医さん
>ところで、m3に配信された、毎日新聞の記事は、同じ事件を報道しているとは思えないほど、意味不明の内容です。気管内挿管が手術ということになっていますが、どういうことでしょうか。

何を今さらw

しかし、その点では地方紙の東日新聞の方がまだしっかりしてるのが情けないと言うか、何と言うか。
さらに東日新聞の記事では、さりげなく「気管内挿管」ではなしに「気管挿管」を使ってるし。

新聞と言えば、骨髄移植でもよく「手術成功」の見出しが踊ったりしますな。
移植を受ける側は骨髄液を点滴されるだけだ、っつうのにw

Level3です.
すみません,先に「医療崩壊」のスレッドに書き込んじゃいました
のでコピペしました.

>原告側はぜんそくなどそれまでの病状から、挿管に手間取れば低酸素
>性脳症が起きる可能性は予測できたとし、医療過誤を主張。04年7
>月に提訴した。
>
>病院側は、気管挿管は緊急時の対応であり、事前予測は困難だと主張、
>担当医に問題はないとしていた。

麻酔科医として一言,
「挿管に手間取れば低酸素脳症が起きる」のは医師なら誰でも知ってい
ますが,挿管困難かどうかは麻酔科医でもなかなか予測できないのです.緊急事態の時にすべての医師に即時の気道確保を要求するのは明らかに酷というものです.
次善の策として,気管挿管ではなくマスクによる用手換気を試みるべきなんですが,喘息がある(おまけに猪首)ならマスク換気も必ずしも容易ではないでしょう.「のどが腫れ上がっていた」ということなら喉頭浮腫を来して可能性もあります.これなら気管挿管(もしくは輪状甲状靭帯穿刺,緊急気管切開)しか方法がありません.
結論として,「一般的な医療レベルでこれを後遺症なく助けろ」というのは明らかに行き過ぎです.

「挿管に手間取れば低酸素性脳症が起きる」どころか、「死亡する」と思いながら、必死で助けようとしたわけですよね。

気管挿管困難なケースには、私も何回か遭遇しています。
夜中にたまたま病院にいて、他科の医師から助けを求められ、前歯をへし折りながら入れたこともあります。
挿管できず、結局、緊急に気管切開したこともあります。

たまたま、今までは助けられましたが、次は助けられないかもしれません。

その時は、訴訟され、敗訴を受け入れることを覚悟しなければならないのでしょうか?

目の前の患者さんを助けるプレッシャーで精一杯なのに、民事も刑事も心配しなければならなくなれば、救急に関わる現場から立ち去ろうとするのは当然なのではないでしょうか?
(その方が待遇も良く、人間らしい生活を送れます。)

新研修医制度で現場の矛盾を感じ取った若い医師たちも、訴訟が起きる可能性のある科を敬遠して出しいます。

「司法が医療崩壊を加速している」と言われても、仕方が無いと思います。

そろそろ、医師以外の方からもコメントをいただきたいです。

>「司法が医療崩壊を加速している」と言われても、仕方が無いと思います。
そろそろ、医師以外の方からもコメントをいただきたいです。

全く医療と離れた話ではないのですが、「医療用装置・機械」開発の現場では、製造物責任法(PL)の関係からだろうですが、敬遠こそまだ出ていないけれども、「できるだけ先行研究に移行したい」という若年研究者が増えているのは実感としてあります。

>「司法が医療崩壊を加速している」と言われても、仕方が無いと思います。

>そろそろ、医師以外の方からもコメントをいただきたいです。

実際に、刑事も民事もそうですが、訴訟というのは、被告にとっては、時間的にも、精神的にも、金銭的にも負担が大きいものです。

法制度なんだから仕方がないといってしまってはそれまでですが、特に損害賠償請求訴訟は、原告にとっては勝てば相当の金銭が手に入りますが、被告は勝っても何も手に入りません。弁護士費用の一部は出るかもしれませんが、失った時間も費用も精神も何も返ってきません。私たちのようにお手伝いだけの人間にとってもそうなのですから、まさに当事者の医師の方々にとっては、人生のかかった死活問題なのだと思います。

失ったものは返ってきませんが、少なくとも被告が勝訴したときくらいは、裁判により被告の被った、時間的、費用的、肉体的、精神的な負担を保障するような制度があってもいいと思います。

なお、刑事訴訟については、処罰対象は重過失以上でいいと思います。

この記事を読んでこんな事件があったことを思い出しました

>医師ら6人を書類送検 横浜労災病院の患者死亡
>横浜市港北区の横浜労災病院(藤原研司院長)で2004年、
>神奈川県小田原市の無職女性=当時(63)=が死亡した医療事故で、
>港北署は9日、業務上過失致死容疑で当時の集中治療室(ICU)副部長(43)と
>当直医ら医師3人、看護師3人の計6人を書類送検した。
>調べでは、女性は同年4月13日、交通事故に遭い病院に搬送された。
>ICUで継続治療を受けていた22日未明、看護師2人が体の向きを変えた際、
>気管を切開して取り付けていたチューブがずれ、修正した後に容体が急変。
>当直医が治療したが、女性は30日午前に死亡した。
>司法解剖の結果、死因は交通事故の負傷、慢性肝炎、チューブがずれたことによる
>低酸素脳症など、複合的要因での多臓器不全とみられる。
(3月9日 共同通信)

このような警察や裁判所の認識を考えると、
残念ながらこの国では当直業務中にたまたま急変に当たったというだけで
犯罪者にされる危険があるようです。
自分でも書いていて気分が滅入ってきました。

今回のアホ判決についてはさておいて
日本の裁判の公開性については大きな疑問が消えません
学校で習った裁判公開の原則は絵に書いた餅か大ウソでした
ここに来る医者の皆さんにとって判決文というものは
公開された情報どころか入手困難な情報という認識だと思います
法律家は国民から裁判の詳細を隠したいと思っているのではないでしょうか
判事のパソコンにあるテキストファイルをアップロードする事なんて
容量から言えば僕のポケットマネーでも全ての判決文を公開できると思います
アメリカのCDCの感染症情報はHPで全文公開されており
ネット端末の無い者は以下の電話番号に電話すれば無料で送付すると書いてある
医療制度研究の生データは1万人分が5万円程度で入手可能
詳細については無料で電話説明するとある
そこまでしなくていいからネットで公開していただきたい.

いのげさんから、公開裁判等についてのご指摘があったので、ご説明だけ。

公開裁判というのは、密室で国が変なことをしないように、裁判は公開の法廷で行うというものです。

憲法第82条
1項  裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2項  裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

ちなみに、民事訴訟事件の記録は誰でも閲覧できます。

民事訴訟法第91条
1項  何人も、裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。
3項  当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

過去の裁判例については、裁判所のホームページから検索できます。
http://www.courts.go.jp/
裁判所のHPでここまで検索できるようになったとは、隔世の感があります。
ただ、私は、判例検索の業者とも契約しております。

> じじい 様
というか、今回の事件は文面通りに読むと過失はありませんが・・・。

司法試験が変わり、今後、弁護士が増えていくと思われますが、私は弁護士は裁判を行うための存在ではなく、裁判をなるべく止めるための存在であると常々思っていました。それを、司法の方がどう思っているのか、お聞きしたいと思います。
私の認識は所詮素人ものです。もし、私の認識が間違っているのであれば、反論をお願いできればと思います。

所詮地裁は無知でアホだから控訴の制度がある、なんて言う人がいるかもしれませんが、たしかに精神的負担、金銭的負担、時間的負担を考えるとこれは妥当ではありません。地裁レベルで本来は決着がつけられるべきだと個人的に思います。

こんにちは、整形Aです。

まったくど素人の同様の書き込みで恥ずかしいのですが・・・。

昔、緊急性が高くなおかつ挿管が手間取りそうなケースで、気切が間に合わない時には、気節する部位に18ゲージくらいの太い注射針を何本か刺して、とりあえず気切の代用にする、といったことを教えられました。
まあ、自分はそういった局面に遭遇したことはなく、幸いなことに実践したことはありません。

今はそんなことは言わないのでしょうかね。
もっともこの方法でも、猪首の人だと注射針を刺すこと自体、結構難しそうですが。

18G針は手技本にも載ってますけど
出血したらまた「予見できた」とか
言われるのがオチでせう

こんにちは、いのげさん。

整形Aです。

確かに・・・。

太っていると甲状腺の位置関係がわかりづらいこともありますもんね。
甲状腺にいく血管を傷つけ、そこからの出血が気管をふさいで窒息、なんてこともありそうですね。

猪首で気管や血管の走行が確認できないにもかかわらず、不用意に太い針を用いた。結果は予見できたはずだ・・・って感じですか。

ところでLevel3さんが、「輪状甲状靭帯穿刺」について、既に述べられておりましたね。

今まで見たきたニュースからの印象でしかありませんが、この手のトンデモ判決は、中部地方の裁判で多いような気がしています。自分としてはとてもこの辺りで医療をする気にはなりません。愛知県で外科医として頑張っている同期の話では、研修希望が全く来なくて困っているそうです。判決の傾向による医療崩壊の格差。そのうち明瞭になってくるかもしれません。

No.17のyamaさん、弁護士にはいろいろな考え方の者がおりますが、私は、民事事件に関しては、紛争の解決が目的であり、交渉や調停や裁判というのは、その手段だと思っています。
訴訟をするとなれば、それなりの費用も時間もかかりますので、できるだけ訴訟にすることなく解決を図りたいと考えて仕事をしています。

私は、依頼者の主張内容や証拠関係を検討して、無理筋な事件は引き受けません。
費用対効果で最終的に依頼者に損をさせるようなことはさせたくありませんし、また、相手方から明らかに「言いがかりじゃねぇか。」と言われるようなことは法律で飯を食っている者としてしたくありません。
こういう対応をされた依頼者の中には怒り出す方もおりますし、同業者からは殿様だのいろいろ言われることもあります。

勝とうが負けようが依頼者の希望を尊重するという立場から、どんな事件でも引き受けてしまう弁護士もいます。
同業者から、ダボハゼだの着手金稼ぎだの呼ばれることもあります。

弁護士は、いまや自営業者です。
事件の依頼がなければ、収入が無いという点では、昔から自営業者だったのかもしれません。
ですが、以前は、弁護士法により、弁護士は広告等の営業活動が禁止され、民間企業の従業員になったり会社を経営したりする場合には弁護士会の許可を必要とし、国や地方公共団体の職員になることは禁止され、受け取る報酬額は日弁連の報酬規程によることとされていましたが、反面、弁護士の数は低く抑えられていました。
今は、司法試験合格者を増やし弁護士を大増員させる代わりに、これらの規制が撤廃されました。
国(宮内さんとも言うのかな?)が、弁護士を大増員させて、自由競争させようということにしたのです。
民間企業や官公庁での弁護士の雇用が爆発的に増えない限り、増員した弁護士は、市場に、いわゆる「弁護士」として放たれます。

私は、訴訟が増えて世知辛い世の中になるんじゃないかという不安と、そもそも自分自身食べていくことができるだろうかという不安の中で、日々の生活を送っています。


豊橋市民病院が控訴しなかった場合、医師の士気は下がるでしょう。
医局としても、医師の派遣に躊躇するかもしれません。
医局命令以外で赴任したいと思う医師はいないでしょう。
かくして、豊橋市民病院からは医師がいなくなるでしょう。

> PINE 様
弁護士さんも大変なんですね。でも、医師が真実と向き合うのが正しいと感じている(少なくともここに顔を出している大半の医師はそうであると思います)ように、弁護士さんも、大切なのは真実であるということに優先順位を置いて仕事して欲しいと、少なくとも我々は願っています。
例えば、依頼人が大事だからすべての理不尽な訴訟も引き受けるという姿は、自分で診るのはとても無理なのに患者がかわいそうだと引き受けてしまう無鉄砲な医師、あるいは、医の道そっちのけで商売に走る医師と通じるような気がしてなりません(あくまでも素人から見て)。

No.24のyamaさん、弁護士の多くは、民事事件などで依頼者から相談を受けたとき、まず事実(真実といってもいいでしょう)は何かを確認するところから始まります。
ただ、それは依頼者からの一方的な主張から判断していかざるをえません。
客観的な証拠(書面など)はあるのか、相手方はどういう主張をしているのか、などを聞き取って、相手方への請求が成り立つかを判断していきます。
ここらへんの感覚は、医療関係者にもご理解いただけるんじゃないでしょうか。

>例えば、依頼人が大事だからすべての理不尽な訴訟も引き受けるという姿は、自分で診るのはとても無理なのに患者がかわいそうだと引き受けてしまう無鉄砲な医師、あるいは、医の道そっちのけで商売に走る医師と通じるような気がしてなりません(あくまでも素人から見て)。

そういう医師を現実に目にしたことはありませんが、ご指摘は正しいです。
これから急激に始まる過酷な自由競争の中で、こういう弁護士が増えていくだろうと考えている弁護士は多いと思います。
理念を理屈として理解していても、背に腹は代えられないという面もあるでしょう。

法曹になるのに多額のお金が必要となった現在(法科大学院のことです。)、「弁護士になってモトをとれるか。」みたいな議論を目にすることがあります。
弁護士になる前から、給料や売上げのことを考えなくてはならないんだなぁと思いました。

#余談です。
以前は、相談内容から相手方への請求は難しいと判断できる場合、依頼者に「この請求は難しいでしょう。」と言えば、「納得できないです。」と言う人はいましたが、多くの人は「弁護士がそういうなら仕方ありませんね。」となりました。
ですが、最近では、「金払うのはこっちなんだから、つべこべ言わずにやってくれ。トンデモない弁護士だ。」と言われることが増えてきました。


記事のコメントから外れすぎて、申し訳ありません。

>ですが、最近では、「金払うのはこっちなんだから、つべこべ言わずにやってくれ。トンデモない弁護士だ。」と言われることが増えてきました。

最近我が国ではびこっている、根拠のない、過剰な権利意識が問題なんでしょうね。言ったモン勝ち、やったモン勝ち、理屈じゃなく俺がやりたいからやるんだ、文句があるかというように。一昔前は、一部のアウトローの方々だけの考え方が、いまじゃ普通の主婦やサラリーマンにも定着している。

そして、過剰な権利意識を助長する訴訟制度があります。訴訟では「訴権の濫用」としか思えないようなケースがよくみられますが、裁判所はそういった「濫用者」に非常に寛容で、実際に「訴権の濫用」が指弾されるケースは余り聞きません。個人事業者を相手に言いがかり的な訴訟を乱発し、嫌がらせをするケースさえ耳にします。

逆に医療訴訟では、一部の裁判官とは思いますが、大病院に対しては、裁判官が最初から「患者は実際に死んでんだから、お金ぐらい払ってやれよ」という偏見が入っているケースもあります。たとえ、原告側に不利な状況でも、被告に無過失立証を求めたり、序盤戦からやたら和解を勧め、和解に応じなきゃ負けさせるぞみたいな「威嚇」を行ったりします。

ある日の風景。

オーベンはちょっと昼食に。研修医は病棟に張り付いていた。心肺停止あり。医師
は自分しかいない。研修医は数少ない経験から気管内挿管を試みる。入らない。

試みても試みても我が挿管うまくいかず。

オーベンはたまたまコールの電波の届かないところにいた。結果、5分が過ぎ、患者には重度な脳障害が残った。

こんな真摯な研修医が訴えられてしまうということ。医師として、出来る限り対応しても、「危険は予見できた。他の処置を考慮すべきであった。」などとコメントされ、時間と金を浪費しトラウマが残る。

指導医や病院のシステムに問題あり?・・・・前半はある日の普通の風景である・・・・

飛行機、新幹線、街中、コールされても彼は二度とCPRをかってでない。医師としてのモラルはある。

多くの医師が躊躇し、名乗り出ない時代は近い。最新の救急蘇生ガイドラインの30:2ではなく、旧ガイドラインで行なったと訴訟されるかもしれないから・・・・

> PINE 様

> ですが、最近では、「金払うのはこっちなんだから、つべこべ言わずにやってくれ。トンデモない弁護士だ。」と言われることが増えてきました。

こうしてみると、医師の世界と弁護士の世界は似ていなくもないですね。こうしたとんでもない依頼人(患者)が増えていくことに懸念を覚えます。
ただ、弁護士依頼の場合、原則原告が費用を持ちますよね。でも、医療の場合、「金払うのは患者なんだからつべこべ言わずに治療しろ」と言われれば自費の時以外は「あれあれ?」と思います。というのはご存じとは思いますが、医療は原則保険を使います。つまり、国の税金からほとんど払われているのと同義なのです。
「とんでもない患者」の多くは残念ながら生保を受けている人たちです。金払わんと文句だけ言う、そういう人種です。もちろん、本当の生保の方もいますが、「とんでも生保」が多くなっています。

> そういう医師を現実に目にしたことはありませんが

私も同業者でこういう医師はあまり目にしたことはありません。しかし、おそらくマイノリティですが、いると思います。毎年のように保険過剰請求をしていることがありますから(名誉のために言っておくと、保険過剰請求の大部分は患者さんのために行った行為であることがほとんどです。が、不自然で度を過ぎた過剰請求はやはりあります)。また、医師ではなく事務サイドから過剰検査を行うように指示されることは珍しいことではありません。

> じじい様
> 「患者は実際に死んでんだから、お金ぐらい払ってやれよ」という偏見が入っているケース

私自身が関わったケースでも和解になりました。しかし、和解とは事実上の敗訴です。どう考えてもこちらが正しいケースでも和解という名の敗訴になります。しかも控訴できません。こうしたケースが結構多いそうです。
医療裁判は患者に不利、と言われていますが、私から言わせるととんでもありません。

弁護士はともかく、裁判官は中立でないといけないと思いますが、それは幻想なのでしょうか?

> 四半世紀勤務医 様
> 飛行機、新幹線、街中、コールされても彼は二度とCPRをかってでない。医師としてのモラルはある。

日本には良きサマリア法がありません。飛行機や列車の中で「医師です」と名乗り出るのは自殺行為です。
アメリカでも良きサマリア法が施行されるまでは名乗り出る人は少なかったと聞きます。施行を期に名乗り出る人が急増したそうです。

私がお手伝いをしたケースも、結局和解しました。

医療訴訟で患者の勝訴率は低いということですが、患者勝訴の中には和解も含まれるのでしょうか?和解になるケースも結構ありそうですので。

患者の勝訴率を評価する場合、実質患者勝訴である和解を含めた場合の勝訴率を考慮する必要があると思います。

>>No.29のじじいさん
全日病ニュースダイジェスト 2004年6月15日
http://www.ajha.or.jp/topnews/backnumber/2004/04_06_15_7.html
などによると、医事関係訴訟の終局として和解は50%前後、判決が40%前後です。
判決のうち50%前後が認容されていますから、結局のところ実質原告勝訴は
 50%+40%×50%=70%
となります。
低く見積もっても全訴訟の半数以上で原告側になにがしかの金銭が渡っている計算となり、とても通常言われているように「原告側が圧倒的に不利」とは思えません。
さらに裁判前に「示談」となっているであろう膨大な事案数を合わせたりすると、これはもう(数字の上では)完全に「ゴネたモン勝ち」の様相を呈してきます。

病院や医療機関の最大の義務の一つは医師に働きやすくすること。医師が、その能力を最大限に発揮できるようにすること。この様なことが、義務に含まれると思います。

No.23のERIさんの「豊橋市民病院が控訴しなかった場合、医師の士気は下がるでしょう。」というのは、そんな気が私もするのです。

「ゴネたモン勝ち」をなくすことは、正常な社会を保つためにも、必要である。有能な弁護士を病院や医療機関が雇っておくことが必要であると思いました。会社の法務担当者の様な仕事をする人であっても良いし、病院が個々に起用するのではなく、共同で費用を分担して効率化を図って良いと思うのです。

医療崩壊を防ぐために、病院や医療機関が、やるべきこともあると考えます。

>>じじいさん
元田舎医です。

例によって例の如くコピペご容赦。
==========================
789 名前: 卵の名無しさん Mail: 投稿日: 2006/09/29(金) 22:42:09 ID: o9mFi3nX0
当スレ的2006年のキーワードは「逃散」で間違いないだろうけど
2007年は「闘争」になるんじゃなかろうか
もちろん集団でデモとかストとかいう戦法は絶対にやらんだろう
新しい世代の医師たちが単独かつ同時多発に各地で当直拒否や
労基署への告訴等を起こしてくれそうな気がする
逃散とセットになってhit & awayが行われた場合は
さしづめ「逃争」か「闘散」かね

医師の労働問題がいっせいに社会問題になると面白いよ
遵法すれば今の保険診療体系なんて根底から成立しないからね
見物だ

799 名前: 789 Mail: 投稿日: 2006/09/29(金) 23:36:56 ID: o9mFi3nX0
「闘争」のもう一つの形態として「医療過誤訴訟での医療側の徹底抗戦」も
これから大きな流れになってくるんじゃなかろうか
この前の亀田総合病院のような「納得いかない!徹底的に争う!!」的な対応にね
安易な示談はおろか、裁判所からの和解勧告にも応じない病院が続々出てくるよ
弁護士は確かに増えるけど、増えた分をこっち側に呼び込めばいいだけの話
用心棒代はやっぱけちっちゃいかんでしょ

さらにもう一つ、「屈強な警備員の雇用」、さらにできれば
「退職警察官を警備員に雇用」もトレンドになるかもね

労基法を遵守し、DQNを排斥するシステムを備えた病院だけが医師を確保できる、
そんな時代の幕開けが2007年かと
==========================

No.32のコメントは
>>じじいさん
ではなく
>>No.31の売れない経営コンサルタントさん
宛です。
どちらかと言えば。

すみません。

名宛人があろうがなかろうが、どっちゃでもいい内容なんですけどね。

こんにちは、元田舎医さん。
整形Aです。

おっしゃるとおりですね。

引用から見ますと、
和解50%
判決40%、そのうち原告勝訴が40%
未決10%

と読み取れます。

未決は、そのうち和解か判決が下されるでしょうから、前2つと同じような比率で結果が出ると推定可能です。
そうすると(少し細かな計算になりますが)

0.5+0.4*0.4+0.1(0.5+0.4*0.4)=0.716=72%

通常の訴訟における原告の認容率80%代半ばとそれほど大きく違わないことになります。
もっとも、通常の訴訟でも和解はあるはずなので、原告に何らかの形でお金が渡る比率は80%台半ばよりはもっと高いとは思いますが。

「ごね得」であるかどうかは別問題として、今までここで弁護士さんたちが述べてきておられたように、医療訴訟における原告の勝訴率が30%台、というのはあたらないと思います。

そもそも単純に勝訴率でものを言っているのって滑稽だと思えませんか?一応自然科学の分野で論文を書いたりしている我々からすれば。

訴訟の起きる背景が同じという前提がなければ成り立たない比較。その辺りの検討なしではものは言えないはずです。

>>No.34の整形Aさん
こんにちは。

No.30での計算、とくに「認容率50%」というのは最近のトレンドを踏まえたつもりだったのですが、↓を見ると、最近また認容率が下がってきてるんですね。
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/izikankei/toukei_03.html
失礼しました。

なお、上のリンクの兄弟階層には
第17回医事関係訴訟委員会・第15回鑑定人候補者選定分科会議事要旨
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/izikankei/yousi_017.html
なる文書がありますが、ここの「鑑定人、裁判所、訴訟代理人へのアンケート結果」はなかなか味わい深いものがあります。

例えば、鑑定人へのアンケート結果の最後が、
>・今回の鑑定を通し一線医療の遂行の難しさを実感した。
だったり。

> 元行政様
バイアスがかかっているというわけですね。しかし、究極の論文(バイアスのかかっていない論文)が存在し得ないように、勝訴率も同じなのでしょう。しかし、これだけははっきり言えると思います。言いがかりから示談なり裁判に持って行かれた場合、患者側は泣き寝入りと言われているけど、そんなことは無い。
データを読み解く力を日本人はほとんど持っていません。内閣支持率が45%から47%に増えたとマスコミでさえウソを言っている人種ですから。標準偏差さえ表示していない。結局、騙す方も騙す方だし、騙される方も騙される方なんでしょうね。きっと。

先生方の仰るとおり、法律屋の弄するレトリック、数字の魔術に惑わされてはいけませんね。奴らは、医療過誤訴訟ではまだまだ病院が有利だなどと真実に反する宣伝をして、今以上に医師から金を搾り取ろうという算段ですから。

患者の勝訴率が低いなどと滔々と演説していた弁護士のセンセイ、最近お見えになりませんね。論破されたから恥ずかしくて出てこられないのかも知れませんが、別の場所で同種のネガティブキャンペーンをしているのかも知れませんから、見つけ次第駆逐しないといけませんね。

それから、仮に見せかけの「勝訴率」が低かったとしても、患者が不利だとかいうことはありませんよね。そもそもチンピラの言いがかりとしか言えないような事件が大部分だということを考えると、裁判所は、チンピラの言いがかりのうち40パーセントだかにお墨付きを与えているわけですから、まさに噴飯モノですよね。自分の感覚では、適正な勝訴率は2パーセント位でしょうが、そういう事例は裁判になるまでもなく何らかの補償してますからね。病院が補償に応じないということは、要するに過失がないからなんだけど、そこを分かってないバカが多すぎますね。弁護士にも裁判官にもマスコミにも。

P R

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